春といえば？おすすめの観光40選！自然・祭・行事・食べ物などを紹介

日本には春に訪れたい観光スポットがいっぱい！

あなたは春といえば何を思い浮かべますか？梅や桜、雛祭りやサクラエビなど、日本の春ならではの楽しみはたくさんあります。

この記事では、日本の春にぜひ訪れたいスポット40選を紹介。春ならではの絶景や祭り、風物詩を代表するスポット、春のご当地グルメを厳選して解説します。ぜひ春の旅行の参考にしてくださいね！

春に訪れたい絶景18選

長い冬が明けると、各地が花の季節を迎えます。また雪解けがはじまり、潮の干満が一年で最も大きくなるのも春の特徴。それに合わせてこの時期ならではの絶景が各地に出現します。

まずは日本の春の絶景を紹介しましょう！

弘前公園の桜（青森県）

東北で唯一の現存天守とみごとな花筏

弘前公園は面積が約49万2,000㎡もある広大な公園。また美しい桜でも有名です。この桜は1715年に津軽藩士が25本の桜を京都から取り寄せたのがはじまりで、現在は約50種類、約2,600本もの桜が植えられています。満開の時期に開催される弘前さくらまつりは約200万人が訪れるほどの人気。とくに散りはじめた桜の花びらが外濠の水面を埋めつくす花筏（はないかだ）が有名です。

弘前公園内にある弘前城は、藩政時代に弘前藩を治めた津軽家の居城。現存する日本最北端の天守や5棟の城門、橋、濠など、大規模な城郭が当時の姿をとどめ、桜との競演を見せてくれます。2025年の桜祭りの期間は4月18日から5月5日の予定です。

白川湖の水没林（山形県）

雪解け水が生むファンタジー世界のような光景

白川湖はダムによる人造湖。春の訪れとともに大量の雪解け水が流れ込みます。満水になった白川湖周辺では木々が水没し、まるで水中から生えているように見える不思議な光景が出現。とくに早朝に朝霧がかかると、とても幻想的な風景になりますよ。

ダム湖が満水になっているのは4月中旬からの1ヶ月ほど。この時期しか見ることのできない景色はレンタルカヌーに乗って眺めることもできます。また夜にはライトアップも行われるので、キャンプサイトに宿泊すれば美しく照らし出された水没林を眺められますよ。

白石川堤一目千本桜（宮城県）

蔵王連峰と1,200本の桜並木

白石川堤は、約8kmにわたり約1200本の桜並木が続く人気のスポット。4月上旬から中旬には淡紅色の桜が咲き誇り、白石川や蔵王連峰との見事なコントラストを見せてくれます。ソメイヨシノを中心とした桜並木が遠くから一望できることから一目千本桜とも呼ばれる日本有数の桜の名所です。

この桜は大正12年と昭和2年に大河原町出身の高山開治郎氏の寄贈によって植樹されたもの。名物となった桜の花は今では大河原町の町の花にも指定されています。例年4月上旬にはおおがわら桜まつりが開催され、夜にはライトアップも行われますよ。

あしかがフラワーパーク（栃木県）

世界的に大人気の藤の花が見頃！

桜だけでなく藤の花も春が見頃！1997年にオープンしたあしかがフラワーパークは藤の花で世界的に知られている施設です。もともとは1968年、足利市堀込町に開園した早川農園がルーツでしたが、都市開発のため閉鎖することに。その後、見どころである大藤を現在の場所に移設しました。

こうして新たにオープンしたあしかがフラワーパークは一年中いろいろな花が咲き誇るのも魅力です。栃木県の天然記念物にも指定されている藤の木は、例年4月中旬から5月中旬に見頃を迎えます。

600畳敷きの藤棚を持つ大藤や、長さ80mもの白藤のトンネル、きばな藤のトンネルなど350本以上の藤が咲き誇る姿は圧巻です。花の最盛期に行われるライトアップも幻想的。同時期に見られる5,000本のつつじや1,500株のシャクナゲも見逃せませんよ。

国営武蔵丘陵森林公園（埼玉県）

東京ドーム約65個分の公園が広大な花畑に！

国営武蔵丘陵森林公園は、明治百年記念事業の一環として304haの広大な丘陵地に整備された国営公園。全国ではじめての国営公園としても有名です。東京ドーム約65個分の広さをもつ公園内には雑木林を中心に、池、湿地、草地などが点在し、貴重な動植物を観察できます。

