韓国の世界遺産16ヶ所すべて紹介！歴史や魅力、ツアーを紹介

2024年現在、韓国の世界遺産の数は全部で16登録

朝鮮半島南部に位置する韓国。決して大きな国ではありませんが、その中にはなんとユネスコの世界遺産が16登録もあります。韓国最大の都市ソウルや観光地として有名な慶州や済州島など、韓国各地に世界遺産があるので、ぜひチェックしてみてくださいね！

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韓国の世界遺産一覧

韓国で登録されている世界遺産の一覧になります。

ソウル市内にある世界遺産3選

まずは韓国のメイン玄関口のソウル。ソウルは韓国最大の観光エリアで、日本人からも人気がある都市です。観光スポットやショッピング、グルメなどあらゆるジャンルで楽しめるので、多くの観光客で賑わっています。ここでは韓国・ソウル市内の世界遺産3ヶ所をご紹介します。

昌徳宮（チャンドックン）

韓国王宮唯一の世界遺産は自然との調和が美しい

1997年に世界文化遺産に登録された昌徳宮は、韓国にある朝鮮時代に建てられた5つの王宮の中で、唯一世界遺産に登録されています。韓国初の王宮である景福宮の離宮として建てられ、約300年弱朝鮮王朝時代で王が1番長く住んだ宮殿でもあります。

韓国における最古の門敦化門（トンファムン）や最古の石橋錦川橋（クムチョンギョ）など、当時の姿そのままに残っているので、見るべきポイントです。

韓国の伝統造園技術を極めた庭園も見どころのひとつ。昌徳宮は広大な敷地の中に仁政殿や大造殿など13棟の建物と韓国を代表する庭園の後苑（フウォン）があります。後苑には、楼閣や池があり、たくさんの植物に囲まれています。

植物たちは季節を通してさまざまな色の景色を見せてくれ、それがまた建物と調和してとても美しいですよ。特に桜の季節や紅葉の季節が人気です。

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宗廟（チョンミョ）

現代も伝統儀式が続く歴代王族たちの霊廟

朝鮮王朝時代の歴代の王と王妃の位牌が祀られている宗廟は、1995年に韓国で最初に世界文化遺産に登録されました。新しく王や王妃の位牌が安置される度に建物を増築したので、このように101メートルもある横長い造りになっています。これは単一の木造建造物としては世界一の長さとも。

韓国のテレビドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』のロケ地にもなった場所でもあるので、見覚えのある方も多いのではないでしょうか？

宗廟は大きく正殿と永寧殿とがあり、正殿には王とその王妃あわせて49人、永寧殿には34人が祀られています。宗廟で毎年5月の第一日曜日に行われる宗廟大祭という伝統行事は、世界無形文化遺産にも登録されています。王族の末裔たちが集まり、伝統衣装で舞や演奏などが行われており、見学することもできますよ。

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朝鮮王陵（チョソンワンヌン）

朝鮮王朝歴代の王たちが眠る場所

朝鮮王陵は、1408年〜1966年と言う長きにわたり造られてきた、朝鮮王朝時代の歴代の王と王妃のお墓です。

ソウルおよびその近郊には朝鮮王陵が44基あり、その中の40基が2009年に世界文化遺産に登録されました。保存状態もよく、歴代の王たちを祀る伝統行事が現代に至るまで行われていることなどが、登録の基準となったようです。

40基全てを見てまわるのは難しい方は、善政を築いた成宗王のお墓であるソウル市江南区にある宣陵（ソンルン）、9つのお墓が集まる王陵群としては最大規模の京畿道九里市の東九陵（トングルン）、1万ウォン札に描かれている世宗王のお墓である京畿道ヨジュ郡の英陵（ヨンルン）が特に有名なので、ここだけは押さえることがおすすめです。

