富士山信仰の浅間神社!おすすめ10選と見どころを紹介
富士山の山頂や周辺にはたくさんの浅間神社があります。浅間神社は世界遺産にもなっている富士山信仰の拠点。富士山の絶景を望める上に、富士山信仰の歴史を知ることもできる神社なのです。この記事では富士山周辺のおすすめ浅間神社を紹介。それぞれの神社の見どころについても解説するので、ぜひ観光の参考にしてくださいね。
富士山の山頂や周辺にはたくさんの浅間神社があります。浅間神社は世界遺産にもなっている富士山信仰の拠点。富士山の絶景を望める上に、富士山信仰の歴史を知ることもできる神社なのです。
この記事では富士山周辺のおすすめ浅間神社を紹介。それぞれの神社の見どころについても解説するので、ぜひ観光の参考にしてくださいね。
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富士山信仰の浅間神社とは?
浅間神社は富士山信仰の中心。ではなぜ富士山を信仰する神社が浅間という名前なのでしょうか。まずはその歴史から簡単に紹介しましょう。
富士山信仰は火山を鎮めるため
もともと奈良時代以前の富士山は、福慈神や不尽神と表現される神の山で、日本を守る山とされてきました。しかし奈良時代末になると富士山の火山活動が活発化。それを鎮めるために浅間神社が建てられたといわれています。
ではなぜ富士山の噴火を鎮めるのが浅間神社なのでしょうか?
浅間(せんげん)の本来の読み方は、あさま。起源にはさまざまな説がありますが、東南アジアのマレー語のアサ(煙)、マ(母)が由来という説、またはアイヌ語の火を吹く燃える岩という意味のアサマが由来という説が有力だといわれています。火山である浅間山や阿蘇山なども同じ由来。そしてあさまを音読したのが浅間(せんげん)神社なのです。
祀られているのは水徳と安産の守護神
浅間神社の主祭神は、木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)。姉に放たれた火の中で無事に出産したという逸話を持つ神様です。
もともと浅間神社は富士山の神霊と考えられていた浅間神を祀る神社。しかし後に浅間神は木花之佐久夜毘売命と同一神であり、木花之佐久夜毘売命は富士山の噴火を鎮めた水徳の神であると言われるようになりました。
また浅間大社に多くの人が祈願に訪れるのは、木花之佐久夜毘売命が安産の守護神でもあることから。そして桜の美しさを体現しているといわれる神様でもあることから、浅間大社には多くの桜の木が御神木として植えられています。
浅間神社が麓と山にある理由
噴火を繰り返す富士山は、神聖な山として遠くから仰ぎ見て崇拝するのが一般的で、浅間神社がその場所の役割を果たしてきました。しかし噴火が収まると、信仰の形が頂上まで登って拝む登拝(とはい)に変化します。そこで登拝を行う場所として富士山頂に建てられたのが、富士山本宮浅間大社浅間神社の奥宮。
他の主な浅間神社も、山中の山宮と麓の里宮で一対になっています。これは山宮が富士山を拝む場所で、湧水池や湖の周辺にある里宮は鎮火を祈る場所になっているから。富士山を神として信仰しながら、噴火を鎮めようとしているのです。
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静岡県側のおすすめ浅間神社3選
ここからは浅間神社の中でも高い社格をもっている神社を紹介。静岡県側には総本宮を含めて、とくに社格が高いとされる浅間神社が3社あります。
富士山本宮浅間大社(富士宮市)
浅間神社の総本宮
富士山本宮浅間大社は、全国に1,300社もある浅間神社の総本宮。富士山頂にある神社は、この富士山本宮浅間大社の奥宮です。しかもそれだけではなく富士山の8合目以上の土地はすべて富士山本宮浅間大社の境内となっています。
富士本宮浅間社記によると、もともとの由来は紀元前27年。富士山の噴火を鎮めるために浅間大神を祀ったのが起源とされています。この頃、社は決まった場所にはなく、富士山の麓を転々としていたそうです。
見どころには歴史上の人物が続々登場!
