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9/25はSDGsの日!全国1,741自治体から選出「サステナブルツーリズム」先進自治体ベスト30


旅は、未来を変える力になる
9月25日は「SDGsの日」。2015年に国連で持続可能な開発目標(SDGs)が採択された日を記念して定められました。
サステナブルツーリズムは、単なる環境に優しい旅行ではなく、訪れる人と迎える地域の人々が互いに尊敬し合い、関わりながら豊かさを生み出す新しい旅のスタイル。SDGsの視点からその土地の課題解決に貢献する旅は、忘れられない思い出になるだけでなく、地球の未来につながる特別な価値を持ちます。
この記事は、全国1,741の自治体から先進的な取り組みを行う30地域を厳選し、NEWTリサーチ部独自の視点でランキング化したものです。このランキングを通じて、旅が持つ「未来を変える力」を発見し、次の旅が誰かの笑顔やその土地の景色を守る一歩になることを願っています。
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2025年決定版!評価基準を徹底解説
本ランキングは、NEWTリサーチ部が独自に設定した5つの評価軸に基づき、全国の自治体を徹底調査した結果をまとめたものです。評価にあたり、観光庁や環境省、国連SDGs関連団体などの公的機関が公表するデータを参考にし、専門的な知見と客観性を担保しました。各評価軸は20点満点で、合計100点満点で総合順位を決定しています。
評価軸 | 最大配点 | 主な評価項目 |
環境への配慮 | 20点 | 再エネ活用やEV・公共交通の推進でCO₂削減に取り組んでいるかを評価。観光客が自然や生物多様性に触れ、学ぶ機会を提供しているかも重視。 |
地域経済への貢献 | 20点 | 観光が地域全体に利益をもたらし、持続的な雇用や収益を生んでいるかを評価。地元食材や工芸品を観光体験に組み込み、地域内に収益を還元する仕組みを重視。 |
文化・伝統の継承 | 20点 | 祭り・伝統芸能・歴史的建造物を保護しながら観光資源として活用できているかを評価。体験を通じた文化理解や、VR/ARでのオーバーツーリズム対策も評価対象。 |
インクルーシブ観光 | 20点 | 年齢・障害・国籍を問わず誰でも安心して旅を楽しめる環境づくりを評価。ユニバーサルデザイン、多言語対応、教育旅行(旅育)なども重視。 |
未来性・SDGs推進力 | 20点 | SDGs達成に向けた明確なビジョンやアクションプランを持ち、国際認証やアワードを獲得しているかを評価。国際基準に基づいた総合的な戦略を持つ自治体は他の評価軸でも優れている傾向あり。 |
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ランキング発表!サステナブルツーリズム先進自治体TOP30
1位:熊本県 阿蘇市
環境19点・地域経済20点・文化伝統19点・インクルーシブ19点・未来性20点 合計97点
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熊本県阿蘇市が日本のサステナブルツーリズムを代表するトップランナーとして、堂々の1位に輝きました。その最大の要因は、観光を「千年の草原」保全という地域最大の課題解決と見事に結びつけた「三方良し」の循環モデルにあります。阿蘇の草原は、世界的に評価される唯一無二の景観である一方で、人口減少や産業構造の変化により維持が困難になっています。この課題に対し、阿蘇市は立ち入りが制限されている牧野でのE-MTBライドツアーを企画。参加費に「牧野保全料」を組み込むことで、観光客が景色を楽しむだけでなく、その美しい景観を守るための保全活動に直接貢献できる仕組みを確立しました。
この取り組みは、単なる企業のCSR活動とは一線を画し、観光が地域社会の根幹に組み込まれた、持続可能な収益モデルを創出しています。地域の文化遺産を守るために、観光を一つのツールとして活用するその戦略的な姿勢は、観光庁の「サステナブルな旅アワード」で大賞を受賞し、国内外から高い評価を受けました。また、阿蘇ジオパーク推進協議会がエコツーリズム推進全体構想を策定していることや、2022年版「世界の持続可能な観光地TOP100選」に選出されていることも、その先進性を裏付けています。
2位:宮城県 東松島市
環境19点・地域経済19点・文化伝統19点・インクルーシブ19点・未来性20点 合計96点
東日本大震災の甚大な被害を乗り越え、持続可能な復興を成し遂げた東松島市が2位にランクインしました。同市は2018年に「SDGs未来都市」に選定され、震災からの復旧・復興を「SDGsの達成」という長期的な視点から再構築する道を歩んできました。その取り組みは、観光においても顕著であり、特に「宮城オルレ奥松島コース」を活用した施策が高く評価されています。このコースは、単なるトレッキングコースではなく、地域の自然環境や歴史、そして震災の記憶を伝えるストーリーテリングの場となっています。
奥松島地域は、2023年に国連世界観光機関(UNWTO)の「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」に東北で初めて認定されました。この認定は、観光による地域経済の活性化、文化遺産の保全、そして震災からの再生という多角的な努力が、国際的な基準を満たしていることの証明です。観光客は、地元でとれた新鮮な牡蠣や海苔を使った料理を味わうことで地域経済に貢献し、復興記念公園の訪問を通じて、震災を「自分ごと」として捉える機会を得ることができます。こうした一連の体験が、単なる旅の思い出を超え、地域と訪問者の間に深い絆を築き、新たな地域循環を生み出しているのです。
東松島市 産業部商工観光課長 髙野裕行様 コメント
全国第2位に選出いただき、大変光栄に存じます。東松島市は、東日本大震災からの復興を「持続可能性」の視点で進め、「世界の持続可能な観光地TOP100」に選定、奥松島地域が「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」に認定されるなど国際的な評価をいただいています。宮城オルレ奥松島コースでのトレッキングをはじめ、縄文文化に触れる体験や現役漁師との漁業体験、さらに牡蠣や海苔など海の幸も魅力です。ぜひ東松島で特別な時間をお過ごしください。
3位:長野県 白馬村
環境19点・地域経済19点・文化伝統18点・インクルーシブ19点・未来性20点 合計95点

