ヨーロッパの街並みが楽しめるおすすめの都市・エリア15選！旧市街や世界遺産も

ヨーロッパの街並みが楽しめるおすすめの都市15選

ヨーロッパ観光の最大の醍醐味は、その美しい街並み。ヨーロッパには、世界遺産に登録されているプラハや古都トレドなどをはじめ、コルマール旧市街、アルベロベッロなど伝統と文化が感じられる、個性的な街並みが眺められる都市が多くあります。

まるで絵本の中の世界のような街並みは、眺めているだけでも楽しく、普段見ることがない風景の中を散策するのも旅行中の大きな思い出になりそうですね、以下では、ヨーロッパの中でもとくにおすすめな、街並みが魅力の都市をピックアップしてご紹介します。

プラハ歴史地区（チェコ）

中世から残る街並みの美しさが魅力！

中欧に位置するチェコの首都・プラハ。中世から残るその街並みの美しさから「黄金の町」「百塔の町」と呼ばれる、ヨーロッパを代表する街の一つです。旧市街はもちろんのこと、新市街とプラハ城の足元に広がるマラー・ストラナ地区までがすべて、「プラハ歴史地区」として世界遺産に登録されています。

プラハ歴史地区には、ギネス世界記録にも登録された世界最古の城であるプラハ城、新旧の市街地をつなぐプラハ最古の石造り橋であるカレル橋、約600年も動いている旧市庁舎の天文時計など、見どころがもりだくさん。

プラハはヨーロッパ最古の都市で1000年以上の歴史があり、街の中にあるものすべてから歴史を感じることができます。

タリン歴史地区（エストニア）

おとぎ話にもぐり込んだような景色が広がる

タリンはバルト三国の一つであるエストニアの首都です。エストニアは世界最先端のIT国家としても知られる国で、その首都であるタリンは、現代的な建造物と歴史が残る美しい旧市街が入り混じった街並みが特徴的です。タリン旧市街は世界遺産にも登録されており、まるでおとぎ話の世界に入り込んだかのような美しい観光名所が盛りだくさん！

中でも見どころなのは、ロシアの支配下だった時代にロシア正教会として建築された大聖堂のアレクサンドル・ネフスキー大聖堂このほか、トームペアの丘にあり美しい街を見渡せるコフトウォツァ展望台、タリンの旧市庁舎の前に位置するラエコヤ広場などの見どころもあります。

どこに行っても中世にタイムスリップしたかのような気持ちになれ、何度もヨーロッパを訪れたことがある方にもおすすめの街です。

サン ジミニャーノ歴史地区（イタリア）

中世貴族が造り上げた、たくさんの塔が有名！

サン・ジミニャーノはイタリア・トスカーナ州の古都フィレンツェから少し南にある、中世の姿が残る美しい街です。中世の時代には街道の合流地点であったことから、サン・ジミニャーノは交通や流通の主要拠点として繁栄しました。

サン・ジミニャーノでは13世紀以降、貴族たちが互いの富と権力を誇示するために、次々に塔を家として建てて高さを競いあいました。そんな歴史から「塔の街」とも呼ばれています。最盛期には70本以上の塔があったそうですが、そのうちの14本の塔が現在も残っています。

一時はこの争いにより衰退の一途をたどっていましたが、寂れた町は戦争に巻き込まれることもなく美しい街並みが当時のまま残ったので、また世界遺産の街として再び注目されるようになりました。

そんなサン・ジミニャーノでおすすめの観光スポットは、サン・ジミニャーノらしい景観が楽しめるチステルナ広場をはじめ、現存する14の塔のうち7つが見られるドゥオーモ広場、そしてこの町で一番高いグロッサの塔など。中世の美しい街並みが残る歴史地区で、ゆっくりと散策を楽しんでみてくださいね。

チェスキー・クルムロフ歴史地区（チェコ）

赤レンガの屋根が素敵な、世界一美しい街

チェスキークルムロフは、中欧の国チェコの首都プラハから、南へ約180km向かったところにある街です。プラハからバスを利用すれば約3時間で行けるので、日帰りで観光に行くのもおすすめ！

赤いレンガ屋根と中世にタイムスリップしたかのような美しさから、「世界一美しい街」とも呼ばれています。旧市街やお城があるチェスキークルムロフの歴史地区は、1992年に世界遺産に登録されています。

