大涌谷の見どころを解説！ロープウェイで行く大涌谷くろたまご館の観光スポットを紹介

大涌谷の基本情報

日本の代表的な観光スポット・大涌谷。まずは、大涌谷の歴史や特徴などの基本情報を解説します。

大涌谷とは？

大涌谷は、箱根を代表する観光スポットとして知られる火山性の谷です。標高1,044メートルに位置し、箱根火山の中でも特に活発な火山活動が見られる地域です。

至る所から立ち上る白い噴煙と、空気中に漂う硫黄の強い匂いが特徴的で、訪れる人々に地球の息吹を直に感じさせます。

この地域は「箱根山」と呼ばれる活火山の一部で、箱根ジオパークのジオサイトの一つとしても重要な位置を占めています。晴れた日には、富士山や相模湾を一望できる絶景スポットとしても有名です。

大涌谷の歴史

大涌谷の歴史は、箱根火山の壮大な活動と密接に結びついています。約3000年前、箱根火山で大規模な水蒸気爆発が発生し、山崩れによる堆積物が地表を覆いました。その後、約2900年前に小規模な火砕流が発生し、冠ヶ岳が形成されるとともに、さらなる火山砕屑物が積もりました。

現在の大涌谷は、二つの火山活動による堆積物と山崩れの堆積物の間に位置しています。かつては「大地獄」と呼ばれていましたが、1873年8月5日の明治天皇・皇后の訪問を前に、大涌谷に改称されました。

その後の開発には、新1万円札の肖像である実業家の渋沢栄一が大きく貢献します。渋沢は大涌谷からの大規模な温泉供給網の構築に尽力し、仙石原高原リゾートの基礎を築きあげました。

大涌谷へのアクセスとロープウェイの楽しみ方

大涌谷観光の拠点となる都市は箱根湯本です。箱根湯本から大涌谷へ行く方法が一般的です。ここでは、自家用車、公共交通機関、そしてロープウェイを利用した行き方を解説します。

自由に移動するなら車

大涌谷へ自家用車でアクセスする場合、箱根湯本から国道1号線を経由すると約1時間程度で到着します。ただし、観光シーズンや週末は渋滞が予想されるため、余裕を持った計画を心がけましょう。

大涌谷駐車場は、営業時間が午前9時から午後4時（冬季は午後4時まで、夏季は午後4時20分まで）となっています。

料金は平日と休日で異なり、平日は最初の2時間500円、その後30分ごとに200円加算、最大1,300円です。休日は最初の30分500円、30分超え2時間まで1,000円、その後30分ごとに400円加算、最大2,600円となっています。

渋滞を避けるなら、桃源台駅（有料）、姥子駅（無料）、早雲山駅（無料）の駐車場の利用がおすすめです。大涌谷駐車場と比較すると、比較的空いている傾向にあります。

公共交通機関を利用する場合

大涌谷への公共交通機関を利用したアクセス方法には、いくつかの選択肢があります。

箱根湯本駅を起点とする場合、箱根登山鉄道と箱根登山ケーブルカーを乗り継ぐルートがおすすめです。このルートは風光明媚な景色を楽しみながら移動できます。所要時間は約50分です。

直接的なアクセス方法として、箱根湯本駅から伊豆箱根バスの直通便があります。約34分で大涌谷に到着します。

景色重視の方には、箱根湯本駅からバスで元箱根港へ行き、そこから箱根海賊船で桃源台まで移動するルートがおすすめです。芦ノ湖からの眺めは格別で、天候が良ければ富士山も望めます。

ロープウェイの楽しみ方

箱根ロープウェイは、雄大な自然を空中から楽しめる人気の観光アトラクションです。早雲山駅、大涌谷駅、姥子駅、桃源台駅の4つの駅を結び、各区間の所要時間は約15分です。

18人乗りのゴンドラが約1分間隔で運行しており、2月から11月は午前9時から午後4時45分まで、12月と1月は午後4時15分まで営業しています。

車窓からは、大涌谷の荒涼とした山肌と立ち昇る噴煙、眼下に広がる谷底の景色、晴れた日には富士山や芦ノ湖の絶景が楽しめます。特に夕方の芦ノ湖は湖面がキラキラ輝く美しい光景を観賞できます。