アスレチックコースなど家族で体を思いっきり動かして遊べる遊具がたくさんあり、エアートランポリンのぽんぽこマウンテンは日本一の大きさです。

そんな公園が花に包まれるのが4月。三大花畑が一斉に見頃を迎えます。運動広場花畑では日本最大級となる約70万本のアイスランドポピーが咲き誇り、西口花畑では約10万本のネモフィラが満開に。こもれび花畑では藤の花を逆さにしたような約4万本の紫・ピンク・白のルピナスが木漏れ日の下を彩ります。

くりはま花の国（神奈川県）

春はポピーが美しい広大な公園

くりはま花の国は、ポピー・コスモス園が人気の広大な公園。園内に入ってすぐ見えてくるポピー・コスモス園は1万8,000平方メートルの広大な花畑で、春になるとポピーが満開になります。春の開花時期に開催されるポピーまつりでは、イベント最終日には無料花摘み大会が行われ、花を持ち帰ることも！公式サイトで開催日をチェックしてお出かけするのがおすすめです。

くりはま花の国は花だけでなく、大型アスレチックやボルダリング、パークゴルフ場など遊べる施設が充実しているのも魅力のひとつ。斜面に広がる公園は散歩コースとしても人気で、運動不足の解消にもぴったりです。入場無料でいつでも入れるのも魅力ですよ。

みさか桃源郷公園（山梨県）

桃の果樹園はピンクの花もみどころ

山梨県といえば日本を代表する桃の産地。みさか桃源郷公園は桃の果樹園が周囲に広がる公園です。桃の名所である笛吹市の美しさを存分に堪能できます。桃の花が見頃を迎えるのは4月上旬で、一面に咲くピンクの桃の花の向こうに甲府盆地や南アルプスの景色が広がり、まさに絶景。

公園の周辺にも甲府盆地や南アルプスを一望できる眺望スポットがいくつも点在するので、ゆっくりドライブしてみるのもおすすめですよ。また園内には芝生の広場や滑り台、アスレチックなどの遊具も充実。子連れにもおすすめです。

花桃の里（長野県）

日本一の桃源郷といわれる人気のスポット

伊那谷と木曽谷を結ぶ国道256号線は、はなもも街道といわれる花桃が美しい通り。約40kmにわたり国道沿いに花桃が植えられていて、4月上旬から5月上旬にかけて一帯はまさに桃源郷のような雰囲気に！赤、白、ピンクの3色の花が約5,000本も咲き誇り、その美しいグラデーションは圧巻です。中央自動車道の園原ICからすぐなのでアクセスしやすく、車窓から花を楽しめるドライブコースとして人気ですよ。

また月川温泉郷や昼神温泉郷では散策をしながら花桃を楽しめるのが魅力。宿泊してゆっくり楽しむのもおすすめです。開花時期は開花状況を音声で知らせる花桃ガイダンスで知ることができますよ。

田んぼをつかった花畑（静岡県）

田んぼのシーズンオフに咲き誇る6種のワイルドフラワー

田んぼをつかった花畑は、約3万㎡の広大な農閑期の田んぼを利用した絶景スポット。アフリカキンセンカや姫金魚草、るりからくさ、つましろひなぎく、ひなげし、矢車草の花の種が蒔かれ、毎年2月中旬から順々に開花していきます。春には辺り一面見渡す限りがお花畑に！とくに3月下旬から4月上旬にかけては、那賀川沿いに広がる約6km、1,200本の桜並木も一緒に楽しめます。

花畑の中に置かれた人間や動物にそっくりなリアルかかしもみどころ。花の鳥居が美しい花畑神社や足湯も楽しめます。花畑の最後となるゴールデンウィークの5月1日から5日までの期間には、お花畑の終了に合わせて無料で花を摘むことができるので、時期を合わせて訪れるのもおすすめ！

破間川ダムの雪流れ（新潟県）

大量の雪が流れる風物詩

破間川（あぶるまがわ）ダムは、春に不思議な光景が見られるダム湖です。その秘密は冬の間の4m近い積雪と、春の急速な雪解け。周辺の山々からの大量の雪解け水が一気に流れ込むと急激に水位が上がり、圧縮された雪の塊が水面に浮かび上がるのです。割れてぶつかりあいながら流れてゆく雪の塊はまるで流氷。この光景は雪流れと呼ばれ、破間川ダムの春の風物詩となっています。

鑑賞に最適なポイントはダム全体を見渡せる浅草大橋の上や、ダムに到着する手前のトンネルを抜けた待避所あたり。時期は毎年微妙に異なるので、魚沼市観光協会に現在の状況を問い合わせをしてから出かけるのがおすすめです。

