公用語
ウィーンの公用語はドイツ語です。オーストリアで話されるドイツ語は発音や表現が標準のドイツ語とは少し異なり、「オーストリア・ドイツ語」とも呼ばれています。少数民族の言語も尊重されており、クロアチア語、スロベニア語、ハンガリー語は一部の地域で準公用語として認められています。また、ウィーンなどの主要観光地では英語も広く通じます。
宗教
ウィーンは、人口の約64%がカトリック教徒です。そのほかにはプロテスタントやイスラム教、ユダヤ教、ギリシャ正教など多様な信仰が共存しています。街を歩けば、ウィーンのシンボルである壮麗なシュテファン大聖堂や、現存する最古の教会として知られるルプレヒト教会をはじめ、歴史と芸術を感じさせる美しい教会が数多く点在しています。
通貨
ウィーンの通貨はユーロ(€/EURO/EUR)です。補助単位はセント(CENT)で、ドイツ語ではそれぞれ「オイロ」「ツェント」と読みます。紙幣は5、10、20、50、100、200ユーロの6種類、硬貨は1、2、5、10、20、50セントに加え、1ユーロと2ユーロの8種類があります。旅行の際には、小額の買い物や公共交通機関の利用時に必要なこともあるため、現金も少額用意しておくと安心です。
クレジットカード、キャッシュレス決済
ウィーンでは、日本以上にキャッシュレス化が進んでいて、多くのお店でクレジットカードが利用できます。特に主流となっているのはタッチ決済で、Visaのタッチ決済やMastercardコンタクトレスに対応したカードならスムーズに支払いが可能です。観光用に新しくカードを準備するなら、国際的に利用しやすいVisaかMastercardを選ぶと安心でしょう。
費用
ウィーン旅行の費用は、宿泊するホテルのランクや過ごし方によって異なりますが、1週間で1人あたり約25万円〜が目安です。主な内訳は以下の通りです。
・航空券費用:往復で約16万〜30万円
・ホテル費用:1泊あたり約1万円〜
・食費:1日あたり約1万円〜
・交通費:1日あたり約1,000円〜
このほかにも、ツアー代やお土産代などがかかるため、旅のスタイルに合わせて余裕をもった予算を立てることが大切です。
ビザ
日本国籍の方は、シェンゲン協定によりヨーロッパ(オーストリアを含む)に180日のうち最大90日間、ビザなしで滞在できます。さらに、日本とオーストリアの特別協定により、追加で90日間オーストリアにのみ滞在が可能。合計で最長180日間滞在できますが、後半の90日はオーストリア国内に限定され、出国するとシェンゲン圏へ再入国することはできません。観光以外に長期滞在や就労を予定する場合は、別途ビザや滞在許可が必要です。また、パスポートは出国予定日から3か月以上の有効期間が残り、かつ10年以内に発行されたものをご用意ください。
日本との時差
日本とウィーンの時差は通常7時間で、日本の方が7時間早く進んでいます。冬時間に切り替わる10月下旬から翌年3月下旬までは、時差が8時間になります。旅行や現地とのやり取りの際には、サマータイムの有無を意識してスケジュールを調整すると安心です。
気候
ウィーンは四季がはっきりしており、季節ごとに異なる自然の魅力を楽しめます。春は平均気温が10〜20℃程度と過ごしやすい一方、朝晩は冷え込むことも多いため重ね着が便利です。夏は日中の気温が20〜30℃まで上がることもありますが、湿度が低いため日本のような蒸し暑さはなく、爽やかに過ごせます。夜は涼しくなるので薄手のジャケットがあると安心です。秋は9月は比較的温暖ですが、11月には気温が10℃以下まで下がる日も多く、寒暖差に注意が必要です。冬は寒さが厳しく、特に1月は平均気温が0℃前後まで下がり、防寒対策が欠かせません。
服装
ウィーンは四季の気温差が大きいため、季節に合わせた服装が必要です。春は気温差が大きいため、重ね着しやすいシャツや薄手のセーターに、ジャケットやトレンチコートを合わせると安心です。夏は20〜30℃でTシャツやリネン素材など涼しい服装が適していますが、夜は涼しいので軽い羽織りものを用意しましょう。秋は徐々に冷え込み、10月以降は急に冷え込むためセーターや厚手のコートが必要です。冬は平均気温0℃前後と厳しい寒さが続くため、機能性インナーやセーターの重ね着に加え、ダウンジャケットや防寒コートでしっかり寒さ対策をしましょう。
旅行のベストシーズン
ウィーンは四季ごとに異なる魅力があり旅行の目的によってベストシーズンが変わります。街歩きや公園散策を楽しみたいなら、気候が穏やかな春(4〜5月)や秋(9〜10月)がおすすめです。夏に比べて観光客も少なく、落ち着いた雰囲気の中でじっくり観光できます。音楽や芸術を満喫するなら夏(6〜8月)が最適で、オペラやコンサート、野外イベントが数多く開催され、ウィーンらしい文化体験が楽しめます。また、冬(12月)はクリスマスマーケットや街を彩るイルミネーションが魅力で、温かいグリューワインを片手にロマンチックな雰囲気を味わえます。
