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【徹底レポ】灘五郷の酒蔵めぐりに行ったら新しい発見の連続だった
灘五郷は、兵庫県神戸市と西宮市に広がる日本最大の酒造地帯です。室町時代から続く「日本一の酒どころ」で、西郷・御影郷・魚崎郷・西宮郷・今津郷という5つの酒造地で構成されています。今回は神戸在住の筆者が酒蔵めぐりをしてきたので、その魅力を徹底レポートします!



灘五郷は、兵庫県神戸市と西宮市に広がる日本最大の酒造地帯です。室町時代から続く「日本一の酒どころ」で、西郷・御影郷・魚崎郷・西宮郷・今津郷という5つの酒造地で構成されています。今回は神戸在住の筆者が酒蔵めぐりをしてきたので、その魅力を徹底レポートします!
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灘五郷とは?

灘五郷(なだごごう)は、兵庫県神戸市から西宮市にかけて広がる日本最大の酒造地帯です。国内生産量の約25%(2020年灘五郷酒造組合調べ)を占める「日本一の酒どころ」で、西郷・御影郷・魚崎郷・西宮郷・今津郷という5つの酒造地で構成されています。
灘五郷の発展を支えているのは、六甲山系から吹き下ろす冷涼な風・六甲おろしやミネラル豊富な地下水・宮水、そして酒米の王様と呼ばれる山田錦の産地に近いという恵まれた自然条件です。

灘五郷の歴史は室町時代にまで遡り、江戸時代には精米技術や輸送体制の発展によって全国的な名声を得ました。特に江戸後期には、江戸の酒需要の8割を供給するほどの規模となり、灘の酒として広く知れ渡るように。現在も、大手メーカーや中小規模の酒蔵が軒を連ねており、酒づくりの伝統と技術が受け継がれています。
今回は神戸在住の筆者が、灘五郷の酒蔵めぐりを徹底レポート!日本酒にまつわる新たな発見が満載だったので、ぜひその魅力をお伝えしたいと思います。実際に試飲しておいしかった日本酒もご紹介しますよ。
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西郷から灘五郷の酒蔵めぐりをスタート!
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灘五郷は、大きく神戸市にある西郷・御影郷・魚崎郷と西宮市にある西宮郷・今津郷に分かれています。神戸市の酒蔵は比較的距離が近く、歩いてでも巡ることが可能です。
今回私は、西郷の「沢の鶴資料館」から酒蔵めぐりをスタートしました!酒蔵は交通的に回りやすい順番に並べているので、コースを考えるときの参考にしてくださいね。
【西郷】沢の鶴資料館

沢の鶴資料館は、1717年創業の老舗酒蔵・沢の鶴が運営する施設です。江戸時代から明治時代にかけて使用されていた酒造道具や資料が展示されており、当時の酒づくりの様子が再現されています。
巨大な大桶や男柱は圧巻!地下構造の槽場(ふなば)も

資料館では実際に使われていた大桶や樽を見学でき、テコの原理を応用した男柱は圧巻の大きさでした。お酒の味や香りを決める麹づくりのコーナーでは、麹室(麹をつくる場所)が忠実に再現されており、日本酒の奥深さを感じられます。

また資料館内には、神戸市教育委員会の発掘調査によって発見されたという地下構造の槽場(ふなば)も。そもそも槽場とは、醪(もろみ)から液体の酒を搾りとる作業場のことです。
槽場が地下構造になっているのは全国的にも珍しく、搾ったお酒を受ける垂壷(たれつぼ)の構造を間近で見学できましたよ。
ミュージアムショップで生原酒の無料試飲を

沢の鶴資料館で日本酒づくりについて学んだあとは、沢の鶴ミュージアムショップへ行ってみました。酒蔵でしか手に入らないような沢の鶴の日本酒をはじめ、お酒に合いそうなおつまみもたくさん!
ちゃっかり試飲もいただき、沢の鶴ならではのどっしりとしたコクを堪能しました。酒蔵でしか飲めない生原酒を試飲できるのはとっても貴重なので、訪れた際はぜひ利き酒を楽しんでくださいね。
沢の鶴資料館の基本情報 | |
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住所 | 兵庫県神戸市灘区大石南町1丁目29番1号 |
電話 | 078-882-7788 |
営業時間 | 10:00~16:00 |
休業日 | 毎週水曜、盆休み、年末年始 |
アクセス | 阪神大石駅から徒歩約10分 |
料金(予算) | 無料 |
公式サイト |
【魚崎郷】浜福鶴 吟醸工房

沢の鶴資料館の後は、魚崎郷の浜福鶴 吟醸工房へ。こちらは小山本家酒造が運営する見学型工房で、日本酒づくりの全工程をガラス越しに見学できるのが特徴です。
直売コーナーでは蔵元ならではのお酒も販売されており、日本酒大好きな筆者にとっては天国のような空間でした!
全面ガラス張りの見学工房でもろみ仕込みを体験!

