殷墟(いんきょ)は中国にある世界遺産!観光の見どころや行き方を解説
中国河南省安陽市にある観光スポット・殷墟(いんきょ)。この記事では、殷墟や殷墟のある安陽市の観光の見どころや楽しみ方、アクセス方法、観光の注意点などを解説!ぜひ殷墟観光を楽しむための参考にしてくださいね。
中国河南省安陽市にある観光スポット・殷墟(いんきょ)。実在したことが証明されている中国最古の王朝の遺跡として、2006年世界文化遺産に登録されました。
この記事では、殷墟や殷墟のある安陽市の観光の見どころや楽しみ方、アクセス方法、観光の注意点などを解説!ぜひ殷墟へ行く前に情報をチェックして、観光を楽しむための参考にしてくださいね。
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殷墟(いんきょ)の基本情報
数百年に及ぶ殷王朝最後の都があったとされる殷墟。殷墟は、北京市から約500キロ離れた、車で約5時間半の河南省安陽市小屯村に位置しています。まずは、殷墟の歴史や特徴などの基本情報を解説します。
殷墟とは?
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殷墟は甲骨文字の発祥地でもあり、歴史的に重要な古代中国殷王朝後期の首都の遺跡として知られています。総面積は24平方キロメートル。東京ドーム約500個分にも相当する大きさを誇ります。
宮殿区、王陵区、一般の墓がある地区、工房ある地区、庶民の居住区、奴隷の居住区など、目的や身分によって地域が分かれていました。
20世紀以降、考古学的に研究が進み、その歴史的重要性が認められ2006年に世界文化遺産に登録されています!実在する最古の王朝の遺跡、その雰囲気を体験してみたいですね。
殷墟の歴史
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殷墟は、紀元前17世紀末に殷朝の第19代王・盤庚が殷墟に都を移してから、殷の時代が滅びる紀元前1046年まで中国殷王朝後期の都の所在地でした。政治や経済、文化の中心でしたが、殷墟が発見される20世紀前半まで殷は文献上の幻の王朝だったのです。
しかし、1898年に漢方薬の材料である竜骨に甲骨文字が偶然見つかりました。この偶然がきっかけで、竜骨の産地である河南省安陽市小屯村で、殷墟の発掘がはじまり、殷墟が発見されたのです。
1928年から始まった調査によって、甲骨や青銅器、建造物の遺構、居住区跡が次々に発見されました。この発見により考古学的に殷が実在したことが立証され、文献や資料によって都だったとされる遺跡としては中国最古の都として、2006年にユネスコ世界文化遺産へ登録されたのです。
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殷墟観光の見どころ
殷墟にはさまざまな歴史的遺構が残っており、殷墟博物苑や甲骨文字、婦好墓、王陵遺構など、歴史好きにはたまらないスポットがたくさんあるので、時間に余裕を持って行かないと回り切れません。殷墟を思う存分楽しむために、殷墟観光の見どころをまとめました!
殷の時代を学べる殷墟博物苑
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殷墟博物苑では、青銅器、装飾品など殷墟から出土した貴重な文化財がたくさん展示されています。広い中国の中でも、殷時代の文化財を専門的かつしっかりまとめて展示しているのは殷墟博物苑のみなので、ぜひ訪れてみてください。
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とくに、殷墟の出土品で注目されるのが青銅器。青銅器の文様には、龍・鳳・虎・象・羊・サイ・象などの動物が描かれ、4,000年前に作られたとは思えないほど精巧な作りになっています。
殷墟博物苑には、世界最大の青銅器とも言われている司母戊鼎(しぼぼてい)のレプリカが展示(実物は中国国家博物館に収蔵)されています。
さらに、殷時代の建築様式で建てられている建物にも注目です。博物苑前には美しい庭園も広がっています。展示品はもちろんのこと、建物自体や庭園も一緒に楽しんでくださいね。
殷墟を発見するきっかけとなった甲骨文字
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甲骨文字は世界の四大古代文字の一つであり、中国最古の熟成した文字として知られています。殷王朝後期の支配者は甲・獣骨で吉凶を占い、その結果などを亀甲・獣骨に刻んで保存していたそう。
占いの内容だけにとどまらず、甲骨文字で書かれていたのは政治や軍事、文化、社会風習、天文、暦法、医薬など多岐に渡ります。殷王朝後期の支配者が迷信を信じて竜骨に甲骨文字を刻んでいなければ、殷墟は発見されていなかったかもしれませんね!
