徳寿宮は波瀾万丈の歴史をもつ古宮!見どころや行き方などを解説
韓国・ソウル中心部の市庁前近くにあり、韓国の波瀾万丈の歴史の舞台となってきた徳寿宮(トクスグン)は、韓国5大宮のひとつに数えられる古宮。この記事では、徳寿宮の見どころや楽しみ方、アクセス方法、観光の注意点などを解説します!
韓国・ソウル中心部の市庁前近くにあり、韓国の波瀾万丈の歴史の舞台となってきた徳寿宮(トクスグン)は、韓国5大宮のひとつに数えられる古宮です。
この記事では、徳寿宮の見どころや楽しみ方、アクセス方法、観光の注意点などを解説!ぜひ徳寿宮へ行く前に情報をチェックして、観光を楽しむための参考にしてくださいね!
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徳寿宮の基本情報
ソウルにある古宮のひとつ徳寿宮(トクスグン)。建物の多くは建て直されたもので歴史的建造物ではありませんが、宮内には国宝も置かれ、王宮を守る兵士たちの勤務交代式が再現されていることもあり観光客の人気を集めています。まずは、徳寿宮の歴史や特徴などの基本情報を解説します。
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徳寿宮の歴史
徳寿宮は、元々は朝鮮王朝9代王・成宗(ソンジョン)の兄である月山大君(ウォルサンテグン)の邸宅でした。ところが文禄・慶長の役により、当時の王宮がすべて焼失。焼け残った徳寿宮が、1593年から貞陵洞行宮(チャンヌンドンヘングン)の名称で臨時の宮殿として使われるように。
その後15代王の光海君(クァンヘグン)が、1611年に慶運宮(キョンウングン)と命名し居住しましたが、昌徳宮(チャンドックン)が完成後転居して以降、1615年から274年もの間閉ざされた存在に。
しかし1897年に26代王・高宗(コジョン)が大韓帝国の皇居と定め、宮殿内に西洋風の建物などを増築。1907年には息子の純宗(スンジョン)が、退位後ここに暮らす高宗の長寿を願い徳寿宮と改名しました。
大火で建物が消失したり敷地が狭くなるなどしましたが、その後建物の復元が行われて現在の姿になっています。
徳寿宮はどこにあるの?
徳寿宮は、地下鉄1・2号線市庁(シチョン)駅から徒歩約1分、ソウル市庁の横というまさにソウルの中心部に位置しています。
朝鮮王朝や大韓帝国時代の雰囲気を伝える門や建物が点在する徳寿宮ですが、周囲はビジネス街で高層ビルが立ち並び、そのコントラストが歴史の流れを感じさせます。この徳寿宮独特の雰囲気を楽しむなら、ソウル市庁の 西小門(ソソムン)庁舎13階にある貞洞展望台(チョンドンチョンマンデ)へ。ここは誰でも利用可能なスペースで、徳寿宮の全景を上から眺めることができます。
日本人観光客が利用するホテルも多い明洞や南大門市場からお散歩気分で徒歩でも移動でき、他のソウルにある王宮と比較すると敷地が狭いので短時間で散策できるため、ショッピングのついでに気軽に立ち寄るのもおすすめ!
貞洞展望台(チョンドンチョンマンデ) | |
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営業時間 | 月~金曜 13:30~17:30、土・日・祝日 9:00~17:30 |
休業日 | なし |
ドラマのロケ地としても大人気の徳寿宮
徳寿宮は、たびたびドラマのロケ地になっています。なかでも頻繁にドラマに登場するのが、徳寿宮の正門・大漢門(テハンムン)から続く約800メートルの石垣の外壁がある徳寿宮トルダムキル。
この場所が登場する代表的なドラマが『トッケビ』で、第1話でトッケビ(コン・ユ)が死神(イ・ドンウク)の仕事場である茶店を見つける場面として登場。カーブミラーと道順案内の標識を目印に探してくださいね!
そして『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(邦題)では、第10話でヨンウ(パク・ウンビン)とジュノ(カン・テオ)のデートの場所として登場しています。
そのほか『ブラームスは好きですか?』や『星からきたあなた』といった人気ドラマのロケ地にもなっているので、ドラマ好きな方におすすめです!
