モスクワ・クレムリンの見どころは?見学方法や注意点などご紹介
クレムリンはロシアにある世界遺産で、広大な敷地にある旧ロシア帝国の宮殿です。モスクワのクレムリンと赤の広場という遺産名で世界遺産に登録されています。この記事では、クレムリンの歴史や見どころ、見学方法、アクセスなどを解説。ぜひ観光の際の参考にしてくださいね。
クレムリンはロシアにある世界遺産で、広大な敷地にある旧ロシア帝国の宮殿です。モスクワのクレムリンと赤の広場という遺産名で世界遺産に登録されています。
広大な敷地のため、どこがおすすめのスポットなのか事前にリサーチをしておくことで楽しく忘れられない思い出となりますよ。この記事ではクレムリンの情報や見どころ、見学方法、行き方などを紹介します。
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クレムリンの基本情報
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ロシアの首都モスクワにある世界遺産のクレムリン。現在は大統領官邸として使われていますが、12世紀ごろに築かれた城壁です。
ここでは、そんなクレムリンの歴史や敷地の広さなどの基本情報について紹介していきます。
12世紀ごろに築かれた城砦
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クレムリンは、12世紀にモスクワに築かれた城砦が原型だと言われています。モスクワ川とネグリンネヤ川の合流点に面して築かれました。
15世紀後半、イヴァン3世がイタリアの建築家を招き、ルネサンス風の全面改築が行われました。この時期にウスペンスキー大聖堂やブラゴヴェシチェンスキー大聖堂などの、有名なスポットも建設されています。ときが経ち、1917年のロシア革命以降は、ソビエト時代の政治の中枢を担う場所になります。
クレムリはロシア語で城砦を意味する
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クレムリンはロシア語で城砦を意味し、モスクワ以外にもロシア各地に存在します。その中でも1番壮大で有名なのが、モスクワのクレムリンです。12世紀に原型が築かれ、15世紀に改築が行われたクレムリンは、17世紀になると城門に塔を設けます。
しかし、1712年にピョートル1世がモスクワからサンクトペテルブルクへ遷都し、政治的な効力は一時失われます。1812年には、ナポレオンによってモスクワが一時占領されてしまい、クレムリンの一部が破壊されてしまいました。
現在クレムリンは大統領の官邸
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1917年にロシア革命が起きたことにより、首都がモスクワに戻され、クレムリンはふたたび政治の表舞台に戻りました。そして現在、大統領の官邸として使われています。しかし、ロシアの現大統領のプーチン大統領はクレムリンには住んでいません。こちらは住居でなく、大統領の執務室と応接室があります。
クレムリン内に大統領は住んでいないものの、大統領連隊と呼ばれる精鋭部隊の兵舎があり、兵士が住んでいます。兵士はクレムリンの中で訓練を行い、起床は6時で自由になるのは18時以降、そして消灯は22時と規則正しい生活を送り、これらを破ることは許されません。
約28万平方メートルの広い敷地にある
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クレムリンは宮殿を取り囲む総延長約2.25キロメートルの城壁に囲まれています。首都モスクワの中心部に位置し、存在感は格別。その城壁は、レンガ造りの赤色で通称赤い壁と呼ばれています。また、敷地面積は約28万平方メートルもの広い敷地を有しています。
城壁の高さは、5〜19メートルもの高さがあり、厚さは5.5メートルです。城壁というだけあって、簡単には突破できない仕様となっています。クレムリンには、20もの塔が存在し最大で高さ80メートルもあります。すべての数字が大きく、クレムリンの壮大さを表していますね。
赤の広場とともに世界遺産に登録されている
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クレムリンは赤の広場とともに、モスクワのクレムリンと赤の広場として1990年に世界遺産に登録されています。クレムリンは世界遺産の中でも世界文化遺産に登録されており、優れた普遍的価値をもつ建築物や遺跡などが選出されています。
日本での世界文化遺産は、法隆寺や厳島神社、原爆ドーム、白川郷などが登録されており、クレムリンはこれらと同じ部類の世界遺産です。
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クレムリンの見どころ
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クレムリンは、城壁の中に大聖堂や宮殿などの見どころがたくさんある世界遺産です。
クレムリンを観光するなら、広大な敷地からなる数多くの建築物を見ておきましょう!歴史を感じる建物からは、圧巻で感動的な景色が広がりますよ。
ここでは、クレムリンを観光する際の見どころについて紹介します。クレムリンへ観光に行く際は、ぜひ参考にしてください。
一般公開されていない荘厳な雰囲気の大宮殿
