グラバー園は長崎にある世界遺産の絶景スポット!見どころや歴史などを解説
長崎を代表する観光スポット・グラバー園。2015年に明治日本の産業革命遺産の構成資産として世界遺産に登録されています。 この記事では、グラバー園の見どころや歴史、アクセス方法などを解説!ぜひグラバー園へ行く前に情報をチェックして、観光を楽しむための参考にしてくださいね!
長崎を代表する観光スポット・グラバー園。2015年に明治日本の産業革命遺産の構成資産として世界遺産に登録されています。
この記事では、グラバー園の見どころや歴史、アクセス方法などを解説!ぜひグラバー園へ行く前に情報をチェックして、観光を楽しむための参考にしてくださいね!
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グラバー園の基本情報
長崎の代表的な観光スポット・グラバー園。まずは、グラバー園の歴史や特徴などの基本情報を解説します。
グラバー園の歴史
グラバー園は、長崎市のランドマークである稲佐山を背景に、長崎港を一望できる絶好のロケーションにあります。
その歴史は江戸時代にまでさかのぼり、1854年に鎖国政策が終わったことにより、横浜や長崎など日本各地に開港都市が設けられ、多くの外国人が訪れるようになったことに由来しています。長崎にも外国人が居住や営業を行う居留地が設けられ、グラバー園のもととなった旧グラバー住宅も居留地に建てられた住宅の一つでした。
トーマス・ブレーク・グラバーによる旧グラバー住宅ができたのは1863年で、日本で現存する最も古い木造洋風建築とも言われています。もともと旧グラバー住宅があった長崎の南山手や東山手には、数多くの外国人の洋風建築物が建てられており、その貴重な洋館を保存しようと造られたのがグラバー園でした。グラバー園は、旧グラバー住宅をはじめ、外国人居留地の一画に点在していた洋風建築物を移築・復元し、1974年に開園しました。
当時の面影を色濃く残すグラバー園は、今や長崎観光の外せない人気スポットとして国内外から多くの観光客が訪れています。
トーマス・ブレーク・グラバーとは?
ここで気になるのが、グラバー園の名前にもなっており、旧グラバー住宅の主でもあるトーマス・ブレーク・グラバーですが、知らない方も多いのではないでしょうか。
トーマス・ブレーク・グラバーは、イギリスのスコットランド出身の商人で、日本の近代化を支えた重要な人物。日本にはじめて蒸気機関を伝えたことで有名ですが、長崎でグラバー商会を立ち上げ、蒸気船や武器を輸入したり、生糸やお茶などを輸出したりと日本の経済活動に貢献しました。
トーマス・グラバーは1859年に21歳で長崎を訪れ、何回か住まいを変え点々としていましたが、仕事上の接客などを目的に1863年にこちらの邸宅を建てたと伝わっています。親子二代にわたって住んだ旧グラバー住宅は、世界遺産の構成遺産とともに国指定重要文化財にも登録されています。
グラバー園が世界遺産に登録されたのはなぜ?
グラバー園には、旧グラバー住宅をはじめ、後ほどご紹介する見どころも含めてさまざまなスポットがありますが、世界遺産に登録されているのは、旧グラバー住宅のみ。
旧グラバー住宅は、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」という世界遺産を構成する要素の1つとして登録されています。構成資産は、長崎にある旧グラバー住宅をはじめ、福岡や佐賀、熊本、鹿児島、山口、静岡、岩手など、全国で8県23カ所にも及びます。
また、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が登録された背景には、1850年~1910年にかけてヨーロッパから日本へ入ってきた技術が、無事日本に定着し産業化を大きく支えたこと、そして結果、日本が造船、製鉄・製鋼、石炭という重工業を中心に、産業国家へと技術の移転が成功したという2つの理由があります。
旧グラバー住宅は、その時期にとくに日本の石炭産業を中心に近代化を支えたトーマス・ブレーク・グラバーの活動拠点として高く評価されており、グラバーが石炭開発に大きく関わった高島炭鉱も同じく構成資産として世界遺産に登録されていますよ。
長崎には「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産が多く、旧グラバー住宅や高島炭鉱のほかに、軍艦島(端島)や三菱長崎造船所の旧木型場、小菅(こすげ)修船場跡などもあるので、最新情報を確認しながら、グラバー園とぜひ一緒に構成資産をめぐる観光をしてみてはいかがでしょうか。
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グラバー園観光の見どころ
グラバー園は異国情緒あふれる数多くの洋風建築が見られる魅力的な観光スポット。人気のスポットの見どころをまとめたので観光の参考にしてくださいね。
グラバー園のハイライト的存在の旧グラバー住宅
グラバー園の中心的な見どころとなっているのが旧グラバー住宅です。世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産だけでなく、国の重要文化財にも登録されています。1863年につくられた国内最古の木造洋風建築物という、歴史的な価値の高さも魅力の1つ。
一見洋風な佇まいの旧グラバー住宅ですが、外観には日本瓦と土壁が使われており、和と洋の見事な調和が美しい住宅です。建築当時は住宅のそばに大きな松の木があり、それを囲むように温室があったのだとか。
松の木にちなんで旧グラバー住宅は“IPPONMATSU(一本松)”との愛称で呼ばれていたそう。また、ベランダ部分の天井は木造の菱格子が使用されているのも特徴の1つで、大きな窓から光が入ってくるように計算されています。
もちろん内部の見学も可能。室内は洋風の造りで、手前にはリビングとダイニング、奥には英国式暖炉のある寝室と厨房や倉庫などがありました。中にはなんと隠し部屋もあるのだとか!幕末の武士たちをかくまうための部屋だったのか?など思いを寄せながら見学するのも楽しそうですよね。
また旧グラバー住宅の前には、季節によってさまざまな花が楽しめる豪華な花壇もあるので、一緒に写真を撮るのもおすすめですよ!
