日本でシロイルカに会える水族館一覧!見どころポイントも紹介
シロイルカはかわいい表情とバブルリングなどの芸で知られる水族館の人気者。日本では4カ所の水族館でしか見ることができません。この記事では国内でシロイルカに会える水族館を紹介。それぞれの見どころやシロイルカの特徴についても解説します。
シロイルカはかわいい表情とバブルリングなどの芸で知られる水族館の人気者。日本では4カ所の水族館でしか見ることができません。
この記事では国内でシロイルカに会える水族館を紹介。それぞれの見どころやシロイルカの特徴についても解説します。
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シロイルカとは?
シロイルカは日本の水族館でもあまり見ることができない貴重な生き物。北極海やベーリング海の北部、オホーツク海などに住んでいて、アラスカやカナダ、グリーンランド、ノルウェー、ロシアなどで見られます。ではシロイルカはどんな生き物なのでしょうか?まずはシロイルカの特徴と魅力から紹介しましょう。
クジラの大きさだけどイルカ?
イルカとクジラの分類学上の違いは大きさだけ。一般的には大人になったときの体長が4メートルを超えたらクジラ、それ以下はイルカという分類になっています。
ただし一部に例外があって、ゴンドウクジラは4メートルよりも小さいのにイルカではなくクジラに分類。そして成長すると体長が4メートルから6メートルになるシロイルカは、逆にクジラではなくイルカに分類されています。
その意味でもシロイルカは特別な種類。ただし英語ではベルーガの他にホワイトホエール(シロクジラ)と呼ぶことも。イルカなのかクジラなのか、どちらともいえるということなのですね。
実はイッカクの仲間
シロイルカは分類学上は、哺乳綱 偶蹄目(鯨偶蹄目)イッカク科 シロイルカ属。あまり似ていませんが、頭の前にツノのようなもの(実際はキバ)が伸びているイッカクに近い仲間です。
子どもは白くない
シロイルカといえば、真っ白な体が特徴。ベルーガという別名もロシア語で白を意味しています。ただし生まれたときの色は灰色や茶色。成熟してくる5歳頃までにだんだん白くなっていきます。この白い色は、氷に覆われた北極海でシロクマなどの天敵から身を守る保護色になっていると考えられています。
また脱皮をするのも特徴。脱皮の時期が近くなると体の色が黄色っぽくなってきます。そして海底の砂地などにこすりつけて古い皮を落としていくそう。水族館でも時期が合えば脱皮の様子を見ることができますよ。
首が曲がり、口がよく動く
シロイルカが他のイルカやクジラとは大きく異なるのが、首があること。一般的なイルカやクジラは魚のように頭がまっすぐ前を向いたまま固定されていますが、シロイルカは首を自由に曲げることができるのです。
しかも多くのクジラやイルカ類の口は開閉できるだけですが、シロイルカの口は柔らかくてよく動きます。そのためアシカやアザラシのように表情があるように見えるのです。
海のカナリア
シロイルカはとても社交的な生き物で、同年代の同性が群れを作って行動します。子連れの群れやオスの大人だけの群れなどは数百頭になることも。そしてクリック音やキーキーという音、口笛のような音などでコミュニケーションをとっています。わかっているだけでコミュニケーションの音声は50種類以上。よくしゃべることからシロイルカは海のカナリアと呼ばれています。
おでこがぷるぷる
シロイルカの外見の特徴のひとつが、丸くてぷるぷると柔らかいおでこです。これはメロンと呼ばれる脂肪組織で、鼻の奥を振動させてできた音波をレンズのように集めて増幅させる器官。多くのクジラ類にありますが、シロイルカのメロンは丸くて柔らかく大きいのが特徴です。
シロイルカはこのぷるぷるの形を自分の意思で変えて幅広い音を出すことができます。
エコーロケーション能力がすごい!