箱根ロープウェイの片道乗車券は大人1,500円、子どもは500円です。往復乗車券は大人2,500円、子どもは800円となっており、お得に利用できます。長く滞在する方は「箱根フリーパス」がおすすめ。大人5,000円、子供1,000円で販売しており、箱根エリアの8つの乗り物が乗り放題となっています。

大涌谷観光の見どころ

大涌谷は、箱根の活火山活動を間近に体感できる壮大な自然景観が広がる場所です。ロープウェイからの絶景、噴煙地帯の迫力ある光景、温泉の恵みなど、見どころが豊富に詰まっています。

一方で、限られた時間で全てを楽しむには、効率的な計画が必要です。ロープウェイからの眺望、遊歩道での火山体験、名物の黒たまごなど、大涌谷観光の主要な見どころをまとめました。

ロープウェイから季節ごとに異なる景色を楽しめる！

箱根ロープウェイは、四季折々の美しい景色を楽しみたい方におすすめです。春は新緑、夏は深緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、季節ごとに異なる絶景を堪能できます。特に秋の紅葉シーズンは、山々が赤や黄色に染まり、息をのむような美しさです。

晴れた日には、富士山や芦ノ湖の絶景も楽しめます。富士山は姥子駅付近が最も綺麗に見えるポイントとされています。また、夕方に桃源台方面へ向かうと、キラキラ輝く芦ノ湖を一望できる絶景スポットもあります。

大涌谷駅周辺では、白煙が立ち昇る迫力ある火山景観を間近で見ることができ、箱根の自然の雄大さを体感できますよ。

地熱が作り出す壮大な噴煙と硫黄の香り

大涌谷は、箱根火山活動の息吹を間近に感じられる圧巻のスポットです。水蒸気爆発によって形成されたこの地域では、今もなお活発な火山活動が続いています。

至る所から立ち昇る白い噴煙と、鼻をつく硫黄の強烈な香りが、訪れる人々を圧倒します。独特の風景は、かつて地獄谷と呼ばれていたことを納得させる光景です。

噴煙地帯では、100℃近い熱水や水蒸気が噴出し、周囲の岩石を溶かし、植物を立ち枯れさせています。この荒涼とした景観は、地球の生きた姿を直に感じさせる稀有な場所となっています。

大涌谷遊歩道で大自然を体感

大涌谷遊歩道は、火山活動を間近に体感できる貴重な自然研究路です。全長約700mの園路では、立ち昇る噴煙や火山地帯特有の植生を観察しながら、火山の成り立ちを学べます。

引率入場方式を採用しており、1日4回、各回30名限定の事前予約制です。所要時間は約40分となっています。

参加には条件があり、小学生以上で自力避難が可能な方に限られます。また、安全対策協力金800円の支払いと、ヘルメットの着用が必要です。

大涌谷温泉足湯で癒しのひととき

大涌谷エリアでは、火山活動の迫力を体感しながら、温泉の恵みを楽しめます。特に人気なのが、無料で利用できる足湯スポットです。

箱根ロープウェイの早雲山駅2階にある「cu―mo箱根」では、展望テラスに併設された足湯から箱根外輪山や相模湾の絶景を楽しめます。雲をイメージしたフォトジェニックなスイーツやドリンクを味わいながら、強羅温泉の足湯に浸かれますよ。

足湯スポットは、観光の合間の休憩や、旅の締めくくりに最適です。火山の熱を感じながら、心身ともにリラックスできる癒しの時間を過ごせるでしょう。

大涌谷くろたまご館で食べる黒たまご

大涌谷くろたまご館は、箱根名物の黒たまごを楽しめる人気スポットです。黒たまごは、大涌谷の温泉でゆでられることで殻が黒く変色した特別なゆで卵です。1個食べると7年寿命が延びるという言い伝えがあり、観光客に人気です。

くろたまご館では、できたての黒たまごを購入できます。通常のゆで卵と比べてうまみ成分が20%ほど高いと言われており、独特の味わいを楽しめます。

黒たまごにちなんだオリジナル商品も多数販売されており、お土産として人気です。館内には「涌わくキッチン＆CAFE」があり、軽食やドリンクを楽しめます。

大涌谷観光をする際の注意点

大涌谷は箱根を代表する観光スポットですが、活火山地帯であるため、訪問の際には特別な注意が必要です。ここでは、大涌谷を訪れる際に知っておくべき重要な注意点をご紹介します。