ウィンタースポーツの聖地として知られる白馬村は、観光の通年化と、環境に配慮したリゾート経営への大胆な転換を高く評価され、3位となりました。同村は2020年に「ゼロカーボンシティ」を宣言し、再生可能エネルギーの導入や電気自動車の活用を進めるなど、観光産業が環境に与える負荷を最小限に抑えるための具体的な戦略を打ち出しています。冬のスキーリゾートから、夏のグリーンシーズンにはトレッキングやエコツアーといった多様なアクティビティを提供し、訪問者数や観光消費額だけでなく、持続可能性という視点を評価指標に加えています。
この総合的な取り組みが実を結び、白馬村は2023年にUNWTOの「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」に認定されました。この国際的な評価は、美しい自然に甘んじることなく、それを地域全体で守り、多様なステークホルダー(自治体、観光事業者、地域住民など)が連携して、未来に向けた観光地経営を推進していることの証です。また、白馬村はユニバーサルデザインの推進にも注力しており、多言語表示やバリアフリー化を進めることで、年齢や国籍、障害の有無に関わらず、誰もが雄大な自然を楽しめる観光地を目指しています。
白馬村 観光課観光商工係長 矢口浩樹様 コメント
白馬村は雄大な北アルプスの自然に抱かれ、四季折々のアクティビティを楽しめる山岳リゾートです。地域文化や環境を大切にするサスティナブルツーリズムを推進し、登山やスキーだけでなく、里山体験や地産食材を活かした滞在を通じて、人と自然が共生する持続可能な旅を提供しています。
4位:岐阜県 白川村
環境19点・地域経済18点・文化伝統20点・インクルーシブ18点・未来性19点 合計94点
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世界遺産「白川郷」を有する白川村は、その美しい景観を未来に継承するための住民の強い意志と取り組みが評価され、4位にランクインしました。特に高く評価されたのは、合掌造りの屋根を30〜40年に一度葺き替える伝統的な活動を、地域住民が一丸となって守り、観光客がその一部始終を見学できる仕組みです。これは、単に歴史的な風景を維持するだけでなく、「売らない・貸さない・壊さない」という住民の3原則に裏打ちされた、暮らしそのものを観光資源とする独自のモデルです。
この取り組みは、伝統文化を単なる展示物ではなく、生きている営みとして来訪者に伝え、文化の価値を深く理解させることに成功しています。同時に、観光客の増加に伴う住民の高齢化や担い手不足といった地域課題に対し、移住者を受け入れながら、共生を模索する柔軟な姿勢も示しています。この総合的な取り組みが評価され、白川村は2023年にUNWTO「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」に認定されました。観光客は、この村を訪れることで、地域の生活と文化を守る活動に間接的に貢献し、日本の原風景がなぜ今もなお残されているのかを肌で感じることができます。
5位:徳島県 上勝町
環境20点・地域経済19点・文化伝統17点・インクルーシブ17点・未来性19点 合計92点