そんなチェスキークロムロフで人気の観光スポットは、街のシンボルである13世紀ごろにゴシック様式を用いて建てられた、チェルスキー・クルムロフ城。お城の中には、5つの庭園と40もの塔や博物館などがあり、見ごたえもたっぷりです。

ヴルタヴァ川に沿って立ち並ぶ赤レンガの屋根が特徴の旧市街の街並みは、そこにいるだけで中世の街にタイムスリップしたような気持になれるので、のんびりお散歩するのがおすすめ。

ブルージュ歴史地区（ベルギー）

ブリュッセルから日帰りでも行けるベルギーの古都

ブルージュは、ベルギーの首都・ブリュッセルからほど近い場所にある歴史あふれる美しい古都。ブリュッセルからは鉄道で1時間ほどの距離なので、日帰り旅行で行くのもおすすめです。さらにブルージュ歴史地区は、運河に囲まれたコンパクトにまとまった小さい町なので、歩いてのんびり観光することができるのもうれしいポイント！

必ず行っておきたいのは、ブルージュを代表するローマ・カトリックの教会である聖母教会です。イタリアの彫刻家・ミケランジェロの彫刻「ブルージュの聖母子像」があることで有名。ミケランジェロの彫刻がイタリア国外で見られることは珍しく、完成作があるのは世界でもたった3か所しかありません。

そのほかにも、ゆったりとした時間が流れるミンネワーテル（愛の湖公園）や、ポップな色合いのマルクト広場のようなベルギーらしいかわいいスポットがあり、小さくても見どころはもりだくさんな街です。

ウィーン歴史地区（オーストリア）

歴史ある芸術と音楽の宝庫

ウィーンはオーストリアの首都で、芸術と音楽が溢れる美しい街です。かつては、ベートーヴェンやハイドン、モーツァルトらが住み、音楽家たちにも愛された街でもあります。歴史あふれるウィーンを語る上で欠かせないのが、ヨーロッパ史に残る王朝を築き上げたハプスブルク家がいた街であるということ。フランスの王妃として有名なマリー・アントワネットもこのハプスブルク家出身でした。

ウィーンの旧市街は、ヨーロッパの中でも最もよく古い街並みが残されていることでも有名。中でも、マリア=テレジア女帝時代のバロック建築とフランツ=ヨーゼフ皇帝時代の建築群が見事で、旧市街を囲む環状道路（リンクシュトラーセ）で多く見られます。

また観光地の大部分が、市の中心部に位置しているため、電車で簡単に巡ることができます。豪華絢爛な博物館として有名なホーフブルク王宮や、宮廷オペラ劇場として建てられた国立オペラ座など、歴史と音楽の街を満喫してくださいね。

そして世界一美しい図書館ともいわれる、オーストリア国立図書館も必見。映画『美女と野獣』に登場する図書館のモデルになったともいわれ、映画の中に入り込んだような感覚が味わえます！

ブダペスト（ハンガリー）

いつ見ても美しいドナウの真珠

ブダペストは中欧の国ハンガリーの首都で、「ドナウの真珠」ともいわれるほど美しい街です。ブダペストは、ドナウ川をはさんで西側がかつて都がおかれていたブダ地区で、東側が経済や政治の中心地としてにぎわうペスト地区というふうに分れています。なかでもドナウ河岸とブダ地区一帯は美しい街並みとなっており、1987年に世界文化遺産に登録されました。

そんなブダペストで必ず見ておきたい観光スポットは、ブダ地区とペスト地区をつなぐセーチェーニ鎖橋や、ドナウ川河岸にある美しいハンガリー国家議事堂、眺めのいい丘の上にある漁夫の砦、豊富な食材が手に入るブダペスト中央市場など、もりだくさんです！

そして、なんといってもハンガリーは日本と同じく温泉が有名！ブダペストには100ヶ所ほどの源泉があるといわれていて、水着さえあれば誰でも入れるので、日本とは少し違った温泉を楽しめます。中でも、一日遊べるほどの広さがあるセーチェニ温泉がおすすめですよ。

