ハワイ出雲大社とは？参拝方法や行き方、見どころ、日本との関係を紹介！

ハワイ出雲大社とは？

ハワイ出雲大社は、島根県の出雲大社の正式なハワイ分院。由緒ある神社です。

ハワイ出雲神社の御祭神は本家の出雲大社と同じ大國主大神。そのほかにハワイ産土神や、沖縄神社・波上宮・普天間宮の御分霊、恵美須神社、ワイアナエ氏神、稲荷神社・祖霊社、2023年まであったハワイ石鎚神社も合祀しています。日本にも多くの神を祀る神社はよくありますが、多国籍な神を祀っているところはハワイらしいですね。

ハワイ出雲大社の歴史

ハワイ出雲大社は海外の神社としてはとても長い歴史を持つ神社。創建は1906（明治39）年になります。

ハワイ出雲大社の建立の由来

ハワイ出雲大社は島根県にある出雲大社の正式な分院として建立されました。その背景には1830（文政13）年以降にハワイ移民が増えたことがあります。ハワイでは急増するサトウキビ農園や製糖工場で働く労働者を確保するために世界から移民を集め、1871（明治3）年には日本政府とハワイ王国の間で修好通商条約を締結しました。

その結果、多くの日系移民がハワイに住み着いたのです。故郷を離れた日系移民の心の拠り所として神道を布教するために設立されたのが、出雲大社教会所。移民には広島県や山口県など西日本の出身の人が多かったため、広島出身の神職が初代ハワイ出雲大社分院長となりました。

太平洋戦争による活動の停止

ハワイ出雲大社の活動によって出雲信仰は広がり、1922（大正11）年には現在の社殿が建てられました。ところが1941（昭和16）年に太平洋戦争が勃発すると、真珠湾攻撃の舞台となったハワイでは日系移民の立場は一変。アメリカ政府によってハワイの日本人は全宗教活動を停止され、財産を没収されました。さらに神職は身柄を拘束される事態に。教団は解散となり、社殿などはホノルル市郡政府に寄贈されることになりました。

戦後の復興

戦後になるとハワイ出雲大社ははヤング街の倉庫を改造して神社としての活動を再開。さらに1万人を超える署名を集め、社殿の返還を求める請願書をホノルル市議会に提出します。10年に及ぶ法廷闘争の後、1961年に社殿の返還が認められると、社殿は現在の場所に移転されました。

ハワイ出雲大社の参拝方法やお守りは？

ハワイ出雲大社は参拝方法が日本の神社の参拝方法とは少しだけ変わっています。それはハワイの神社だからではなく、古式作法を守っている出雲大社の分院だから。島根の出雲大社にお参りするときにも役立つので、ぜひ覚えてくださいね。

ハワイ出雲大社の参拝方法

ハワイ出雲大社参拝方法は、以下のようになります。

• 手水舎で手を清める
• 鈴を鳴らして神様にご挨拶をする
• 賽銭をそっと供える
• 深く2回お辞儀する
• 胸の前で手を4回打つ
• 心の中で感謝を述べてお祈りする
• 深くお辞儀する

重要なのは、個人的なお願いごとをするのではないということ。神社は神様に守っていただいていることを感謝するのが正式な作法。お願いがあるときもまずはしっかり感謝をささげてから、願うようにします。

そして大きく違うのは、4回拍手をすること。一般的な神社では2礼2拍手1礼が一般的ですが、出雲大社などの古式作法では4拍手です。

また出雲大社に伝わる以下の神語を唱えることも推奨されています。

• さきみたま、くしみたま、まもりたまい、さきはえたまえ

漢字で書くと、幸魂、奇魂、守給、幸給。少し難しい言葉ですが、ぜひ覚えてください。

もうひとつ気をつけたいのが、お賽銭。神社なのでつい日本円を入れたくなりますが、ここでは米ドルです。これはハワイならではの決まり。お賽銭は米ドルを入れるようにしてください。

ハワイ出雲大社の独特なお守りが魅力

ハワイ出雲大社はお守りも魅力的。出雲大社由来の日本らしいお守りもたくさんありますが、ハワイっぽいパステルカラーのかわいいお守りもあります。また英語が書かれたお守りが充実しているのも魅力。ハワイみやげにぴったりです。