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徳寿宮観光の見どころ
徳寿宮は日本と韓国の複雑な歴史の舞台にもなった場所であり、朝鮮王朝の栄枯盛衰を見守ってきた場所。それだけに他の現存する王宮には見られない特徴的な建物なども散見されます。
ここでは徳寿宮の見どころや、見逃せないイベントについてまとめました。
王宮守門将交代儀式の舞台 正門・大漢門
大漢門(テハンムン)は以前は徳寿宮の東門でしたが現在は正門となっており、王宮守門将交代儀式も行われる、まさに徳寿宮の顔というべき存在!以前は大安門(テアンムン)という名称でしたが、この時の門は1904年の火災で焼失しました。その後1906年に再建された際に現在の名称に改称されました。大漢には、朝鮮王朝時代のソウルの呼称漢陽(ハニャン)が栄えるという意味が込められています。
屋根の正面の部分をよく見ると3層(間)に、横を見ると2層(間)になっていて、屋根は1つだけの単層。こうした形の屋根は多包式隅進閣屋根と呼ばれ、ソウルに残る古宮の中で正門が単層なのは大漢門だけ。門にかかる大漢門と書かれた扁額(へんがく)は、朝廷の重臣ナム・ヨンチョルが書いたとされています。
朝鮮王朝時代の建築様式を今に残す中和殿
中和殿(チュンファジョン)は徳寿宮の正殿で、1902年に建立されましたが火災によりわずか2年で焼失、現在の建物は1906年に再建されたもので宝物819号に指定されています。
中和とは片方に偏らない正しい性情(気持ち)を意味し、ここでは王の即位式や外国使臣の歓迎儀式などが行われていました。
内部の天井には2匹の龍が描かれていますが、特徴は爪が7本あること。この中和殿は大韓帝国樹立の宣布後に建てられたものなので、王ではなく皇帝を象徴するために爪が7本になっているそう。
中和門をくぐり中和殿に向かう石畳の庭には、左右に石が並べられています。これは品階石と呼ばれるもので、朝礼などの儀式が行われる際に、文武百館(役人)の立ち位置を表示するために配置されたものだといいます。
不思議な都市伝説の舞台・徳寿宮トルダムキル
ドラマロケ地の部分でも解説したように、徳寿宮の正門・大漢門(テハンムン)の左側から約800メートルに渡り石垣の外壁が続く通りがあります。この通りは徳寿宮トルダムキル、別名貞洞(チョンドン)キルと呼ばれています。
四季を通じて美しい景色が楽しめる通りとしてソウル市民にも人気の場所ですが、特に街路樹が色づく秋の美しさは格別!
ところがこの通りには、ある都市伝説があります。それはカップルでこの通りを歩くと別れるというもの。不吉な都市伝説が起こった由来は、以前近くに離婚調停を扱う家庭裁判所があり、そもそも別れるために夫婦が通る道だったからという説が有力ですが、真相は藪の中。信じるもよし、信じないもよし、ひとまずご注意を!
西洋建築の様式が色濃く反映されている静観軒
徳寿宮には、他の古宮と異なり、敷地内に西洋式(中国風)の建物が点在しています。その象徴とも言えるのが、1900年に建立された静観軒(チョングァンホン)。
ロシア人建築技師・サバテンが設計したもので、ローマ風のという意味を持ち、ゴシック建築以前の中世西ヨーロッパの建築様式として知られるロマネスク調で、東・南・西の3方向には、現代のテラスを思わせる建物の外に張り出した部分を庇で覆ったポーチがあるのが特徴。その一方で手すりの部分には鹿や松、唐草といった東洋の伝統的な文様が刻まれています。
静観という名前のとおり、高宗が茶菓会を開いたり、音楽鑑賞をしたりと、まさに休息の場所として使用されていたようです。
徳寿宮の敷地内にある大韓帝国歴史館
この建物は元々、石造殿(ソッチョジョン)と呼ばれていた建物で、1900年に大韓帝国の近代化政策の一環として、イギリスの指導の下イギリス人建築家のハーディングが設計を行ったため、新古典主義建築様式で建築されているのが特徴。
高宗の住居として使われていたため、皇帝と皇后の寝室や書斎や、接見室、侍従が生活するスペースなどもありました。その後歴史のうねりに合わせて日本の美術品を展示する美術館となったり、米ソ共同委員会や国連韓国委員団の事務室、国立中央博物館、宮中遺物展示館を経て、2014年に大韓帝国歴史館(テハンジェグッヨッサグァン)として韓国の近代歴史を伝える博物館となりました。
韓国時代劇ドラマ好きにはたまらない王宮守門将交代儀式
王宮守門将交代儀式(ワングンスムンジャンキョデウィシッ)は、朝鮮時代王宮の門の開閉や警備を担った守門軍(スムングン)の交代式を再現したもの。現在ソウルに残る古宮の中で、景福宮(キョンボックン)と徳寿宮だけで行われています。
守門軍の面々は朝鮮王朝時代の衣装を身にまとい、騎馬隊、守門将(スムンジャン)などを先頭に、吹螺軍(チュラグン)の奏でる軍楽や厳鼓手(オムゴス)の打ち鳴らす太鼓の音に合わせて進軍する様子はまさに美しい歴史絵巻そのもの。写真映えもバッチリですよ!
