アメリカ・バーニングマンは音楽とアートの奇祭!ルールやチケットなどを解説
音楽とアートの奇祭フェス・バーニングマンを詳しく解説。アメリカ・ネバダ州の荒野で開催されるイベントで、巨大な街を作り上げ、助け合って1週間を生き抜く「世界最大の奇祭」です。バーニングマンの見どころや楽しみ方、アクセス方法、参加時の注意点などを紹介します。
バーニングマンはアメリカ・ネバダ州の荒野で開催される音楽とアートの祭典。巨大な街を作り上げ、助け合って1週間を生き抜く「世界最大の奇祭」です。
この記事では、バーニングマンの見どころや楽しみ方、アクセス方法、観光の注意点などを解説!ぜひ情報をチェックして、脅威の奇祭バーニングマンを楽しんでくださいね!
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バーニングマンの基本情報
バーニングマンは、別名「ブラックロックシティ」とも呼ばれ、アメリカのネバダ州で行われる音楽とアートの祭典。「世界最大の奇祭」とも言われています。
まずは奇祭バーニングマンの概要や歴史、開催時期などの基本情報を解説します。
バーニングマンとは?
バーニングマンは、ブラックロック砂漠と呼ばれるネバダ州の荒野で、毎年約1週間に渡って開催される音楽とアートの祭典。バーニングマンの期間には、湖が干上がってできた広大な塩類平原に数万人規模の人が集まり、架空の街「ブラックロックシティ」が出現します。
ブラックロックシティは商業活動を行わない助け合いのコミュニティです。参加者は食料や水、生活物資などを自分で準備し、他者を助けながら生活。参加者自身が披露する音楽とアートを楽しみます。過酷な環境の中でさまざまな芸術活動によって自分を表現するお祭りです。
このブラックロックシティの中心には、「マン」と呼ばれる巨大な人の像が建てられ、その像を中心に時計になぞらえて円形の街が作られます。
円形で街を作るのは、広大な街の中で道に迷わない工夫のため。放射線状の大通りに出ればどこからでも「マン」が見えるため、方向がすぐに分かるようになっているのです。
バーニングマンの歴史
毎年7万人もの人々が集まり1週間を過ごす祭り、バーニングマン。そのきっかけは、2人の若者の失恋でした。
1986年に恋人と別れた2人の若者が「マンを解放させる」という目的で人の形をした木像をサンフランシスコの海岸で燃やしました。その時、周囲にいた若者たちも仲間の輪に。親しくなった彼らは毎年同じ日に木像を燃やすようになったそうです。
やがてサンフランシスコのアーティストたちも集まるように。しかし規模が大きくなりすぎたため、1990年に砂浜でのバーニングマンは禁止されてしまいます。そこで仲間たちはキャラバンを組んでネバダ州に移動。それ以後のバーニングマンは人里離れたブラックロック砂漠の荒野で行われることになりました。
さらに、インターネットの普及とともに知名度は上がり、今では数万人規模で開催される「世界最大の奇祭」にまで成長したのです。
2023年には砂漠のブラックロックシティが異常気象の影響で豪雨に見舞われるという出来事も。普段は砂塵に包まれるブラックロックシティが一面の泥沼になってしまいました。このときはなんと参加者7万人が脱出不可能になりましたが、それでも皆で助け合って、可能な限り祭典を楽しんだようです。
バーニングマンが開催される場所は?
バーニングマンが開催されるのは、アメリカ・ネバダ州の北部にあるブラックロック砂漠。ラホンタン湖という湖が干上がってできた塩類平原です。周囲の街からは遠く離れているため、電気・ガス・水道はもちろん、携帯電話の電波も届かない場所でバーニングマンは開催されます。
真っ平で固くしまった塩の大地が広がることから、ロケットを積んだ車やオートバイなどが地上速度記録に挑戦する場所としても知られています。
バーニングマンの開催日時は?
バーニングマンの最終日は、アメリカの祝日であるレイバー・デイにあたる9月の第1月曜日と決まっています。レイバー・デイの前1週間でバーニングマンは開催されるので、毎年8月の最終月曜日から9月の第1月曜日まで。
ただし祭典が始まる日には入場待ちの車が長い行列を作ります。会場に入るだけで数時間かかることも。そのため開始の前日や数日前から会場入りする人も大勢います。
マンの像を燃やす最大の行事「バーニングマン」は、最終日の2日前の土曜日の夜に行われます。これはバーニングマンの歴史に由来するもの。サンフランシスコでは毎年6月の夏至の日にマンを燃やしていましたが、そこでの点火を禁止されたキャラバンが移動し、ブラックロック砂漠でマンを燃やしたのが、約2ヶ月後のこの日だったのです。
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バーニングマンの見どころ・楽しみ方
バーニングマンでの1週間は何をしても自由!広大なブラックロックシティでは自転車で移動しながら、会場中で音楽やアートを楽しめます。また鑑賞するだけでなく、アートに参加して自分を表現することも。
ここからは、バーニングマンが行われる1週間の見どころや楽しみ方をご紹介します。
世界最大級の音楽とアートの祭典
バーニングマンは、自分を表現するアーティストたちの祭典。会場のあらゆる場所で音楽とアートが披露されています。
街を移動していると、いたるところから楽器を奏でる音が。楽器を持ち歩いている人も多く、すぐにジャムセッションが始まります。飛び入り参加もOKです!広場ではさまざまな規模の演劇やミュージカル、大道芸も行われています。大規模なサーカスやパレードも!
