羽田空港と成田空港の違いは？どちらがいい？特徴や選び方を徹底解説！

羽田空港と成田空港の違いを解説！

羽田空港と成田空港の大きな違いは何でしょうか？この記事では、就航便数やアクセス、駐車料金、施設の充実度などさまざまな視点から、両空港の違いや特徴を徹底解説していきます。

就航便の違い

羽田空港と成田空港の発着路線を見ると、羽田空港と成田空港の大きな違いがわかります。それぞれの空港から出ている都市の数がこちら（2024年8月現在）。

羽田空港は国際線と国内線が約半分ずつ。一方の成田空港は国際線が多く、国内線は少なくなっています。そして成田空港の国内線の多くは格安航空会社（LCC）です。

2つの空港はなぜこのような特徴を持っているのでしょうか？そしてそもそもなぜ東京近郊に羽田空港と成田空港という2つの空港があるのでしょうか？歴史をみれば、羽田空港と成田空港の立ち位置が見えてきます。

羽田空港と成田空港の歴史

羽田空港と成田空港のごく簡単な歴史を紹介しましょう。

羽田空港と成田空港の誕生

1955年、羽田空港が誕生

1978年、羽田空港の発着数が限界に。補完空港として成田空港が誕生

羽田＝国内線、成田＝国際線の時代

1978年、一部の例外を除いて羽田空港の国際線が成田空港に移動。2010年までの32年間、国内線は羽田、国際線は成田という時代が続く

羽田空港が国際化

2010年、アジアの空港の24時間運営に合わせて、羽田空港が24時間運営の国際線の運行を開始。これは成田空港が周辺住民などの反対もあって24時間運営が難しいためでした。

成田空港にLCCが就航

同じ頃に、格安航空会社（LCC）が登場。羽田空港は国際化で発着数が限界に近くなっていたため、成田空港がLCC専用の第3ターミナルを建設して受け入れました。

羽田空港と成田空港に就航している航空会社

羽田空港か成田空港かを迷うといっても、航空会社によってはどちらか一方にしか就航していないこともよくあります。たとえば各空港に就航している国内線の航空会社がこちら。

羽田空港

• 日本航空
• 全日空
• スカイマーク（中堅航空会社）
• スターフライヤー（中堅航空会社）
• AIR DO.（中堅航空会社）
• ソラシド エア（中堅航空会社）

成田空港

• 日本航空
• 全日空
• ピーチ（LCC）
• ジェットスター・ジャパン（LCC）
• スプリング・ジャパン（LCC）

国内線のLCCが入っているのは成田空港。羽田空港発着が多い中堅航空会社の中にはLCC並に料金が安い便もありますが、価格を重視すれば成田空港からの便を選ぶことが多くなるはずです。

渡航先の空港のアクセスもチェック

東京に羽田空港と成田空港があるように、海外にも同じ都市の近くに複数の空港があることも珍しくありません。そのため到着後の利便性に差がつくことも。たとえば羽田空港からは、ソウルの市街地へのアクセスが便利な金浦空港や、台北へのアクセスが便利な松山空港への直行便が出ています。

トータルの移動時間が大幅に変わることもあるので、到着する都市名だけでなく空港名もしっかりチェックするのがおすすめですよ。

両空港の都心からのアクセスは？

羽田空港と成田空港の大きな違いは、都心からのアクセス。航空券の価格だけでなく、自宅から空港までの交通費もチェックして、どちらの空港を利用するか決めるとよいでしょう。

電車のアクセスと料金

羽田空港と成田空港への行き方で最も便利なのは電車です。どちらの空港も主なターミナルの近くに駅があり、アクセスしやすくなっています。

羽田空港

• 京急線：品川駅からエアポート快速で約15分、330円
• 東京モノレール：浜松町駅から快速で約16〜18分、520円

羽田空港は都心からのアクセスが良く、さらに最寄り駅からチェックインカウンターまで近いのも特徴です。それぞれのターミナルへ約5分で移動することができます。

成田空港

• 京成線：日暮里駅から京成スカイライナーで約40分、2,580円
• JR：東京駅から成田エクスプレスで約55分、3,070円

成田空港は羽田空港に比べて、都心からの時間は約3倍、料金は6倍から8倍です。また成田空港の第1と第2ターミナルは最寄り駅からチェックインカウンターまで約10分と少し時間がかかります。第3ターミナルはさらに遠いのが難点。

