初めての韓国ひとり旅を満喫したい！ソロ飯おすすめスポットや宿泊の裏ワザを伝授します

韓国旅行、どこへ行く？

韓国旅行といえばまずは首都・ソウルが思い浮かびますが、より日本に近くてアクセスも便利な釜山をはじめ、ひとり旅にも適した魅力ある都市が数多くあります。

まずは、最低限知っておきたい韓国の地理を整理しましょう。

日本は47の都道府県に分かれていますが、韓国で県にあたるのが道（ド）で、全部で8つの道があります。

①京畿道(キョンギド)：朝鮮半島の北西部にあり、空の玄関である仁川(インチョン )や首都・ソウルに隣接。

②江原道(カンウォンド)：京畿道の東側に広がり、東側は海に面している。

③忠清南道(チュンチョンナムド)​​　④忠清北道(チュンチョンプクド)：京畿道の南に位置。

⑤慶尚北道​​(キョンサンプクド)​​：忠清北道の西側、西部は広く海に面している。

⑥慶尚南道(キョンサンナムド)：慶尚北道​​の南。

⑦全羅北道​​(チョンラプクド)​​：忠清道の南、西側が海に面している。

⑧全羅南道​​(チョンラナムド)：全羅北道のさらに南。

以上の8つのエリアに分かれています。なお、全羅南道の南側に位置する、日本人観光客にも人気が高い済州島（チェジュド）は、特別自治道（より高度な自治権をもった自治体）​​​​に分類されます。

ソウルや釜山のように大きな都市は行政区分上はこれらの道とは別の扱いになっていますが、日本人観光客が多い釜山は慶尚南道​​、大邱（テグ）は慶尚北道にあります。

ひとり旅でも食事を満喫！

韓国でのひとり旅の障壁の一つは、食事。以前は、ひとりだと入店を断られることもあり、ひとりで外食をするのには苦労しましたが、今は状況がかなり改善されています。

ソウルなど都市部で単身世帯が増え、ホンパブ（ひとりご飯）、ホンスル（ひとり酒）という言葉も生まれ、ひとりでの外食がしやすくなっています。

ただし、現在でも入店を断られるケースがあります。とくに多いのが焼肉店です。韓国の焼肉は基本2人前からの注文が一般的（大きな塊肉などでは1人前からのケースもあり）で、1人で2人前食べると交渉しても断られる場合もあります。

韓国ひとり飯のおすすめスポット

ひとり旅で利用しやすい飲食店の種類を紹介します。旅のスタイルに合わせて、韓国グルメを満喫しましょう！

屋台

まずおすすめしたいのが、街頭に出店している屋台です。屋台は基本、立ち食いスタイル。単品〜数種類のメニューがあります。

代表的なのはトッポッキ​​、マンドゥ​​、ジョン（チヂミ）、キンパッ、オムク​​など。韓国の屋台メシは、実にバラエティーに豊んでいます。

ソウルの鷺梁津(ノリャンジン​​ )カップ飯屋台通りには、近く予備校生が多く住んでおり、彼らのお腹を安価で満たしてくれるカップ飯の屋台が並んでいます。

市場

屋台よりもまとまった量の食事をとりたい時には、市場が頼りになります。ソウルでは広蔵市場が有名ですが、地方に行った時にも、市場メシはひとり旅の心強い味方です。

ソウルでおすすめなのが、通仁市場（トンインシジャン）​​です。市場の専用コインを使い、お店から自分が食べたいおかずを購入してオリジナルのお弁当を作れます。

まずは市場のお弁当カフェでコインを購入します。お弁当の容器を渡されるので、市場の散策がてら、いろいろな店から好きなおかずを選びましょう。

どの地方都市にも市場は必ずあるので、市場メシに慣れると旅が確実に楽しくなるはず！

おひとり様用食堂

ソウルなどでは最近、おひとり様向けの店も増えています。写真は、ホンデにあるひとり焼肉専門店「ホンコチッ」。ポッサムやサムギョプサルをおひとり様用に提供する店もあります。

店の内装もメニュー内容もおひとり様用に振り切っており、気兼ねなくひとり飯を楽しめます。

ただ、地方にはあまり展開していません。ソウルだと、ホンデや新村（シンチョン）といった学生街に多くあります。

運転手食堂（キサシッタン）

運転手食堂とは「タクシー運転手向けの食堂」という意味。タクシー運転手の食事は、基本的にはひとり。時間に追われていることも多いため、運転手食堂は早い、うまい、安いの3拍子がそろっています。

早く提供するために、メニューは基本的に「ペッパン」と呼ばれる、メイン、おかず、ご飯が乗った定食形式です。1人用の鍋を提供している店もあります。24時間営業の店があるのもうれしいポイントですね！