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こちらの画像の宮殿はクレムリン大宮殿です。1849年に建設されたクレムリンの中でも中心的な宮殿で、ロシアの建築家であるコンスタンチン=トンなどにより、当時では新しい建築技術を導入して建造されました。大きさは全長125メートルで、奥行き63メートルもある巨大な宮殿です。
現在一般公開はしておらず、叙勲式や議場としての政治的な利用のみとなっています。
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さらに、1481年から1891年にかけてイタリアの建築家であるマルコ・ルッフォ・ピエトロ・ソラーリによってデザインされたグラノヴィータヤ宮殿も見どころのひとつ。白い多面体の石で覆われた外観をしており、特徴的で美しさも感じられます。
帝政ロシア時代には、公式の会場として使用されてました。現在の大統領であるプーチン大統領の就任式もここで行われています。残念ながら、こちらの宮殿も一般公開されておりません。
黄金のドームが特徴的な大聖堂
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続いては、寺院と聖堂について紹介します。寺院と聖堂はどちらも似たような言葉ですが、違いがあります。寺院は宗教活動の中心となる建物や場所を指し、聖堂とは、司教がいる寺院や教会を指します。
ここでは、3つの聖堂を紹介します。実際に訪れる際は、こういった言葉の違いがあることを理解しておくとより楽しめるかもしれません!
アルハンゲリスキー大聖堂
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アルハンゲリスキー大聖堂は、クレムリンを代表する大聖堂です。アルハンゲリスキー大聖堂は聖天使首大聖堂とも呼ばれています。アルハンゲリスキー大聖堂は、1505年から1509年にかけてイタリアの建築家であるアリストートル・フィオラヴァンティによって建設されました。
ロシアの伝統的なデザインとイタリアの要素が混ざり合い、美しいデザイン。外観は白が基調となり明るい色合いですが、対照的に内部は暗めの配色です。内部の壁には、美しい壁画や、キリスト教において崇拝の対象とされる聖像・イコンが飾られています。
アルハンゲリスキー大聖堂は、もともと歴代の皇帝たちの墓所になっていた場所でもあります。
ウスペンスキー大聖堂
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ウスペンスキー大聖堂は、生神女就寝大聖堂とも呼ばれる、現存するクレムリンの建物の中で最も古い建築物。14世紀に建設が始まりましたが、15世紀末に一度崩壊しています。そのため、現在のウスペンスキー大聖堂は1475年から1479年にかけて建てられました。
モスクワ大公国のイヴァン3世が、イタリア人の建築家であるアリストテレス・フィオラヴァンティを招いて建築されました。外観は、黄金の5つのドームが特徴的で、内部には宝飾品や絵画などが展示されています。また、イワン雷帝の玉座や皇后専用の礼拝所などもあります。
ブラゴヴェシチェンスキー大聖堂
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ブラゴヴェシチェンスキー大聖堂は、生神女福音大聖堂とも呼ばれています。1484年から1489年にかけて建てられました。
ブラゴヴェシチェンスキー大聖堂は、イワン3世が自身と家族の礼拝所として古都プスコフの職人によって建設されています。イタリア人建築家が手がけた他のクレムリン内の聖堂に比べ、ロシア的要素が強い教会建築が特徴です。
外観は、黄金に9つのドームと白い壁が特徴的な大聖堂です。また、内部にはロシア正教会の宝物ともされるイコンが飾られています。
高さが6メートルある巨大な鐘
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こちらの鐘は鐘の皇帝(ツァーリ・コロコル)と呼ばれています。イヴァン雷帝の鐘楼の前に展示されており、重さ200トンで高さ6メートル以上もある巨大な鐘です。
鐘の皇帝は、1733年から1735年にかけてクレムリン内で鋳造されました。本来であれば鐘楼に吊るされて鐘の音色が聞けるはずでしたが、1737年にモスクワでの大火事の影響で一部に亀裂が生じ、現在ではその音を聞くことはできません。
1836年にフランス人の建築家であるモンフェランによって穴の中から引き上げられ、石の台座に置かれ、現在の展示方法となっています。
世界最大口径を誇る大砲の皇帝(ツァーリ・プーシュカ)
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大砲の皇帝は武器庫のすぐ外にあり、背後には黄金の5つのドームが特徴的なウスペンスキー聖堂も見えます。大砲の重量は40トンあり、口径は890ミリもある巨大な大砲です。
こちらは1586年に、大砲の専門家であるアンドレイ・チョーホフによって造られました。
当時では世界最大の口径を誇る大砲で、スパスカヤ塔の門を守るために置かれていたと言います。しかし、こちらの大砲は一度も発砲されることはなく、目の前にある弾は飾りで19世紀に造られています。
クレムリンの中でもインパクトのある、観光スポット。巨大な大砲を生で見てみてはいかがでしょうか?