立山黒部アルペンルートの雪の大谷（富山県）

一生に一度は見たい雪の絶壁

立山黒部アルペンルートの春のみどころが雪の大谷。ロータリー除雪車が築いた雪の壁の中を歩くことができます。この雪の壁ができるのは標高2,450mのバス専用道路で、片車線が特別に歩行者用に開放されるので、その上を歩いて見学できますよ。

このあたりは世界でも有数の豪雪地帯。吹き溜まりになるため雪が積もりやすく、積雪量の多い年には雪の壁の高さは20mにもなります。その高さは10階建てのビルに相当！圧倒的な迫力の雪の壁は一生に一度は見たい光景です。また4月中は除雪車の実演も見られますよ。

いなべ梅林公園の梅（三重県）

いなべ市農業公園 梅林公園は、東海地区で最大規模の梅園。春には100種類、約4,000本の梅の花が咲き、白やピンク、赤の花のパッチワークのような眺めを楽しめます。まずは展望台から梅林公園の全景を眺めるのがおすすめ。雄大な鈴鹿山脈も一望できますよ。

この梅林公園の広さは38ha。広大な梅林には実梅が植えられているほか、花梅を中心とした庭園風梅苑やキャンプ場もあります。とくにひとつの花に紅白2色の花をつける『思いのまま』という珍しい品種の梅は必見ですよ。

また開花時期にはたくさんの屋台が並ぶほか、うまいもん市や猿まわし、大道芸などのイベントが行われる梅まつりも開催されます。

桜の通り抜け（大阪府）

大阪の春の風物詩

大阪の造幣局では、毎年4月中旬ごろの7日間、八重桜の開花時期に合わせて敷地内の一部を一般公開する『桜の通り抜け』が開催されます。明治16年に当時の造幣局局長が、局員だけの桜を楽しむのはもったいないと構内を解放したのがはじまり。旧淀川沿いの約560mを一方通行で通り抜けることから『通り抜け』と呼ばれるようになりました。

ここで見られるのは、関山、松月、普賢象、楊貴妃といった遅咲きの八重桜がメイン。ほかにも大手毬や小手毬など、他の場所ではあまり見られない珍しい品種も含めた130種以上の桜も咲くので、一般的なソメイヨシノや河津桜ではない桜を眺めてみたい人にもおすすめですよ。

海津大崎（滋賀県）

陸からも湖面からも楽しめる琵琶湖八景の名所

海津大崎は琵琶湖国定公園屈指の景勝地。琵琶湖の北端にある海津湾に突き出した岩礁地帯で、琵琶湖八景のひとつに数えられています。最大のみどころは、毎年4月に咲き誇る約800本のソメイヨシノ。この時期には湖岸一帯が華やかなピンク色に染まります。

約4kmにもわたって続く桜並木は、ドライブやサイクリングで堪能できるのが魅力のひとつ。また自然遊歩道が整備されているので、ゆっくり散策しながら眺められますよ。さらにシーズン中はお花見クルーズも登場。長浜港発着で湖面から桜をゆったり楽しめるため、こちらも高い人気を誇っています。

海津大崎は関西屈指の遅咲き桜の名所。一般的な桜の時期に出かけると早すぎることがあるので、開花情報をしっかりチェックしてから計画を立てるようにしてくださいね。

美杉のミツマタ群生地（三重県）

山が黄色く染まる幻想的な光景

美杉のミツマタ群生地は、山林に現れる幻想的な名所。昭和30年ごろに山林の多目的利用のため植えられたミツマタが平成24年ごろに大きく広がり、今では地域を代表する名所になりました。群生地の面積は約1.5ha。3月から4月頃にかけて黄色い花が山林の一帯を埋め尽くします。

ミツマタは和紙、とくに紙幣の原料として有名な落葉性の低木で、3つに分かれて成長し、その先に花が咲くことからミツマタと呼ばれます。

群生地があるのは駅や駐車場から少し離れた位置です。町では電動アシストつき自転車の無料レンタルが用意されているので、サイクリングをしながら見にいくのもおすすめですよ。

吉野山（奈良県）

日本を代表する桜の名所は展望台から眺めたい！

吉野山は、日本屈指の桜の名所。春には約3万本もの桜が咲きます。シロヤマザクラを中心にした約200種の桜が下千本から中千本、上千本、奥千本と順に開花。山全体が桜色に染まる様子はまさに圧巻です。吉野山が桜の名所となったのは、桜が御神木として保護されたから。金峯山寺が本尊の蔵王権現を桜に彫ったのがそのはじまりといわれています。