都心からのアクセスは羽田空港のほうが便利だといえます。しかし料金はともかく時間的にはこれくらいの差なら問題ないと感じる人も多いかもしれません。

バスのアクセスと料金

東京駅や横浜駅など各地から羽田空港と成田空港へのリムジンバスが出ています。例えば東京駅からの場合の所要時間と料金がこちら。

羽田空港

• エアポートリムジン：羽田空港第1ターミナルまで約25分、1,000円

成田空港

• エアポートリムジン：成田空港第1ターミナルまで約1時間10分、1,500円

自家用車でのアクセスと料金

家族など人数と荷物が多い場合は、自家用車での移動も考えられます。たとえば東京駅を出発地にした場合の高速道路を含めた距離と所用時間、料金はこのようになります。

羽田空港

• 距離：約20km
• 所要時間：約30分
• 高速料金：1,950円

成田空港

• 距離：約70km
• 所要時間：約60分
• 高速料金：3,650円

料金や時間は出発地点によって大きく変わってきますが、やはり都心からのアクセスは羽田空港のほうが便利だといえます。

空港内の移動

それぞれ第1から第3ターミナルまである羽田空港と成田空港では、空港エリアに到着してからのターミナルへのアクセスも忘れてはいけません。続いて空港内での移動を比較してみます。

羽田空港

羽田空港のターミナル数は3つです。第1ターミナルはJALなどの国内線が中心。第2ターミナルはANAなどの国内線で、もう1つは国際線旅客ターミナルとなっています。

それぞれのターミナルの距離が近いのはうれしいポイント。第1ターミナルから第2ターミナルまでの移動は連絡バスで約3分、第1ターミナルと第2ターミナルから国際線ターミナルまでの移動は連絡バスで約7分となっています。

成田空港

成田空港のターミナル数も3つ。第1ターミナルはANAなど、第2ターミナルはJALなどが使用し、第3ターミナルは主にLCCとなっています。

成田空港は羽田空港と比較するとターミナル間の移動に少し時間がかかる傾向。第1ターミナルと第2ターミナルの間は連絡バスで約10分、第2ターミナルと第3ターミナルの間は連絡バスで約5分です。第1ターミナルと第3ターミナルの間は連絡バスで約15分かかります。

また第3ターミナルへ直接アクセスする駅や駐車場がないのは難点。第2ターミナル経由で連絡バスに乗るか、約300メートル歩いていくことになります。

駐車場や空港使用料などの料金の違いは？

空港では交通費以外にも料金が発生します。忘れてはいけない料金も比較してみましょう。

駐車場の料金

駐車場に関しては、一般的に羽田空港のほうが満車の可能性が高いと言われています。しかし繁忙期には成田空港が満車になることもあるので、いずれにしても予約をしておいた方が安心なのは同じ。そして駐車料金にも違いがあります。

羽田空港

P-2、P-3駐車場

成田空港

P-1、P-2、貨物地区

P-3、P-5駐車場料金

通常期の比較では成田空港の方が割高となっています。

一方、成田空港は、周囲にバスで送迎をしてくれる低価格の民間駐車場が多いのがメリットです。

空港使用料

飛行機に乗ると空港使用料が発生し、航空券を買うときに合わせて支払うことになります。

その具体的な内容がこちら。

• 国際線旅客サービス施設使用料(PSFC)
• 国際線旅客保安サービス料(PSSC)
• 国内線旅客施設使用料(PFC)

この空港使用料は、空港やターミナルによって異なります。では羽田空港と成田空港ではどうなっているのでしょうか？

国際線旅客サービス施設使用料（出発の場合）

• 羽田空港：2,950円
• 成田空港 第1・第2ターミナル：2,460円
• 成田空港 第3ターミナル：1,370円

国際線旅客サービス施設使用料（乗継の場合）

• 羽田空港：1,470円
• 成田空港 第1・第2ターミナル：1,230円
• 成田空港 第3ターミナル：690円

国際線旅客保安サービス料

• 羽田空港：なし
• 成田空港：550円

国内線旅客施設使用料

• 羽田空港：370円
• 成田空港 第1・第2ターミナル：450円
• 成田空港 第3ターミナル：390円

国際線では成田空港の第3ターミナルが割安、国内線では微妙な違いながら羽田空港が割安だと言えます。

空港内の施設の違いは？

空港では搭乗までの時間も楽しみたいものです。では空港としての魅力にはどのような違いがあるのでしょうか？羽田空港と成田空港のみどころを紹介しましょう！

羽田空港の施設のみどころ

羽田空港は日本一の敷地面積を誇る空港。その広さは渋谷区に匹敵します。そして羽田空港の旅客ターミナルは、施設としての楽しさや清潔さなども自慢のポイント。イギリスのSKYTRAX社が実施している国際空港評価では、清潔さなどを評価する部門で2024年まで9年連続世界第1位を獲得し続けています。しかも3つのターミナルには観光、グルメ、ショッピングの魅力あふれるスポットがいっぱいです。

