10年に1度だけ!ヨーロッパ3ヵ国で同時期に開催されるアートフェアの魅力をお伝えします
この記事では、それぞれのアートフェアの魅力と特徴、そして開催都市についてお伝えします。
現代アートファンが「近年ヨーロッパに行くなら2022年に行くべき!」と言うほど、2022年は特別な時期なんです。
なぜなら、今年はパリのParis+、イタリアのBIENNALE ARTE 2022、ドイツのdocumenta fifteenという世界的に有名な3つのアートフェアが行われるからです!
この記事では、それぞれのアートフェアの魅力と特徴、そして開催都市についてお伝えします。
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アート・バーゼルが手がける世界最大規模のアートフェア!Paris+(フランス)
2022年10月20日~23日にかけて、パリのグランパレエフェメールで初開催される「Paris+」。
パリのグランパレでは毎年10月にFIACという国際的なアートイベントが開催されてましたが、2022年以降の開催権をアートバーゼルがオークションで落札。今回のParis+がアートバーゼルが主催するはじめての開催となります。
世界最大級の現代アートフェア
アートバーゼルはスイスのバーゼルで毎年開催されている現代アートフェア。マイアミビーチや香港でも「アートバーゼル」も名の下でフェアが開催されており、その都市の文化空間とアートがかけ合わされた世界的なイベントになっています。
もともとFIACが開催されていたグランパレは現在修復工事中のため、2024年までは仮設のグランパレエフェメールがParis+の会場になります。グランパレエフェメールはエッフェル塔のふもとの公園の中に建てられており、スタイリッシュな建物も注目のポイントです。
開催都市パリってどんな街?
photo by shutterstock
エッフェル塔に代表される、美しい街並みがすてきなパリ。凱旋門のある広場からつづくシャンゼリゼ大通りは「世界一華やかな並木道」とも言われています。
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ルーブル美術館やオルセー美術館など、世界的なアート作品を展示する美術館が点在しており、アート好きなら一度は訪れたい街です。
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120年以上の歴史をもつ現代アートの国際展!BIENNALE ARTE 2022(イタリア)
photo by MYS MONDO INC.
イタリアで2年に1回行われる現代アートの国際展、BIENNALE ARTE(ビエンナーレ)。今年で59回目を迎えるこちらのイベントはもともと2021年に実施される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期になり、今年開催されることになりました。
ビエンナーレは賞形式の展覧会で、各国の展示の中から金獅子賞(優秀賞)が選ばれることから「美術のオリンピック」と呼ばれることもあるんだそう。
日本は1952年に初めて公式参加し、1956年に板画家の棟方志功が国際大賞の版画部門で受賞、2013年にアーティストの田中功起とキュレーターの蔵屋美香による展示が特別表彰を受賞して話題になりました。
今年のテーマは「The Milk of Dreams」
今回は「The Milk of Dreams」をテーマに、現代アーティストの展覧会を数多く企画するキュレーター、チェチリア・アレマーニのキュレーションによって開催されます。
チェチリア・アレマーニは「イタリア人女性初のキュレーターとして、アーティストが自らのビジョンと私たちの社会を反映したユニークなプロジェクトを生み出すための声を届けるつもりです」と宣言。
また、日本館作品作家には、ヴィジュアル・アート、映像、コンピューター・プログラム、音楽、ダンス等、様々な分野の複数のアーティストによって構成されているグループ、ダムタイプが選ばれています。
開催都市ヴェネツィアってどんな街?
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100を超える島々が点在し、150の運河がめぐるヴェネツィア。交通手段は船と徒歩だけという水の都で、街全体と潟が世界遺産に登録されている美しい街。
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ナポレオンが「世界で最も美しい客間」と称えたサンマルコ広場や黄金のモザイクが目を引くサン・マルコ大聖堂、マスケラと呼ばれる仮面をつけた人々が広場に繰り出す仮面カーニバルなどが有名です。
アートフェア情報(BIENNALE ARTE 2022)
【開催期間】
2022年4月23日〜11月27日(プレオープン:4月20日〜22日)
・4月23日〜9月25日 11:00〜19:00
・9月27日〜11月27日 10:00〜18:00
※月曜日休館(ただし、4月25日、5月30日、6月27日、7月25日、8月15日、9月5日、9月19日、10月31日、11月21日は休館
5年に1度開催のアートフェア!docmenta fifteen(ドイツ)
documenta fifteen, ruruHaus, Kassel, 2021, Photo / Foto: Nicolas Wefers
6月から9月にかけてドイツのカッセルで100日間行われる国際的なアートフェア、documenta fifteen (ドクメンタ)。
ナチス政権によって国際水準から取り残されていた自国の美術を復活させることを目的として、1955年にスタートした歴史あるアートフェアです。当初は4年に1一度でしたが、現在は5年に1度開催しています。
コンセプトは「Lumbung」
現在のドクメンタは、毎回選ばれたキュレーターがテーマを決める方針になっています。
今回の芸術監督を務めるのは、インドネシアのアート・コレクティブ、ルアンルパ。インドネシア語で「コミュニティにある知識やアイディア、資源などを集約し共有する」という意味を持つ「ルンブン(Lumbung)」をコンセプトとして展示されます。
documenta fifteen, ruruHaus, Kassel, 2021, Photo / Foto: Nicolas Wefers
ルンブン・アーティストと称される出展アーティストの国籍は明かされず、タイムゾーンのみの発表で、24のタイムゾーンから54組のアーティストが参加予定。
日本のタイムゾーンからは逗子海岸映画祭などを手がけるアーティストグループ「CINEMA CARAVAN」と、同グループが長年連携している現代美術家・栗林隆が参加します。
開催都市カッセルってどんな街?