この富士山本宮浅間大社には歴史上の人物が次々に関わってきました。
まず806年に現在の地に社を建て、現在の富士山本宮浅間大社の礎を築いたのは、征夷大将軍の坂上田村麻呂。毎年5月に浅間大社流鏑馬式が行われますが、これは1193年に源頼朝が天下泰平を祈念して奉納したのが由来となっています。
そして現存する楼門、拝殿、本殿は、1604年に関ヶ原の戦いに勝利した御礼として徳川家康が造営したもの。徳川家康はこのとき、富士山の八合目以上を富士山本宮浅間大社のものとするお墨付きも与えています。さらに拝殿に向かって右にあるしだれ桜は、武田信玄が後北条氏との戦の勝利の御礼に寄進した桜の二世。他にも室町幕府を開いた足利将軍家や豊臣秀吉による社殿の造営や寄進も資料に残っているそうですよ。
富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)の基本情報 | |
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住所 | 静岡県富士宮市宮町1-1 |
電話 | 0544-27-2002 |
営業時間 | 11月~2月 6:00~19:00(通常) 3月・10月 5:30分~19:30分(通常) 4月~9月 5:00~20:00(通常) 祈祷受付 8:30分~16:30 (神楽は16:00まで) |
休業日 | なし |
アクセス | 身延線富士宮駅から徒歩約10分 新幹線富士駅からタクシーで約30分 東名富士ICから車で約20分 |
料金 | 無料 |
公式サイト |
静岡浅間神社(静岡市)
徳川家が作り上げた豪華な建築群
静岡浅間神社は、神部神社・浅間神社・大歳御祖神社の三社を総称した名前。おせんげんさまとも呼ばれています。静岡市内の賤機山の南麓にあるこの神社は古くから駿河国総社として歴代幕府の崇敬を受けてきました。
とくに徳川家康が元服式を行ったことから江戸時代には徳川氏の守護を受け、60年の歳月をかけて数々の社殿が建築されています。漆塗り極彩色の社殿は26棟が国の重要文化財。とくに大拝殿は巨大な建築で、高さ約21メートル、殿内は132畳敷の広さがあります。
この静岡浅間神社には浅間の7社参りという言葉があり、境内の7社をすべてお参りすると願いが叶うそうですよ。
静岡浅間神社(しずおかせんげんじんじゃ)の基本情報 | |
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住所 | 静岡市葵区宮ヶ崎町102-1 |
電話 | 054-245-1820 |
営業時間 | 7:00~18:00 |
休業日 | なし |
アクセス | JR静岡駅からバスに乗り、赤鳥居 浅間神社入口バス停で下車 東名静岡ICから車で約15分 新東名新静岡ICから車で約15分 |
料金 | 無料 |
公式サイト |
富知六所淺間神社(富士市)
ドラえもん神社としても親しまれる人気スポット
富知六所淺間神社は古くから富士山南麓を守護する神社として信仰を集めてきました。浅間神社の中では珍しく、木花之佐久夜毘売命ではなくその父の大山祇命を主祭神としています。境内にある大樟(おおくす)の御神木が有名。樹齢は1,200年以上で、太さは13メートルという巨木です。
そしてこの神社はドラえもん神社としても親しまれています。境内にはドラえもんやのび太、ジャイアンなどのキャラクターを思わせる石像が並んでいて、子どもたちに大人気!おみくじやお守りの種類が多いことでも有名です。
富知六所淺間神社(ふじろくしょせんげんじんじゃ)の基本情報 | |
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住所 | 静岡県富士市浅間本町5-1 |
電話 | 0545-52-1270 |
営業時間 | 9:00〜17:00 |
休業日 | なし |
アクセス | JR富士駅から車で約8分 東名富士ICから車で約3分 吉原中央駅バス停から徒歩約8分 |
料金 | 無料 |
山梨県側のおすすめ浅間神社7選
山梨県側にはとくに高い社格を有する浅間神社が6社、そして絶景で知られる浅間神社もあります。続いては山梨県側のおすすめ浅間神社7選を紹介しましょう!