日本で最も有名な「ゼロ・ウェイスト(ごみゼロ)」を掲げる上勝町が5位にランクインしました。同町の取り組みは、観光客に「ごみ分別体験」を提供することで、単なる知識の伝達に留まらず、自身のライフスタイルを見つめ直すきっかけを与えている点が極めてユニークです。観光客は、宿泊施設「HOTEL WHY」で出るごみを43種類に分別したり、量り売りのコーヒー豆を利用したりする体験を通じて、上勝町の循環型社会を肌で感じることができます。
上勝町は2003年に「ゼロ・ウェイスト宣言」を行い、2018年には「SDGs未来都市」に選定されるなど、持続可能性を追求する明確なビジョンを持っています。その姿勢は、ホテルやゴミステーションを一つの観光資源として再設計した「上勝町ゼロ・ウェイストセンター」に象徴されています。ここは、誰かの不要が誰かの必要に変わる「くるくるショップ」を備え、建物自体がアップサイクルされた建材で作られるなど、町全体が「ごみゼロ」を体現する体験型のアトラクションとなっています。観光を、地域課題の解決と訪問者の意識変容を同時に促す「教育」の場として捉えている点が、この町の大きな強みです。
上勝町 企画環境課長 清井信子様 コメント
本ランキングで第5位にご選出いただきありがとうございます。ゼロ・ウェイストとは、ごみや無駄、浪費を意味する「ウェイスト」をゼロにすること。「ごみ」として捨てられるものを「資源」と考え、それを循環させてごみを出さないようにしようという考え方です。上勝町は、未来の子どもたちにきれいな空気やおいしい水、豊かな大地を継承するため、環境に配慮した「持続可能な地域社会づくり」に取り組んでいます。上勝町を訪れた際には、暮らしの中に息づくゼロ・ウェイストを見つけてみてください。
6位:愛媛県 大洲市
環境18点・地域経済19点・文化伝統20点・インクルーシブ16点・未来性18点 合計91点