シロイルカはよく鳴きますが、その反響で障害物やエサなどの位置を特定することができます。これはエコーロケーションという能力。流氷の下を泳ぐシロイルカは氷の隙間を見つけられないと窒息してしまうため、エコーロケーションの能力がとくに発達しました。
背びれがない
外見上のもう一つの特徴は、背びれがない、またはあってもとても小さいこと。これは北極の流氷の下を泳ぐときに背びれがあると擦って傷ついてしまうためだと考えられています。
歯はあるけど魚は丸飲み
シロイルカが食べるのは、魚やカニ、貝類、ゴカイなど。調査した結果、自然界のシロイルカの胃からは50~100種類ほどの内容物が確認されたそうです。水族館で飼育されているシロイルカのエサはサバやホッケ、アジ、サンマなど。口には歯が並んでいますが、噛んだりはせずに丸飲みしています。
シロイルカの歯はシャチやシロクマなどの天敵から身を守るための武器として役立つものの、エサを食べるときにはあまり意味がないそう。水族館では食事の様子もぜひ観察してみてください。
絶滅危惧種だった
野生のシロイルカの寿命は35年から50年。意外に長生きですが、昔は漁の対象になったこともあって絶滅危惧種のひとつになっていました。しかし現在は保護活動が行われて個体数が回復。準絶滅危惧種になっています。
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シロイルカがいる水族館一覧
シロイルカは世界の水族館で初めて飼育されたクジラ類の一種。でも日本でシロイルカを飼育している水族館はとても少なく、実は4館しかありません。まずはその一覧と、簡単な特徴から紹介しましょう。
- 鴨川シーワールド(千葉県):日本で初めてシロイルカの飼育に成功
- 横浜・八景島シーパラダイス(神奈川県):シロイルカの水掛けパフォーマンスが人気
- 名古屋港水族館(愛知県):日本で初めてシロイルカの繁殖に成功
- しまね海洋館AQUAS(島根県):バブルリングのパフォーマンスが大ブーム
それぞれに特徴があるのがおもしろいところ。以下、各水族館の見どころを詳しく紹介していきましょう。
鴨川シーワールド(千葉県)
海の動物たちのショーが楽しい大人気の水族館
鴨川シーワールドはシャチやイルカ、アシカによるパフォーマンスが有名な人気水族館。セイウチ、トドなどのフィーディングタイムも評判です。これらのショーは海の世界との出会いがテーマ。楽しみながら海の生き物が本来持っている能力を学べる内容になっています。
独創的なシロイルカのショーが楽しい!
シロイルカのショーも同じコンセプト。他のイルカのように派手な運動ができないシロイルカのためにトレーナーが水中に潜って行う水中パフォーマンスや、シロイルカのコミュニケーション能力やエコーロケーション能力を見せるパフォーマンスなどを行なっています。
マリンシアターではソニーの協力を得て超音波を可視化するモニターを開発。ベルーガの鳴き声やエコーロケーションが目でもわかるようにしています。エコーロケーションを利用して目隠しをしていても水中の障害物を避けるパフォーマンスも必見ですよ!
日本で初めてシロイルカの飼育に成功
そんな鴨川シーワールドは、日本で初めてシロイルカの飼育展示に成功した水族館です。カナダのハドソン湾に捕獲隊を派遣して、調査や捕獲、運搬などの技術も確立。その技術は世界の水族館でも役立てられています。
1976年に日本初の飼育展示を始めると、世界初の水中パフォーマンスも開始。それから長い間、日本でシロイルカが見られるのは鴨川シーワールドだけという状況が続きました。
2023年秋に赤ちゃんが誕生
シロイルカの飼育展示は早かった鴨川シーワールドですが、繁殖の成功は遅く、赤ちゃんの誕生は2021年の7月が初。2023年9月には鴨川シーワールドでは3頭目となる赤ちゃんも誕生しています。
おでこにタッチも魅力
鴨川シーワールドの人気プログラムが有料のディスカバリーガイダンス。笑うアシカとの記念写真や、トレーナー気分が味わえるイルカの海のコミュニケーションタイムなどたくさんのコースがあります。
なかでもおすすめのプログラムが、ベルーガにタッチ。マリンシアターの裏側で、シロイルカのぷるぷると柔らかいおでこに触れることができます。
鴨川シーワールドの基本情報 | |
