プライオリティ・パスを国内線で使えるのは？ラウンジやお店を解説

プライオリティ・パスとは？

プライオリティ・パスは、世界各国の空港で利用できるコリンソン・グループの会員制サービス。有料会員になれば空港でのラウンジ利用など、いろいろなサービスを利用することができます。まずはその会費と、多くの人が選んでいるおトクな使い方、サービス内容について紹介しましょう。

最大の特典は、世界中の空港ラウンジが利用できること

プライオリティ・パス会員の主な特典は、世界中の空港のラウンジが利用できることです。豪華なラウンジでゆったりと過ごすことができるのは大きな魅力です。

プライオリティ・パスの年会費

プライオリティ・パスを使ってラウンジを利用するためには、年会費を払って会員になる必要があります。

プライオリティ・パスの年会費はすべてドル建てでの支払い。スタンダード、スタンダード・プラス、プレステージという3つのコースが用意されています。

※表の価格は2024年10月現在

各コースの主な違いは、ラウンジの利用料金です。

スタンダードの場合、年会費に加えてラウンジ利用料金が毎回35ドル（約5,233円）かかります。スタンダード・プラスなら10回まで無料。プレステージなら何回でも無料です。年会費は高くなりますが、頻繁に空港を利用してラウンジを使う人、レストランなどをおトクに利用したい人はスタンダード・プラスやプレステージを選ぶ方がいいかもしれません。

クレジットカードの付帯サービスがおトク！

日本では、プライオリティ・パスの会員にはならずにサービスを利用する人が大多数となっています。それはステータスが高いクレジットカードにはプライオリティ・パスが付帯されているものもあるから。年会費2万円前後のプラチナカードなどの会員になることでプライオリティ・パスのプレステージ会員になれるプラチナカードもあります。

そのためプライオリティ・パスの会員になるよりクレジットカードの上級会員になった方がおトクと考える人が多いのです。

世界1,600以上の空港で専用ラウンジが利用できる！

ではプライオリティ・パスの会員になるとどのようなサービスを受けることができるのでしょうか。

最大のサービスは、ラウンジの利用です。プライオリティ・パスを使えば、世界145カ国、600以上の都市の1,600以上の空港でラウンジを利用できます。使用できるラウンジはまだまだ増加中。フライト前後の時間に静かなラウンジでゆったりと体を休めることができます。

ほとんどのラウンジには無料のWi-Fiと充電サービスがあり、ちょっとした仕事なら十分にこなせるのもメリット！また有料になりますが同伴者もラウンジを利用できます。

ラウンジといえば軽食やドリンクを無料で提供していることがほとんど。場合によってはアルコールや食事が無料のラウンジもあります。空港内でレストランに行かなくてもいいので時間を有効に使えますね。

専用ラウンジがない場合も安心！

プライオリティ・パスは専用のラウンジも多く持っていますが、実は日本の空港には専用ラウンジはほとんどありません。では日本では意味がないのかというと、そのようなことはありません。

空港ラウンジにはプライオリティ・パス専用ラウンジ以外に、カードラウンジ、航空会社ラウンジ、有料ラウンジといった種類あり、プライオリティ・パス・ラウンジがない空港ではこれらのラウンジの一部を利用できるのです。

利用には制限や注意点も

ただしラウンジによっては、プライオリティ・パスでの入場を制限していることもあります。たとえば決められた時間しか利用できないラウンジもあるので、事前に利用できる条件を確認しておくことが必要です。

またプライオリティ・パスのスタンダード会員の場合、ラウンジ利用ごとに1回35ドル（約5,233円）の料金を支払います。しかし提携しているのが空港の有料ラウンジの場合、会員ではなくても1回1,000円から1,500円ほどで利用できることも。プライオリティ・パスを利用するとむしろ料金が高くなってしまうことがあるので、このようなラウンジでは注意が必要です。

お店の割引サービスが受けられる

プライオリティ・パスには、空港内の特定のレストランやホテル、リラクゼーション施設での割引優待サービスがあります。対象店舗ならプライオリティ・パスと航空券の提示で食事が無料や割引になり、おトクです。

ただしサービスの利用はラウンジ1回利用（35ドル）と同じ扱いとなり、3,400円分のサービスや割引が受けられるシステムであることに注意が必要です。こちらもラウンジ利用ごとに35ドルを支払うスタンダード会員ではむしろ損をするため注意しましょう。スタンダード・プラス会員でも、10回のラウンジ使用権のうち1回を使うことがトクなのか考える必要があります。一方で、ラウンジ使用無制限のプレステージ会員にとってはかなり有効なサービスです。