吉野山でのおすすめはロープウェイ。徒歩では桜を間近に眺めることになりますが、ロープウェイで一気に登れば、山全体を覆う美しい桜を一望できますよ。

鳴門の渦潮（徳島県）

最大の渦潮が見られるのは、春ならでは！

瀬戸内海を代表する景観が、鳴門の渦潮です。大阪湾と播磨灘の満潮と干潮のタイミングがずれ、大量の海水が鳴門海峡に流れ込むことでできるのが鳴門の渦潮。干満の差がもっとも大きくなる3月から4月に、渦潮も最大になります。

この時期にぜひ体験したいのが、渦潮の間近に迫る観潮船です。所要時間は30分ほど。渦潮の迫力のある光景をまさに目の前で観ることができます。

観潮船は兵庫県の淡路島と徳島県の鳴門市から出航します。鳴門市側のうずしお観潮船は、2種類の船があります。わんだーなるとは、定員399名という大型の船でゆったりと観潮できるのが特徴。2階の一等船室なら展望デッキから渦潮を見られますよ。水中展望室のある高速小型船・アクアエディは、水面下1mの展望室から海中のうずの様子を間近に見られます。

西都原古墳群（宮崎県）

日本最大級の古墳群と桜と菜の花

西都原古墳群は、東西2.6km、南北4.2kmの大きさを誇る日本最大級の古墳群。古事記や日本書紀の日向神話ゆかりの地で、パワースポットとしても近年人気を集めています。

春にはそんな古墳群で絶景が見られます。約2,000本のソメイヨシノが咲き、約8haの菜の花との美しいコントラストを楽しめますよ。視界全体に広がるピンクと黄色の眺めは3月下旬から4月上旬にかけて楽しめ、絶景です。

花の期間中は西都花まつりも開催。夜のライトアップや伝統芸能のステージなどもあり、自然の風景と歴史文化を同時に満喫できます。

春に楽しみたいお祭り・行事11選

日本の各地で開催される四季折々のお祭り。春にも魅力的な神事や催しがたくさん開催されます。

続いてはその中から厳選したお祭り・行事を紹介しましょう。

天童桜まつり（山形県）

将棋の駒の産地で開催される桜まつり

山形県天童市は、将棋の駒の生産量日本一を誇る街。ここでは2,000本の桜が咲き誇る桜まつりに合わせて人間将棋が開かれます。人間将棋とは桜の名所である舞鶴山の山頂に巨大な将棋盤を設置し、プロ棋士が対局するイベント。

甲冑姿の武者や着物姿の腰元に扮した人間を将棋の駒に見立て、棋士の指示に従って動かします。事前に応募すれば、駒武者や腰元になることも可能です。大きな将棋盤の上で駒になってみるのも楽しそうですね。

この人間将棋の後には、プロ棋士や女流棋士による指導対局や、百面指しも開催され、プロと対局する貴重な機会とあって多くの将棋ファンが集まります。周囲を彩る華やかな桜も見逃さないでくださいね。 

笠間つつじまつり（茨城県）

市民が植えて増えた見事なつつじ

標高143mの小高い丘にある笠間つつじ公園は、昭和42年から市民によるつつじ一株運動が行われてきたスポット。今では約7haの園内に約8,500株のつつじが植えられ、小高い山一面が真っ赤に染まるほどになりました。見頃にあわせて4月中旬から笠間つつじまつりが開催され、ゴールデンウィーク中の土日祝には日替わりでさまざまなイベントも催されます。

公園山頂までの道は30分から1時間ほどで歩けるハイキングコース。その途中でもつつじを楽しむことができ、山頂に広がる芝生広場に到着すれば、展望台から360度の大パノラマを眺められますよ。

厄除元三大師大祭（東京都）

東京に春を呼ぶ深大寺のだるま市

深大寺は関東屈指の古刹。厄除元三大師大祭はそんな深大寺の年間最大の行事です。山門の紅梅や白梅が見頃を迎える3月3日と4日に供物を火に投じて祈願する大護摩供（おおごまく）を実施。同時に境内では大小300もの店が並ぶ縁起だるま市が開かれます。

深大寺のだるま市は、東京に春を呼ぶ祭りとして有名です。購入しただるまは、だるま目入れ所に持っていけば目入れもしてもらえます。深大寺の目入れは、インドの梵字を書き入れる独特なもの。叶えたい願いがある人は購入してみてはいかがでしょうか。