珍しい骨董品が展示されている武器庫
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当初は武器庫として使用されていましたが、1720年にピョートル大帝のもと美術館に生まれ変わっています。
武器庫美術館では、王室の衣服や珍しい武器などが見られます。刀剣や甲冑、ドレスなどさまざまな展示物を歴史を感じながら楽しめますよ。建物の外観は、白い支柱と黄色い壁が混ざり合いとても美しい景色。
また、訪れた際に見ておきたいのは、武器庫に併設されているダイヤモンド庫。ロマノフ王朝の収集した宝石コレクションで、世界一大きなダイヤモンドであるオルロフを鑑賞することができますよ。
クレムリンの見学方法・料金
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ここまで、クレムリンの見どころについて紹介してきましたが、実際に観光する際には、どのように回るべきかやチケットをどのように手配するか気になりませんか?
ここでは、実際にクレムリンを訪れたときの見学方法やチケットの購入方法、注意点について紹介します。
じっくり見るなら1日かけて観光しよう
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いざ観光へ行く際は、1日かけてじっくり観光することがおすすめ。前述した見どころを、すべて回るとなったら数時間や半日では物足りないかもしれません。
午前中の観光は赤の広場を巡るのがおすすめ。赤の広場の南東にはとてもインパクトのある聖ワシリー大聖堂があり、1560年にイワン雷帝により建設されました。こちらの建物は、聖堂でありながらテーマパークに建てられているような明るい外観をしています。
赤の広場を楽しんだら、午後はクレムリンで楽しみましょう。前述した見どころを抑え、美術館や美しい聖堂を観光し、楽しく思い出深い1日にしてください。
チケットはいくつかの種類に分かれている
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クレムリンに入場するためにはチケットが必要です。気になるスポットをあらかじめチェックしておきましょう。チケットが必要なスポットは全部で5種類です。
①聖堂広場および各施設(Architectural complex of the Cathedral Square):700ルーブル(約1,603円)
②武器庫(Armoury Chamber):1,000ルーブル(約2,290円)
③ダイヤモンド庫(Diamond fund):500ルーブル(約1,145円)
④イワン大帝の鐘楼(Ivan the Great Bell Tower):350ルーブル(約802円)
⑤企画展(Temporary Exhibitions):500ルーブル(約1,145円)
ダイヤモンド庫へ入場するには、武器庫のチケットを購入する必要があります。クレムリンの入場にはチケット代がかかりますが、赤の広場への入場は無料です。
種類によって購入場所が異なる
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現地でチケットを購入する場合、有人の窓口か券売機で購入します。券売機では、前述の①聖堂広場および各施設のチケットしか購入できないため、注意が必要です。
①以外のチケットは、有人の窓口のみでしか購入できません。そしてそのチケットは時間が決まっている定員制なので、見学のスケジュールを立てる際には注意が必要です。
特に②武器庫③ダイヤモンド庫のチケットは人気なため、2週間前から販売されるオンラインチケットか、当日の朝早くに現地で購入するかどうかを決めておいた方が良いかもしれません。
オンラインチケットは2週間前から購入可能
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チケットの購入方法は、現地の他にオンラインで購入する方法があります。オンラインでの販売は2週間前から購入可能のため、観光する日程が決まっている人はオンラインで購入しておくと便利でしょう。オンライン購入は、公式サイトから可能です。日時と見学時間を指定して、購入へと進みましょう。
人気である②武器庫③ダイヤモンド庫のチケットもオンラインで購入可能です。現地でチケットが売り切れてしまって観光できないということを避けるためにも、オンラインで購入できる人は事前に購入しておくのがおすすめです。
見学場所によって入口が異なる
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クレムリンに入場する際には、入口が2つあります。武器庫とダイヤモンド庫以外を観光する場合は、メインエントランスから入場し、武器庫とダイヤモンド庫を観光する場合は第2エントランスから入場するとスムーズです。
ただし、第2エントランスから武器庫とダイヤモンド庫以外の聖堂などに行くこともできます。メインエントランスはチケットブースが混雑するため、第2エントランスで入場を済ませるのも混雑を避けてスムーズに見学するための裏技です。
入口を塔の名前で表すと、メインエントランスがクラフィア塔で、第2エントランスがボロヴィツカヤ塔です。
赤の広場も一緒に観光するのがおすすめ!
