公用語
イタリアの公用語はイタリア語です。旅行者が多く訪れる都市部では英語もある程度通じますが、地方都市や小さな村ではイタリア語のみの会話が主流です。ホテルや空港、美術館などでは英語表記の案内板が整備されているため、観光で困る場面は少ないでしょう。ただし、飲食店や市場など日常生活に密着した場所では英語が通じにくいこともあります。基本的なイタリア語の挨拶やフレーズを覚えておくと、現地の人々との距離がぐっと縮まります。
宗教
イタリアではローマ・カトリックが多数派で、人口の約80%がカトリック教徒とされています。教会は地域社会に根ざし、多くの人々が洗礼や結婚、葬儀など人生の節目に関わっています。一方、近年は移民の増加により、イスラム教やプロテスタント、東方正教、ユダヤ教などの信者も存在しており、宗教的多様性が広がりつつあります。観光で教会を訪れる際は、礼拝の妨げにならないよう配慮ある見学を心がけましょう。
通貨
イタリアではユーロ(EUR)が通貨として使用されています。紙幣は5〜200ユーロ、硬貨は1〜2ユーロと1〜50セントの単位があります。日本円からの両替は、空港、銀行、市内の両替所で可能ですが、レートや手数料には差があるため注意が必要です。現地ではキャッシュレス決済が一般的になってきており、小額でもクレジットカードやデビットカードの利用が可能な場面が増えていますが、市場や小さなカフェでは現金が必要なこともあります。
クレジットカード、キャッシュレス決済
イタリアではVISAやMasterCardなど主要なクレジットカードが広く利用できます。都市部のホテル、レストラン、ショップではキャッシュレス決済が普及しており、タッチ決済やスマートフォンによる支払いにも対応しています。ただし、個人経営の小規模店、市場では現金のみのところもあるため、20〜50ユーロ程度の現金を持ち歩くと安心です。地下鉄やバスの券売機では、カードが使える場所と使えない場所があるので注意が必要です。
費用
イタリア旅行にかかる費用は、3泊5日で1人あたりおおよそ25〜35万円が目安とされています。
主な内訳は以下の通りです。
航空券代:15万円〜
宿泊費:60,000円〜
現地交通費:10,000円〜
食費:30,000円〜
観光費:10,000円〜
雑費:15,000円〜
旅行のスタイルや都市によって費用は大きく異なります。イタリアは他のヨーロッパ諸国に比べ物価が安いものの、観光地中心のプランでは出費がかさむこともあります。美術館や遺跡の見学を予定している場合は、事前予約や観光パスを活用することで費用を抑えることも可能です。余裕を持った予算設定を心がけましょう。
ビザ
日本国籍の方は、観光目的でイタリアを含むシェンゲン協定加盟国に最大90日間までビザなしで滞在できます。入国時には、パスポートの残存有効期間が出国予定日から3か月以上必要です。なお、欧州連合は新たな入国制度「ETIAS(欧州渡航情報認証制度)」の導入を予定しており、開始時期は2026年頃とされています。導入後は短期渡航でも事前のオンライン申請が必要となるため、今後の最新情報にご注意ください。
日本との時差
イタリアは中央ヨーロッパ時間(CET)を採用しており、日本との時差は通常8時間です。日本の方がイタリアより8時間進んでいます。ただし、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まではサマータイムとなり、この期間は時差が7時間に縮まります。フライトの乗り継ぎや現地でのスケジュール調整の際には、サマータイムの有無を確認しておくと安心です。スマートフォンや時計は現地に到着後、自動調整されることが多いです。
気候
イタリアは地域によって気候が異なりますが、全体的には温暖な地中海性気候に属します。夏は乾燥して暑く、7〜8月は日中30℃を超えることも多いため、熱中症や日差し対策が必要です。一方、冬は北部で寒さが厳しくなり、ミラノやトリノでは氷点下になる日もあります。ローマやナポリなど中南部では冬でも比較的穏やかです。旅行の時期や訪問都市に合わせて、服装や持ち物を調整しましょう。
服装
イタリアの服装は、季節と地域に合わせて柔軟に選ぶことが重要です。春や秋は日中と朝晩の寒暖差が大きいため、重ね着できる服装がおすすめです。夏は日差しが強いため、通気性の良い服と帽子、サングラスを用意すると快適に過ごせます。冬は北部を中心に冷え込むため、防寒具が必要です。また、教会や高級レストランを訪れる際には、カジュアルすぎない装いを心がけましょう。TPOを意識すると印象も良くなります。