信玄公祭り（山梨県）

世界最大の武者行列は参加もできる！

信玄公祭りは、武田信玄の遺徳を偲んで開催される1947年から続く歴史ある祭り。1,000人を超える参加者が戦国武者姿で集まる甲州軍団出陣がメインの行事です。

武田信玄率いる武者たちが上杉謙信の軍と戦った川中島合戦に出陣する様子を再現するもので、侍の最大集合記録としてギネス世界記録にも認定されています。その人数は1,000人以上。一般参加者が武装して行列に参加できるツアーも実施され、多くの歴史ファンが参加できる春を心待ちにしています。

出陣の行事は武田氏の居館跡地に建てられた武田神社での戦勝祈願式からスタート。その後、舞鶴城公園へ集結した武者たちは出陣式を行い、甲府駅前、平和通り、スクランブル交差点を行進。舞鶴城公園へと戻って帰陣式を行います。祭り期間中は打ち上げ花火などのイベント、出店もあるので、歴史好き以外の人でも楽しめますよ。

犬山祭（愛知県）

からくり人形と車山がみどころ！ユネスコ無形文化遺産の祭り

犬山祭は、1635年から続く針綱神社の祭礼。13輌の巨大な車山（やま）が犬山城下町を練り歩く祭りで、車山には江戸時代から伝わるからくり人形が備えられています。笛や太鼓の音にあわせて披露されるからくり人形がみどころ。国の重要無形民俗文化財、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている壮大な祭りです。

また13輌の車山はすべて愛知県の有形民俗文化財に指定された貴重なもの。重さ3トンを超える車山を豪快に持ち上げて一気に方向をかえるどんでんも大迫力です。

雅で美しい光景も写真ファンに人気。昼間は満開の桜と車山の競演、夜は各車山が灯す提灯の幻想的な眺めが楽しめますよ。開催は毎年4月の第1土曜日と日曜日です。

春の高山祭（岐阜県）

日本でもっとも美しい祭りのひとつ

春の高山祭は、高山市の日枝神社で、毎年4月14日と15日に開催される祭り。日本でもっとも美しい祭りのひとつとして、日本三大美祭に数えられています。また祭りで行う祭屋台行事は、ユネスコ無形文化財にも登録。絢爛豪華な祭屋台が街を進む光景を見るため、多くの観光客が集まります。

なかでもみどころは夜祭。多くの提灯を灯した祭り屋台が進み、歴史ある街は幻想的な雰囲気に包まれます。

この春の高山祭の別名は山王祭。秋に行われる八幡祭と合わせて高山祭とされるため、春の高山祭と呼ばれます。四季折々の美しさを堪能できる飛騨高山は人気の観光地なので、行事の時期に合わせて観光を楽しんでみてくださいね。

お水取り（奈良県）

8世紀から途絶えたことがない！奈良の春を告げる神事

毎年3月1日から2週間にわたって東大寺の二月堂で行われるお水取りは、8世紀から一度も途絶えたことのない古い仏教行事。東大寺は歴史上何度も焼き討ちにあって存亡の危機を迎えましたが、その間にもお水取りだけは毎年続けられてきました。

お水取りの正式名称は修二会（しゅにえ）。お水取りが終わる頃には暖かくなることから、奈良の春を告げる行事として知られています。期間中は夜の大鐘を合図にお松明に点火。夜半遅くまで仏の前で罪を懺悔し、世界平和と人々の幸せを祈る行が行われます。

クライマックスは3月12日の深夜。直径1mほどの大きな籠松明に火を灯し、本尊の十一面観音に供えるお香水を井戸から汲み上げる儀式が行われます。

長浜曳山まつり（滋賀県）

ユネスコ無形文化遺産＆日本三大山車祭

長浜曳山まつりは約450年の歴史をもつ祭り。日本三大山車祭のひとつで、ユネスコ無形文化遺産と国の重要無形民俗文化財にも指定されています。

毎年4月9日から17日まで開催される祭りのみどころは曳山と呼ばれる山車。江戸時代の中頃に造られた豪華な曳山は、当時の伝統工芸もみどころです。もうひとつのみどころは子ども歌舞伎。曳山の舞台上で5歳から12歳くらいの男の子たちによるすばらしい歌舞伎が披露されます。

祭りに行ったら長浜市曳山博物館も訪れるのがおすすめ。実物の曳山や、祭りの歴史がわかる資料などを展示しています。祭りではゆっくり見ることができない曳山の細部まで観察できますよ。

別府八湯温泉まつり（大分県）

山を焦がす大迫力の火祭り

世界一の温泉湧出量を誇る別府温泉で温泉の恵みに感謝するために開かれるのが別府八湯温泉まつり。4月1日からの期間中は市内約100か所の共同温泉が無料開放され、太鼓や伝統舞踊のステージやパレード、湯けむりのライトアップが行われます。山肌を焦がす扇山火まつりの炎もみどころです。

