公用語
ベトナムの公用語は「ベトナム語」です。ベトナムには54の民族が存在していますが、その中で多数派を占めるキン族の母語であるベトナム語が、国内の公用語として定められています。また、ベトナム語の語彙には、漢字由来の言葉が多く含まれており、「注意(chú ý)」や「意見(ý kiến)」など、日本語と発音が似ている語もあります。英語の通用度は地域によって異なり、都市部や若者の間ではある程度通じる一方、地方ではほとんど通じないこともあります。旅行やビジネスの際には、ベトナム語の基本的な表現を覚えておくとよいでしょう。
宗教
ベトナムには「キン族」と呼ばれる人々が多く住んでおり、その多くは仏教(大乗仏教)を信仰しています。ただし、ベトナムの宗教は仏教だけでなく、儒教や道教といった中国由来の思想も融合しているのが特徴です。たとえば、寺院には仏さまとともに道教の神さまが祀られていることもあります。また、国民全体のおよそ1割はキリスト教(カトリック)を信仰しています。
通貨
ベトナムの公式通貨は「ベトナムドン(VND)」で、記号は「₫」で表されます。紙幣は100VNDから50万VNDまで12種類ありますが、100VNDや200VNDといった少額紙幣は現在ほとんど流通していません。また、硬貨も200VNDから5000VNDまで5種類ありますが、実際の取引ではほとんど使われておらず、紙幣が主に使用されています。
クレジットカード、キャッシュレス決済
ベトナムでは近年、キャッシュレス決済の利用が急速に拡大していますが、まだ現金が主流で、日本ほどの普及率はありません。日本人旅行者が利用しやすいキャッシュレス決済手段としては、クレジットカードとデビットカードが主流で、スーパーや飲食チェーン店などを中心に対応店舗が増えつつあります。旅行中は、カードと現金を併用するのが安心でしょう。
費用
ベトナム旅行にかかる費用は、訪れる都市や旅行時期、ホテルのグレードによって異なりますが、一般的な2泊3日の旅行であれば、1人あたり約6万〜が相場とされています。内訳としては以下の通りです。
・往復航空券代:約3万円〜
・2名1室のホテル代:1万円〜
・Wi-Fi代:1,500円〜
・食費:1万円〜
・交通費:3,000円〜
・観光・オプショナルツアー費用:1万円〜
たくさんショッピングを楽しみたい場合や高級ホテルでの滞在を希望する場合は、さらに余裕を持った予算を準備すると安心です。
ビザ
ベトナムでは、日本国籍を有する旅行者に対して、45日以内の滞在であればビザ(査証)の取得が免除されます。観光や短期のビジネス目的であれば、事前のビザ申請なしで入国が可能です。ただし、ビザ免除を受けるにはいくつかの条件があります。入国時点でパスポートの残存有効期間が6か月以上あること、帰国もしくは第三国への出国チケットを所持していること、ベトナム国内法により入国禁止措置を受けていないことが必要です。これらの条件を満たさない場合は、事前にビザを取得する必要があるので注意が必要です。
日本との時差
日本とベトナムの時差は現在2時間で、日本の方がベトナムより2時間進んでいます。たとえば、日本が正午のとき、ベトナムは午前10時です。サマータイムの導入もないため、年間を通じて時差は変わりません。
気候
ベトナムは南北に長いため、地域によって気候が大きく異なります。北部は亜熱帯性気候で四季があり、11~4月の朝晩は冷え込み、特に1~2月は最も寒くなります。一方、7~8月は非常に暑く、11~12月は雨が少なく快適に過ごせます。南部は熱帯モンスーン気候で、平均気温は約27℃と一年中暑く、雨季は5~10月、乾季は11~4月です。特に4~5月は蒸し暑くなります。中部は8~1月にかけて雨が多く、8~9月は台風も多く注意が必要です。
服装
ベトナムは南北に長い地形のため、地域によって気候が大きく異なります。最大の観光エリアである南部のホーチミンは、熱帯モンスーン気候に属し、年間を通して高温多湿。乾季と雨季に分かれていますが、気温は常に高めで、半袖やノースリーブなどの軽装で快適に過ごせます。ただし、カフェやショッピングモールなどでは冷房が強めに効いていることが多いため、羽織れる上着を1枚用意しておくと安心です。北部や中部を訪れる際は、現地の気候に合わせて服装を調整しましょう。
旅行のベストシーズン
ベトナムは南北に細長い地形をしているため、地域によってベストシーズンが異なります。その中でも南部の都市・ホーチミンを訪れるなら、乾季の12月から4月がおすすめです。この時期は気温が穏やかで湿度も比較的低く、過ごしやすい気候が続きます。スコールなどの急な雨もほとんどないため、観光名所をゆっくり散策したり、ショッピングを楽しんだりするのにぴったりです。暑すぎず寒すぎないちょうど良い気候の中で、快適なベトナム旅行を満喫できるでしょう。
