オーストラリアの首都はキャンベラ!見どころや歴史などを解説
日本の約20倍の面積を持つオーストラリア。その首都はよくクイズになるほど間違えやすい都市です。答えはキャンベラ。よく首都と間違えられるシドニーの南西約280キロメートルにある都市です。今回は、実は魅力的なオーストラリアの首都・キャンベラを紹介!その歴史や行き方、観光の見どころなどを解説します。
日本の約20倍の面積を持つオーストラリア。その首都はよくクイズになるほど間違えやすい都市です。答えはキャンベラ。よく首都と間違えられるシドニーの南西約280キロメートルにある都市です。
今回は、実は魅力的なオーストラリアの首都・キャンベラを紹介!その歴史や行き方、観光の見どころなどを解説します。
\NEWTでおトクに旅行しませんか✈️/
キャンベラの基本情報
オーストラリアの首都・キャンベラは小さな街。人口47万人はオーストラリアでは8番目で、どちらも約580万人の人口を持つシドニーやメルボルンと比べれば12分の1以下の都市です。そして街の特徴はとても整然としていること。きっちりと区切られた美しい街並みが広がっています。ではあまり大きくはないキャンベラがなぜオーストラリアの首都なのでしょうか。まずはキャンベラの基本情報を確認してみましょう。
キャンベラがある場所は?
キャンベラがあるのはニューサウスウェールズ州に完全に囲まれた首都特別地域、Australian Capital Territory(ACT)の中心です。
その場所はシドニーの南西約280キロメートルで、メルボルンの北東660キロメートルの位置。実はキャンベラが首都である大きな理由が、この位置なのです。
キャンベラの街の構成
キャンベラは、ほかのオーストラリアの主要都市とはまったく違う成り立ちの街。アメリカの首都であるワシントンD.C.と同じように、人工の完全計画都市として設計されています。都市の基礎を考案したのは、アメリカの建築家ウォルター・バーリー・グリフィン。彼は小さな村しかなかった緑豊かな土地に美しい都市を設計しました。中心にあるのは設計者の名をとった人造湖バーリー・グリフィン湖。その北はシティ・ヒル、南はキャピタル・ヒルに分かれています。
オーストラリアの首都キャンベラの成り立ち
キャンベラは、他の国とはまったく違う理由で首都になった街。ユニークな歴史を持っています。オーストラリアはイギリスの6つの植民地が連合し、1901年1月1日にイギリス自治領のオーストラリア連邦として事実上独立しました。
ところがそこで問題になったのが、首都をどこにするかという問題。当時のオーストラリアの二大都市は、ニューサウスウェールズ州の州都シドニーと、ビクトリア州の州都メルボルン。この2都市が首都の座をめぐって長い間、議論を繰り返していたのです。しかしどちらも譲らず、話し合いは決裂寸前に。そこで妥協案として、シドニーでもメルボルンでもなくその間、シドニーから最低でも100マイル(約160キロメートル)離れた場所に新しい首都を建設することになったのです。
キャンベラの建築の経緯
新しい首都ができるまで暫定首都となったのはメルボルン。1911年にようやくキャンベラの都市デザインの国際コンペが実施され、アメリカの建築家ウォルター・バーリー・グリフィンの計画が採用されました。当初の案ではキャンベラの街は円や六角形、三角形などの幾何学模様がモチーフ。今の姿よりもずっと芸術的な街でした。ところがいざ建設が始まると予算は不足し、さらにオーストラリアの官僚が計画に干渉。グリフィンは計画半ばで解雇されてしまいました。
1927年にキャンベラは正式にオーストラリアの首都となりましたが、首都の建設は中途半端なまま。第2次対戦後になっても、キャンベラはまるで田舎町のようだと酷評されました。国立首都発展委員会(NCDC)が設立され、ようやく建設が大きく進んだのは1957年のこと。以後キャンベラは人口も増え、少しずつ大きな都市となっていきました。
キャンベラの主要空港は?日本から直行便はある?
キャンベラにもっとも近い空港はキャンベラ国際空港。キャンベラ市街の東の草原地帯にあります。日本からの直行便はありませんが、メルボルンやブリスベンなどオーストラリアの主要都市から国内便が運航。市街地への移動はシャトルバスかタクシーを利用します。移動時間は約20分です。
キャンベラの気候は?