祭りが最高潮を迎えるのは最終日に別府駅前大通りで行われる湯ぶっかけまつり。温泉神社や周辺エリアの神輿が集結し、神輿に向かって60トンものお湯がかけられます。沿道にも桶とひしゃくが用意され、観客も神輿にお湯をかけることができるのがポイント。地元の方たちと一緒になって大騒ぎできますよ！

阿蘇神社の火振り神事（熊本県）

松明を振り回す勇壮な神事

阿蘇神社で毎年3月中旬に行われるのが、勇壮な火振り神事。これは神様の結婚式を意味する神事で、姫神の御神体が神社に到着すると氏子たちが茅で作った松明を振り回してお祝いします。拝殿で婚礼の儀式が行われる間も参道では火振りを継続され、火の輪で照らされる境内は神秘的な雰囲気に。この火振りは一般の人も挑戦できますよ。

豊作を祈って振る松明は、阿蘇に春を迎える風物詩としても有名。火振り神事が終わると阿蘇には本格的な春が訪れるといわれています。またライトアップされた横参道沿いの桜もみどころ。ほのかな灯りに照らされた桜も幻想的ですよ。

琉球海炎祭（沖縄県）

10,000発の花火と音楽のイリュージョン

沖縄の海開きシーズンとなる4月中旬に開催される琉球海炎祭は、日本で一番早い夏の花火大会。夏の風物詩である花火と沖縄音楽・文化を融合させる沖縄最大のエンターテイメントイベントのひとつです。

1万発の花火は、花火イリュージョンとしても日本有数の規模。春なのに真夏の気分を満喫できます。花火と音楽のショーはなるべく近くで味わうのが醍醐味。パーティー気分で盛り上がることができますよ。

春といえば！のおすすめ風物詩4選

日本の春には、全国的におなじみの風物詩もあります。それぞれの風物詩には、ルーツとなった催しや、とくに人気の高いイベントも存在。

ここではそんな春の風物詩を紹介しましょう。

ひなまつりの名所（京都府）

雛人形の本来の姿が見られる神事

春の風物詩といえば、3月3日のひなまつりがおなじみ。平安時代の貴族の衣装を着た華やかなひな人形を飾り、女の子のすこやかな成長を願います。

この雛人形のルーツは、流し雛。人の身代わりとなる形代（かたしろ）と呼ばれる人形に罪やけがれ、災いなどを移して川や海へ流す行事です。雛人形のもとは形代の一種でしたが、その後、雛壇に飾って桃の節句を祝う形に変化しました。

形代としての流し雛の風習が残っているのは、京都府など一部の地域です。とくに有名な神事が下鴨神社の流し雛。3月3日の桃の節句に行う流し雛では、米俵の両側にかぶせるさんだわらに雛人形を乗せて川に流し、子どもたちの無病息災を祈ります。平安装束の男女が境内の御手洗川に雛人形を流す様子は情緒あふれるもの。その後一般の人も参加して、購入した桟俵の雛人形を流すことができます。

お花見の名所（京都府）

日本初の花見はここで行われた？

春といえばおなじみの風習がお花見。一般的にお花見といえば桜の花を見て宴会をすることです。実は奈良時代まで花見といえば梅や萩の花が一般的だったそう。平安時代ごろから桜が日本の花の代表になってきました。しかし当時の花見は貴族などの特権階級が伝統行事として楽しんだものであって、現在のような宴会を行う花見ではありませんでした。

今のような花見の元祖は、豊臣秀吉が行った醍醐の花見。1598年の春に京都市伏見区の醍醐寺に700本の桜を植樹し、1,300名以上の臣下を従えて盛大に催した花見の宴で、桜を見ながら酒を飲んで騒ぐイベントでした。これはそれまでの花見の常識を覆すもので、諸説ありますが、この醍醐の花見が民衆に広がって現在のお花見文化が生まれたといわれています。

醍醐寺では現在でも毎年4月第二日曜日に豊太閤花見行列を開催。多くの桜が咲く境内を秀吉などに扮した100人以上が練り歩き、華やかな花見を再現します。

田植えの名所（千葉県）

日本三大御田植祭を見に行こう！

春を迎えると日本各地で行われるのが田植え。農作業としての田植えのほか、神事としての御田植祭も各地で開催されます。御田植祭は田植えの始まる季節に合わせてその年の豊作を祈願するお祭り。