大洲市は、歴史的資源を観光に活かす革新的な「分散型ホテル」モデルで注目を集めています。城下町に点在する古民家や歴史的建造物を再生し、それぞれを客室やレストラン、ショップとして活用するこのモデルは、街全体を一つの大きなホテルとして捉える新しい観光の形です。この取り組みは、単なる宿泊施設の提供に留まらず、空き家問題の解消や起業家・事業者の誘致を促進し、地域経済に新たな活力を生み出しています。
DMO法人「キタ・マネジメント」が中心となり、観光庁の支援も受けながら進められているこのプロジェクトは、文化財の保護と収益性を両立させる模範的な事例です。この結果、大洲市は国際認証団体「グリーン・デスティネーションズ」の「世界の持続可能な観光地TOP100選」に2年連続で選出されており、その取り組みは持続可能な観光地経営の好事例として国際的に認知されています。
愛媛県大洲市 環境商工部 観光まちづくり課 コメント
このたび、全国第6位という評価をいただき、大変光栄に存じます。大洲市は、市の中心を清流・肱川が流れ、自然や歴史・文化など多くの恵みを享受できる地域です。また、大洲城の城下町として栄えた町並みは、現在もその風情を色濃く残しており、多くの方に愛されております。今後も、これらの歴史的資源を活用した持続可能な観光まちづくりを推進するとともに、より多くの方に大洲市の魅力を伝え、地域の発展に寄与できるよう努めてまいります。
7位:香川県 小豆島町・土庄町
環境17点・地域経済18点・文化伝統19点・インクルーシブ19点・未来性17点 合計90点
オリーブ栽培発祥の地として知られ、美しい自然と温暖な気候に恵まれた小豆島は、今回7位にランクインしました。特に評価されたのは、両町が連携して推進する「誰もが旅を楽しめる」インクルーシブ観光の取組です。小豆島では、車椅子利用者も車いすのまま海水浴を体験できる「ユニバーサルビーチ」の活動を展開。障がいの有無や世代を超えて楽しめる観光モデルとして注目を集めています。
小豆島は国際認証団体「グリーン・デスティネーションズ」から国内初の「シルバーアワード」を受賞し、「世界の持続可能な観光地TOP100選」にも複数年選出されるなど、世界基準でも高い評価を得ています。観光を「消費される島」から「持続できる島」へと転換させようとする明確なビジョンと、両町が一体となった取り組みが、この島の未来を確かなものにしています。
小豆島町 商工観光課 コメント
小豆島町の名産品は、オリーブ・醤油・手延べ素麺・佃煮、観光地は、寒霞渓・二十四の瞳映画村・オリーブ公園など見どころ満載です。小豆島は、「島はひとつ」というスローガンのもと観光窓口を一本化し、小豆島観光ビジョンを策定しました。評価されたインクルーシブ観光の取組は、同ビジョンに掲げたアクションプランのひとつであり、持続可能な観光地として更なる高みを目指します。
土庄町 商工観光課 コメント
土庄町の主な名産品は、オリーブ・醤油・手延べ素麵・佃煮・ごま油、主な観光地は、エンジェルロード・世界一狭い海峡「土渕海峡」・迷路のまちなど見どころ満載です。持続可能な観光推進事業は、行政だけでなく、地元事業者や地域の人などへ取り組みが波及し始めており、島一体となって推進しています。観光により消費される島ではなく、観光により持続できる島を目指し、今後も取り組みを進めて参ります。
8位:栃木県 那須塩原市
環境18点・地域経済18点・文化伝統17点・インクルーシブ18点・未来性18点 合計89点
那須塩原市は、温泉や豊かな自然といった地域資源を活かした「ウェルネスなツーリズム」を掲げ、持続可能な観光地域づくりに力を入れています。特に注目すべきは、ヨガや瞑想、温泉、スパ、森林セラピーなどのユニークな体験プログラムです。これは、単に自然を楽しむだけでなく、心身の健康増進を目的とした新しい観光の形であり、持続可能性と個人のウェルビーイングを両立させる試みとして高く評価されます。
さらに、同市は「那須塩原市観光マスタープラン」を策定し、観光事業者がSDGsを推進するためのパートナーシップ創出を目指すなど、自治体が主導する戦略的な観光政策が高い未来性を有しています。この計画性が評価され、国際的な認証団体「グリーン・デスティネーションズ」の「世界の持続可能な観光地TOP100選」に2年連続で選出されました。この受賞は、同市の取り組みが国際基準に照らしても優良な事例であることの証明であり、観光を通じて、人と自然、そして地域の暮らしが豊かになる未来を目指す確固たる姿勢を示しています。
那須塩原市 ツーリズム推進課観光政策係長 生井龍介様 コメント
栃木県北部に位置する那須塩原市は、東京から新幹線でわずか約70分とアクセスに優れ、豊かな自然と都市機能が調和し、暮らしやすい環境が魅力です。市内には塩原温泉郷や板室温泉といった歴史ある温泉地があり、心身ともに安らぎを与えてくれます。また、全国有数の酪農地帯であり、全国第2位の生乳産出額を誇ります。高原の自然が育んだ新鮮な牛乳や乳製品、農産品を活かした食も豊富に楽しめます。本市では、「ウェルネスなツーリズム」を掲げ、訪れる人、暮らす人、働く人の人生を豊か(Wealth)にする持続可能な観光地域づくりを目指しています。食と安らぎの環境を活かした、心身の健康を求める旅を体験してみませんか。
9位:群馬県 みなかみ町
環境20点・地域経済17点・文化伝統17点・インクルーシブ16点・未来性18点 合計88点