キャンベラは気候区分では西岸海洋性気候ですが、やや内陸部にあるため乾燥しているのが特徴。また四季がはっきりと分かれていて夏は暑く、冬は寒くなります。ただし夏でも湿度は低いため比較的快適。
冬場は最低気温が0度を下回ることもあり、とくに朝晩はとても冷え込みます。市内で雪が降ることはほとんどありませんが、周囲のオーストラリアアルプスには雪が積もることも。ベストシーズンは3月から5月の秋と、9月から11月の春になります。
\NEWTでおトクに旅行しませんか✈️/
オーストラリアの首都キャンベラの観光名所
キャンベラはオーストラリアの政治や学術の中心都市。政治関連施設や学術施設が多くあります。キャンベラは主な施設が市の中心地に集まっているのが魅力です。また郊外の自然も見どころ。ここではキャンベラの観光名所をいくつか紹介しましょう。
キャンベラ国会議事堂
首都を訪ねたらやはり見てみたいのが国会議事堂。丘の上にある旧国会議事堂は、現在は歴史や文化を学べるオーストラリア民主主義博物館になっています。
一方、広い敷地のなかに建つ新館はとてもモダンな建物です。正面入り口のモザイクタイルを手掛けたのは、先住民族アボリジニのデザイナー。中に入ると部屋数はなんと4,500もあります。議事堂内は25分間、または45分間の有料ツアーで見学できるので、ぜひ参加してみてください。
オーストラリア国立美術館
オーストラリア国立美術館は、キャンベラ国会議事堂から歩いて10分ほどの距離にある美術館。収蔵されているのは世界各国の1万5,000人以上のアーティストによる15万点以上の作品です。とくにアボリジニの作品には注目ですよ!
また彫刻の庭に屋外展示されている30以上の立体作品も見どころです。ユニークなアートのなかには日本人作家の作品もありますよ。充実した展示はすべて無料で見学可能なのもうれしいですね。
オーストラリア国立植物園
オーストラリア国立植物園は国会議事堂の北にあるモロングロ川を渡った先にある植物園。4,300種以上、約7万5,000の植物が展示されていて、こちらも入場無料です。70種類以上のユーカリの木などオーストラリアの植物を見ながらゆったりと散策できるのが魅力。市民の安らぎスポットとしても人気です。
バーリー・グリフィン湖
バーリー・グリフィン湖は、街の中心にある人造湖。国会議事堂の北側を流れるモロングロ川をせき止めて作られました。湖ではクルーズツアーに参加したり、遊歩道を散策したり、サイクリングをしたりと、さまざまな過ごし方ができます。
見どころは湖の中心にあるキャプテン クック メモリアルという噴水。6トンの水を114 メートルの高さに吹き上げます。
エインズリー山
エインズリー山はキャンベラの街並みを一望できる展望スポット。キャンベラ自然保護区内にある標高842メートルの山です。山頂までは車で行くのが一般的ですが、歩いて登ることや、トレイルエリアをマウンテンバイクで登ることも可能。エインズリー展望台から北東を見ると、キャンベラの街並みを俯瞰することができます。山頂から見るとキャンベラが計画都市であることがよくわかりますよ。
ナマジ国立公園
ナマジ国立公園はキャンベラの郊外、車で40分ほどの距離にある自然豊かな観光エリア。なかでも国立公園内のティドティンピーラ自然保護区が人気です。ティドティンピーラ自然保護区は湿地や草原、乾燥した森林など、亜高山帯の多様な生息地を再現した保護区。カンガルーやワラビー、コアラ、カモノハシ、エミューなど多くの野生生物を見ることができます。
またキャンプやピクニックを楽しめ、古代アボリジニが残した壁画を見ることができるのもナマジ国立公園の魅力です。
キャンベラの治安・注意点
キャンベラはオーストラリアで犯罪率が最も低い都市。最初から首都として計画されたキャンベラは小さい都市である上に人口密度が低く、閑静な街であるため大きな犯罪はほとんど発生しません。
さらに観光客が少なく地元のビジネスマンが多いのも犯罪が少ない理由。警察や観光局によるパトロールも頻繁に行われているため、窃盗や暴力事件などの犯罪件数は非常に少なくなっています。深夜帯でなければ安心して散策できる街だといえるでしょう。
\キャンベラの詳しい観光情報をチェック!/
キャンベラを知って、旅行を楽しもう!
キャンベラはオーストラリアの観光地としてはマイナーな存在。しかし文化や政治を発信する計画都市は他の国ではなかなか見られないもの。一方で街を少し離れれば大自然を堪能できるのも特徴で、観光地としてユニークな魅力をもった都市だといえます。
オーストラリアの歴史や文化を知り、豊かな自然を感じることができるキャンベラをぜひ訪れてみてください。
cover photo by PIXTA