交代儀式が行われるのは、徳寿宮の正門・大漢門前。月曜日を除く11時、14時、15時30分の1日3回。ただし酷暑期、零下5℃以下の日、雨天時などは中止になる場合があります。さらに土曜日は、周囲で大規模なデモ行進などが行われる場合は午後の儀式のみ中止になるケースもあるので、観光の際は注意しましょう。
徳寿宮観光に最適なシーズンは?
四季を通じて異なる美しさを見せてくれる徳寿宮ですが、なかでも観光のベストシーズンはいつなのかを解説します。
ベストシーズンは紅葉が美しい秋!
徳寿宮観光のベストシーズンは、ズバリ秋です。ソウル市民がソウルの紅葉の名所と言われて真っ先に頭に浮かぶのは、徳寿宮の外郭である徳寿宮トルダムキルと言われるほど。ソウルの歩きたい通り1号や韓国の美しい道100選で最優秀賞を受賞しており、その紅葉の美しさは折り紙つきです。
日本の秋は少しずつ暑さが薄れていく印象がありますが、ソウルの秋はまるで「今日で夏は終わりですよ!」と宣言でもするように、ある日を境に急に朝晩の寒さが増します。紅葉の季節ともなればかなり冷え込む日もあるので、天気予報などを参考に、必ず羽織るものを1枚持っていくと安心です。
冬は穴場の季節!運がよければ雪景色に染まる景色が見られる
ソウルの冬はとにかく寒い!寒波が到来し、風が強く吹く日などは、日中でも体感温度がマイナスの日も珍しくありません。そのため冬は観光客も減るので、飛行機やホテル代も夏より安い傾向があります。コスパよく、観光客が少ない方がよければ冬は狙い目のシーズン!ソウルはあまり雪が多くありませんが、雪景色に染まった徳寿宮も一見の価値があります。
ただし、冬にソウルに行く時には防寒対策は徹底的に!徳寿宮観光は外を散策する時間が長いので、上着類だけではなく、手袋、そして帽子や耳当てなども準備することをおすすめします。
徳寿宮の見学方法は?予約は必要?
実は以前、徳寿宮の外郭には一部立ち入り禁止の区域がありましたが、近年は全面的に解禁されより観光しやすくなっています。
ここでは徳寿宮観光をする上で知っておきたい、入場料などについて詳しく解説します。
入場は有料!他の古宮も回れるおトクなチケットも!
徳寿宮は、月曜(祝日の場合は翌日休業)を除き9時~21時まで開場しています(最終受付20時)。入場料は大人(満19歳以上65歳未満)1,000ウォン(約114円)で、子どもやシニアは無料です。さらに韓服を着ていれば入場は無料に!
そのほかソウルにある4大古宮に宗廟を加えた5施設の共通入場券・宮殿統合観覧券があり、こちらは大人(満19~64歳)10,000ウォン(約1,143円)。ただし、韓服着用者無料サービスは昌慶宮(チャンギョングン)を除く施設でも行っているので、ソウル観光の記念に韓服をレンタルし、無料で古宮巡りをするのもおすすめです。※王宮守門将交代儀式は観覧無料。
日本語ガイドツアーに参加するのもおすすめ
徳寿宮では、海外からの観光客向けに各国語での無料ガイド案内があり、この中には日本語ガイドツアーも含まれています。実施時間は9時30分と16時の1日2回。集合場所は大漢門を入って左側にある案内板の前で、予約などは不要。所要時間は1時間ほどで、ガイドの説明を聞きながら宮殿を徒歩で見て回ります。
なお、韓国の祝日に該当する日や悪天候の場合には中止になる場合もあるので事前に確認を!