展望デッキで飛行機を堪能

羽田空港の3つのターミナルにはそれぞれに展望デッキがあり、入場無料で楽しめます。第1ターミナルの6階と屋上にある展望デッキはサンセットや工場の夜景も楽しめるスポット。第2ターミナルの展望デッキは飛行機との距離が近くなり、海をバックにした飛行機を見ることができます。第3ターミナルの展望デッキからはさまざまな国の飛行機を眺められるのが魅力です。

和の雰囲気を楽しむ

国際線が離着陸する第3ターミナルの出国前エリア4階には、外国からの観光客に和文化を感じてもらうはねだ日本橋という施設があります。昔の日本橋を1/2スケールで復元した檜製の橋で、壁には国立歴史民俗博物館所蔵の江戸図屏風のレプリカも飾られています。

プラネタリウムがあるカフェ

第3ターミナルの5階にあるPLANETARIUM Starry Cafeはプラネタリウム併設のカフェ。カフェタイム(11:00~17:00)とバータイム(17:30~22:30)には、カフェや食事を楽しみながらプラネタリウム番組や羽田空港オリジナル番組を見ることができます。　

受験生のパワースポット

第1ターミナル1階到着ロビーの真ん中付近には、なんと小さな神社・羽田航空神社があります。日本航空協会の航空神社から分霊して建てられたもので、旅行の前の安全祈願はもちろん、落ちないご利益もあるパワースポットとして受験生や就活生にも人気のスポットになっています。

フライトシミュレーターを体験！

第1ターミナルのLUXURY FLIGHTは、本格的なフライトシミュレーターを体験できるスポット。事前予約すれば、プロのパイロットも使用するシミュレーターに挑戦できます。

成田空港の施設のみどころ

成田空港の敷地面積は羽田空港には僅差で及ばないものの日本で2位。各ターミナルのショップやレストランも充実していて、搭乗時間までたっぷりと楽しめます。では成田空港のみどころもご紹介しましょう。

展望デッキから飛行機を眺める！

成田空港の人気スポットもやはり展望デッキです。第1ターミナル展望デッキは、4000メートルあるA滑走路の全体を見渡すことができるスポット。ここでは飛行機の離着陸をじっくりと観察できますよ。第2ターミナル展望デッキは4階の北側と南側に2ヵ所あるスポット。こちらでは駐機している飛行機を間近に見ることができます。

日本一歴史ある免税店

第1ターミナルと第2ターミナルに4店舗あるJAPAN DUTY FREEは一見普通の免税店ですが、実は日本で一番歴史がある免税店。そう考えると少しだけ価値がアップするような気がしますよね。ネットで免税品の事前予約をすることも可能。家でじっくり吟味し、予約しておけば、飛行機に乗る前に慌てて選ばなくても商品を受け取れます。

人気アニメキャラクターが成田空港に集合！

成田空港では2025年4月まで、そらとぶピカチュウプロジェクトを実施中。ターミナル各所にたくさんのポケモンが登場しています。具体的なスポットは、第1ターミナル 4階出発ロビー、第2ターミナル 3階出発ロビー、第2ターミナル 2階到着コンコース、第3ターミナル アクセス通路。小さな子どもはこれだけで大喜びかもしれないですね。そして第2ターミナル4階には人気のポケモンショップもあります。空港限定のグッズもたくさんそろっていますよ。

シャワールーム

国際線の長旅やトランジットが多い成田空港。第1ターミナルの中央2階には、シャワールームがあります。ここはその名の通り、シャワーを浴びることができる専用スペース。長旅の疲れを洗い流してリフレッシュすることができます。飛行機に乗る前にすっきりしておくのもいいかもしれません。

羽田空港と成田空港を上手に使い分けよう！

羽田空港と成田空港はそれぞれに魅力的な空港。まずは利用する航空会社や就航便で使い分けることになります。でもどちらも利用可能な場合は、利便性や楽しさで選ぶことも可能。どちらか一方にしか行ったことがないという方は、もう一方の空港を楽しむために旅を計画してみるのもいいかもしれませんよ。

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