全国で行われていますが、そのなかでも日本三大御田植祭と呼ばれるのが、千葉県の香取神宮で行われる御田植祭（おたうえまつり）と、三重県の伊勢神宮で行われる磯部の御神田（おみた）、大阪府の住吉大社で行われる御田植神事（おたうえしんじ）です。

香取神宮の御田植祭は室町時代から行われている神事。2日間にわたって行われる祭りで、耕田式と田植式という2種類の行事が行なわれます。耕田式では香取神宮で稚児による舞いが披露されるほか、田植えを行なう役目の女性である早乙女手代（てしろ）による植初が披露されます。

田植式では稚児と神職、早乙女手代が御神田へ向かい、実際に苗を植える様子を見学できますよ。

こいのぼりの名所（群馬県）

世界記録に認定された5,000以上のこいのぼりは必見！

こいのぼりは江戸時代に将軍に男の子が生まれた際に家紋のついた旗や幟を立てて祝ったのがはじまりの風習。これが武家から庶民に広まると、武家の幟に対して町人の間では鯉をかたどったこいのぼりが上げられるようになりました。

家族を表現しているこいのぼりは、大きな黒い鯉がお父さん、次に大きい赤い鯉がお母さんで、青い鯉がこどもを意味します。基本のこいのぼりの数はこの3匹・3色。新たに男の子の赤ちゃんが誕生したらさらに下の鯉を足すこともあります。また近年は女の子をイメージしたオレンジやピンクのこいのぼりも登場。こいのぼりの上を泳ぐ5色の吹き流しは魔除けの意味をもっています。

そんなこいのぼりで日本を代表するイベントのひとつが、群馬県館林市のこいのぼりの里まつり。例年3月下旬から5月上旬にかけてたくさんのこいのぼりがあげられる祭りで、2005年には5,283匹のこいのぼりが登場し、世界記録に認定されました。

会場は鶴生田川、近藤沼、つつじが岡パークイン、茂林寺川、多々良の5カ所。鶴生田川の会場だけでも約3,000匹のこいのぼりがあげられ、夜間にはライトアップも行われます。4月には桜とこいのぼりの両方が楽しめますよ。

春に食べに行きたいご当地グルメ7選

四季がはっきりしている日本には、それぞれの季節に旬を迎える食材がたくさんあります。

最後は海産物を中心に、春が旬の食材と代表的な産地、食べに行きたいスポットを紹介しましょう。

しらす（神奈川県）

春の時期に楽しみたい生しらす

神奈川県の鎌倉や江ノ島エリアで人気のしらすは、3月から5月にかけて旬を迎えます。捕れたての新鮮な生しらすが味わえるのは春の間だけ！

観光で生しらすを味わうなら間違いがないのが、江ノ島です。老舗食堂の江の島ハルミや、江ノ島の玄関口にある海鮮料理の江の島貝作、江の島シーキャンドルの奥にある食堂遊覧亭、絶景のテラスが自慢の魚見亭などの名店があります。

気軽にしらすを楽しみたいなら江の島弁財天仲見世通りの散策もおすすめ。江島神社の参道にある人気の商店街では、しらすソフトなどの食べ歩きも楽しめますよ。

さくらえび（静岡県）

富士山とのコントラストが美しい天日干しも必見！

さくらえびは静岡県の駿河湾だけで漁が行われるエビ。資源保護のための禁漁期間があるので、新鮮なさくらえびを堪能できるのは3月から6月の春漁と10月から12月の秋漁の期間だけです。この時期には生のさくらえびもおすすめですよ。

そしてさくらえびの産地である由比・蒲原地区で春と秋に見られる風物詩が、さくらえびの天日干しです。由比港で水揚げされたさくらえびは富士川の河川敷に撒いて天日干しにするのが伝統。富士山を背景にさくらえびでピンクに染まった河川敷は絶景として有名です。

天日干しをはじめる時間は朝7時頃から9時頃。前日にさくらえび漁が出漁していることと当日晴天であることが条件です。見学するなら早めの時間にお出かけするのがおすすめ。小さなエビはすぐに乾燥するので、14時頃には干し終わって回収してしまいます。

ほたるいか（富山県）

漁の見学もしてみたい富山湾の特産

富山湾の春の風物詩としておなじみなのが、ほたるいか。春に生まれて1年で一生を終えるほたるいかが富山湾で漁の最盛期を迎えるのは3月から5月初旬ごろです。刺身や酢味噌和えから寿司やパスタまでさまざまな食べ方があるので、ほたるいかを目当てに旅行に行ってもずっと飽きずに楽しめますよ。