浜福鶴は全面ガラス張りの見学工房をそなえており、酒づくりの現場をリアルタイムで見学できるのが魅力です。
江戸時代から使われている酒造道具の展示のほか、お酒づくりの工程を解説する動画コーナーもあり、職人たちの技術や酒づくりへの情熱を改めて感じるきっかけになりました。

なかでも印象的だったのが、こちらの醪(もろみ)づくり体感コーナー!ボタンを押すと醗酵する酒の音を聞いたり醪の甘い香りを嗅いだりでき、醪からお酒ができあがるまでの流れを体感できました。
お土産にも!蔵元ならではの日本酒をゲット
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見学工房で酒づくりの工程を学んだあとは、直売コーナーへ足を運びます。蔵元ならではのお酒がずらりと並んでおり、あまりの広さにびっくり!「吟醸工房」の名前通り、高品質な吟醸系のお酒が豊富で、お土産選びにも最適ですよ。

試飲コーナーでは搾りたての生原酒をいただくことができ、お手頃価格で厳選したお酒を楽しめる有料の利き酒処も!筆者が訪れたときは海外の観光客の方でいっぱいで、泣く泣く諦めましたが、次回はリベンジしたいところです。
自家製甘酒や地サイダーなども販売されているので、お酒を飲まない方や子どもと一緒に訪れても十分楽しめますよ。
浜福鶴 吟醸工房の基本情報 | |
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住所 | 神戸市東灘区魚崎南町4丁目4番6号 |
電話 | 078-411-8339 |
営業時間 | 10:00~17:00 (有料きき酒処ラストオーダーは16:15) |
休業日 | 月曜(祝日は営業) |
アクセス | 阪神・魚崎駅または六甲ライナー・南魚崎駅から徒歩約10分 |
料金(予算) | 無料 |
公式サイト |
【魚崎郷】櫻正宗記念館 櫻宴

櫻正宗記念館 櫻宴は、約400年の歴史を持つ老舗酒蔵・櫻正宗の記念館です。櫻正宗の銘柄がそろうショップをはじめ、酒造ダイニングや呑処が併設されており、日本酒と会席料理のペアリングを楽しめます。
浜福鶴 吟醸工房から徒歩約5分という好立地にあるので、酒蔵めぐりをする際は同日に訪れるのがおすすめですよ。
酒づくりの動画や酒造用具から日本酒文化の奥深さを学ぶ

櫻宴では、昔ながらの酒づくりの工程を収めた映像や醸造用具が展示されており、日本酒文化の奥深さを学ぶことができます。明治から昭和期にかけての酒瓶やラベルなどもあり、個人的には時代ごとの美意識やデザインの変遷が興味深かったです。
ほかの酒蔵に比べると展示品は少ないですが、静かで落ち着いた空間なので、ゆっくり見学したい方にはぴったりですよ。
併設の和食レストランで日本酒とのペアリングを楽しんで

1階には櫻蔵と呼ばれるショップがあり、櫻正宗の銘酒や地元名産品を販売しています。目移りするほど種類が豊富なので、自分好みのお酒を探すのも楽しいでしょう。
また2階には和食レストランがあり、日本酒と相性ばつぐんの会席料理を味わえます。酒蔵ならではのメニューが豊富で、なかでもポン酒鍋や酒粕カレーが人気だそうですよ。同じ3階にある呑処では日本酒の飲み比べができるので、ぜひ利き酒に挑戦してみては?
櫻正宗記念館 櫻宴の基本情報 | |
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住所 | 神戸市東灘区魚崎南町4-3-18 |
電話 | 078-436-3030 |
営業時間 | 10:00~22:00 ※ショップ・レストラン・喫茶・呑処で異なる |
休業日 | 火曜(祝日の場合は営業) |
アクセス | 阪神・魚崎駅から徒歩約5分 |
料金(予算) | 無料 ※ショップ・レストラン・喫茶・呑処で異なる |
公式サイト | https://www.sakuramasamune.co.jp/sakuraen/sakuraen_index.html |
【御影郷】菊正宗酒造記念館

