カッパドキアの洞窟ホテルには本物と洞窟風がある!魅力と種類を紹介
奇岩群の絶景で知られるトルコの世界遺産カッパドキア。この奇岩をくり抜いた洞窟ホテルも人気を集めています。ところがこの洞窟ホテル、本物と洞窟風ホテルがあることを知らない人も多いのです。 この記事では、カッパドキアの洞窟ホテルを紹介。実はさらに2種類ある本物の洞窟ホテルと洞窟風ホテルの魅力に迫ります。
奇岩群の絶景で知られるトルコの世界遺産カッパドキア。この奇岩をくり抜いた洞窟ホテルも人気を集めています。ところがこの洞窟ホテル、本物と洞窟風ホテルがあることを知らない人も多いのです。
この記事では、カッパドキアの洞窟ホテルを紹介。実はさらに2種類ある本物の洞窟ホテルと洞窟風ホテルの魅力に迫ります。
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カッパドキアの洞窟ホテルとは
そもそもカッパドキアの洞窟ホテルとはどのようなものなのでしょうか?まずはその歴史から紹介しましょう。
カッパドキアとは
トルコはアジアとヨーロッパの境界の国。カッパドキアはその中心部のアナトリア高原にあります。カッパドキアを形作ったのは現在は活動を停止している3つの火山。約1,100万年前の火山活動で噴出した大量の溶岩や灰が堆積して分厚い凝灰岩の地層をつくりました。その地層が何万年もかけて雨や風などに削り取られてできたのが、カッパドキアの奇妙な光景です。
カッパドキアの洞窟の家
カッパドキアの奇岩と並んで有名なのが、この奇岩を掘って作られた洞窟の家です。凝灰岩は加工しやすいのが特徴。紀元前3,000年頃から人々はカッパドキアの岩を掘って洞窟の家を作り、暮らしてきました。
やがて4世紀から15世紀まで続いたビザンティン時代には、キリスト教の修道僧たちが移り住むようになります。アラビア軍やペルシア軍による侵攻から身を守り、俗世間から逃れて修業するために、修道僧たちは巨大な地下都市を掘りました。
続いて15世紀までにオスマントルコ帝国がこの地を領有するようになると、ムスリムのオスマントルコ人たちは、新たに自分たちのための洞窟の家を掘りました。この洞窟の家は地下都市のようにつながった構造ではなく各家が独立し、入口には石造りのテラスが設けられた構造。夏は涼しい洞窟内で過ごし、冬はテラスで暖まるという作りになっています。この洞窟とテラスを組み合わせた形が今もカッパドキアの洞窟の家の基本的な形です。
洞窟ホテルは洞窟の家を利用
1970年代になると、近代化を目指すトルコ政府は、洞窟の家を出てヨーロッパ風の家に住むよう住民に推奨します。ヨーロッパ風の家はトルコの気候に合わなかったため、結局人々は削り出した石灰岩で家を建てるようになるのですが、移住によって洞窟の家の多くが空き家となりました。
一方で1985年にカッパドキアがユネスコの世界文化遺産に登録されると、観光客が大量に訪れることに。洞窟の家に泊まりたいという要望も多かったため、洞窟の家を利用した洞窟ホテルが次々に作られたのです。
洞窟ホテルは快適空間!
カッパドキアの凝灰岩は極小の孔がたくさんあるため断熱性があります。そのためとくに洞窟の奥に行くほど夏でも涼しいのが特徴。また保湿性にも優れています。
洞窟の家では陽射しが入り暖かく明るい部屋は台所やリビングルームに、日当たりのない涼しい部屋は穀物や干し葡萄などの貯蔵庫として使われました。そのため洞窟の家を改装したホテルも夏は涼しく冬は暖かい快適な空間となっています。
洞窟ホテルの設備は充実!
洞窟ホテルというと薄暗くて設備が整っていないと思うかもしれませんが、そんなことはありません。洞窟の家の雰囲気を壊さないように慎重に改装して照明設備や清潔な洗面所・トイレなどを設置。シャワールームが完備されている部屋もあります。洞窟ホテルは格式も高いところが多いので、家具やリネン類も豪華。洞窟の家の雰囲気を堪能しつつも快適に過ごすことができます。またオーナーが内装にこだわっているホテルも多く、異国情緒を満喫できるのも魅力です。
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カッパドキアの洞窟ホテルの種類
カッパドキアにはたくさんの洞窟ホテルがあります。どれも雰囲気があってとても魅力的。しかしカッパドキアの洞窟ホテルを選ぶ際には、知っておきたいことがあります。それは、ひとくちに洞窟ホテルといっても種類があるということです。
洞窟ホテルの種類
洞窟ホテルの種類は大きく分けると2つあります。
- 本物の洞窟のホテル
- 凝灰岩のブロック造りの建物を削った洞窟風のホテル
本物の洞窟ホテルも洞窟風のホテルも、まとめて洞窟ホテルと呼ばれています。また本物の洞窟ホテルでも、洞窟の部屋と洞窟風の部屋が混在していることはよくあります。
これはどういうことでしょうか?