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ソウル市周辺にある世界遺産3選

次に、韓国・ソウル市周辺にある世界遺産を3ヶ所ご紹介します。

水原華城／水原市

韓国版・万里の長城！大迫力の城郭都市

ソウル市の隣、水原市にある水原華城は1997年に登録された世界文化遺産で、ソウルからは電車で1時間ほどで行くことができます。1796年に城郭都市として造られ、城郭の全長は約5.7キロメートルあり、万里の長城を彷彿させます。朝鮮式の築城法に西洋式の建築技法が用いられ、当時の韓国では革新的な建物となりました。

周囲の城壁には東西南北にそれぞれ門があり、全部見ようとするなら城壁沿いの歩道を徒歩で2〜3時間ほどかかります。水原華城の中でも、正祖王が建てた華城行宮は韓国最大の王の別邸と言われており、見るべき場所ですよ。

水原華城ではさまざまなイベントや体験行事などが年間を通して行われているので、行く時期のイベントをチェックしておきましょう！

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南漢山城／広州市・河南市・城南市

ソウルが一望できる世界遺産

ソウルより約25キロメートル離れた京畿道広州市にある南漢山城は、朝鮮時代にソウルを守るための要塞として造られた城です。独特な造りが歴史的価値のあるものと評価され、2014年に世界文化遺産に登録されました。

映画『南漢山城』のロケ地としても有名！長く伸びる城壁は、まるで中国の万里の長城のようです。

現在は、市民たちの散歩コースや山登りの場として人気のある場所です。季節によって色鮮やかな景色を楽しめ、ソウルの街も見渡せるので、観光としても山登りとしてもおすすめです。

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江華島（カンファド）支石墓群／仁川広域市

世界有数の支石墓を有する韓国の遺跡を巡ろう

ソウルから車で約1時間半の仁川市の江華島には、約120基もの支石墓群が確認されています。実は世界中で確認されている約6万基の支石墓のうち、韓国にはなんと約2万5千基もあります！

支石墓は韓国語ではコインドルと言い、紀元前に造られた巨石を組み合わさせたお墓で、韓国では江華島、全羅北道、全羅南道の3エリアの支石墓群が2000年に世界文化遺産に登録されました。

そんな中でも江華島にある支石墓群は、長さ 7.1m、高さ2.6mの韓国最大の北方式コインドルが見られるほか、近くには江華歴史博物館もあり、歴史を学びながら見学することができます。

2つの巨石の上に更に巨石を乗せた大きな支石墓は、一見とても地味な遺跡ですが、紀元前の文化を知る上ではとても重要な遺跡なんですよ。

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慶州にある世界遺産3選

韓国第二の都市釜山からKTX（高速鉄道）で30分ほど行ったところにある慶州は、10世紀頃までの約1,000年の間、新羅王朝の首都として栄えた場所で、歴史的にも注目されている都市です。慶州にある世界遺産2ヶ所をご紹介します。

石窟庵と仏国寺

新羅時代の貴重な遺跡！

慶州は首都ソウルからは少し離れてますが、石窟庵と仏国寺は外せない観光スポットです。ともに1995年に世界文化遺産に登録されました。

石窟庵は、751年から建設がはじまり、774年の新羅恵恭王の時に完成。吐含山を利用して花崗岩を切り出したドーム型の主室に、3.5メートルの雄大かつ穏やかな姿の釈迦如来像が安置されています。夏至と冬至の日に朝日が仏像に当たるようになっており、美しい日の出スポットとしても有名です。

仏国寺は同じく吐含山にあり、極楽浄土を表した美しい仏教建築のお寺で、特に紅葉の時期が人気です。青雲橋、白雲橋、蓮華橋、七宝橋、多宝塔と釈迦塔は創建当時の姿で残っているので、要チェックですね！石窟庵と仏国寺はまとめて一緒に行くことをおすすめします。