みなかみ町は、町の約9割を森林が占める自然資源の宝庫であり、ユネスコエコパークに国内8例目として登録された先進地域です。その豊富な自然を活かした「体験型エコツーリズム」が高く評価され、9位にランクインしました。同町のエコツアーは、ラフティングやトレッキングといったアクティビティだけでなく、地元ガイドによる自然解説や里山文化の紹介を通じて、単なるレジャーに留まらない「学びとつながり」を重視しています。
また、マイカー規制区域への電気バス導入や、「SDGs未来都市」への選定など、観光と環境保全を両立させるための自治体の戦略的な姿勢が明確に示されています。これは、自然環境を観光で消費するのではなく、観光を通じてその価値を再認識し、保全へとつなげる好循環を生み出すものです。訪問者は、みなかみ町で旅をすることで、雄大な自然を五感で感じながら、その場所が持つ環境的な価値と、それを守る人々の思いを学ぶことができます。
みなかみ町 商工観光課 コメント
この度は、第9位に選出いただき、ありがとうございます。みなかみ町は、関東地方の最北に位置し、「利根川源流のまち」として首都圏約3千万人の経済と暮らしを支える水源地として、豊かな自然環境を「まもり・いかし・ひろめる」取組を推進しています。日本トップクラスの山と水の自然を有するみなかみ町で、様々な感動体験をしてみてはいかがでしょうか。
10位:徳島県 三好市
環境17点・地域経済17点・文化伝統20点・インクルーシブ15点・未来性18点 合計87点

徳島県三好市は、国の重要有形民俗文化財である「祖谷のかずら橋」を観光資源とする一方で、その維持・継承に観光をうまく活用している点が評価され、10位に選ばれました。年間約35万人の観光客が訪れるこの吊り橋は、3年に一度、昔ながらのやり方で自然の材料を使い、ほぼ手作業で架け替えが行われます。この伝統的な作業が、観光客に地域の文化を伝える貴重な体験となり、橋を渡ることで得られる収益が、その保全活動に再投資されるという、地域循環型のモデルを構築しています。
三好市は、この「かずら橋の架け替え」の取り組みが評価され、2023年に「世界の持続可能な観光地TOP100選」に選出されました。これは、伝統文化の継承という地域課題が、観光の力を借りることで持続可能になることを示す好例です。三好市は、地域の歴史と文化を大切にしながら、それを観光というツールで守り育てる姿勢が、真のサステナブルツーリズムを体現していると評価できます。
三好市 産業観光部観光課 コメント
この度は「サステナブルツーリズム先進自治体」に選出いただきありがとうございます。三好市は四国のほぼ中央に位置することもあり、古くから交通の要衝として発展してきました。また、「大歩危・祖谷」といったエリアは雄大な自然と独自の文化、そして「この地域の伝統を守り、育んできた地域住民の暮らし」が残っており、多くのインバウンド観光客が訪れています。皆様もぜひお越しいただき、日本の原風景をお楽しみください。
11位〜30位:サステナブルツーリズムを牽引する、次世代のホープたち
11位:北海道 下川町
環境19点・地域経済18点・文化伝統17点・インクルーシブ16点・未来性16点 合計86点

森林が町の9割を占める下川町は、持続可能な「循環型森林経営」をいち早く確立し、「環境未来都市」「SDGs未来都市」に認定されています。観光においても、森林見学や木質バイオマスを学ぶツアーを提供しており、産業と観光が密接に結びついた地域経済の好循環モデルを構築しています。
12位:京都府 南丹市美山町
環境17点・地域経済17点・文化伝統19点・インクルーシブ16点・未来性16点 合計85点

国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された「かやぶきの里」は、地域住民と行政が連携した持続可能な観光モデルを実践しています。年間を通じて四季折々の美しい原風景が楽しめるこの町は、来訪者が地域の文化や景観を未来に残す「協力者」となることを目指し、2021年にUNWTO「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」に認定されました。
13位:香川県 丸亀市
環境16点・地域経済17点・文化伝統19点・インクルーシブ16点・未来性16点 合計84点

国際的な認証団体から「世界の持続可能な観光地TOP100選」に初めて選出された丸亀市は、国の伝統的工芸品である「丸亀うちわ」の技術継承への取り組みが高く評価されました。後継者育成と技術伝承が、観光客との交流人口を増やし、地域振興に大きく寄与しているとされています。
14位:北海道 美瑛町
環境17点・地域経済18点・文化伝統16点・インクルーシブ15点・未来性17点 合計83点
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丘陵の美しい景観で知られる美瑛町は、観光客による農地への無断立ち入りといった「観光マナー問題」に対し、啓蒙活動と「農業×観光」の融合で対応しています。UNWTO「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」に認定されたその背景には、地域の暮らしと観光を両立させようとする真摯な努力があります。
15位:岩手県 釜石市
環境17点・地域経済18点・文化伝統16点・インクルーシブ15点・未来性16点 合計82点