洞窟風ホテルとは
本物の洞窟ホテルは、洞窟の家を改装してホテルの部屋にしています。このような洞窟の家があったのは、街の周囲の崖沿い。しかしそれだけではホテルの需要をまかなえないこともあり、街の中心地の平地には洞窟風のホテルが多く建設されています。
洞窟風ホテルは、凝灰岩で建てた建物を洞窟のように削って作られたホテル。壁や天井が綺麗に平面になっている部屋は洞窟風である可能性が高くなります。ただしより洞窟らしくするために巧みに曲面に仕上げている部屋もあるので一概にはいえません。
洞窟風ホテルのメリット
本物の洞窟ではない洞窟風ホテルにもメリットはあります。
- スペースを確保しやすい
- 清潔感がある
- 日当たりが良い
- 市街中心部で利便性がいい
- 料金が安い
本物の洞窟ホテルがあるのは街の外れであることがほとんど。利便性が悪くなり、値段も上がります。洞窟ホテルの雰囲気を味わいつつコスパ重視で広々とした部屋がいいという人には洞窟風ホテルもメリットがあるといえるでしょう。
本物の洞窟ホテルを探すポイント
一方、せっかく泊まるなら本物の洞窟の部屋がいいという場合は、以下のポイントに注目してホテルを選んでください。
まずは部屋の表記。洞窟風の部屋の場合、ストーンルームと書かれていることがあります。逆に本物の洞窟の家の部屋にはとくに表記がありませんが、口コミにreal cave roomと書かれていれば、本物だと判断できるでしょう。ただしこれは必ず書いてあるわけではないので、参考程度に考えてください。
ホテル選びで重要なのは街の端、または少なくとも崖沿いにあることです。カッパドキアでは標高が高い崖沿いに洞窟の家があり、その前の平地に街が広がりました。つまり本物の洞窟ホテルの多くは街の中心地ではなく端にあるということです。地図でホテルの位置を確認し、街の端にあるホテルを選ぶのが最初のポイントとなります。
ホテルの外観を見ることも重要。ホテルが崖そのもの、または後ろに崖があれば可能性は高くなりますが、崖がなく建物だけなら洞窟風ということになります。
部屋の写真も参考になるものの確実な判断材料にはなりません。本物の洞窟の部屋は壁が不規則ですが、洞窟風の部屋の多くは直線的またはきれいなカーブになっています。ただし本物の洞窟のように加工している部屋も多いので注意が必要です。
本物の洞窟ホテルの部屋にも2種類ある
ここまでは本物と洞窟風の話でしたが、実は本物の洞窟部屋は、1種類ではありません。洞窟ホテルにこだわる旅人は、もうワンランク上の本物にもこだわっています。
それは、妖精の煙突と呼ばれる柱のような奇岩を掘ったホテル。カッパドキアを代表するキノコのような岩です。柔らかい下の部分が細くなり、上の硬い部分が残って帽子をかぶったような形になったもので、高さ40メートルになる妖精の煙突も。一般的な洞窟ホテルは広い崖を掘って作られた洞窟の家を利用していますが、妖精の煙突の洞窟ホテルはとくにレア度が高く、あこがれの宿泊先となります。
同じホテルに3種類の部屋が混在する
ここまでを整理すると、洞窟ホテルの部屋には以下の3種類があることになります。
- 妖精の煙突を掘った洞窟部屋
- 普通の崖を掘った洞窟部屋
- 石造りの家を加工した洞窟風の部屋
部屋の値段は一般的に妖精の煙突の部屋が高く、下に行くほど安くなっていきます。そしてこのなかから泊まりたい部屋を選ぶことになるのですが、ここで注意点が!