甲斐国一宮 浅間神社(笛吹市)
ワインを奉納する珍しい神社
甲斐国一宮の浅間神社は、せんげんではなく、あさまと読む神社。甲斐国の一宮であることから一宮浅間神社、略して一宮さんとも呼ばれています。約2,000年前に現在は摂社となっている山宮神社の場所で創建。富士山の貞観大噴火(864)の翌年に現在の土地に移りました。
本殿右手奥の祓門という人型にくり抜かれた石像や、十二支まいりの石像が有名。その年の干支や自分の生まれた年の干支にお参りするとご利益があるといわれ、その先の成就石で祈ると願いが叶うといわれています。本殿横にある樹齢200年以上の夫婦梅も信仰の対象。この実をいただくと子宝を得るという言い伝えがあります。
また、一般的に神道では御神酒(おみき)といえば日本酒ですが、一宮浅間神社では昭和40年から山梨県特産のワインを御神酒として奉納しているのが特徴。ワイン用のコルクのお焚き上げも行っています。
浅間神社(あさまじんじゃ)の基本情報 | |
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住所 | 山梨県笛吹市一宮町一ノ宮1684 |
電話 | 0553-47-0900 |
営業時間 | 散策自由 |
休業日 | なし |
アクセス | JR山梨市駅からタクシーで約10分 中央高速勝沼ICから車で約5分 |
料金 | 無料 |
公式サイト |
河口浅間神社(富士河口湖町)
巨木に包まれた荘厳な神社
河口浅間神社も864年に起こった貞観大噴火を鎮めるために建立された神社。こちらもあさまじんじゃと読みます。
河口浅間神社は巨木で知られる神社。とくに七本杉(ひちほんすぎ)と呼ばれる7本のスギの御神木が有名です。この杉はどれも樹齢約1,200年。山梨県指定の天然記念物になっています。表参道にある約18メートルの大鳥居から続く杉並木も有名。この杉並木の木も樹齢800年といわれ、根廻りが7メートルになる立派なものです。
ほかにも広葉樹を含めた百本以上の巨木がある境内は厳粛な雰囲気。なかでもとくに大きい樅の木と栃の木は、樹齢800年を超えているといわれています。
天空の鳥居が大人気に
河口浅間神社で近年有名になったのが、天空の鳥居。2019年に富士山の遥拝(ようはい)所として高台の山林を整備して鳥居を設置したもので、SNSで人気になりました。鳥居越しの富士山はまさに絶景!山梨県の新たな観光スポットになっていますよ。
河口浅間神社(かわぐちあさまじんじゃ)の基本情報 | |
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住所 | 山梨県南都留郡富士河口湖町河口1 |
電話 | 0555-76-7186 |
営業時間 | 散策自由 |
休業日 | なし |
アクセス | JR富士急行線河口湖駅からバスに乗り、河口郵便局前バス停で下車、徒歩約3分 中央自動車道河口湖ICから車で約20分 |
料金 | 無料 |
公式サイト |
一宮浅間神社(市川三郷町)
ツツジの名所としても知られる神社
一宮浅間神社もあさまと読む神社。ここも864年の富士山大噴火の翌年に創建しました。その後、天正の乱などで荒廃しますが、江戸時代には徳川家の守護で復活。末社が六十社以上になるほど繁栄しました。現在の主な社殿は1704年に完成したものだと伝えられています。
この神社で有名なのが、とうろぶつさん。願い事をして御神体を持ち上げたときに感じる重さで、願い事が叶うかどうかを占うことができます。
またこの神社はツツジでもおなじみ。神社の境内にはさまざまな種類のツツジが植えてあり、5月初旬に見頃を迎えます。
一宮浅間神社の基本情報(いちみやあさまじんじゃ) | |
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住所 | 山梨県西八代郡市川三郷町高田3696-1 |
電話 | - |
営業時間 | 散策自由 |
休業日 | なし |
アクセス | JR身延線市川大門駅から徒歩約20分 中央自動車道甲府南ICから車で約30分 中部横断自動車道増穂ICから車で約10分 |
料金 | 無料 |
冨士御室浅間神社(富士河口湖町)
富士山中最古の歴史を持つ神社
冨士御室浅間神社はもともと699年に富士山二合目に祀られた富士山中では最古の神社。戦国時代には、武田家や徳川家など多くの武将の信仰を集めました。
その冨士御室浅間神社の里宮があったのが、河口湖の湖畔。その後富士登山が五合目から行われるようになったため、二合目の山宮は衰退し、昭和49年に里宮境内に山宮の本宮本殿が移されました。
国指定重要文化財になっている本宮本殿はそのときに富士山中から移築されたもの。1612年に徳川家臣の鳥居成次によって建てられたもので、桃山時代の華麗な作りが特徴です。
冨士御室浅間神社(ふじおむろせんげんじんじゃ)の基本情報 | |
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住所 | 山梨県南都留郡富士河口湖町勝山3951 |
電話 | 0555-83-2399 |
営業時間 | 参拝自由 社務所開所時間 夏季(3月下旬〜11月上旬)9:00〜16:30 冬季(11月下旬〜3月上旬)9:00〜16:00 御祈祷受付時間 夏季9:30〜15:30、冬季9:30〜15:00 |