ほかにも世界で使えるサービスがいっぱい

日本国内ではまだあまり利用できませんが、世界の空港で利用できるサービスも紹介しましょう。

Be Relax Spaでリラックス

世界の空港にあるBe Relax Spaを利用できます。

エアポート・テイクアウトを利用

アメリカとイギリスの44の主要空港にある485店舗のカフェやレストランで事前注文をすることができます。

空港送迎サービスをおトク＆便利に利用

世界各地1,100か所以上の空港で、プライベート送迎サービスを割引料金で利用できます。

レンタカーも割引

世界の50,000カ所以上のレンタカー営業所で、レンタカーを優遇価格で予約・利用できます。

ご到着＆アシスタンスのサービス

サービスがある空港なら、スタッフが到着、出発、乗り換え、乗り継ぎのサポートをしてくれます。

オンデマンド ワークスペースの利用

80か国以上に数千も用意されたデスクやミーティングルーム、プライベートオフィスを予約して利用することができます。

WithUのメンバーシップが無料

プレミアムフィットネスアプリのWithU（ウィズユー）のメンバーシップを無料で利用できます。

プライオリティ・パスが使える日本のラウンジとショップ

世界1,600以上の空港で利用できるプライオリティ・パス。では日本の空港の場合、どのようなラウンジやお店が利用できるのでしょうか。

日本で使えるプライオリティ・パスの施設を一覧で紹介しましょう。

日本で使えるのは、5つの空港の28施設。ヨーロッパやアメリカを中心とした世界の主要空港と比べれば、まだ利用できるサービスは少なめです。しかしプライオリティ・パスが使える施設は頻繁に増えたり変更されたりするので、今後はさらに期待できそうです。

そして日本で使えるプライオリティ・パスのラウンジやお店のうち、国内線を利用する際に使えるのは、ちょうど半分の14。以下、空港別に解説していきましょう。

成田空港でプライオリティ・パスを使えるのは？

成田空港では、5カ所のラウンジと3カ所のレストラン、1カ所のカプセルホテルでプライオリティ・パスを利用できます。そのうち国内線で利用できるのは、2カ所のラウンジと2カ所のレストラン、1カ所のカプセルホテルです。

IASS Executive Lounge 1（ラウンジ）

IASSラウンジは、クレジットカードの上級会員が入れるカードラウンジ。JCB、UC、SAISON、AMERICAN EXPRESSなど多くのカードのゴールド以上の会員のために用意されたラウンジ。ただしプライオリティ・パスも提携しているため、会員は成田空港のIASSラウンジが利用できます。

IASS Executive Lounge 1は第1ターミナル中央ビル5階にあるラウンジ。中央ビル4階の中央エスカレーターから5階に上がって右手、北ウイングの右側にあります。出国審査前の一般区域にあるため、搭乗前や搭乗後、乗継でも利用できるラウンジです。

室内にはドリンクホルダーつきのゆったりした椅子が並んでいます。各席に電源とUSB端子が用意されているので、スマホの充電も可能。ノートパソコンなどで仕事ができるデスクつきチェアもあります。アルコールは入室時に受付で缶ビールか缶ウイスキーのどちらか1本を無料でもらうことができるシステム。ソフトドリンクはドリンクバー形式で自由にいただけます。

IASS Executive Lounge 2（ラウンジ）

IASS Executive Lounge 2は出国審査前の一般区域にあり、搭乗後や乗継でも利用できるカードラウンジ。場所は第2ターミナル4階北側です。出発階の3階から本館に入り、G搭乗手続きカウンターの隣にあるエスカレーターで4階に移動。左折するとラウンジの入口を案内する看板があります。

このラウンジは本来4歳から12歳の同伴者も有料ですが、プライオリティ・パス利用の同伴者は12歳未満が無料です。

ドリンクホルダーつきのゆったりした椅子が並んでいる室内は138席と余裕ある広さ。デスクつきチェアもあります。またこちらも受付でアルコール類1本を無料でもらうことができ、ソフトドリンクはフリーのドリンクバー形式です。

肉料理 やきすき やんま（レストラン）

肉料理 やきすき やんまは、やきすきをはじめとして、牛タンやトンテキ、鶏の一枚揚げなどの高級な肉料理を専門としている本格レストラン。場所は第1ターミナル4階のレストランエリアです。

スタンダード・プラスかプレステージの会員なら、ラウンジの無料利用回数分を使って、税込3,400円相当のセットメニューを無料でいただけ、最大2時間まで滞在できます。

ぼてぢゅう屋台（レストラン）

ぼてぢゅう屋台は、第3ターミナル ランドサイド2階のフードコートエリアにあるお好み焼き屋さん。国内線、国際線、到着時にも使えます。

ぼてぢゅうは戦後すぐの昭和21年に誕生した大阪定番の食事処。元祖お好み焼や、発祥モダン焼、秘伝70年焼そばなどのオリジナルメニュー、串かつ、焼肉、鉄板焼、たこ焼などの大阪下町グルメを楽しめます。その支店となるぼてぢゅう屋台も本場大阪のグルメを楽しめるお店。秘伝の焼そばやモダン焼などが人気です。