実は同じホテルにも、3種類の部屋が混在していることが多いのです。
たとえば本物の洞窟の家を改装した洞窟ホテルでも、多くの場合は元の洞窟の家の前に凝灰岩で立派な建物を増設しています。増設部分はロビーなど共用部分だけにしているホテルもありますが、そこにも客室を作っているホテルが大半。妖精の煙突の洞窟部屋を所有しているホテルも、それだけでは規模が小さいので普通の崖の洞窟部屋や洞窟風の部屋を用意しています。
予約は部屋番号まで確認するのがベスト
本物の洞窟部屋にこだわる場合、ホテルが本物の洞窟ホテルであることを確認して予約しますが、実はそれだけでは不十分。カッパドキアでも多くのホテルの部屋はスイートルームやスーペリアルームなど、設備や広さのランクで分けられています。そしてたとえば同じデラックスルームの中に、本物の洞窟部屋と洞窟風の部屋が混在しているのです。
つまり部屋のタイプで選ぶと洞窟風の部屋になる可能性があるということ。同じように妖精の煙突の部屋と普通の崖の洞窟部屋も混在しているため、どこに泊まれるかは運次第となります。
ホテルによっては妖精の煙突の部屋限定だったり、さらに部屋番号まで指定できることも。洞窟部屋の種類にもこだわる人は、できれば部屋番号まで指定できるホテルを探すのがベストです。
洞窟ホテルがあるカッパドキアの街の特徴
カッパドキアの旅行では、ギョレメ、ユルギャップ、ウチヒサル、オルタヒサルという4つあるエリアのどこかに宿泊するのが一般的です。それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
ギョレメ
ギョレメはカッパドキアの宿泊地でもっとも人気があるエリア。比較的小さな街で、カッパドキアらしいのどかな雰囲気が漂います。レストランやバー、スーパーマーケット、お土産屋なども多く集まっているのはうれしいポイント。洞窟ホテルも小規模なものから高級感あふれるホテルまで豊富に揃っています。
ユルギャップ
ユルギャップは大きな街。カッパドキアではとくににぎやかなエリアです。ホテルやレストラン、ショップも多く、ツアーの団体客にも人気。洞窟ホテルの数も多く、ユニークなホテルもたくさんあります。宿泊料金はギョレメよりやや高い傾向ですが、買い物好きの人にはとくに人気のエリアです。
ウチヒサル
ウチヒサルはカッパドキアの中でもとくに高台のエリア。シンボルとなっているウチヒサル城塞からのカッパドキアの眺めは絶景として知られています。ここは4つ星や5つ星クラスのホテルが多い高級リゾートエリア。閑静で高級な洞窟ホテルが立ち並んでいます。一方でギョレメやユルギャップと比べてレストランやお店は少ないので、街歩きには向いていません。
オルタヒサル
オルタヒサルも岩の砦が特徴的なエリア。他の地域と比べてあまり観光地化されていないため、カッパドキアの集落の雰囲気を堪能することができます。コスパのいい洞窟ホテルがあるのもポイント。一方でホテルの数やレストラン、お店などはかなり少ないので、あまり便利だとはいえません。
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カッパドキアで洞窟ホテル以外にこだわりたいポイント
カッパドキアのホテルの魅力は洞窟部屋だけではありません。ホテル選びの際にこだわりたいポイントは他にもあります。
飛び立つ気球を眺めるホテル
カッパドキア観光の目玉のひとつが、気球から眺める奇岩群。毎朝たくさんの気球が飛び立ち、その光景自体が見どころのひとつになっています。
高台には、舞い上がる気球を眺められるホテルも。 テラスから気球が見えるホテルはカッパドキアでもとくに人気が高くなっています。
街に近いホテル
高台ではなく、あえて街の中心地を選ぶのもひとつの方法。ギョレメやユルギャップは買い物や食事も楽しい街なので、中心地の洞窟風ホテルに宿泊して街歩きを満喫するのもおすすめです。中心街の洞窟風ホテルは相場も安めなのでコスパも満足できるはず。
またうまく探せば、市街中心地に近いエリアに本物の洞窟ホテルもあります。ただし人気が高く予約が埋まってしまうことも多いので、早めの予約が必要かもしれません。
カッパドキアで洞窟ホテルに泊まろう!
世界遺産のカッパドキアを訪れるならぜひ泊まってみたい洞窟ホテル。とくにその空間自体が世界遺産に指定されている妖精の煙突の部屋は世界中の旅人の憧れです。
トルコの物価は日本と比べても安く、ホテル料金も低め。本物の洞窟部屋は一般の部屋よりもずっと割高になりますが、それでも世界のリゾートホテルの基準から見ればかなり安く泊まることができます。カッパドキア観光の際は、思い出に残る洞窟ホテルに泊まってみてはいかがでしょうか?
cover photo by PIXTA