九州の空港はどこにある？一覧と特徴、主な観光地へのアクセスをご紹介

空港の種類とは？

ひとくちに空港といっても、実はいろいろな種類があるんです。それによって規模も変わってくるので、まずは空港の種類を簡単に紹介しましょう。

日本の空港は、空港の機能や管理主体などで以下のように分類されます。

拠点空港

• 会社管理空港：3カ所
• 国管理空港：20カ所
• 特定地方管理空港：5カ所

地方管理空港：54カ所

その他の空港：7カ所

どこが管理しているかなど、詳しく解説するとややこしくなりますが、拠点空港はその名の通り重要な拠点となる空港です。その中でも会社管理空港が最大規模。以下、下に行くほど規模は小さくなっていくイメージです。

日本の会社管理空港は、関東が成田国際空港、中部が中部国際空港（セントレア）、近畿が関西国際空港。九州にはこの規模の空港はありません。また全国に5カ所ある特定地方管理空港も九州にはありません。

九州の空港の種類は大きく分けて2種類

では九州の空港はどのように分類されるのでしょうか。一覧を紹介しましょう。

国管理空港

拠点空港の中でも会社管理空港に次いで規模が大きく重要な国管理空港。

日本に20カ所あるうち、九州には以下の7カ所が集まっています。

• 福岡空港
• 北九州空港
• 長崎空港
• 熊本空港（阿蘇くまもと空港）
• 大分空港
• 宮崎空港（宮崎ブーゲンビリア空港）
• 鹿児島空港

これは地域別では最多（都道府県別では北海道の4カ所が最多）。関東地方の国管理空港は東京国際空港（羽田空港）、中部地方は新潟空港、近畿地方は大阪国際空港（伊丹空港）、中国地方は広島空港だけであることを考えるとかなり充実しているといえますね。

国管理空港は規模も大きいので、九州地方への旅行では、主にこの7カ所の中から選ぶことになります。

地方管理空港

規模がやや小さくなる地方管理空港は、全国54カ所のうち、九州には13カ所が集まっています。

九州本土周辺

• 佐賀空港（九州佐賀国際空港）
• 壱岐空港
• 対馬空港（対馬やまねこ空港）
• 小値賀空港
• 上五島空港
• 福江空港（五島つばき空港）

薩南諸島

• 種子島空港（コスモポート種子島）
• 屋久島空港
• 奄美空港
• 喜界空港
• 徳之島空港（徳之島子宝空港）
• 沖永良部空港（えらぶゆりの島空港）
• 与論空港

離島が多い九州は空港も充実。主な島には飛行機で行けるようになっています。

九州の空港への直行便はどこから出ている？

では日本の主な空港からは、九州のどの空港に直行便が出ているのでしょうか？

東京国際空港（羽田空港）から直行便が出ている空港

• 福岡空港
• 北九州空港
• 長崎空港
• 熊本空港（阿蘇くまもと空港）
• 大分空港
• 宮崎空港（宮崎ブーゲンビリア空港）
• 鹿児島空港
• 佐賀空港（九州佐賀国際空港）
• 奄美空港

羽田空港からは7カ所の国管理空港に加えて、佐賀と奄美にも直行便が出ています。

成田国際空港から直行便が出ている空港

• 福岡空港
• 北九州空港
• 長崎空港
• 熊本空港（阿蘇くまもと空港）
• 大分空港
• 宮崎空港（宮崎ブーゲンビリア空港）
• 鹿児島空港
• 奄美空港

成田空港からもすべての国管理空港を含む8カ所に直行便が運行しています。

中部国際空港から直行便が出ている空港

• 福岡空港
• 長崎空港
• 熊本空港（阿蘇くまもと空港）
• 大分空港
• 宮崎空港（宮崎ブーゲンビリア空港）
• 鹿児島空港

中部国際空港（セントレア）からは6カ所。国管理空港のなかでも北九州空港へは直行便が出ていません。

関西国際空港から直行便が出ている空港

• 福岡空港
• 長崎空港
• 宮崎空港（宮崎ブーゲンビリア空港）
• 鹿児島空港

関西国際空港からは4カ所とかなり少なくなります。ただし大阪国際空港（伊丹空港）から多くの便が出ています。

大阪国際空港（伊丹空港）から直行便が出ている空港

• 福岡空港
• 長崎空港
• 熊本空港（阿蘇くまもと空港）
• 大分空港
• 宮崎空港（宮崎ブーゲンビリア空港）
• 鹿児島空港
• 種子島空港（コスモポート種子島）
• 屋久島空港
• 奄美空港
• 徳之島空港（徳之島子宝空港）