御影郷にある菊正宗酒造記念館は、1659年創業の老舗酒蔵・菊正宗が設立した記念館です。国指定重要有形民俗文化財の酒造用具を展示しており、生酛(きもと)づくりという伝統的な製法を学べます。
淡麗辛口の酒質を生み出す、生酛づくりの工程を学ぼう
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菊正宗酒造記念館にある酒造展示室では、国指定重要有形民俗文化財である酒造用具を見学できます。精米した白米を洗う洗場から麹を育てる麹室、熟成した醪(もろみ)を圧搾する槽場まで工程順に見学でき、古来伝承の生酛(きもと)づくりを学びます。
生酛づくりは、酵母を育てる「酛(もと)」を蒸米・麹・水を丹念にすり合わせることで作り上げる製法です。手作業で約4週間かけて酵母を育むことで、菊正宗ならではの淡麗辛口の酒質が生み出されているんですよ。
利き酒コーナーで菊正宗の代表銘柄や限定商品を堪能
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酒造展示室を抜けた先には物販コーナーがあり、記念館限定の日本酒やオリジナルグッズを購入できます。菊正宗が展開する化粧品やロゴ入りお猪口なども販売されており、日本酒好きにはたまらないラインナップでした!

利き酒コーナーでは、加熱処理を行っていない生原酒のほか、季節ごとの限定商品の試飲を堪能できます。菊正宗オリジナルの酒蔵ソフトクリームも人気で、酒蔵前庭を眺めながら食べている方もいらっしゃいましたよ。

ちなみに私は有料試飲で、嘉宝と百黙 純米大吟醸を飲んだのですが、これがまた感動するくらい飲みやすい!特に百黙は、凛とした切れがありながらもどのような料理にもマッチする柔らかな味わいで、ちゃっかり購入してしまいました。
たくさんの銘柄があるので、試飲も楽しみつつお気に入りを探してみましょう。
菊正宗酒造記念館の基本情報 | |
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住所 | 神戸市東灘区魚崎西町1-9-1 |
電話 | 078-854-1029 |
営業時間 | 9:30~16:30 |
休業日 | 年末年始(12月30日~1月5日) |
アクセス | 阪神・魚崎駅から徒歩約10分 |
料金(予算) | 無料 |
公式サイト |
【御影郷】白鶴酒造資料館

神戸市の灘五郷で最後に訪れたのは、こちらの白鶴酒造資料館。白鶴と言えば、全国にある日本酒の中でも知名度の高い銘柄ですよね。
白鶴酒造資料館は、大正初期から昭和44年まで清酒醸造に使用されていた本店壱号蔵を改装した施設です。館内では昔ながらの酒造工程をそのまま保存しており、等身大の人形によって作業の様子をわかりやすく再現しています。
圧巻の規模!展示室で500点以上の酒造道具を見学

白鶴酒造資料館には酒造道具を含む500点以上の展示品があり、酒づくりの工程を肌で体感できます。蒸米を冷やす放冷場をはじめ、酛仕込みに使う棒櫂(かいぼう)や蒸米醪を入れる仕込桶など、等身大の蔵人が扱う道具はどれも貴重なものばかり。
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特に貯蔵・樽詰の工程で見られる菰冠樽(こもかむりだる)は、藁菰を樽に巻き、手作業によってとじ縄をかけているんだとか。酒蔵開きでも見られる樽ですが、製造工程が分かると感慨深いものがありました。
映写ホールでは清酒製造の工程を大画面で観ることができ、日本酒初心者でも楽しみながら学べますよ。
資料館限定販売の蔵酒も!物品コーナーでお土産探し
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白鶴酒造資料館の直営ショップでは、白鶴の代表銘柄のほか、お猪口や徳利などの酒器、日本酒を活用したスキンケア商品などを購入できます。お酒に合う地元の特産品や雑貨などもあり、お土産選びに最適です。
なかでも筆者のおすすめは、白鶴 特別純米原酒の蔵酒!資料館限定で販売されているお酒で、兵庫県産山田錦を100%使用した逸品です。原酒ならではの芳醇でキレのある味わいが特徴で、一度飲むとクセになりますよ。
無料・有料の試飲コーナーでは、最大6種類の限定酒や高級酒をいただけるので、ぜひ好みの味わいを探してみてくださいね。
白鶴酒造資料館の基本情報 | |
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住所 | 神戸市東灘区住吉南町4丁目5-5 |
電話 | 078-822-8907 |
営業時間 | 9:30~16:30(入館は16:00まで) |
休業日 | お盆(8月11日~8月15日)、年末年始(12月28日~1月5日) |
アクセス | 阪神・住吉駅から徒歩約5分、JR・住吉駅から徒歩約15分 |
料金(予算) | 無料 |
公式サイト |
【西宮郷】白鷹禄水苑