さらに巨大な作品や奇妙なアートも数えきれないほど出現。ミュータントビークルと呼ばれる奇妙な車にも次々に出会えます。会場にはDJブースや移動ダンスフロアもあるので、気に入ったダンスパーティーに参加するのもおすすめです。
一方、別の場所では静かにヨガや瞑想、座禅を行うグループもいます。音楽やアートだけでなく、街の中には料理教室や修理工房まで!誰もが自分にできることで他の人を助け、自分を表現するのが、バーニングマンでの過ごし方です。
お金を使わずに生活!?助け合いのコミュニティ
バーニングマンは「実験的な地域社会」とも言われています。ブラックロックシティでは氷を買う以外にお金は使えません。1週間生き抜くために必要なものは自分の責任で用意。「Give&Give」の精神で助け合いのコミュニティが形成され、隣人を助けながら1週間を過ごします。
バーニングマンはお金を払って楽しませてもらうフェスティバルとは異なり、参加者が作り上げる祭典です。セキュリティチェックや遺失物の管理、入場チケットの確認など、運営的な役割も参加者が自発的に行っています。
またお金を使うことだけでなく、物々交換や物とサービスの交換など、商売的な考え方自体もここでは禁止。見返りを求めずに、与えることを楽しむのです。
神秘的な「マン」と寺院を燃やす儀式
バーニングマンの1週間は、アートを鑑賞したり音楽とともに過ごしたりと、ほとんどが楽しいお祭り騒ぎの雰囲気が続きます。しかし、その雰囲気が一変するのが、最終日の2日前にあたるに近い土曜日の夜。シンボルである「マン」と寺院が燃やされる瞬間です。
その瞬間には、参加者のほぼ全員がマンの周囲に集まってきます。そしてセレモニーの後、マンに火が放たれると歓声が!炎はすぐに燃え上がり、500メートル離れていても熱さを感じるほどになります。
バーニングマンには花火が仕掛けられていて、派手に打ち上がることも。その瞬間にはまた歓声が上がります。しかしこれまで自分たちの中心にあった像が燃え落ちて灰になっていくと、会場全体が不思議なほどに厳かな雰囲気に包まれます。
バーニングマンの参加方法は?予約は必要?
たくさんの人が集まり、自分たちの力で生活するバーニングマン。ふらりと訪れて自由に参加できそうなイメージがありますが、実はチケットの購入や食料や交通手段の確保など、事前の準備が必要です。
ここではバーニングマンに参加する方法を解説します。
バーニングマンの入場にはチケットの購入が必要!
バーニングマンに参加するためには、入場チケットを購入する必要があります。
参加者は自分で準備した物資で生活し、芸術や音楽を披露するアーティストにギャラが支払われるわけでもないのに、チケットが必要なのは不思議な気がするかもしれません。しかしこれは巨大な祭典の運営に必要となる最低限の料金です。
事前予約は必須?チケットの種類
バーニングマンは大人気の祭典なので、事前予約は必須。チケットは公式サイトから購入できます。チケットにはさまざまな種類があるため注意が必要です。
「FOMOセール」は、高額な早期購入チケット。さらに、バーニングマンの文化に重要なアーティストに販売する「スチュワードセール」や、低所得者向けの「チケットエイドプログラム」などがあり、1月から時期をずらして発売されます。
なかでも、一般的な参加者が買えるのは例年4月頃に発売される「メインセール」。メインセールのチケットは、2023年の場合、575ドル(約85,773円)でした。乗り物パスは、1台あたり150ドル(約22,376円)。別途手数料と税金が必要です。
毎年売り切れる人気のフェスなので、早めの予約がおすすめ。チケットの種類のくわしい条件や販売期間は変更となる場合があるため、最新情報は公式サイトで確認してくださいね。
バーニングマンへのアクセス・行き方
バーニングマンの会場であるブラックロックシティに行くための拠点は、ネバダ州のリノという街です。
リノはネバダ州ではラスベガスの次に大きな街。カジノシティとしても知られています。「世界最大の小都市」と呼ばれるこの街で遊んでからブラックロックシティをめざすのもよいかもしれません。
バーニングマンのアクセスにはレンタカーが一般的
観光客がブラックロックシティに行く際は、レンタカーを使うのが一般的です。1週間寝泊まりするテントや食料など大量の荷物を運ぶため、自家用車かレンタカーでの参加がおすすめです。
ただしレンタカー選びには注意が必要。砂漠地帯を走るため、四輪駆動が必須です。寝泊まりを考えればキャンピングカーが理想かもしれません。バーニングマンが行われるブラックロック砂漠までは車で約4~5時間でアクセスできます。
レンタカー以外でのアクセスも可能
バスやタクシー、飛行機で向かう人もいて、中には飛行機からパラシュート降下して会場入りする人もいます。バーニングマン開催中は、会場に臨時の飛行場が開設されるので、飛行機でのアクセスも簡単にできますよ。
バーニングマン参加における注意点