休業日 | なし |
アクセス | 富士急行線河口湖駅からバスに乗り、富士御室浅間神社バス停で下車 中央自動車道河口湖ICから車で約12分 |
料金 | 無料 |
公式サイト |
冨士山下宮小室浅間神社(富士吉田市)
白馬がお出迎えしてくれる神社
下浅間(しもせんげん)と呼ばれて地元で親しまれる冨士山下宮小室浅間神社は、807年に創建された神社。富士北麓に住む人々の暮らしや信仰の中心となってきた由緒ある神社です。
毎年9月18日と19日に行われる流鏑馬祭りは、騎馬で的を射る一般的な流鏑馬とは違うユニークな行事。平安時代末から800年以上も続く由緒ある神事で、走った馬の蹄の跡の形を見て吉凶を占います。流鏑馬祭りに登場する神馬は普段は神社の境内で生活。ポニーや木曽馬と仲良く暮らしています。
諏訪の七不思議と呼ばれる神事も開催
また毎年1月14日と15日に行われる筒粥(つつがゆ)祭も800年以上の歴史を持っている有名な祭り。諏訪の七不思議の一つに数えられる特殊な神事です。44種類の農作物の名前などを書いたヨシの茎を白米や小豆、水が入った釜で夜通し炊き上げ、茎に入った粥の量などで農作物の出来や世相を占います。
冨士山下宮小室浅間神社(ふじさんしもみやおむろせんげんじんじゃ)の基本情報 | |
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住所 | 山梨県富士吉田市下吉田3-32-18 |
電話 | 0555-22-1025 |
営業時間 | 参拝自由 |
休業日 | なし |
アクセス | 富士急行線下吉田駅から徒歩約4分 中央自動車道河口湖ICから車で約15分 中央自動車道富士吉田西桂スマートICから車で約10分 東富士五湖道路富士吉田ICから車で約15分 |
料金 | 無料 |
北口本宮冨士浅間神社(富士吉田市)
富士山吉田登山口の拠点
北口本宮冨士浅間神社は1915年ほど前に日本武尊が訪れ、富士山は北から拝んだ方がよろしいと言われたことから富士山の北側登拝の拠点として建立されたといわれる神社。以来、富士山吉田登山口の神社として栄えてきました。
国指定重要文化財が多いのも特色。主な社殿は、藤原当興や北条義時、武田信玄などによって造営が重ねられたもので、もっとも古い東宮本殿は1233年に北条義時が造営、1561年に武田信玄が再建したとされています。また木造としては日本最大級の冨士山大鳥居も有名です!
吉田の火祭りも人気
山梨県を代表する祭りである吉田の火祭りは、北口本宮冨士浅間神社とその摂社である諏訪神社の神事。8月26日と27日に開催される祭りの正式な名前は鎮火祭で、その名前からわかるように富士山の噴火を鎮める祭です。
この祭りは古くから日本三奇祭と呼ばれ、近年は日本10大火祭りの一つにも数えられています。
北口本宮冨士浅間神社(きたぐちほんぐうふじせんげんじんじゃ)の基本情報 | |
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住所 | 山梨県富士吉田市上吉田5558番地 |
電話 | 0555-22-0221 |
営業時間 | 参拝自由 |
休業日 | なし |
アクセス | 富士急行富士山駅からバスに乗り、浅間神社前バス停で下車 中央自動車道河口湖ICから車で約5分 東富士五湖道路富士吉田ICから車で約5分 |
料金 | 無料 |
公式サイト |
新倉富士浅間神社(富士吉田市)
絶景スポットでおなじみの歴史ある神社
新倉富士浅間神社は甲斐国八代郡荒倉郷の氏神として705年に創建された神社。807年に富士山の大噴火があった際には国土安泰を祈願する富士山鎮火祭が行われ、平城天皇より三国第一山の称号を与えられました。
絶景は398段の階段を登った先
この神社の魅力は境内の美しい景色。神域が新倉山浅間公園として解放され、戦没者慰霊の五重塔である忠霊塔は富士山眺望日本一ともいわれています。富士山ビューポイントは新倉山の中腹で展望デッキまでは398段の階段を登る必要があるのでちょっと大変ですが、登る価値はありますよ。他にも境内の子育て神木とよばれる巨木や美しい参道の石段などが見どころです。
とくに人気なのは、650本の桜が咲き誇る時期。また秋の紅葉や雪景色の時期には、違った趣の絶景を見ることができます。
新倉富士浅間神社(あらくらふじせんげんじんじゃ)の基本情報 | |
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住所 | 山梨県富士吉田市浅間2-4-1 |
電話 | 0555-23-2697 |
営業時間 | 参拝自由 |
休業日 | なし |
アクセス | 富士急行線下吉田駅から徒歩約5分 中央自動車道河口湖ICから車で約15分 富士吉田西桂スマートICから車で約12分 |
料金 | 無料 |
公式サイト |
浅間神社をめぐって富士山信仰を体感しよう!
富士山信仰の拠点として発展してきた浅間神社は観光スポットとしても魅力的。富士山を拝む場所として選ばれただけに、多くの神社から富士山の絶景を望むことができます。
それぞれに特徴を持っている浅間神社をめぐって富士山信仰に触れてみてはいかがでしょうか。
cover photo by PIXTA