伊丹空港からは10カ所に直行便が出ています。国管理空港のなかでも北九州空港への直行便がない代わりに、薩南諸島への便が充実していますね。

九州の主な空港と観光スポット

では九州に出かけるとき、どの空港を利用すればいいのでしょうか？

ここからは九州の拠点空港である国管理空港の特徴と、主な観光スポットへのアクセスを紹介しましょう！

福岡空港

福岡空港は福岡市街地のすぐ近くにある空港。福岡市地下鉄空港線で博多駅まで約5分というアクセスのいい空港として知られています。福岡空港は、九州を代表する主要拠点空港。羽田〜福岡線は日本最多の便数となっています。

年間利用客数や着陸回数は日本の空港で第4位。一方で滑走路が1本しかないため、滑走路1本あたりの離着陸回数は日本最多なんです。

空港内の人気スポットは、ラーメン滑走路。国内線ターミナル3階にあって、空港に着いてすぐにラーメンを楽しめます。ラーメン店は福岡の名店を中心に、それ以外の地域の有名店も集まっているのが特徴です。

ビアホールの福岡空港ビアマルシェ SORAGAMIAIR（ソラガ・ミエール）も人気。解放的な空間の中、⼤型ビジョンで滑⾛路のライブ映像やスポーツ中継を見ながら食事を楽しむことができます。待ち時間にも飽きないのがうれしいですね。

福岡空港から行ける主な観光スポット

• 博多駅：地下鉄で約5分・車で約15分
• 天神：地下鉄で約11分・車で約25分
• 太宰府天満宮：車で約30分
• 九州国立博物館：車で約30分
• 久留米：車で約40分
• 柳川：車で約50分

北九州空港

北九州空港は福岡県北九州市にある空港。2006年に旧北九州空港の後継として開港した空港で、九州では唯一の24時間空港です。

福岡空港の発着数が滑走路1本での限界を超えていることから、LCCと貨物専用便は北九州空港を利用することが多く、スターフライヤーはこの空港をハブ空港（本拠地）としています。ちなみに北九州5:30発羽田7:00着の早朝便は、国内定期便でもっとも早い便です。

さらに24時間運用という利点を生かして最終便の時間がとても遅いのも魅力。仕事終わりに羽田空港からフライトして翌日たっぷり九州観光ということもできるのです。

空港カウンターやロビーなどで出迎えてくれるのは、銀河鉄道999のメーテル。これは原作の松本零士氏が小学生から高校卒業まで北九州市の小倉で育ったからというゆかりがあります。

北九州空港から行ける主な観光スポット

• 門司港：車で約35分
• 小倉：車で約40分
• 下関：車で約45分
• スペースワールド：車で約50分

長崎空港

長崎空港は長崎県中央の大村湾に浮かぶ箕島を埋め立てた空港。1975年に開港した世界初の海上空港です。本土との間は長さ970メートルの箕島大橋で結ばれています。

長崎空港の特徴は、教会の窓をイメージしたデザインや屋上の鐘など、各所が教会風になっていること。教会が多い長崎らしい雰囲気を味わえます。

陶板で作ったアートタイルも注目。1階のエスカレーター付近に長崎各地のお祭りを描いた8つの陶板画が飾られています。これは長崎県を代表するやきものである波佐見焼と三川内焼。佐世保市のYOSAKOIさせぼ祭り、諫早市ののんのこ諫早まつりなどが描かれています。また2階の天井に飾られているのは龍踊りの龍を描いたステンドグラス。ドイツの中世の技法を忠実に守って作られました。

1階から2階ではちゃんぽんや皿うどん、佐世保バーガーなどを食べることができ、3階の展望デッキでは飛行機の離発着を見ることができるのも魅力。長崎空港からは離島空路も出ているため、プロペラ機が見られることもあります。

長崎空港から行ける主な観光スポット

• 武雄温泉：車で約35分
• 有田：車で約50分
• 長崎市街：バスや車で約1時間
• ハウステンボス：車で約1時間
• 佐世保市街：車で約1時間
• 伊万里：車で約1時間
• 雲仙温泉：車で約1時間20分
• 島原市街地：車で約1時間40分

熊本空港（阿蘇くまもと空港）

熊本空港は、熊本市から北東へ約20キロ離れた阿蘇山の山麓にある空港。イギリスの格付け会社が選ぶ世界ベスト空港の国内線部門で2018年の世界第8位に選出されたこともある空港です。そして2023年3月には国内線と国際線が一体になった新しいターミナルビルがオープンしています。

モダンなデザインのビルは熊本城の黒漆・漆喰をイメージしたもの。館内のサインに使われているドーナツ型の円は、加藤清正の家紋の蛇の目の紋や湧き出す水の波紋がモチーフ。エントランス側に延びた長いひさしなどには熊本や九州の木材がふんだんに使われています。さらに1階の到着口には、熊本を流れる白川の砂利を使った阿蘇五岳の壁面アートがあり、熊本県八代市の名産であるイ草のベンチが置かれているなど、熊本の魅力を随所でアピール。もちろんくまモンのパネルもあって、人気のフォトスポットになっています。毎週土曜日の13時からはくまモンのステージもありますよ！ 