バーニングマンは、助け合いの精神で1週間を過ごす場所。しかしそれは「助けてもらえるから大丈夫」という意味ではありません。バーニングマンの基本は、荒涼とした世界でのサバイバル生活。万全の準備をしていく必要があります。
1週間分以上の食料と水、サバイバルキットが必要
助け合いのコミュニティであるブラックロックシティでは、最悪の場合は助けてもらえます。しかしバーニングマンの精神として、助けてもらうことを期待して甘い準備で行くのは御法度です。
砂漠の真ん中なので、電気・ガス・水道・ガソリン・携帯電話の電波はまったくありません。参加者は食料と水、衣類だけでなく、寝泊まりする設備、燃料、医療品など、1週間生き抜くための物資を自分の責任で準備することが求められます。
「現地で買えばいい」は一切通用しない世界。しっかりと準備を整えてから参加してください。
天候の急変に注意
ブラックロック砂漠は標高約1,200メートルの高地ですが、砂漠気候のため夏の昼間は猛暑になります。気温35度以上は近年の日本の夏とほぼ同じ。しかし日差しが強烈で極度に乾燥しているため、1日5リットルは水を飲まないと脱水症状で倒れてしまいます。
そして乾燥した砂漠地帯では気温を保ってくれる空気中の水分がないため、日が落ちた瞬間から急激に寒くなります。夜の気温は摂氏4度!真夏の服装とともに、真冬の服装も準備していく必要があります。
また砂嵐の対策も重要。風が吹くと非常に細かい砂が舞い上がって周囲がホワイトアウト状態になります。顔を覆うスカーフやゴーグルなど、砂を防ぐアイテムも用意してください。
そして異常気象が続けば2023年のような豪雨に見舞われる可能性も。今後は泥沼からの脱出用のシャベルや予備のタープなども持って行った方がよいかもしれません。
バーニングマンの10原則を守ろう
最後に、バーニングマンに参加するなら覚えておきたい「バーニングマンの10原則」をご紹介します。
- どんな者をも受け入れる共同体である(Radical Inclusion):誰もが参加できる祭典。常に新しい仲間を歓迎し、リスペクトします。
- 与えることを喜びとする(Gifting):見返りなど気にせずに、誰かに何かを与えること自体を楽しみます。
- 商業主義とは決別する(Decommodification):お金を介さなくても大切なモノを分かちあえるという精神で過ごします。
- 他人の力をあてにしない(Radical Self-reliance):準備からゴミの始末まで、自分自身の力で生き抜く事が求められます。
- 本来のあなたを表現する(Radical Self-expression):どんな表現でも尊重し認め合います。他人の表現を尊重することも重要です。
- 隣人と協力する(Communal Effort):小さなやりとりから創作活動まで、協力する事で課題を解決していきます。
- 法に従い、市民としての責任を果たす(Civic Responsibility):法律はもちろん、社会のルールを尊重します。
- 跡は何も残さない(Leaving No Trace):環境を守るため、来る前よりもきれいな場所にしてから帰ります。
- 積極的に社会に参加する(Participation):芸術活動やボランティアに積極的に参加することで素晴らしい経験を得ます。
- 「いま」を全力で生きる(Immediacy):恥を捨てて輪に飛び込み、感謝し、貢献することで、1人では成しえないものに触れることができます。
バーニングマンの10原則は、バーニングマンを楽しむために大切なことばかり。ぜひルールを守りながら他者との関わりや自給自足の生活など、普段は味わえない体験を楽しんでくださいね。
バーニングマンを満喫しよう
この記事では、バーニングマンの見どころや歴史、参加方法、アクセスなどをご紹介しました。
過酷な自然の中、音楽、アート、サバイバル、そして助け合いにどっぷり浸かる1週間。積極的に参加すれば、人生観が変わるかもしれません!ぜひ紹介した情報を参考に、バーニングマンを満喫してくださいね!
バーニングマン(Burning Man)の基本情報 | |
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住所 | Gerlach, NV 89412 アメリカ合衆国 |
開催日 | 毎年8月の最終月曜日から9月の第1月曜日まで |
アクセス | ネバダ州リノ市から約150km |
参加料金(2023年の場合) | 575ドル(約85,773円)・乗り物パス150ドル(約22,376円)別途手数料と税金 ※2023年11月23日のレート、1ドル=149.17円で計算 |
公式サイト |
※記事内の金額は2023年11月23日のレート、1ドル=149.17円で計算しています。
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