ミハス（スペイン）

青い空に映える真っ白な家がかわいすぎる！

ミハスは、スペインのアンダルシア地方にある小さな村で、海岸沿いの街からほど近い山の麓にあります。

ミハスといえばなんといっても、真っ白の家が軒を連ねるかわいらしい街並みが見どころ。アンダルシア地方の強い日差しを反射させるために白く塗られた外壁の家が特徴的で、ベランダや庭先に飾られたお花の色が映えます。小さな街なので、サン・セバスチャン通りを散策したりと一日あれば十分に楽しむことができます。

ミハスはイスラム教に支配されていた時代があり、その影響も色濃く感じることができるのも魅力のひとつ。アラブ様式の教会や礼拝堂などの歴史的な建築物も点在していて、首都のマドリードや大都市のバルセロナとは全く違った街並みとなっています。

ベルン旧市街（スイス）

美しい川に囲まれ歴史がギュッとつまったクマの街

ベルン市はスイスの首都で、政治の中心となっている街です。そのベルン市の中心部には、13世紀から発展をとげてきたベルン旧市街があり、街並みは世界遺産にも登録されています。

スイス旅行は、美しい山々を見ながら鉄道で旅をするのがおすすめ。ほかの都市へ行く場合や都市間を移動する場合にも、ここベルンを通る機会はたくさんあります。そして、ベルンの見どころはほとんどすべてが旧市街周辺に集まっているので、乗り換えの間に少し時間を作って観光することができます。

ベルンの見どころとしては旧市街にある時計塔が有名で、その周辺を歩くだけでもベルンの歴史ある街並みを満喫することができます。少し足をのばして最東部の丘にあるローゼンガルテンへ行くのもおすすめ！ベルンの街全体を見渡すことができる絶景ポイントです。

そしてベルンは熊という意味の「ベーア」が由来と言われていて、ベーレンパルクというヒグマが飼育されている公園もあります。お土産にクマグッズを買うのもおすすめですよ！

古都トレド（スペイン）

三方を川に囲まれた、小高い丘の上に広がる古都

トレドはスペインの中央部に位置する、三方向をタホ川に囲まれた丘の上にある、ヨーロッパで最大級の史跡遺産が集まる古都です。首都のマドリードからはバスや電車を使って、30分〜1時間で行くことができるので日帰り旅もおすすめ！

トレドの街の特徴は、ゴシック様式の教会から荘厳なモスクまで、いろんな歴史や文化を感じることができる史跡がたくさんあるということ。トレドは500年にわたってイスラム教の支配を受けた過去があり、再びキリスト教が広まったという歴史がある街です。その後職人によって、イスラム文化の技術であるタイル装飾やアーチなどが受け継がれたことで、独特の景観を残す街並みとなっています。

トレド観光は、中心地にあるソコドベール広場からはじめるのがおすすめ！そこから、トレド大聖堂やアルカサルなどそのほかの観光スポットへも、かんたんにアクセスできます。

ガムラスタン（スウェーデン）

『魔女の宅急便』の世界観を感じられるかわいさが魅力

ガムラスタンは、スウェーデンの首都ストックホルムにある旧市街を指します。ストックホルムは、北欧のベニスと言われるほどの美しさをほこる水上都市で、14の島が集まってできています。その中の旧市街にあたるのがガムラスタンです。

ガムラスタンは、13世紀に築かれた中世の雰囲気が感じられる街並みが特徴で、スタジオジブリのアニメ作品『魔女の宅急便』でも参考にしたと言われている美しい街です。高い塔を持つストックホルム大聖堂や、カラフルな街並みが見どころ。

スターホルメン島にあるガムラスタンは、ストックホルム中心部からでも歩いて行くことができるのもおすすめポイントです。大聖堂を中心に、美しい旧市街を楽しみましょう！

コルマール旧市街（フランス）

『ハウルの動く城』の世界観に迷いこめる街

コルマールはフランスの東部に位置し、ドイツとの国境近くのアルザス地方にある小さな街です。スタジオジブリのアニメ作品『ハウルの動く城』で参考にしたといわれるコルマールは、どこを歩いてもカラフルでとってもかわいい街並みが特徴。