• 幸運：HAPPINESS
• 愛情：LOVE
• 仕事：BUSINESS
• 安産：SAFE BIRTH

ホノルルマラソンのお膝元らしいお守り、そしてハワイらしいお守りも。

• MARATHON御守
• SPORTS御守
• WATER SAFETY御守
• TRAVEL SAFETY御守

ちなみに出雲大社は縁結びでお馴染みの神社。ハワイ出雲大社にも縁結びのお守りが何種類もそろっていますよ。

御朱印ももらえる

神社といったら御朱印を楽しみにしている人も多いはず。ハワイ出雲大社でも社務所でお願いすれば御朱印をいただけます。自分の御朱印帳を持参した場合、神主さんが忙しくなければその場で書いてもらえますが、外出中や他の方のご祈祷をしている場合などは、お願いしておいて後日取りにいく必要があることも。

ハワイ出雲大社オリジナルの御朱印帳は、グリーンとピンクがあり、かわいらしいのデザイン！ただし御朱印は参拝した証なので、お土産として購入することはできません。買えるのは自分の分だけ、1人1冊なので気をつけてください。

ハワイ出雲大社への行き方は？

ハワイ出雲大社はチャイナタウンの周辺に位置しており、ダウンタウンやチャイナタウンの観光と一緒に訪れるのがおすすめです。ワイキキ中心部からハワイ出雲大社までは車で約20分。

ザ バスに乗れば約30分でアクセスできます。2番や13番で「N Hotel St + Kekaulike St」で下車後、歩いて約5分の場所にあります。また、ワイキキトロリーのレッドラインでもハワイ出雲大社へアクセスでき、「ハワイ出雲大社前」で降りればすぐに到着します。ワイキキトロリーのレッドラインはホノルル美術館やチャイナタウン、カメハメハ大王像などにも停車するので、1日券を購入して郊外の見どころを巡るのもおすすめです。

ハワイ出雲大社参拝の注意点

最後に、ハワイ出雲大社を参拝する上での注意点を解説します。

御祈願は予約が必要

ハワイ出雲大社では、日本の神社でできる初宮参りや七五三、ご祈祷、結婚式なども行えます。ただしほとんどの場合は予約が必要。事前に電話かメールで問い合わせてください。

ハワイ出雲大社周辺の治安に注意

ハワイ出雲大社はオアフ島でも治安があまりよくないとされるチャイナタウンのすぐ横にあり、周囲の治安はあまりよくありません。

日本人は狙われやすいので、複数人で行動することと夜には近づかないことが重要。ハワイ出雲大社も17時にはゲートが閉まるので、参拝は明るいうちになるべく複数人でいくようにしてください。

出雲大社以外にもある！ハワイの神社

ハワイで出雲大社というだけでちょっと意外ですが、実はハワイには他にも神社がいくつもあります。

ハワイ金刀比羅神社・ハワイ太宰府天満宮

ハワイ金刀比羅神社・ハワイ太宰府天満宮は、金刀比羅神社の御祭神である大物主神や太宰府天満宮の御祭神である菅原道真公、さらに白崎八幡宮・海津見神社・水天宮・大瀧神社・稲荷神社と、7つの神社の御祭神が集まっている神社。創建は1920（大正9）年です。

ハワイ大神宮

ハワイ大神宮は、元は民家だった建物を使っている珍しい神社。伊勢神宮の分社として1903（明治36）年に建てられ、1958（昭和33）年に現在の位置に移転しました。ハワイ大神宮には、伊勢神宮と同じ天照大御神をはじめ、日本の八百万の神々、さらにアメリカの国父といわれるジョージ・ワシントンやエイブラハム・リンカーン、カメハメハ大王、カラカウア大王などが祀られています。

ヒロ大神宮

ヒロ大神宮があるのはハワイ島のヒロ。1898（明治31）年に大和神社という名前で創立されたこの神社は日本国外最古の神社です。こちらも伊勢神宮と同じ天照皇大神を主祭神に、豊受大御神やハワイの火山の女神・ペレも祀っています。

ハワイ出雲大社に参拝しよう！

ハワイ出雲大社は歴史ある神社。明治時代から日系移民の心の支えとなってきました。かわいらしいお守りも魅力です。とくに島根の出雲大社を訪れたことがない人は、ハワイを訪れたついでに出雲大社に参拝するのもいいのではないでしょうか。

cover photo by PIXTA