バンガロー風の建物が魅力の旧リンガー住宅
旧リンガー住宅は、グラバー商会で働いていたフレデリック・リンガーと家族が住んでいた家です。
フレデリック・リンガーはもともと中国でお茶の検査官をしていましたが、グラバー商会に招かれ、長崎で製茶と輸出業務の監督をしていました。グラバー商会を退職したあとは、茶葉貿易を引き継ぎつつ、ホーム・リンガー商会を設立し、海外貿易や長崎における英字新聞の刊行、ホテル経営、上下水道敷設など多岐にわたり尽力したことで知られています。
旧リンガー住宅は、外壁には天草の砂岩、ベランダの床石にロシアのウラジオストックの御影石、屋根には瓦、そして家の3方がベランダに囲まれたバンガロー風の様式とさまざまな国の文化が見事に入り混じった造り。旧グラバー住宅とともに、国の重要文化財に登録されています。
また室内には当時、極東一豪華なホテルといわれていたナガサキホテルで使用されていたカトラリーが展示されているので、ぜひ一緒に見学してみてくださいね。
トスカーナ風列柱のベランダが特徴の旧オルト住宅
旧オルト住宅は製茶業で成功したウィリアム・ジョン・オルトの住宅。当時の建築物のなかでは規模が大きく、約500平米と旧グラバー住宅の主屋と同じくらいの面積を誇ります。
特筆すべきは柱間が大きく、柱の装飾がないトスカーナ風の列柱が採用されていること。ベランダ中央にあるポーチの威厳あるデザインも特徴の一つです。和洋折衷のつくりですが、トロピカルな植栽も相まってどこかアジアンテイストな、エキゾチックな雰囲気も感じられますよね。
※旧オルト住宅は2025年11月まで保存修理工事が行われ、同年12月まで観覧停止となっています。見学の際は、最新情報を確認してください。
和洋折衷の見事なデザインの旧ウォーカー住宅
旧ウォーカー住宅は、ほかの住宅と比べるとすっきりとしておしゃれな印象。海運業を広く展開したロバート・ネール・ウォーカーの次男・ロバート2世が、明治中期に建てられていた邸宅を大正4年に購入したものです。
もともとは大浦天主堂横の祈念坂沿いにありましたが、洋風のデザインを残す一部分のみがグラバー園へ移設されました。当時はもっと広い住宅であったことがうかがえますよね。
旧ウォーカー住宅は、日本瓦と建物がベランダに囲まれている和洋折衷のデザインが高く評価されています。張り出した窓から入る日光が心地よく、もし晴れの日に見学に行った際には、内部からの日の光の様子も体感してみてくださいね。
見つけると恋が叶というジンクスがあるハートストーン探し
グラバー園に行ったら、建物見学のほかに行ってほしいのがハートストーン探しです。グラバー園内には3つのハートストーンがあります。ハートストーンを触ると恋が叶う、2つ見つけるといいことが起こるなどさまざまなジンクスがあり、グラバー園観光のなかでも人気のイベントです。
ハートストーンは石畳と同化しているので見つけるのは思った以上に大変ですが、見つけた時の喜びもひとしおですよ。裏技ですが、公式HPの園内マップにハートストーンの場所が載っているので観光時間があまりない人はさくっと見つけるのもおすすめです!
高台にあるからこそ楽しめる長崎港周辺の大パノラマ
坂道を登った高台にあるグラバー園は、長崎市内の景色もよく見える人気スポットです。園内のあちこちから、市内や長崎港の大パノラマが楽しめるのもグラバー園の醍醐味。
旧グラバー住宅などの観光スポットをめぐったあとは、大パノラマに癒やされながら写真を撮ったり、休憩したりしてくださいね。
グラバー園観光のベストシーズンは?!