徳寿宮へのアクセス・行き方
徳寿宮はソウルの中心部にあるため、地下鉄やバス、タクシーなど、さまざまな交通手段でアクセスできます。ここでは、それぞれの交通機関を使った時の所要時間や料金を解説します。
本数も多く便利なのバス
徳寿宮へバスで向かう場合、最寄りのバス停は市庁前または市庁前・徳寿宮になります。この2つには、次の番号のバスが停車します。
市庁前 | 150 402 405 501 502 506 708 799 1711 7011 7016 南山循環バス01A |
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市庁前、徳寿宮 | 401 402 406 790 799 1711 7016 7022 |
明洞方面から向かう場合は、7011バスの利用が便利。乗車バス停は退溪路2街(テゲロイガ)・明洞駅7番出口で市庁前下車。所要時間は約22分で料金は1,500ウォン(約171円)です。
江南駅方面からも、バスで乗り換えなしでアクセス可能。402番バス利用で乗車バス停は地下鉄2号線江南駅で市庁前下車。所要時間は約49分で料金は1,500ウォン(約171円)です。
バスの料金は、青いバスは1,500ウォン(約171円)が目安。南山循環バス01Aは1,400ウォン(約160円)です。
時間に正確に移動するなら地下鉄
徳寿宮は地下鉄の駅を出てすぐなので、バスの利用に不安がある場合や渋滞がひどい場合には地下鉄の利用が便利。
地下鉄1・2号線市庁(シチョン)駅 1番出口から地上に出たら直進すると左側に、2番出口利用なら右側に大漢門が見えてきます。いずれも徒歩約1分。
ソウル駅から移動なら、地下鉄1号線利用で徒歩の時間込みで所要時間約16分、料金は1,400ウォン(約160円) です。ただし地下鉄乗車時間はわずか約2分で、残りは徒歩の時間。全部歩いても約20分なので、徒歩での移動も検討を。
江南駅からの場合は地下鉄2号線利用で、所要時間約50分、料金は1,500ウォン(約171円)です。
荷物が多い時などはタクシーの利用も便利
主なスポットから徳寿宮にタクシーでアクセスした場合の所要時間と料金はの目安は、次のとおり。
乗車場所 | 所要時間 | 料金の目安 |
---|---|---|
ソウル駅 | 約7分 | 5,100ウォン(約583円) |
江南駅 | 約32分 | 14,500ウォン(約1,657円) |
明洞駅 | 約9分 | 5,100ウォン(約583円) |
弘大入口駅 | 約23分 | 10,500ウォン(約1,200円) |
※日中タクシーを利用した場合
市庁舎に近いという土地柄、土曜日を中心に徳寿宮近辺ではよく大規模なデモ行進があります。デモが始まると交通規制がかかるので、地下鉄の利用が便利です。
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徳寿宮観光における注意点
徳寿宮は、広く市民や観光客に開かれた施設です。ただし、遵守すべきルールはいくつかあります。その中で観光客に関係してくるのは敷地内での食事禁止、樹木の木の実収集禁止など。そのほか観覧する雰囲気を妨害する行為も禁止されているので、大声で話しながら移動したり、むやみに走ったりといったことは慎みたいもの。さらに敷地内は全面禁煙です。
そして王宮守門将交代儀式や日本語ガイドなどは、天候により中止になる場合があります。事前にホームページなどで確認したり、場合によってはホテルのフロントや最寄りの観光案内所で電話で確認してもらうと安心ですよ!
徳樹宮の観光を満喫しよう
この記事では、徳寿宮の観光に関する見どころや歴史、見学方法、アクセスなどをご紹介しました。徳寿宮は他のソウルにある古宮とは異なる歴史があるスポットです。ぜひ紹介した情報を参考に、徳寿宮の観光を満喫してくださいね!
徳寿宮(トクスグン)の基本情報 | |
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住所 | 99 Sejong-daero, Jung District, Seoul, 韓国 |
電話 | +82-2-771-9951 |
営業時間 | 9:00〜21:00 ※入場券は20:00まで販売 |
休業日 | 月曜(祝日の場合は開館) |
アクセス | 地下鉄1・2号線市庁駅1番出口から徒歩約1分 |
料金 | 外国人観光客(満19歳以上65歳未満)1,000ウォン(約114円) |
※記事内の金額は2024年6月20日のレート、1ウォン= 0.1143 円で計算しています。
cover photo by PIXTA