事前に営業状況を確認しておこう

大涌谷を訪れる際は、事前に営業状況を確認しておきましょう。火山活動の状況や天候によって、施設の営業や交通機関の運行が突如として変更される可能性があるからです。

特に注意が必要なのは、火山活動の活発化による立ち入り制限、霧や強風、雨などの悪天候時のロープウェイ運休などです。

これらの情報は、大涌谷の公式Webサイトや箱根ロープウェイの公式サイト、各種SNSなどで最新情報を確認しておくことをおすすめします。

火山性ガスに注意しよう

大涌谷では、活発な火山活動により人体に有害な火山性ガスが発生しています。硫化水素と二酸化硫黄が含まれており、健康に深刻な影響を与える可能性があります。

特に注意が必要なのは、呼吸器系や循環器系に疾患がある方です。具体的には、ぜんそく患者、呼吸器系に異常のある方、心臓疾患を持つ方が高リスク群に含まれます。また、妊婦や体調不良の方も火山ガスの影響を受けやすいため、注意した方が良いでしょう。

火山ガスの濃度が高い場合、目や鼻、喉に刺激を感じることがあります。このような症状を感じたら、即座にその場を離れるのが重要です。安全のため、現地の注意看板をよく読み、体調に不安がある場合は立ち入りを控えましょう。

大涌谷周辺の観光スポット

大涌谷の壮大な火山景観を堪能した後は、周辺の魅力的なスポットも訪れてみましょう。仙石原高原の広大な自然、強羅の温泉街、早雲山からの絶景、そして桃源台・湖尻の芦ノ湖畔の風景など、箱根の多彩な魅力を一度に楽しめます。ここでは、大涌谷周辺のおすすめ観光スポットをご紹介します。

仙石原高原

自然と芸術の調和が魅力のリゾートエリア

仙石原高原は、箱根の中でも特に自然の魅力に溢れたエリアです。標高約650mに位置し、四季折々の美しい景色を楽しめます。特に秋のすすき草原は、「かながわの景勝50選」に選ばれるほどの絶景で、黄金色に輝くススキの穂が風に揺れる様子は圧巻です。

箱根湿生花園は、約1,700種もの植物が四季を通じて楽しめます。また、このエリアは美術館の宝庫としても知られ、ポーラ美術館やラリック美術館、ガラスの森美術館など、個性豊かな施設が点在しています。

強羅

自然と文化が融合した温泉リゾート地

強羅は箱根の中心に位置する標高約520mの温泉地で、箱根登山鉄道の開通により発展しました。

かつては政財界人や文化人の別荘地として栄えており、現在は駅周辺に飲食店や土産物店が立ち並ぶ賑やかな温泉街となっています。

箱根強羅公園や箱根美術館、彫刻の森美術館など文化施設が充実しているほか、早川沿いの桜並木や足湯スポットなど、自然を楽しむ施設も豊富です。

早雲山

温泉や絶景などの魅力が凝縮された箱根観光の中継地点

早雲山は、箱根観光の中継地点として重要な役割を果たしています。箱根登山ケーブルカーと箱根ロープウェイの乗換駅であり、絶景ポイントとしても人気があります。

駅周辺からは強羅の町並みや箱根外輪山を一望でき、晴れた日には相模湾まで見渡せますよ。

駅舎には展望テラスや足湯、ショップなどを備えた「cu-mo箱根」が併設されており、単なる乗換駅以上の魅力を持っています。

桃源台・湖尻

陸路と水路の交通の要衝

桃源台・湖尻エリアは、箱根の魅力が凝縮された自然豊かなリゾート地です。箱根ロープウェイの終点である桃源台駅周辺には、芦ノ湖を一望できる湖尻園地があり、散策路や野鳥の森、子供広場などが併設されています。

また、箱根海賊船の発着場もあり、湖上からの景色を楽しめます。湖畔では手漕ぎボートも楽しめ、のんびりとした時間を過ごせますよ。箱根十七湯の一つである芦ノ湖温泉があり、自然に囲まれながらゆったりとくつろげるでしょう。

大涌谷の観光を満喫しよう

この記事では、大涌谷の観光に関する見どころや歴史、見学方法、アクセスなどをご紹介しました。箱根を代表する火山地帯である大涌谷は、一度は訪れたい人気の観光スポットです。

ぜひ紹介した情報を参考に、大涌谷の観光を満喫してみてくださいね！

cover photo by PIXTA