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住所 | 千葉県鴨川市東町1464−18 |
電話 | 04-7093-4803 |
営業時間 | 9:00~16:30 |
休業日 | 不定休 公式サイトでご確認ください |
アクセス | 東京駅から電車で約2時間 海ほたるPAより車で約1時間10分 |
料金 | 大人(高校生以上) 3,300円、小人(小学生・中学生) 2,000円、幼児(4歳以上) 1,300円、60歳以上 2,700円 |
公式サイト |
横浜・八景島シーパラダイス(神奈川県)
遊園地併設で1日遊べる人工島の水族館
八景島は横浜市民のために作られた人工島。このあたりの沿岸部は埋め立てと開発が行われ、昭和30年代には市民がレジャーを楽しんできた海岸がすべて埋め立てられてしまったため、その代わりとして作ったのが、八景島です。
遊園地やショップ、レストランも充実した八景島の中心施設が、水族館のシーパラダイス。海・島・生きもののテーマパークで、アクアミュージアム、ドルフィン ファンタジー、うみファーム、ふれあいラグーンという4つのゾーンに分かれています。
ショーに出演するシロイルカ
シロイルカは、そんな八景島シーパラダイスで一番人気のアイドル。アクアスタジアムのショーで見ることができます。
八景島シーパラダイスでシロイルカをはじめて展示したのは1993年。現在はプルル(オス)、クルル(メス)、シーマ(メス)の3頭がアクアスタジアムの海と動物たちのショーに出演しています。
ジャンプなどはしない代わりに水を吹き出したり2頭とトレーナーさんで輪になって泳いだり、アクリルのフェンスの上に顔を乗せたりと、優雅で愛嬌もいっぱい。楽しいショーとなっています。
季節のショーも人気
八景島シーパラダイスのシロイルカのショーは、季節に合わせて行われるのも特徴。夏にはシロイルカの口から水を噴き出す特技を生かしたシロイルカのシャワーを開催。2月3日の節分の前後には、首を振ることができる性質を生かしたシロイルカの豆まきが開かれます。
人を驚かすシロイルカが話題
八景島シーパラダイスでは人を脅かして遊ぶシロイルカも話題になりました。水槽を覗き込んでいると笑ったような顔で近寄ってきて、こちらが顔を寄せたタイミングでグワッと口を開いて驚かせるのです。そして観覧者がびっくり慌てるのを見ると、満足げに去っていきます。反応が鈍いと何度も怖い顔をするそうですよ。
横浜・八景島シーパラダイスの基本情報 | |
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住所 | 神奈川県横浜市金沢区八景島 |
電話 | 045-788-8888 |
営業時間 | 平日 10:00~17:00/土日祝 10:00~18:30 ※施設により異なる |
休業日 | なし |
アクセス | シーサイドライン八景島駅から徒歩すぐ 首都高速湾岸線幸浦出口から車で約5分 |
料金 | アクアリゾーツパス 大人・高校生3,500円〜、シニア(65歳以上)3,000円〜、小・中学生2,200円〜、幼児(4歳以上)1,200円〜 ワンデーパス 大人・高校生5,700円〜、小・中学生・シニア(65歳以上)4,100円〜、幼児(4歳以上)2,400円〜 ※料金は特定日には変動 |
公式サイト |
名古屋港水族館(愛知県)
名古屋屈指の人気スポット
名古屋港水族館は約500種類の海の生きものたちと出会える名古屋屈指の人気スポット。日本と世界の海を再現した展示のほか、イルカショーやペンギンのフーディングタイムなど見どころがたくさんあり、事前予約をすれば飼育係のレクチャーやバックヤード見学などの体験学習プログラムへも参加できます。
日本で初めてシロイルカの繁殖に成功
名古屋港水族館は日本ではじめてシロイルカの繫殖に成功した水族館。2004年に誕生したベルが国内初の繫殖成功例となりました。これまでの繫殖で6例の正常出産に成功していて、これも日本一です。
名古屋港水族館のシロイルカ
名古屋港水族館では最初に6頭のシロイルカを受け入れ、ここで誕生した個体を含めて14頭のシロイルカを飼育してきました。
現在は4頭、ニコ(オス)、ミライ(オス)、グレイ(メス)、ナナ(メス)を飼育。北館のオーロラの海で会うことができます。
ハドソン湾を再現したプール