4階にある展望デッキは滑走路側へせり出しているのが特徴。飛行機をより近くから眺めることができます。

搭乗口の目の前のエリアでは熊本の名物をフードコート形式で味わえるのもポイントです。

熊本空港から行ける主な観光スポット

• 熊本城：車で約40分
• 熊本市内：バス・車で約40分
• 山鹿温泉：車で約45分
• 阿蘇山：車で約1時間
• 黒川温泉：車で約1時間20分
• 人吉：車で約1時間20分

大分空港

大分空港は大分県の国東半島の沿岸海域を埋め立てて作った空港。滑走路は海上にあります。計画は白紙になりましたが、航空機から小型人工衛星を打ち上げる水平型の宇宙港として使われる計画が一時話題になった空港です。

ユニークなおもてなしもこの空港の魅力。到着後に荷物を受け取る手荷物カウンターから、回転寿司のように大きなお寿司のオブジェが流れてきます。これは豊後水道でとれる新鮮な魚介類をPRするためにはじまったもの。大分空港の名物として定着しました。また手荷物カウンターの天井は200枚以上の魚拓でびっしり！ 大分市出身の南こうせつさんが実際に釣った魚の魚拓もありますよ。

そしておんせん県ならではのおもてなしが、足湯スペース。別府温泉のお湯を源泉掛け流しで楽しめるもので、定期的にハーブ湯やゆず湯などのイベント足湯も開催されます。

ご当地グルメも充実していて、待ち時間もたっぷり楽しめますよ。

大分空港から行ける主な観光スポット

• 別府温泉：車で約50分
• 由布院：車で約50分
• 大分市内：車で約1時間 
• 杵築：車で約30分
• 国東半島: 車で約60分
• 豊後高田：車で約1時間20分 
• 中津：車で約1時間20分

宮崎空港（宮崎ブーゲンビリア空港）

宮崎空港は宮崎県宮崎市の海岸地帯にある空港。市街地からの距離は約5キロで、アクセスが便利な空港です。

この空港は滑走路北側にNHKの朝ドラでお馴染みになった航空大学校の宮崎本校キャンパスがあるのが特徴。訓練機による離着陸訓練の様子を見ることができます。

屋上の展望デッキにはエアプレインパークがあり、航空大学校の訓練機が展示されています。この機体は、25年間に1,700名の航空大学生の訓練機として活躍したもの。航空大学校の仙台キャンパスで活躍していました。東日本大震災では訓練機のうち7機が津波にあった中、訓練中だったこの飛行機だけが被害を免れています。そのため訓練生からは、奇跡の飛行機・ラッキーガールと呼ばれました。機体に触るといいことがあるかもしれませんよ！

宮崎空港から行ける主な観光スポット

• 宮崎市街：車で約20分、電車で約18分
• 青島：車で約15分、JRで約23分
• フェニックス・シーガイア・リゾート：車で約25分
• 霧島温泉郷：車で約１時間30分
• 延岡：車で約1時間50分
• 高千穂：車で約2時間
• 都井岬：車で約2時間20分

鹿児島空港

鹿児島空港は鹿児島県霧島市の北東30キロにある空港。標高が272メートルと高いのが特徴で、特別に許可をとって低空飛行をした飛行機は着陸のために上昇することもあるそうです。この空港もイギリスの格付け会社が選ぶ世界ベスト空港の国内線部門で2023年の世界第7位に選ばれています。

鹿児島も温泉地ということで、こちらにもあるのが足湯。実は国内空港初の天然温泉足湯はこちらの方で、地下1,500メートルから湧き出る天然かけ流しの温泉となっています。

飛行機と鹿児島空港の歴史を学べるソラステージも必見。航空に関するさまざまな展示があります。鹿児島に拠点を置く日本エアコミューターの客室乗務員が実際の訓練で使用する実物大模型もあり、訓練をしている時間以外は見学が可能。パイロット気分が味わえる有料のフライトシミュレーターもありますよ。

また、空港なのにレンタサイクルがあるのもポイント。搭乗の待ち時間などに、空港周辺をサイクリングできます。

鹿児島空港から行ける主な観光スポット

• 鹿児島市街：バス・車で約40分
• 鹿児島南埠頭：車で約50分
• 人吉：車で約50分
• 知覧：車で約1時間10分
• 桜島：車で約1時間20分
• 指宿温泉：車で約1時間30分
• 枕崎：車で約1時間40分

九州の空港には魅力がいっぱい！

国管理空港が多く集まっている九州。それぞれの空港には魅力的な特徴があり、待ち時間にも飽きずに楽しむことができます。九州に出かけるときは、ぜひ空港にも注目してくださいね！

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