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慶州歴史遺跡地区

新羅時代にタイムスリップ⁉︎世界遺産が広がる街

慶州市内の広い範囲を占めている慶州歴史遺跡地区。南山地区、月城地区、山城地区、皇龍寺地区、大陵苑地区があり、2000年に世界文化遺産に登録されています。

南山地区では、断崖絶壁の磨崖石仏や新羅初の女王である善徳女王のお墓は見ておきましょう。月城地区は新羅時代の王宮があった場所で、東洋最古の天文台である瞻星台（チョムソンデ）があります。

山城地区には石垣跡が残り、皇龍時地区には新羅最大の寺院が見られます。大陵苑地区には、23基の古墳が集まる古墳公園があり、中でも天馬塚（チョンマチョン）は、内部の見学が可能な貴重な古墳となっています。

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伽倻古墳群

貴重な歴史と文明がつくり出した世界文化遺産

韓国南部にかつて伽耶と呼ばれる小国が並んでおり、ここには多くの古墳がありました。この伽耶古墳群は1世紀から6世紀にかけてつくられており、7つの古墳群で構成さた連続遺産として2023年に世界文化遺産に登録。韓国で16カ所目の世界遺産となりました。

1〜2世紀ごろ、亡くなった人々は身分に関係なく棺に入れられていましたが、3世紀以降になってからは身分が高い人は副葬品と埋葬されたり、埋葬室が設けられたりと、時代が進むにつれ、埋葬のあり方や種類も変化していきました。しかし、5世紀後半になると、朝鮮半島の南東部を支配していた新羅の征服によって古墳の建造は止まってしまいました。

伽耶古墳群は代表的な7つの古墳群から構成されていますが、実際に韓国内にある伽耶と関連している古墳群の数は780カ所にもおよびます。

古墳の周囲には緑あふれる景色が広がり、歴史とともに自然も感じられるでしょう。韓国の古墳の歴史や文化に興味のある方は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか？

韓国の地方にある世界遺産7選

韓国内の各所に世界遺産は点在していますが、地方にも一度は訪れてみたいおすすめの場所があります。ソウルや釜山からもアクセスしやすいスポットもあるので、ぜひチェックしてみてくださいね！

河回村と良洞村／安東市・慶州市

韓国の伝統的な暮らしが見える村

韓国南東部の安東市の河回村と慶州市の良洞村は14〜15世紀に作られた氏族村で、現在もそこで暮らしている人々がいます。

韓屋（ハノッ）と呼ばれる藁ぶきや瓦葺きの韓国式伝統家屋がずらりと並ぶ景色は、まるでタイムスリップしたかのよう。当時の生活を現在にまで伝える貴重な集落ということから、2010年に世界文化遺産に登録されました。

河回村では現在も河回別神グッタルノリ（ハフェビョルシングッタルノリ）という村の豊穣と厄払いを願った伝統行事が行われています。3月〜11月にかけて行われるので、この時期を狙って訪れてみてくださいね。河回村と良洞村は距離が離れているので、余裕のある観光プランがおすすめです！

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百済歴史遺跡地区／公州市・扶余市・益山市

朝鮮半島初期国家の貴重な遺跡

百済歴史遺跡地区は、紀元前18年から約700年続いた百済時代の遺跡が残る公州市、扶余群、益山市に点在する8ヶ所の遺跡からなります。日本や中国ともつながりもあり、仏教の広がりを示す貴重な遺跡ということから2015年に世界文化遺産に登録されました。

8ヶ所の遺跡のうち、特に人気のあるスポットは公山城。百済の防御設備でもあったため、山の峰に沿って築かれており、昼間の景色は圧巻！また夜景がきれいということからも人気のスポットになっています。このほか宋山里古墳群の武寧王陵は、盗掘されていない完全な状態で発見されたという珍しい古墳ですよ。

海印寺大蔵経板殿／陜川郡

仏教の教えが詰まった最古の資料

海印寺大蔵経板殿は、高麗大蔵経板（または八万大蔵経）約8万枚を保存している宝庫です。高麗大蔵経板は仏教経典が書かれてある板のことで、現存する最古の大蔵経で最も長い歴史と確かな内容が書かれています。なんと16年もの年月をかけて完成したんだとか。