ドイツとの国境付近にあり、歴史上ドイツ文化が流れ込んだこともあって、パリとは全く違った街並みを見ることができるのも、魅力のひとつ。ドイツ風の木組みの住宅が多く、石畳の道が広がる美しい街並みをのんびり歩いてみましょう。

ハウル好きが絶対に見逃せないのが、プフィスタの家！帽子職人だったプフィスタさんによって建てられた家で、特徴的な出窓や木製のバルコニーなどが目を引き、映画のワンシーンをほうふつとさせる街並みが楽しめますよ。

コルマールのあるアルザス地方は、コウノトリが有名で、屋根を見ると大きなコウノトリの巣を見つけることができます。運よくコウノトリが見られたら、何か良いことが起こる・・？かもしれないですね！

ヴァレッタ市街（マルタ）

地中海に浮かぶ世界遺産の街

ヴァレッタは地中海に浮かぶマルタ共和国の首都で、世界遺産であふれる美しい街。ヴァレッタには文化的・歴史的名所がたくさんありますが、マルタストーンを使った独特の石造りの建物が多く、歩いて見て回れるほどコンパクトな街でもあります。

歴史的に見ると、ヴァレッタは1565年のオスマントルコ軍との戦いで大包囲戦を受けた経験から、難攻不落の都市となるよう設計され建設されたという背景がある街で、街全体が要塞となっているのが特徴です。

そんなヴァレッタの見どころはもりだくさん！まず、街全体が要塞となった歴史を感じられるのがバレッタシティゲートと、ランドマークとなっているのがトリトンの噴水。さらに、ヨーロッパで現存するバロック様式の建物の代表的な存在となっている、聖ヨハネ大聖堂も見どころの一つです。

アルベロベッロ（イタリア）

不思議な形のトゥルッリのトリコに！

アルベロベッロは、イタリア南部のプーリア州にある人口1万人ほどの小さな村です。イタリアの中でもオリーブで有名な農村地帯にあり、トゥルッリと呼ばれるさんかく屋根のかわいい建物の街並みが人気となっています。

そもそもトゥルッリが作られた理由は、この土地の領主が税金から逃れるためでした。当時、税金が屋根の数によってかけられたため、さっと解体できる石組みの屋根にしたのだといわれています。イトリア谷と呼ばれるプーリア州中部の丘陵地帯の街にもトゥルッリ自体はありますが、中心街に立ち並んでいるトゥルッリを見られるのはアルベロベッロだけ！

そんなトゥルッリが立ち並ぶアルベロベッロに来たら、このかわいい屋根のお家に泊まってみるのもおすすめです。昼や夕方、夜それぞれの時間によって色合いが変わる美しい街並みを、じっくりと楽しんで下さいね。

ポルト歴史地区（ポルトガル）

アズレージョが魅力的な海辺の街

ポルトは、ポルトガルの北西部にある港湾都市で、首都リスボンに次ぐポルトガル第2の街です。そんなポルトは、「ポルト歴史地区」として旧市街がユネスコ世界遺産に登録されています。ポルトガルのアズレージョが使われた美しい駅や教会、海沿いの街らしいカラフルでかわいい街並みが魅力。

街の中心地に観光地が集まっているため歩いて観光することもできますが、坂が多いのでトラム（路面電車）や地下鉄に乗ってみるのもおすすめです。ポルトガルのトラムはとってもかわいくて、乗ってみるだけでもポルトに来たということを味わえます。

そんなポルトの見どころは、世界で最も美しい駅と言われているサン・ベント駅。ポルトガルの伝統的な青と白が特徴のタイル装飾であるアズレージョが、約20,000枚も使われているとても豪華で美しい駅なので、必見ですよ！

ヨーロッパの街並みを堪能して、思い出に残る旅行を！

ヨーロッパは歴史が古く、中世の街並みがそのまま残っているところが魅力！国や地域によって文化や宗教はもちろん、生活様式も全く異なるため、その街に根付いた文化と街並みを肌で感じることができるのも、ヨーロッパ旅行の楽しみの一つです。

ヨーロッパは旅行に出る前にその国の歴史を少し調べて行くだけで、まるでその時代に迷い込んだかのような気分になることができるのでおすすめです。

ぜひ今回紹介した情報を参考に、ヨーロッパの街並み観光を満喫してくださいね！

cover photo by Nao Ueda