道の駅ウェーブパークなめりかわは、そんなほたるいかを味わえる人気のスポット。漁の本場だけあってほたるいかミュージアムも併設しているので、興味深いほたるいかの生態も知ることができます。また新鮮なほたるいかが味わえるだけでなく、ほたるいかバーガーなどのユニークなメニューもそろっていますよ。

はまぐり（三重県）

春と夏で味わいが変わる上品な貝

はまぐりは春から初夏にかけて旬を迎える貝。実は季節によって味わいが異なるのが特徴です。7月頃には身が丸く太り、うまみ成分であるぬめりが強くなってくるのに対して、4月から5月までの春はあっさりとした上品な風味が楽しめます。

はまぐりは千葉や熊本など全国に有名な産地がありますが、中でもよく知られているのは、桑名の焼きはまぐりで知られる三重県桑名市の赤須賀漁港です。はまぐりプラザはそんな赤須賀漁港のはまぐりを堪能できる施設。食堂はまかぜでは、焼きはまぐり定食やはまぐり丼、はまぐりうどんなどのメニューを楽しめます。

たけのこ（京都府）

顔を出す前に掘るのがコツ

春の味覚の代表がたけのこ。早いものでは3月中旬に市場に出回り始め、4月中旬から5月上旬頃に最盛期を迎えます。

おいしいたけのこの代表格が、京たけのこ。孟宗竹を独特の方法で栽培したもので、白子たけのこと呼ばれる最高級品は色の白さと刺身にできるほどの軟らかさ、豊かな風味が特徴です。この京たけのこは金属部分がとても長いクワを使って掘るのも特徴。地面のわずかな膨らみからまだ地中にあるたけのこを見つけ、周囲から深く掘り出します。

そんな最高級の京たけのこを新鮮なうちに買えるのが錦市場。約400年もの歴史をもつ商店街は京の台所とも呼ばれています。錦市場には生鮮食品や和菓子、お漬物、湯葉、陶器、西陣織など京都らしいお店がいっぱい。春には自慢げに京都産であることを掲げたたけのこも店頭にたくさん並びます。

さわら（岡山県）

魚へんに春と書く魚は瀬戸内で春に食べたい！

魚へんに春と書くのが鰆（さわら）。しかし旬は地域によって異なります。春に旬を迎えるのは関西や瀬戸内。関東では脂がのる秋から冬にかけてが旬といわれています。

春のさわらが有名なのは、さわらの消費量が全国の3割を占める岡山県。美味で知られるさわらは身が柔らかく、足が早いのも特徴。そのため新鮮なさわらは遠くへ出荷せず、地元で消費するのが一般的です。なかでも岡山県では鮮度のいいものを刺身で食べるのが人気。また岡山県のご当地料理であるばら寿司にも新鮮なさわらが使われます。

備前市にある海の駅しおじは、日生町漁協が運営している海の駅。海産物や加工品、地元のお土産などを購入できます。また目の前に魚市場の五味の市があるのも魅力。そこで購入した魚介類を持ち込んでバーベキューを楽しめます。こちらはオンラインによる事前予約制で、旬の魚介を堪能できますよ。

かつお（高知県）

春の初鰹はたたきが相性ばつぐん！

かつおの旬は年に2度。そのうち初鰹とよばれるかつおは3月から5月が旬の季節です。これは餌を求めて北上を続けるなかで水揚げされたかつお。北の海で餌を食べて大きくなった秋頃の戻り鰹よりも脂は控えめで身質はさっぱりしているのが特徴です。

刺身で食べてもおいしい初鰹ですが、さっぱりした身質と相性がいいのが、高知名物のかつおのたたきです。高知県では初鰹の水揚げが始まると観光客が一気に増えるほど。初鰹シーズンの高知は見逃せませんよ。

なかでも人気はなんといってもひろめ市場。高知市中心部にあるおなじみのグルメスポットです。60ほどのお店が集まるひろめ市場では、お店で買った料理をその場で食べられるのが大きな魅力。観光客だけでなく地元の人が大勢集まっていることからもおいしいことがよくわかります。もちろん一番人気はかつおのたたき。藁を燃やして豪快に焼く様子は大迫力ですよ！

春を見つけに旅に出よう！

春は日本の四季の中でもとくに観光におすすめの季節。美しい桜を中心に、景色や祭り、グルメなど、見逃せないスポットが目白押しです。快適な気候の中、日本らしい風景に出会える春。今までに体験したことがない春を探しにいってみてはいかがでしょうか。

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