高麗大蔵経板は世界的にもとても貴重なものということで、1995年に世界文化遺産に登録されました。蔵経板殿は1488年に建てられ、海印寺内でも最古の建物です。風通しや防湿、適正温度など、完璧な状態で保存されていたことが、現在まで美しい状態で残っている理由のひとつです。

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済州火山島と溶岩洞窟群／済州島

韓国初の世界自然遺産！自然が作り出す火山島

2007年に韓国で初めて世界自然遺産に登録された済州火山島と溶岩洞窟は、漢挐山（ハルラサン）、城山日出峰（ソンサンイルチュルボン）、拒文岳溶岩洞窟系（コムンオルムヨンアムトングルゲ）の3ヶ所からなります。

海抜1,950メートルの韓国最高峰の漢挐山には、たくさんの動物や植物が生息していることでも知られているほか、秋の紅葉や冬の積雪など、四季を通して色とりどりの景色を楽しめます。城山日出峰は海底噴火によりできた山で、日の出スポットとしても有名。

また拒文岳溶岩洞窟系は、世界最長の溶岩洞窟である万丈窟や石灰の付着した珍しい龍泉洞窟などからなる、世界屈指の溶岩洞窟です。

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山寺 （サンサ）／公州市など

選ばれし7寺！新羅時代の仏教文化を伝える山寺

韓国には700以上の寺院がありますが、その中で仏教文化の代表的な寺院7か所が2018年に世界文化遺産に登録されました。7ヶ所の寺院はすべて、7世紀から9世紀の新羅時代に建てられたものです。

登録されたのは、通度寺（トンドサ）、法住寺（ポッチュサ）、麻谷寺（マゴッサ）、浮石寺（プソクサ）、鳳停寺（ポンジョンサ）、仙岩寺（ソナムサ）、大興寺（テフンサ）です。

人気の観光地としては前者3寺院となります。通度寺は646年に建てられ、韓国の三宝寺のひとつです。本殿に仏像を安置していないのが特徴です。法住寺は553年創建の、韓国唯一の木造塔である捌相殿があります。高さ33メートルの巨大な金銅弥勒大仏も見どころですよ。

韓国の書院／安東市

儒教教育の中心！

2019年に、韓国に点在する16世紀から17世紀にかけて創建された9か所の書院が世界文化遺産に登録されました。最盛期には600以上もあった書院は、1800年代にそのほとんどが廃止となり、現代まで残っているこれらの書院はとても貴重な施設です。

登録された書院は、紹修書院、陶山書院、屏山書院、玉山書院、道東書院、藍渓書院、筆巌書院、武城書院、遯厳書院の9ヶ所です。これらの書院は全国に点在していますので、1日ですべてを回ることは厳しいです。おすすめは、旧1,000ウォン札に描かれている陶山書院です。

韓国の干潟／舒川郡、高敞郡など

韓国2番目の自然遺産

忠清南道の舒川（ソチョン）、全羅北道の高敞（コチャン）、全羅南道の新安（シナン）と宝城（ポソン）の4ヶ所の干潟が2021年に世界自然遺産に登録されました。韓国の干潟は特に西海岸や南海岸に見られ、世界5大干潟としても知られています。

干潟には栄養がたまり、微生物もたくさん生息しています。微生物を食べる稚魚の育つ場であったり、渡り鳥の休息地ともなったりします。観光客は珍しい鳥を見に来ることはもちろん、泥遊びの場としても利用されてるんですよ！

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韓国で世界遺産を巡ろう！

韓国にある16ヶ所の世界遺産を全てご紹介しました。ソウルや釜山などからアクセスの良い場所もたくさんあるので、ぜひ旅行プランに組み込むことをおすすめします！

cover photo by pixabay