治安
ウィーンはヨーロッパの中でも比較的安全な都市とされていますが、観光客を狙った軽犯罪には注意が必要です。特にスリやひったくり、ぼったくりなどは観光地や公共交通機関で発生しやすいため、人ごみの中では貴重品の管理を徹底しましょう。タクシーに関しても、まれにぼったくりの被害が報告されています。安心のためには、正規のタクシー会社を利用し、乗車時に料金メーターを必ず確認することが大切です。基本的な防犯意識を持って行動すれば、安心してウィーンでの滞在を楽しめるでしょう。
物価
ウィーンの物価は、西ヨーロッパの中でも比較的高めといわれています。たとえば外食の場合、安めのレストランでも1食あたり約2,500円ほどかかり、日本の平均(約1,000円)と比べると割高です。公共交通機関の1回乗車もおよそ400円程度で、日本の約200円に比べるとやや高めになります。ただし、観光地を離れてローカル向けのカフェやレストランを利用すれば、より手頃な価格で食事を楽しめることもあります。旅行を計画する際には、こうした物価の目安を参考にしながら、余裕を持った予算を立てると安心です。
交通手段
ウィーン市内の移動には「地下鉄(U-Bahn)」「トラム」「バス」があり、その中でも観光客にとって便利なのは地下鉄とトラムです。この2つを利用すれば、主要な観光スポットのほとんどに徒歩圏内までアクセスできます。市内の公共交通機関はすべて「Wiener Linien GmbH & Co KG」が運営しており、地下鉄・トラム・バスはいずれも共通の乗車券で利用可能。1回乗車券や、24〜72時間券、7日間券などさまざまな種類があり、チケットは有効期間内であれば乗り継ぎも自由にできるため、地下鉄からトラムへ、トラムからバスへとスムーズに移動できるのが魅力です。
空港から市街地へのアクセス方法
ウィーン国際空港から市内へは、電車・シティエアポートトレイン(CAT)・シャトルバス・タクシー・定額送迎サービスなど、さまざまな交通手段が利用できます。CAT(シティエアポートトレイン)は、空港とウィーン・ミッテ駅を最短16分で結ぶ特急列車で、片道14.9ユーロ(約2,400円)と割高ですが、広い座席や十分な荷物スペースが確保されており快適に移動できます。コストを抑えたい場合は電車の利用がおすすめです。超特急列車のRailjetならウィーン中央駅まで約16分、都市近郊列車のSバーンならウィーン・ミッテ駅まで約25分でアクセスでき、料金も4.5ユーロ程度とリーズナブルです。
インターネット
ウィーンでは、カフェやレストランなど人が集まる場所の多くでフリーWi-Fiが整備されており、気軽にインターネットを利用できます。ただし、混雑時には接続が不安定になることや、公共Wi-Fiの利用にセキュリティ面で不安を感じる方もいるでしょう。その場合は、日本からポケットWi-Fiをレンタルして持参したり、現地でSIMカードを購入して利用するのがおすすめです。旅行スタイルや目的に合わせて、自分に合った方法で快適なインターネット環境を整えましょう。
電源プラグ
ウィーンのコンセントの形状は、2本の丸いピンが特徴のCタイプが一般的で、一部ではSEタイプも見られます。日本のプラグとは異なるため、変換プラグが必要です。また、電圧は230V、周波数は50Hzです。日本の電化製品でも240Vまで対応していれば、変換プラグを使ってそのまま利用できます。ただし、対応していない製品もあるため、使用前に必ずACアダプターや充電器に記載された電圧表示を確認しましょう。もし非対応の場合は、変圧器を準備する必要があります。
飲水
ウィーンでは水道水をそのまま飲用できます。オーストリアの水道水は地下水と湧き水がほぼ半分ずつの割合で供給されており、国土の約65%を占めるアルプス山脈に蓄えられた豊かな水資源がその源。特にウィーンに届く水はアルプスの天然水とも呼ばれるほど高品質です。ただし、ミネラル分を多く含む硬水のため、不安な方はミネラルウォーターを購入しましょう。
トイレ
ウィーンの公衆トイレは、有名観光スポット周辺では比較的清潔な場所もありますが、中には薄暗い雰囲気のところもあります。特に夜間の利用は避け、できるだけ安全な施設内のトイレを利用するようにしましょう。また、公衆トイレは基本的に有料で、相場は0.5ユーロ前後です。入口や個室のドアにコイン挿入口があり、使用料を入れて利用する仕組みのほか、施設によっては係員に直接支払う場合もあります。トイレ内で両替はできないため、事前に小銭を用意しておきましょう。
海外旅行保険
現地で体調を崩し治療や入院が必要になってしまった際や、スリや盗難などのトラブルにあった際に海外旅行保険に入っていると安心です。NEWTではツアーやホテルのご予約完了後に任意で簡単に加入することができます。