笹川流れって何？新潟県村上市にある日本屈指の透明な海を紹介

笹川流れとは？

笹川流れと聞くと、多くの人は流れの早い川だと思うのではないでしょうか。しかし実はまったく違います。

国の名勝天然記念物に指定されている笹川流れは、新潟県村上市の旧笹川村周辺に広がる海岸のこと。

日本海沿いの幅11キロのエリアで、たくさんの奇岩の間を盛り上がるように潮流が流れることから、笹川流れと呼ばれています。

笹川流れの見どころ

笹川流れにはたくさんの見どころがあります。

ここを訪れたら絶対に見逃したくないポイントをご紹介しましょう。

透明な海水

笹川流れを訪れて誰もが驚くのは、日本屈指の透明度を誇る海。海の底までくっきり見えるような透き通った水が笹川流れの大きな特徴です。

このあたりの海水の透明度が高い理由は、近くに大きな川がないから。大きな川がある海岸には土砂を含んだ川の水が流れ込むため、どうしても濁ってしまうのです。

しかし笹川流れの地域には花崗岩の岩場を流れ落ちてくる清流しかありません。そのため海が土砂で濁ってしまうことはないのです。

奇岩の数々

笹川流れでもっとも目につくのは、海岸沿いに並んだたくさんの奇岩。花崗岩の絶壁が海に向かって大きく突き出し、日本海の波によって削られることで奇岩や洞窟などが数多く見られる入り組んだ海岸ができました。

眼鏡岩は、笹川流れを代表する奇岩。波の侵食でできた2つの穴が眼鏡のように空いている岩でしたが、昭和39年の新潟地震で片方の穴が崩れています。

びょうぶ岩は、大きな岩山が屏風のように立ち並んでいるスポット。

汐吹岩は、中央に洞窟があり、その天井には穴が空いていて、大きな波が入ると天井の穴から汐を吹き上げます。

海水浴の名所

透明度の高い海水と細かく削られた花崗岩の砂浜があるため、笹川流れは美しいビーチでも有名です。

なかでも笹川流れの中心地にある笹川海水浴場は人気のビーチ。左右を険しい岩場に囲まれた白い砂浜のビーチでは、澄んだ海と絶景を堪能できます。

美しい夕日に感動！

笹川流れは夕日の名所としても有名。奇岩の向こうの日本海に沈む夕日を撮影するために多くのカメラマンも集まります。

とくに有名なのは、JR羽越本線の桑川駅と、併設している道の駅笹川流れの夕日会館です。

義経伝説

日本各地に残っている義経伝説。そのひとつが笹川流れにも伝わっています。それは源義経が奥州へ落ち延びていく際の伝説。

笹川流れの海岸を小船で通ったとき、義経の家来がその景色に目を奪われました。そして美しい景色を義経公に見せようと、逃亡中にもかかわらずわざわざ呼び戻して見せたのが、君戻しの岩。その岩を見て義経公がニタリと笑ったことから名づけられたのが、ニタリ岩だといわれています。

また海の荒れで疲れ切った義経公を元気づけるために家来が舞を披露したことから、その場所の岩には舞子岩という名前がつきました。

笹川流れを楽しむなら遊覧船もおすすめ！

笹川流れの絶景は日本海沿いのドライブでも眺められますが、より堪能するなら遊覧船に乗って海から見るのがおすすめ。陸からは見えなかった奇岩や洞窟などを堪能できます。

遊覧船の乗り場

笹川流れ遊覧船が出ているのは桑川漁港。朝9時発の第1便から16時発の最終便まで、遊覧船は40分間隔で出港しています。チケット売り場には炭火焼きコーナーが併設されているので、待ち時間には日本海の幸を満喫できますよ。

いよいよ出港！

そして遊覧船に乗ったら右側に座るのがおすすめ。その方が奇岩をたっぷり眺めることができます。船員さんによる奇岩の解説も楽しみのひとつ。義経伝説を中心に面白い話をたくさん聞くことができます。

またウミネコに餌づけができるのもうれしいポイントです。ウミネコは上手に船と並走し、餌をキャッチ。餌のかっぱえびせんは船内で買うこともできます。

月に1度の夕暮れクルーズも

笹川流れ遊覧船は夕方には終了しますが、4月から11月には特別便として月に1回の笹川流れ夕暮れクルーズを実施しています。

5月以降の実施日時は以下の通りです。

• 5月25日（土）／18：10
• 6月22日（土）／18：20
• 7月20日（土）／18：20
• 8月24日（土）／17：50
• 9月22日（日）／17：00
• 10月13日（日）／16：40
• 11月2日（土）／16：00

こちらは定員60名で要予約となっています。（問合せ先：笹川流れ観光汽船　0254-79-2154）

遊覧船の料金

笹川流れ遊覧船の乗船料は、大人が1,500円で、子どもは700円。

夕暮れクルーズは大人が1,800円で、子どもは900円です。

笹川流れの絶景に感動しよう！

日本有数の透明度の海と奇岩を見ることができる笹川流れは、一生に一度は行きたいスポット。ドライブ、海水浴、遊覧船と楽しみ方はさまざまです。

時間に余裕があるなら、昼間の透き通った海を満喫した後に夕日を眺めるのがおすすめ。ぜひ時間に余裕を持ってお出かけください！

cover photo by Pixta