スタンダード・プラスかプレステージの会員なら、ラウンジの無料利用回数分を使って3,400円相当のセットメニューを無料でいただけ、最大2時間まで滞在できます。

ナインアワーズ成田空港（カプセルホテル）

ナインアワーズ成田空港は、成田国際空港の第2ターミナルに直結したカプセルホテル。第2ターミナルからつながっている第2駐車場ビルの地下1階にあります。徒歩でターミナルまで行けるので、早朝便の出発前や深夜の帰国後にとても便利です。清潔感がありアメニティグッズが充実しているのも魅力。

スタンダード・プラスかプレステージの会員なら、ラウンジの無料利用回数分を使って、9時から18時の間、カプセルベッドで最大5時間の仮眠を取ることができます。また5時間を超える滞在や18時以降の滞在の場合には、通常の宿泊料金から3,400円（税込）の値引きが適用されます。

羽田空港でプライオリティ・パスを使えるのは？

羽田空港では、3カ所のラウンジと1カ所のマッサージショップでプライオリティ・パスを利用できます。そのうち国内線で利用できるのは、2カ所のラウンジと1カ所のマッサージショップです。

Power Lounge Central（第1ターミナル・ラウンジ）

Power Lounge Central（第1ターミナル）は、保安検査前の1階到着ロビー南側にあるラウンジ。出発時だけでなく到着時も利用できます。40席と比較的コンパクトな有料ラウンジです。

このラウンジの使用には注意が必要。というのも一般の料金が1,100円となっているのです。スタンダード会員はプライオリティ・パスを利用すると35ドルの料金が発生するためむしろ損をすることになります。スタンダード・プラス会員の場合は、10回まで無料の利用権利をここで使ったほうがいいのか考えどころ。その意味ではラウンジ利用が何回でも無料のプレステージ会員のみおトクといえるラウンジです。

ソフトドリンクはフリー。アルコール類と一部の軽食は有料となっています。

Power Lounge Central（第2ターミナル・ラウンジ）

Power Lounge Central（第2ターミナル）は、保安検査前の一般エリアにある有料ラウンジ。3階のレストラン＆ショッピングエリアにあります。そのため出発便だけでなく到着便の利用者も使えるのが特徴。また第2ターミナルの国際線利用者がプライオリティパスで唯一利用できるラウンジです。

こちらも一般の料金が1,100円となっているので、プレステージ会員の利用がおすすめ。無料のソフトドリンクが充実していて、有料のアルコール類や軽食の注文もできます。

ソファ席に加えてターミナルを見渡せるカウンター席も。またノートパソコンなら大きなテーブル席で仕事をすることもできます。

足湯カフェ&ボディケア LUCK（マッサージ）

足湯カフェ&ボディケア LUCKは、保安検査前の南ウイング出発ロビー、セキュリティゲート付近にあるスパマッサージショップ。年中無休で営業時間は10時から20時までとなっています。

スパマッサージの内容は、ボディケア、リフレクソロジー、ドライヘッドスパ、ハンドトリートメント、足湯、それらを組み合わせたセットコース。すべてのサービスは個室で利用できます。フライトの前後に癒やしのひとときを堪能できるのはうれしいですね。

普通に利用すれば、60分間のボディケアやリフレクソロジーなら6,930円、30分のドライヘッドスパなら3,630円などの価格。プライオリティパスを提示すると1回分のラウンジ利用権を使ってすべてのサービスを3,400円（税込）割引で受けられます。

中部国際空港（セントレア）でプライオリティ・パスを使えるのは？

セントレアにはプライオリティ・パスを利用できるラウンジが3カ所ありますが、すべて国際線の保安検査後に利用できるもの。国内線で利用できるラウンジは残念ながらまだありません。一方、レストランは3カ所利用できます。

ぼてぢゅう（レストラン）

ぼてぢゅうは第1ターミナル4階のスカイタウン、保安検査前のショッピング&レストランエリア内にあるお好み焼きなどのお店です。こちらでもプライオリティ・パスのサービスを受けることが可能。スタンダード・プラスかプレステージの会員なら、ラウンジの無料利用1回分を使って2種類のセットから1つを選べ、2時間までお店に滞在できます。

ぼてぢゅうセットは、メイン1品（ミックスお好み焼／ミックス月見焼そば／ミックスモダン）＋金賞からあげ ぼてから＋大阪塩バターどら焼1個＋ドリンク1杯（ソフトドリンク又はアルコール）。大阪道頓堀セットは、メイン1品（ミックスお好み焼／ミックス月見焼そば／ミックスモダン）＋大阪塩バターどら焼1箱5個入＋富士ミネラルウォーターというセットです。