photo by shutterstock
ドイツのカッセルは「水の芸術」が有名で世界遺産にも認定されたヴィルヘルムスヘーエ公園や、グリム童話にゆかりのある街を結んだメルヘン街道がある街です。
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現代美術の町と称されるカッセルは観光の見どころも多いですが、ご当地グルメであるアーレヴルストと呼ばれるサラミを食べるのもお忘れなく!バターをたっぷりぬったライ麦パンに合わせて食べるのが伝統だそう。
アートフェア情報(docmenta fifteen)
【開催期間】
2022年6月18日〜9月25日(プレオープン:6月15日〜17日)
・10:00〜20:00
【会場】
フリデリチアヌム美術館を中心に市内各地
【※開催終了】世界最大級のアートフェア!Art Basel(スイス)
© Art Basel
※こちらのアートフェアは開催終了しています
スイスのバーゼルで開催されるArt Basel(アート・バーゼル)は、各国から200以上の主要なギャラリーと5大陸から4,000人を超えるアーティストが参加する世界最大級のアートフェア。
バーゼルでは毎年6月に4日間開催されていて、マイアミ・ビーチや香港などでも定期的に行われています。
© Art Basel
アート・バーゼルの歴史が始まったのは1970年。昨年は新型コロナウイルスの影響で例年の6月開催ではなく9月開催となり、また同時収容人数の上限を従来の80パーセントにするなどの制限を施しつつも、会期中には約6万人が訪れました。
© Art Basel
展示作品は絵画、彫刻、写真、インスタレーション、ビデオアートなど多岐にわたり、ピカソなどの誰もがその名を一度は聞いたことのある巨匠から注目の若手アーティストまで、さまざまな作品が並びます。
展示される作品は世界最高レベルと言われていて、世界中のコレクターが毎年注目しているのも納得です。
昨年開催したアートウィーク東京にも協力
アート・バーゼルは、昨年11月に東京で行われた、「アートウィーク東京」に協力。
アートウィーク東京は東京都市の文脈に息づく現代アートを世界に向けて発信するためのプロジェクトで、日本の中心地である東京のアートが世界から注目されるひとつのきっかけにもなりました。
開催都市バーゼルってどんな街?
photo by shutterstock
アート・バーゼルの会場となるバーゼルはスイスの北西部にある地域で、フランス、ドイツの国境にある国際的な街です。
スイスで3番目に大きな都市でもあり、豊かな歴史と幅広い文化、芸術、建築などさまざまな魅力がつまっています。
photo by shutterstock
世界で活躍する近代建築家の作品や現代美術のギャラリーやプロジェクトが多いほか、スイス最大規模を誇るカーニバルである「バーゼル・ファスナハト」や、スイス最大規模のクリスマスマーケットが行われることでも知られています。
アートフェア情報(Art Basel)
【開館時間】
無制限開放(招待者のみ)
・2022年6月13日(月)15:00~20:00 ファーストチョイスVIPカード会員様
・2022年6月13日(月)18:00~20:00 プレビューVIPカード会員様
パルクールオープニング
・2022年6月13日(月)13:00~16:00(プロジェクトの見学は20時まで可能)
プライベートデー(招待客のみ)
・2022年6月14日(火)11:00~20:00
・2022年6月15日(水)11:00~20:00
ヴェルニサージュ(招待客のみ)
・2022年6月15日(水)17:00〜20:00
一般公開日
・2022年6月16日(木)11:00~19:00
・2022年6月17日(金)11:00~19:00
・2022年6月18日(土)11:00~19:00
・2022年6月19日(日)11:00~19:00
【会場】
Messe Basel(Messeplatz 10, 4058 Basel, Switzerland)
【公式HP】
https://www.artbasel.com/basel
10年に1度のアートフェア同時開催、観にいくしかない!
世界的に有名なアートフェアが奇跡的に同時期に開催される2022年。アートフェアと一口に言ってもテーマやコンセプトが異なるので、それぞれ違った楽しみがあるはずです。
ぜひお気にいりのアートフェアや作品を見つけてくださいね。