シロイルカがいるベルーガプールは、生息地であるカナダのハドソン湾を再現。ここでは健康的に飼育するためのトレーニングを毎日実施しています。トレーナーの指示に合わせてボール運びや水を飛ばす姿が見られますよ。
また土日祝日にはシロイルカの食事風景を見学できる限定イベントも開催。特徴的な柔らかい口を使って縦長の筒に入っているイカナゴを器用に食べる様子を見ることができます。
名古屋港水族館の基本情報 | |
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住所 | 愛知県名古屋市港区港町1番3号 |
電話 | 052-654-7080 |
営業時間 | 月により異なるため、公式サイトでご確認ください |
休業日 | 公式サイトでご確認ください |
アクセス | 地下鉄名港線 名古屋港駅から徒歩約5分 |
料金 | 大人(高校生以上)2,030円、小・中学生 1,010円、幼児(4歳以上)500円 |
公式サイト |
しまね海洋館アクアス(島根県)
中国・四国地方最大級の水族館
しまね海洋館アクアスは、西日本で唯一シロイルカが見られる水族館。中国・四国地方で最大級の水族館で、約400種1万点の生物を展示しています。4種のペンギンがいるペンギン館や、山陰の神話に登場するわに(サメ)を展示する神話の海、島根県の県魚でもあるトビウオやノドグロの展示も人気。
またナイトアクアスやバックヤードツアー、冬期のペンギンパレードなど、季節ごとのイベントも話題です。
シロイルカは性格もバラエティ豊か
シロイルカに会えるのはパフォーマンスプールと繁殖プール。シーリャ(オス)は好奇心旺盛でいたずら好き、ミーリャ(メス)は怖いものしらずでハイテンション、ナスチャ(メス)は気分屋でアネゴ肌、アンナ(メス)はのんびりやでマイペース、ランゲル(オス)は豪快でさみしがりやとそれぞれ性格が違うそうです。
バブルリングをブームにした水族館
シロイルカといえばバブルリングがおなじみですが、ブームを作ったのはしまね海洋館アクアスです。
これはアーリャというメスのシロイルカが一人遊びで作るようになったのがきっかけ。頭の上にある噴気孔から空気を吐き出し、それを口でくわえてからひょっとこのような口の形を作って吐き出すことできれいなバブルリングができたのです。
その遊びをトレーナーがパフォーマンスとしていつでも披露できるように練習しました。イルカの仲間は自然界でもバブルリングを作って遊びますが、パフォーマンスに取り入れられたのは世界初。CMにも登場して大ブームになりました。
マジックリング、ミラクルリングも人気
その後開発された技が、マジックリング。バブルリングは口でリングを作りますが、マジックリングは噴気孔から直接リングを作ります。さらに2016年には3つめの技のミラクルリングも登場。これはシロイルカがマジックリングの中をくぐる技で、正確にはくぐりながらリングを作っているそうです。
シロイルカパフォーマンスではシロイルカの生態や能力についても分かりやすく紹介してくれるので、楽しく学ぶことができますよ。
しまね海洋館アクアスの基本情報 | |
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住所 | 島根県浜田市久代町1117番地2 |
電話 | 0855-28-3900 |
営業時間 | 9:00~17:00(入館は閉館の1時間前まで) 7月20日~8月31日は18:00まで |
休業日 | 火曜日(祝日の場合その翌日) GW・夏休み・冬休み・年末年始・春休み期間は休まず開館 |
アクセス | 山陰道(江津道路) 浜田東ICから車で約5分 JR波子駅から徒歩約10分 JR浜田駅からバスに乗り、アクアス前バス停で下車すぐ |
料金 | 大人 1,550円、小・中・高校生 500円、幼児以下 無料 |
公式サイト |
水族館にシロイルカに会いに行こう!
シロイルカはクジラやイルカのなかでもとくにユニークな特徴を持った種類。首を曲げることができ、口を自由に動かせることで豊かな表情を見せてくれるのが魅力です。好奇心が豊かで遊び好きなので、見ていると近寄ってきてくれるかもしれませんよ。
輸送や飼育が大変なため、日本でシロイルカを見ることができるのは4カ所の水族館だけ。近くを訪れる機会があったら、ぜひかわいいシロイルカに会いに行ってみてください!
photo by PIXTA