これまでに、殷墟から16万枚以上の亀甲や獣骨が発掘され、4,500字以上が見つかっていますが、判別されたのは未だに1,700字程度です。漢字の原型ともなったといわれる甲骨文字は、古代の象形文字として歴史的にとても重要なもの。ぜひ間近で見てみてください!
中国の政治に携わった初の女性のお墓・婦好墓
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第23代殷王だった武丁の3人の正妻の一人であった婦好。才能があり、武丁から特別に可愛がられていた人物です。婦好墓は1976年に発見されました。
さらに、婦好は中国史上初めて政治や軍事に携わった女性であると、甲骨文に記されています。周辺国家や部族と争いが起こっていた当時、婦好は軍を率いて何度も出兵し多くの土地を与えられました。指揮官の才を持つ婦好の墓は宮殿宗廟区内にあり、内部の見学もできます!
墓陵内からは精巧な作りの副葬品や、400点以上の青銅器、700点以上の玉器、500点以上の骨器、他には武器道具、楽器などが出土しています。6頭の犬や16体の殉死者の人骨も見つかっています。珍しい造型と巧みな技術が使われている膨大な副葬品は、国宝級です!
中国で最も古い陵墓群・王陵遺構
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王陵遺構は殷墟の北西にあり、代々殷王朝を治めていた王族たちが眠っている場所です。広さは東西450メートル、南北250メートル。敷地から、地下に13ヶ所の王領と、奴隷たちの殉葬の墓が2,000ヶ所以上発見されて、殷王朝時代の身分や王がいかに尊ばれていたかがわかる貴重な場所です。
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王陵は、甲・亜・中という字の形が多く、1番大きい王陵の面積は1,803平方メートル、深さ15メートルにも及びます。
殷墟博物苑で展示されている司母戊鼎もこの王陵から発見されました。司母戊鼎以外の青銅器や玉器など、多くの出土品が見つかっています。
1級文化財が300点以上が展示される中国文字博物館
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中国文字博物館は、安陽市内にある名前の通り文字をテーマに2009年に開館した中国初の国家級博物です。博物館の形は、象形文字の墉が使われており、メイン館の屋根には殷自体に青銅器などの紋様に用いられていた饕餮紋(とうてつもん)と蟠螭紋(ばんちもん)が描かれています。殷時代の宮廷の建築様式も感じられますよ。
館内では甲骨文、金文、簡牘帛書、漢字発展史、漢字書道史、少数民族文字などの中国で発展した文字の説明や文物が展示されています。
博物館は、パスポートを見せれば無料で入館することができるので、甲骨文字発祥の地・殷墟を訪れる際には、ぜひ一緒に中国の文字の歴史に触れてみてくださいね。
殷墟観光に最適なシーズンは?
殷墟が位置する安陽市は、日本と同様に四季があるので、過ごしやすい時期を選んだり、ゆっくり観光したい場合は観光客の少ない時期を選んだりするのがおすすめですよ。
ベストシーズンは快適に過ごせる4・5・9・10月
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殷墟観光のおすすめのシーズンは4・5・9・10月です。安陽市の気候は日本と近く、春と秋にあたるこの4ヶ月の気温は、16〜23度と快適に過ごせます。朝方や日が落ちてから肌寒くなるため、上着を1枚持っておくと安心です。
また、9月は雨の多いシーズンでもあるため、折りたたみ傘も一緒に準備しておくことをおすすめします。
観光客が少ない時期を狙うなら11~3月
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ゆっくり観光したい場合は、観光客の少ない11〜3月がおすすめです。降水率も低く晴れが多い時期で、気持ちよく観光できます。ただし、この時期は気温が低く、11月や3月でも平均気温は10度未満のため、防寒対策を徹底しましょう。コートやマフラー、手袋はもちろん、カイロも役立つでしょう。
また、オフシーズンでホテルや航空券が安くなりやすいので、予算を抑えたい人にもおすすめです。
殷墟の見学方法は?予約は必要?