西宮郷の白鷹禄水苑(はくたかろくすいえん)は、1862年創業の酒造会社・白鷹が運営する複合文化施設です。2001年に故・辰馬寛男氏が私財を投じて設立し、酒づくりの伝統を伝え続けています。館内には展示室やショップ、飲食施設が充実しており、日本酒文化を存分に体感できますよ。
白鷹集古館で白鷹に伝わる伝統を感じて
白鷹集古館では、酒づくりに使用されていた道具や伊勢神宮御料酒関連資料を展示。昔ながらの酒器や生活道具のほか、白鷹の歴史や灘五郷の酒づくりの伝統を学べます。
また暮らしの展示室では、戦前の酒屋の日常を再現した茶の間や座敷が再現されており、当時の生活空間を体感できるのが特徴です。展示市の設えは節供や歳時記に応じて変更され、蔵元の暮らしや文化を感じられますよ。
蔵元直営のBARで本物の灘酒に出会おう
白鷹禄水苑には、禄水苑限定酒や白鷹の代表的な銘柄を楽しめる蔵BARも!手漉きの和紙から柔らかなライティングが透ける心地よい空間で、落ち着いた時間を過ごせます。
ワンショット・テイスティングバーでは蔵出し限定酒をいただくことができ、すべてワンショット200円で試せる気軽さが魅力です。おつまみとのセットや飲み比べなども用意されており、日本酒の風味をじっくりと堪能できますよ。
白鷹禄水苑の基本情報 | |
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住所 | 西宮市鞍掛町5-1 |
電話 | 0798-39-0235 |
営業時間 | 11:00~18:30(暮らしの展示室、白鷹集古館) |
休業日 | 第1・3水曜日 |
アクセス | 阪神・西宮駅から徒歩約7分 |
料金(予算) | 見学無料 |
公式サイト |
【番外編】灘の酒を生み出す「宮水」ってなに?

宮水は、灘五郷の日本酒づくりを支える重要な仕込み水です。西宮を中心に湧き出ている名水で、江戸時代末期に発見されて以来、灘の酒の品質向上に大きく貢献してきました。
硬水である宮水にはリンやカリウムといったミネラルが豊富に含まれており、酵母の栄養源となって発酵を促進することから日本酒づくりに最適とされています。反対に鉄分はほとんど含まれておらず、灘の男酒と呼ばれる辛口でキレのある味わいを生み出しているんですよ。

実際に筆者も、宮水が湧き出る沢の井へ行ってきました。こちらは阪神御影駅の周辺にある井戸で、真ん中から宮水が出ているのが分かりますね。透明度が非常に高く、灘五郷がなぜ日本有数の酒どころとして発展したのかを改めて実感できました。
灘五郷の酒蔵めぐりを楽しむ際は、日本酒文化の原点とも言える宮水の沢の井にも足を運んでみてくださいね。
灘五郷の酒蔵めぐりで至福の一杯に出会おう!
日本を代表する酒どころ・灘五郷には歴史ある酒蔵が点在しており、個性豊かな日本酒を楽しむことができます。筆者自身も久しぶりに酒蔵をめぐりましたが、各施設ごとの伝統的な酒づくりに触れられ、新たな発見がありました。
酒づくりの展示のほか試飲コーナーや限定商品も充実しているので、日本酒初心者から愛好家まで楽しめるはず!歴史と伝統が息づく灘五郷で、自分だけの至福の一杯に出会ってみてはいかがでしょうか。
cover photo by Nana