くつろぎ処（リラクゼーション）

くつろぎ処も第1ターミナル4階のスカイタウン、保安検査前のショッピング&レストランエリア内にある総合リラクゼーション施設です。

展望風呂のSOLA SPA 風の湯は日本初の飛行機を望める展望風呂。湯船に浸かりながら伊勢湾に沈む夕日や飛行機の離着陸を見ることができます。お食事処えびすは、韓国料理や名古屋めし、お子様セットなど幅広いメニューを取り揃えているレストラン。SANATIO SPAはアロマトリートメントでリラックスできるアジアンスパです。

プライオリティ・パスのスタンダード・プラスかプレステージの会員なら、ラウンジの無料利用1回分を使って最長3時間まで滞在し、以下の3つのコースから1つを選ぶことができます。

• SPAメニュー請求額から3,400円の割引
• 入浴＋韓国料理メニュー＋アルコール1杯（またはソフトドリンク1杯＆アイスクリーム）
• 入浴＋名古屋めしメニュー＋アルコール1杯（またはソフトドリンク1杯＆アイスクリーム）

THE PIKE BREWING RESTAURANT & CRAFT BEER BAR（レストラン）

THE PIKE BREWING RESTAURANT & CRAFT BEER BARは、セントレアの人気施設、FLIGHT OF DREAMSにあるレストラン。大迫力のボーイング787初号機などを展示しているフライトパークを眺めながら食事を楽しめます。

ここは1989年にシアトルに創業したパイク醸造所に併設されている人気レストランの日本初上陸店。評判のメニューは、うま味たっぷりの自家製ローストビーフを使ったローストビーフバーガーや、シアトル名物のオリジナルクラムチャウダー、ケイジャンシュリンプなどです。自慢のビールと合わせて注文するのがおすすめですよ。

プライオリティ・パスのスタンダード・プラスかプレステージの会員なら、ラウンジの無料利用1回分を使って最長4時間まで滞在し、3,400円分の割引を受けることができます。

関西国際空港でプライオリティ・パスを使えるのは？

関西国際空港では、5カ所のラウンジと2カ所のレストランでプライオリティ・パスを利用できます。そのうち国内線で利用できるのは、1カ所のラウンジと2カ所のレストランです。

KIX エアポート カフェラウンジ NODOKA（ラウンジ）

カードラウンジのKIX エアポート カフェラウンジ NODOKAは、関西国際空港でプライオリティ・パスを利用して一般エリア（制限区域外）で利用できる唯一のラウンジ。保安検査の手前、ランドサイド2階のエアロプラザ内、第2ターミナル行きシャトルバス停留所付近にあります。24時間利用可能でシャワー室があるのは大きな魅力。出発前や空港到着後にリフレッシュするのにぴったりです。

プライオリティ・パスを利用すると最長3時間まで滞在可能。以下の3つから2つを選んで無料で利用できます。

• アラカルトメニューから食事1品
• 缶ビール2本
• 40分間のシャワー利用

ぼてぢゅう1946（レストラン）

ぼてぢゅう1946は、第1ターミナルエアサイドの国内線セキュリティ通過後のレストランエリアにあるお店です。

ここではプライオリティ・パスのラウンジ1回分の無料利用回数分を使って、1人あたり最大3,400円分の値引きを受けることができます。

Japan Traveling Restaurant by BOTEJYU（レストラン）

Japan Traveling Restaurantも、第1ターミナルエアサイドの国内線セキュリティ通過後のレストランエリアにあるお店。ぼてぢゅうプロデュースで、日本の郷土料理やご当地グルメ、発祥グルメなど幅広い日本料理を楽しめるレストランです。

日本最大級のまちおこしイベントであるB1グランプリグルメや、北海道の有名店を集めた北海道ラーメン紀行、全国各地の丼を味わえるご当地丼ぶり紀行、ご当地の麺料理が集結したご当地麺紀行など、人気イベントのメニューもいっぱい。食を通じて日本全国を旅した気分になれますよ。

プライオリティ・パスの会員ならラウンジ1回分の無料利用回数分を使って、1人あたり最大3,400円分の値引きを受けることができます。

国内線でもプライオリティ・パスを利用しよう！

日本でも人気上昇中のプライオリティ・パス。国内線でも使えるラウンジやお店は増えています。今後はさらに便利になっていく可能性があるので、プライオリティ・パスを上手に使って国内旅行も快適に楽しんでくださいね。

※記事内の金額は2024年10月19日のレート、1ドル＝149.52円で計算で計算しています。

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