殷墟の見学は有料です。予約は不要で、当日窓口でチケットを購入できます。4〜9月と10〜3月で営業時間が異なるため注意しましょう。
- 4月〜9月の営業時間:8時〜18時半
- 10月〜3月の営業時間:8時〜17時半
入場にはチケットの購入が必要!
Fu Hao Tomb, c. 1200 BC, Reign of King Wu Ding, Shang Dynasty by Gary Todd is licensed under CC0 1.0
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殷墟遺跡は、殷墟博物苑も含めたエリアである殷墟宮殿宗廟遺跡と殷墟王陵遺跡の大きく2つのゾーンに分かれていて、それぞれの間には無料のシャトルバスが走っています。殷墟遺跡の入場料は共通で90元(約1,730円)です。入場料はたびたび改定があるので、最新情報をご確認くださいね。
オプショナルツアーに参加するのもおすすめ
Fu Hao Statue in Front of Tomb by Gary Todd is licensed under CC0 1.0
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殷墟の歴史を深く知りながら観光したい方は、ガイド付きのオプショナルツアーに参加するのもおすすめです。とくに、日本語ガイド付きのツアーに参加すれば、日本語で解説を聞きながら回れるので、歴史が苦手な人でも楽しめますよ。
また、ツアーによっては宿泊ホテルから殷墟までの送迎もついており、自分たちで移動せずに楽に観光できます。自分で行くのに不安がある人や、日本語ガイドでしっかり殷墟遺跡について知りたい人は、ツアーに参加するのがおすすめです。
殷墟観光に要する時間
殷墟遺跡をしっかり回るためには、1〜2時間が必要です。バスや電車での移動時間を加えると、殷墟観光でほぼ1日かかると見ておきましょう。予定を詰めすぎてしまうと、すべて中途半端な観光になりかねません。他にも観光したい場所があれば、別日で予定するなど余裕を持ってスケジュール立ててくださいね。
殷墟へのアクセス・行き方
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殷墟観光の拠点となる都市は安陽市。中国の首都北京や、最寄りの空港・鄭州新鄭国際空港から殷墟へ行く方法が一般的です。ここでは、バス、電車、レンタカーそれぞれの行き方を解説します。
最も一般的な移動は空港からの直通バス
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殷墟がある安陽市の最寄りの空港は、鄭州の新鄭国際空港です。空港から殷墟のある安陽市まで直通バスが出ていて、所要時間は3時間ほど。新鄭国際空港は、新型コロナウイルス流行前には、成田や関西空港から直行便が出ており、日本からもアクセスしやすいのが特徴的ですよ。
北京から殷墟までは鉄道+タクシー
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北京から殷墟へ最短で向かうには、鉄道とタクシーを使用します。高速鉄道を使うと、北京西駅から安陽西駅まで約2時間20分で行けますよ。
高速鉄道の料金は座席によって異なります。安陽西駅から殷墟までは車で約30分の距離なので、タクシーを利用するのがおすすめです!
中国の世界遺産・殷墟の観光を満喫しよう
この記事では、世界遺産である殷墟の観光に関する見どころや歴史、見学方法、アクセスなどをご紹介しました。殷墟は現在でも発掘作業は続いており、まだまだ解明されていないことがたくさん残っています。古代中国の長い歴史を肌で感じることができますよ。
ぜひ、紹介した情報を参考に殷墟の観光を満喫してみてくださいね!
殷墟遺跡
住所:中国 Henan, Anyang, Yindu District, 殷都路
電話:+86-372-393-2171
営業時間:8:00〜18:30(4〜9月)、8:00〜17:30(10〜3月)
休業日:なし※要確認
料金:90元(約1,730円)※最新情報はご確認ください
※2023年1月24日のレート、1元=19.18円で計算
※新型コロナウイルスの感染防止対策のため、休業あるいは時短営業をしている場合があります。事前に最新情報をチェックすることをおすすめします。
cover photo by flickr /Fu Hao Statue in Front of Tomb by Gary Todd