治安
ベトナムは東南アジアの中でも比較的治安が良い国とされていますが、旅行中は十分な注意が必要です。観光客を狙ったスリやぼったくり、昏睡強盗といった犯罪も発生しており、ナイトスポットや混雑するエリアでは被害に遭う可能性があります。夜間の一人歩きや人通りの少ない道を歩くことは避けましょう。貴重品の管理を徹底し、安全を意識した行動を心がけましょう。
物価
ベトナムの物価は日本と比べて非常にリーズナブルで、全体的に日本の2分の1〜3分の1程度です。たとえば、ファストフード店でのハンバーガーは約35,000ドン(約200円)、500mlのミネラルウォーターは約10,000ドン(約60円)と、出費を抑えやすいのが魅力です。買い物やスパ、グルメなども、日本より手ごろな価格で楽しめます。
交通手段
ベトナムで利用できる交通手段には、タクシーやローカルバス、ハイヤー、バイクタクシーなどがあります。なかでも観光客にとって利用しやすいのはタクシーです。ホーチミン、ハノイ、ダナンといった主要都市では流しのタクシーが多く、手軽に利用できます。ただし、正規のタクシーを装った「白タク」に乗ってしまうと、ぼったくり被害に遭う可能性があるため注意が必要です。安全に利用したい場合は、配車アプリ「Grab」の活用がおすすめです。料金の事前確認やアプリ内決済が可能で、トラブルの心配なくスムーズに移動できます。
空港から市街地へのアクセス方法
ベトナム国内でもメインの国際空港である「タンソンニャット国際空港」から市街地までは、チャーター車やタクシー、ローカルバスでアクセスできます。空港送迎のチャーター車は、初めてベトナムを訪れる人におすすめです。事前に予約ができ、料金も決まっているため、現地での交渉やトラブルの心配がありません。タクシーを利用する場合は、流しのタクシーよりも配車アプリ「Grab」を使うのがおすすめです。また、一番安く移動したい人にはローカルバスもあります。ただし、ルートがわかりにくく、言葉の壁もあるため、旅行に慣れていない人には少しハードルが高いかもしれません。
インターネット
ベトナムでは近年、スマートフォンの普及が急速に進み、都市部を中心にカフェやレストラン、ホテル、商業施設など多くの場所で無料Wi-Fiが利用できるようになっています。そのため、旅行中でも比較的インターネット環境に困ることは少ないでしょう。ただし、店舗によってはWi-Fiに時間制限があったり、通信速度が遅い場合もあります。快適な通信環境を確保したい場合は、日本からポケットWi-Fiを持参するか、SIMカードを購入するのがおすすめです。
電源プラグ
ベトナムのコンセントは、AタイプとCタイプの両方に対応した複合型が一般的です。複合型であれば日本の電化製品を変換プラグなしで使用できます。しかし、一部のホテルではCタイプ専用のコンセントのみが設置されている場合があるため、事前に宿泊先に確認しておくと安心です。必要な場合は変換プラグを持参しましょう。また、ベトナムの電圧は220V、日本は100Vと異なるため、対応していない電化製品を使う場合は変圧器が必要になります。
飲水
ベトナムの水道水にはマグネシウムや不純物が多く含まれており、基本的にそのまま飲むことはできません。地元の人も水道水を直接飲むことはなく、ほとんどの家庭でミネラルウォーターを購入しています。旅行や滞在中も、飲料水は市販のミネラルウォーターを利用するか、浄水器を通した水を使うようにしましょう。また、地域によって水質も異なり、首都ハノイはマグネシウムなどを多く含む「超硬水」であることで知られています。特に女性は、シャンプー時に泡立ちが悪かったり、髪がきしんだりするなど、水質の違いを実感しやすいでしょう。
トイレ
ベトナムでは公衆トイレはあまり見かけず、トイレを利用する場合はホテルやショッピングセンター、カフェ、レストランなどを利用するのが一般的です。ただし、場所によっては不衛生なこともあるため注意が必要です。外国人旅行者が利用する高級ホテルや大型ショッピングモールでは比較的清潔なトイレが多いです。しかし、トイレットペーパーが常備されていないことも多いため、外出時はポケットティッシュを多めに持ち歩くのがおすすめ。使用したトイレットペーパーは流さず、ゴミ箱に捨てるようにしましょう。
海外旅行保険
現地で体調を崩し治療や入院が必要になってしまった際や、スリや盗難などのトラブルにあった際に海外旅行保険に入っていると安心です。NEWTではツアーやホテルのご予約完了後に任意で簡単に加入することができます。