東日本大震災で大きな被害を受けた釜石市は、震災の記憶を未来に伝える「復興」と、海洋プラスチックごみ対策を融合させた「漁船クルーズ」が高い評価を得ました。ガイドを務める漁師自身が自らの仕事を見つめ直し、観光客は顕微鏡でマイクロプラスチックを観察する体験を通じて、海の環境問題を学ぶことができます。この取り組みは、5年連続で「世界の持続可能な観光地TOP100選」に選出されるなど、国際的な注目を集めています。
16位:東京都 小笠原村
環境19点・地域経済16点・文化伝統16点・インクルーシブ15点・未来性15点 合計81点

「東洋のガラパゴス」とも称される小笠原村は、独自の進化を遂げた固有の動植物が織りなす世界自然遺産を舞台に、エコツーリズムを推進しています。自然保護を第一に、地元のガイドによる生態系の解説や、パッションフルーツなどの地場産品を活用したガストロノミーを通じて、島の魅力を深く伝えています。
17位:鹿児島県 与論町
環境17点・地域経済16点・文化伝統16点・インクルーシブ14点・未来性17点 合計80点

奄美群島に属する与論町は、美しい星空と文化を観光資源とする「持続可能な星空ツーリズム」を推進しています。国際的な認証団体グリーン・デスティネーションズの「世界の持続可能な観光地TOP100選」に選出されており、星空や豊かな自然を守るための町の取り組みが国際的に評価されています。
18位:山形県 鶴岡市
環境16点・地域経済18点・文化伝統18点・インクルーシブ13点・未来性14点 合計79点

「食の都 庄内」を掲げる鶴岡市は、地産地消条例をいち早く制定し、独自のガストロノミーツーリズムを推進しています。歴史ある城下町や湊町の景観を活かし、地元で代々受け継がれてきた在来作物を使った料理を提供するなど、食文化を通じた持続可能な地域づくりを行っています。
19位:長野県 小布施町
環境16点・地域経済17点・文化伝統17点・インクルーシブ13点・未来性15点 合計78点
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景観まちづくりで知られる小布施町は、GDトップ100選に選出されるなど、その取り組みが国際的に評価されています。古い町並みを保全しつつ、栗やリンゴといった地元の農産物を活かした観光で地域経済を活性化させています。
20位:福岡県 太宰府市
環境14点・地域経済17点・文化伝統18点・インクルーシブ14点・未来性14点 合計77点

年間1千万人近くが訪れる太宰府天満宮の門前町で、空き家となっていた古民家を再生した「分散型ホテル」の取り組みが注目されています。宿泊施設が少なかったという課題を、歴史的資源の活用で解決し、観光客の長期滞在と消費拡大に貢献しています。
21位:三重県 鳥羽市
環境15点・地域経済16点・文化伝統18点・インクルーシブ13点・未来性14点 合計76点

海女文化に代表される豊かな伝統を持つ鳥羽市は、伊勢志摩国立公園に位置し、自然と文化の継承を目的とした「鳥羽市エコツーリズム推進協議会」を設立しています。海女漁や磯観察会など、海と共生する暮らしを体験できるプログラムを提供し、循環と連携をキーワードに活動しています。
22位:奈良県 十津川村
環境17点・地域経済15点・文化伝統16点・インクルーシブ12点・未来性15点 合計75点

奈良県十津川村は、持続可能な森林保全と観光振興を両立させる「十津川村SDGsモデル構想」を推進しています。紀伊山地の豊かな自然を活かし、観光庁のモデル事業にも選定されるなど、地域資源の保全と活用の両立を目指しています。
23位:長野県 松本市
環境17点・地域経済16点・文化伝統15点・インクルーシブ12点・未来性14点 合計74点
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長野県松本市は「100%カーボンニュートラル」と「エネルギー自立分散型のまちづくり」を目指し、「スーパーシティ構想」を進めています。再生可能エネルギーの導入やスマートグリッド技術の活用を通じて、観光地の脱炭素化を推進し、環境に配慮したまちづくりを実践しています。
24位:埼玉県 飯能市
環境16点・地域経済16点・文化伝統15点・インクルーシブ12点・未来性14点 合計73点