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クレムリンと一緒に赤の広場を巡るのもおすすめです。赤の広場は、クレムリンとともに世界文化遺産に登録されています。クレムリンの正面に位置しており、モスクワの都心部にある広場です。
赤の広場はクラスナヤ広場とも呼ばれ、クラスナヤとはロシア語で赤いという意味があります。一方、古代スラヴ語では美しいという意味で、赤の広場ではなく美しい広場とされるべきだった広場だといわれています。
赤の広場は広大であり、長さ695メートル、面積は7万3000平方メートルもの広さです。クレムリンを観光する際には、広大で美しい赤の広場にもぜひ立ち寄ってみてください。
クレムリンを見学する際の注意点
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クレムリンは、大統領官邸でもある政治的・歴史的に重要な場所です。そのためルールも厳しく設けられています。
聖堂や美術館では撮影禁止や立ち入り禁止となっている場所が多くあるため、看板や標識を注意して確認しておきましょう。実際にルールを破るつもりがない場合でも、怪しまれるような行動は取らないように気をつけてください。
また、クレムリンのすべての場所において飛行物体が禁止されており、ドローン等を使用しての空中からの撮影は禁止されています。ドローンを使っての撮影は美しい映像を撮影できますが、禁止行為のため飛行物体を飛ばしてはいけません。
その他にも、クレムリンにて政治的な行事が催される際には入場制限が事前通知なしでかかる場合があるため、急遽観光できなくなる可能性があることを頭にいれておいてください。
クレムリンへの行き方・アクセス
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クレムリンへは、まず成田空港からモスクワのシェレメーチエボ空港へ向かいます。直行便で約10時間程度かかると認識しておきましょう。
クレムリンはモスクワの中心部に位置していて観光のしやすいロケーションに位置しています。モスクワ中心部のホテルに滞在している方はモスクワ市内を網羅している地下鉄を使いましょう。
ここでは、クレムリン観光の拠点となるシェレメーチエボ空港到着後にクレムリンへ移動する際の移動方法を紹介します。電車で行くべきなのかバスで行くべきなのかを判断する際に、参考にしてみてください。
電車でクレムリンへ向かう
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空港からクレムリンに向かうには、電車移動がおすすめです。空港から直行で行ける電車はなく、乗り換える必要があるため一度ホテルにチェックインをして荷物をおいてから観光へ行くと良いでしょう。
空港から電車でクレムリン近くのベラルースキー駅まで行けます。料金は約500ルーブル(約1,145円)で、時間は約1時間40分かかります。そこから、クレムリンに近いボロヴィツカヤ駅やビブリオチェーカ イーメニ レーニナ駅へ向けて移動をしましょう。
バスでクレムリンへ向かう
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空港からクレムリンへの行き方として、電車以外にもバスやタクシーといった手段があります。
しかし、バスでクレムリンに行く場合途中で電車に乗り換える必要があるため、手間がかかります。タクシーで行く場合は約2,000ルーブル(約4,580円)かかってしまうため、移動費としては高くなってしまいます。
また、渋滞なども考慮して移動しなくてはならず、渋滞中は2時間半以上かかってしまうため、大きな荷物を持っているのでなければ、電車移動をおすすめします。
クレムリンでロシア文化に触れてみよう!
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大統領官邸や叙勲式などに使われる政治的な一面を持つクレムリン。一方で、広大な敷地と歴史的な建物が楽しめるという観光名所としての一面も持っています。
どちらもクレムリンの魅力であり、世界文化遺産に登録されているのも納得ができる見どころがいっぱいです。宮殿や聖堂以外にも、武器庫やダイヤモンド庫の美術館など、建物の外観や内観、宝飾品などさまざまな美しいものを楽しめることでしょう。
クレムリン観光を通して、ロシア文化やロシアの歴史に触れてみてはいかがでしょうか。
クレムリン(Kremlin)の基本情報
住所: 103132 Russia, Kremlin, Moscow
電話:+7 495 695-41-46
営業時間:9:00~18:00
アクセス:地下鉄ボロヴィツカヤ駅から徒歩4分、ビブリオチェーカ イーメニ レーニナ駅から徒歩4分、アレクサンドローフスキー サート駅から徒歩約5分
料金:各スポットにより異なる
※2022年11月24日レート、1ルーブル=2.29円で計算
公式サイト:https://www.kreml.ru/
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