グラバー園は年中観光できるおすすめスポットではありますが、グラバー園へ行くまで坂道が続くこと、基本的に屋外を歩くことが多く園内もアップダウンがあるため、春から初夏、秋くらいの気候が良いタイミングが観光のベストシーズンといえます。
逆に真夏の昼間などの暑い時間帯は、水分補給や日陰で休憩するなど注意をしたほうが良いかもしれません。またごくまれではありますが、冬に雪が降る場合もあり足元が滑りやすくなるので、積雪時は避けた方がベター。
ただし冬の時期はイルミネーションのイベントを行っていることもあるので、行きたい人は歩きやすいスニーカーを履くなど、対策をしたうえで向かうのがおすすめですよ。
グラバー園の入場・見学にはチケットの購入が必要!
グラバー園の入場・見学には、入口にあたる第1・第2ゲート(料金所)のいずれかで入場料を払う必要があります。大人1人あたり620円で、事前にWebチケットを購入することも可能です。当日並ばずに済むので利用してみてくださいね。
無料の見学ツアーに参加するのもおすすめ
グラバー園では、歴史観光ガイドによる無料見学ツアーを毎日開催しています。所要時間は約1時間で、11時、13時、15時からの3部制。旧三菱第2ドックハウス1階にある園内ガイドツアー受付にて、グラバー園内ツアー参加者受付簿に必要事項を記入して、開始時間までに受付前へ行けば参加できます。
ただし、天候やイベント開催などの状況により中止になる可能性もあるため、参加したい人は事前に問い合わせておくのがおすすめです。グラバー園の歴史や魅力をもっと知りたい人は参加してみてくださいね。
グラバー園観光に要する時間は約30分~
グラバー園観光の所要時間は、急いで見てまわれば約30分ほどで見学できます。細部をじっくり見たり、写真もたくさん撮ったりしながらまわるのであれば、約1〜2時間を目安にしておくと良いでしょう。
夏場は日差しが強いので、長時間にわたって観光予定の人は水分補給を小まめにし、熱中症対策も行ってくださいね。
グラバー園へのアクセス・行き方
グラバー園観光の拠点となる都市は長崎市。JR長崎駅からグラバー園へ行く方法が一般的です。ここでは、路面電車、ながさき観光ルートバスそれぞれの行き方を解説します。
一番おすすめは路面電車
JR長崎駅からグラバー園まで、一番おすすめのアクセス方法は路面電車です。まず長崎駅前から路面電車の1系統・崇福寺行きに乗り、約10分で着く新地中華街で降ります。同じ新地中華街の5系統・石橋行きに乗り換えて、約4分~5分でグラバー園の最寄りの電停に到着です。
最寄りの電停は、大浦天主堂と石橋の2つがありますが、どちらで降りても大きく変わりません。電停 大浦天主堂で降りる場合は、長崎名物ともいえる坂道を約7分歩くとグラバー園に着きます。
電停 石橋で降りる場合は、歩いて約3分の場所にあるグラバースカイロードに乗ればすぐです。グラバースカイロードは、バリアフリーに対応した斜行エレベーターのこと。そのあとに、垂直エレベーターに乗り継ぐとアクセスできます。観光でも使用できるだけでなく、登った先から見る長崎の景色もきれいなのでぜひ利用してみてください。
また路面電車を使った場合の料金は片道280円ですが、条件があえば交通系ICカードの利用で片道140円で利用できることも。詳しくは路面電車の公式HPをご確認ください。
土日祝日なら、ながさき観光ルートバスもおすすめ!
もし土日祝のいずれかでグラバー園へ行くのであれば、JR長崎駅から出ているながさき観光ルートバスの利用もおすすめ!路面電車と比べ、乗り換えの手間がないのは大きな魅力です。
乗り場は、長崎駅前(交通広場)からで長崎駅西口も経由しつつ、降車場所のグラバー園までは約15分で着きます。料金は片道160円で、9時~18時まで20分おきに運行しているので時間があえばぜひ利用してみてくださいね。
グラバー園の観光を満喫しよう
この記事では、グラバー園の観光に関する見どころや歴史、見学方法、アクセスなどをご紹介しました。グラバー園は、貴重な世界遺産の洋風建築が見学でき、異国情緒がただよう人気の観光スポットです。
ぜひ紹介した情報を参考に、グラバー園の観光を満喫してみてくださいね!
グラバー園の基本情報 | |
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住所 | 長崎県長崎市南山手町8–1 |
電話 | 095-822-8223 |
営業時間 | 【通常開園】 8:00~18:00(最終入園は17:40) 【夜間開園(2024年)】 4月27日~5月5日 8:00~20:30(最終入園は20:10)、7月20日~10月9日 8:00~21:30(最終入園は21:10) |
休業日 | 無休 ※要確認 |
アクセス | 【路面電車】石橋 電停から徒歩約3分+グラバースカイロード、大浦天主堂バス停から徒歩約7分 【ながさき観光ルートバス】長崎駅前から約15分 |
料金 | 大人 620円、高校生 310円、小中学生 180円 |
公式サイト |
cover photo by NEWTスタッフ