旅行のベストシーズン
イタリア旅行のベストシーズンは春(4〜6月)と秋(9〜10月)です。気候が穏やかで観光に適した時期であり、花が咲き誇る春や収穫祭が行われる秋は特に魅力的です。夏は観光シーズンで活気がありますが、気温が高く混雑しやすいため、避暑地や地方都市に訪れるのもおすすめです。冬は都市部の混雑が少なく、美術館巡りやクリスマスマーケットが楽しめます。目的やエリアに応じて時期を選ぶと良いでしょう。
治安
イタリアは治安に問題のない国ですが、観光地ではスリや詐欺被害が多く報告されています。ローマ、フィレンツェ、ミラノなどの駅やバス車内、人混みでは貴重品の管理に注意が必要です。特に「ミサンガを腕に巻いてくる押し売り」や、「署名を装って近づく詐欺グループ」は有名な手口です。断っても強引に物を渡してきて、後から高額な代金を請求される場合もあります。毅然(きぜん)とした態度で無視し、会話に応じないことが大切です。
物価
イタリアの物価は日本と同程度か、都市部ではやや高めに感じることがあります。観光地のカフェではテーブル席と立ち飲みで価格が異なることがあり、テーブル利用では追加料金がかかる場合もあります。スーパーや市場を活用すれば、手頃な価格で食事や日用品を調達できます。水はカフェでは有料のミネラルウォーターが一般的で、500mlで1〜2ユーロほどです。外食ではチップは必須ではありませんが、端数を繰り上げて支払う習慣があります。
交通手段
イタリア国内の移動には鉄道、地下鉄、路面電車、バス、タクシーなど多彩な交通手段があります。都市間の移動には高速鉄道が便利で、特にローマ〜フィレンツェ〜ミラノ間は時間も正確です。市内ではメトロや市バス、トラムが頻繁に運行しており、都市ごとの交通カードを活用すると便利です。観光地では徒歩での移動も多いため、歩きやすい靴が必須です。時刻表やルート検索は専用アプリの利用がおすすめです。
空港から市街地へのアクセス方法
主要都市には国際空港があり、ローマのフィウミチーノ空港やミラノのマルペンサ空港では市街地まで鉄道やバス、タクシーでアクセスできます。ローマではレオナルド・エクスプレスがテルミニ駅まで、ミラノではマルペンサ・エクスプレスが中央駅まで直通しています。空港バスは時間帯が豊富で料金も安価です。タクシーは定額制が多く、安心して利用できますが、認可車かどうかを必ず確認しましょう。
インターネット
イタリアではホテルやカフェ、空港、駅など多くの場所で無料Wi-Fiが利用できます。速度や接続の安定性は場所によって異なりますが、軽い検索やSNS利用には問題ありません。長期滞在や安定した通信を求める場合は、日本出発前にポケットWi-Fiをレンタルするか、現地でプリペイドSIMカードを購入するのがおすすめです。主要都市では携帯ショップや空港で簡単に購入でき、旅行者向けプランも豊富に用意されています。
電源プラグ
イタリアの電源プラグは主にCタイプとSEタイプが使用され、電圧は220Vです。日本とはプラグと電圧が異なるため変換プラグと場合によっては変圧器が必要です。使用したい電化製品が220Vに対応しているか予め確認しておくといいでしょう。なお、最近のスマートフォンやノートパソコン、カメラの充電器は「100〜240V」対応が多いため、変換プラグだけで利用できます。
飲水
イタリアの水道水は安全に飲用できます。特にローマなどの都市では街中に設置された「ナソーネ」と呼ばれる水飲み場からも冷たい水が出ており、観光客にも親しまれています。ただし、水の硬度が高くミネラル分を多く含んでいるため、胃腸が弱い方や硬水に慣れていない方はミネラルウォーターを購入するのが無難です。スーパーで手軽に入手でき、炭酸入り・なしを選ぶことができます。
トイレ
イタリアの公共トイレは駅や観光施設にありますが、有料(1ユーロ前後)のことが多く、小銭の携帯をおすすめします。カフェやレストランのトイレは、原則として利用客のみ使用可能です。設備は清潔ですが、日本のような温水洗浄便座は普及していません。紙が備え付けられていないこともあるため、ポケットティッシュや除菌シートを持参すると安心です。
海外旅行保険
現地で体調を崩し治療や入院が必要になってしまった際や、スリや盗難などのトラブルにあった際に海外旅行保険に入っていると安心です。NEWTではツアーやホテルのご予約完了後に任意で簡単に加入することができます。