行政と民間が連携した「里山観光モデル」を推進しています。地元の旅館やNPOと協力し、廃校を宿泊施設として活用するなど、里山文化を体験しながら持続的な地域活性化と雇用創出を両立させています。
25位:富山県 上市町
環境15点・地域経済14点・文化伝統17点・インクルーシブ12点・未来性14点 合計72点
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北アルプス立山連峰に抱かれた上市町は、山岳信仰の歴史と豊かな自然を活かし、森林セラピー体験を提供しています。古刹や霊水といった「町の宝」を守り、伝えることを基本に、観光を通じて地域振興を目指しています。
26位:千葉県 君津市
環境15点・地域経済15点・文化伝統16点・インクルーシブ12点・未来性13点 合計71点

廃校を舞台に、外国人向けに日本の昭和の学校生活を体験できるユニークなプログラム「君ノ高校」を提供しています。地元食材を使った給食や伝統文化の授業を取り入れるなど、地域資源を効果的に活用した体験を通じて、新たな観光客層を開拓しています。
27位:山形県 西川町
環境14点・地域経済16点・文化伝統16点・インクルーシブ12点・未来性12点 合計70点

冬の観光資源として「雪旅籠の灯り」の雪像制作に地域住民と内定者研修が連携して取り組むなど、イベントを通じて地域活性化と伝統継承を図っています。これにより、関係人口の増加と地域への愛着を醸成する効果が期待されます。
28位:岩手県 大船渡市
環境15点・地域経済15点・文化伝統13点・インクルーシブ12点・未来性14点 合計69点
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「長く歩く道」をテーマに、地域資源を活かした長期滞在型の観光を推進しています。ハイキングを通じて訪問者が自然や文化を楽しみながら保全活動にも参加できる仕組みを整え、地域コミュニティとの共生を図る持続可能な取り組みが高く評価されています。
29位:奈良県 奈良市
環境14点・地域経済15点・文化伝統15点・インクルーシブ12点・未来性12点 合計68点

「奈良漬を本来の姿に。」というコンセプトのもと、伝統的な奈良漬を観光資源として再編集し、地域の食文化を継承する取り組みを行っています。歴史的な街並みと組み合わせることで、奈良ならではの体験価値を創出しています。
30位:鹿児島県 奄美市
環境16点・地域経済14点・文化伝統14点・インクルーシブ11点・未来性12点 合計67点

世界自然遺産に登録された奄美大島に位置する奄美市は、豊かな自然と文化を活かしたエコツーリズムを推進しています。自然保護と地域住民の暮らしが調和した「日常の観光化」を目指し、観光客に本質的な体験を提供しています。
旅を通じて、持続可能な未来を築く
今回の調査を通じて明らかになったのは、日本のサステナブルツーリズムが、単なるブームではなく、地域が抱える課題を解決するための強力なツールとして進化していることです。ランキング上位に名を連ねた自治体は、どれも独自の資源(自然、文化、歴史)を活かし、観光を「消費」ではなく「再生」のための原動力として捉えています。
- ビジョンを軸にした戦略: 多くの先進地域が、国際認証や国内アワードを目標に掲げ、自治体全体で長期的な戦略を策定しています。このビジョンが、環境、経済、文化といった多岐にわたる具体的な取り組みへと繋がり、強固な好循環を生み出していることが見て取れます。
- 地域循環型モデルの創出: 観光客が支払うお金が、地域の雇用や文化継承、自然保護に直接還元される仕組みを構築している地域が目立ちました。これは、観光を通じて地域に貢献できるという新しい旅の価値観を具現化したものです。
- テクノロジーの活用: デジタル技術は、過剰な観光客による負荷を軽減し、同時に、より深く、よりパーソナライズされた体験を創出する上で不可欠な要素となっています。
この記事が、あなたの次の旅のきっかけとなり、訪れる土地が持つSDGsの取り組みに少しだけ関心を向けるきっかけになれば幸いです。地産地消の料理を味わったり、伝統工芸品を買ったり、地域のガイドさんと交流したり。旅の小さな一歩が、その土地の明るい未来につながることを忘れないでください。