定食屋

韓国の家庭の味を楽しめるのが、定食屋さんです。料金も比較的安く、ボリュームもたっぷり。

観光地にある人気の定食屋では、日本語のメニューを置いている店もあります。アットホームな雰囲気の店が多いです。

フードコート

日本と同様、大きな百貨店やショッピングセンターにはフードコートがあります。フードコートはおひとり様でも気兼ねなく利用でき、多彩なメニューから選べるのでとても便利です。

システムも基本的には日本と同じです。最初にレジで会計を済ませ、席を確保します。写真のように各店舗の前に番号が表示されるので、自分の番号が出たら商品を取りにいきます。食べ終わったら、食器は所定の場所に片付けましょう。

ファストフード

ハンバーガーだけではなく、チキンやピザなどさまざまなファストフード店があります。

韓国まで来てファストフード？と思うかもしれませんが、韓国特有のメニューもあるのでチェーン店でも意外と楽しめます。もちろんテイクアウトもできるので、朝食や軽食に活用したいですね！

ホテルに出前

韓国は出前が非常に盛んな国。ホテルにも出前を届けてくれます。出前を許可していないホテルもあるので、利用する際は事前に確認しましょう。

注文は、出前専用のアプリがおすすめです。ただし、その多くが登録の際に韓国の電話番号が必要になります。クレジットカード払いの設定も可能。ホテルによっては、フロントスタッフが注文してくれる場合もあります。

ひとり旅におすすめ！タイプ別、韓国の宿泊施設

次に、韓国の宿泊施設事情について解説します。韓国の宿泊先をタイプ別に紹介しますので、ご自身の旅のスタイルに合わせてセレクトしてみてくださいね！

ホテル

韓国旅行で最も一般的な宿泊施設は、ホテルです。よく見るホテルの等級は星マークで表示されますが、韓国ではムクゲの花のマークでランク付けされています。

最高級がムクゲ5個ですが、同じ5個でもプレートが金なら特1級、緑なら特2級です。ムクゲ4個が1等級、ムクゲ3個が2等級となり、ムクゲ2個が3等級です。

コロナ以降、ホテルの価格は高騰しています。ホテルでくつろぐ「ホカンス」が目的なら別ですが、ひとり旅なら、2〜3等級の中級レベルのホテルで十分快適に過ごせますよ！

モーテル

韓国の地方では、モーテルはホテルと同様に利用されています。

ホテルと遜色なく利用できますが、日本から予約できるサイトは限られています。日本から予約できるモーテルは、受付にスタッフが常駐しており、ホテルに近い施設がほとんどです。

施設によってはスタッフが常駐しておらず、「不在の場合はここに連絡」と電話番号が表示されている場合があります。これでは海外からの旅行者は困りますよね。

施設によって質にばらつきがあるケースがあるので、予約をせず直接ホテルに行って空室を確認し、宿泊する部屋を見せてもらうこともできます。

料金は、50,000ウォン(約5,610円）〜60,000ウォン(約6,732円）程度の施設が多く、韓国語が少し理解でき、旅慣れた人におすすめの施設です。ひとり旅初心者の方は、日本からホテルを予約しておくのが安心です。

ゲストハウス

ゲストハウスの定義はさまざですが、一般的には「オーナーが個人経営している宿泊施設」とされています。韓国の伝統的な家屋、韓屋（ハノク）を活用したゲストハウスは、韓国ならではです。

1つの部屋を複数人で使うドミトリータイプや、ホテルと同様のシングルやダブルルームも備えたゲストハウスもありますが、基本的にトイレやシャワーは共同です。ただ最近では、専用のトイレとシャワーのついた部屋があるゲストハウスもあります。

個人経営なので、施設ごとに個性が変わります。宿泊スペースを提供するだけのゲストハウスもあれば、宿泊客向けに交流イベントなどを開催するゲストハウスもあります。宿泊者同士で仲良くなり、一緒に観光することもあるので、ひとり旅に適しているでしょう。

一方、低料金のドミトリータイプを選択した場合、同部屋の宿泊客とのトラブルやセキュリティー面の不安もあります。また、予約時間に遅れたり、夜間の到着になったりするとチェックイン対応をしてもらえない場合があるため、注意が必要です。

宿泊料金はドミトリーだとお手頃ですが、個室タイプだと中級レベルのホテルとあまり変わらない場合もあります。

Airbnb

Airbnb（エアービーアンドビー）​​は、​​自宅の一室や、所有している別荘や空き部屋を貸し出すサービスです。同じ空間にオーナーが生活している場合もあれば、ツリーハウスなどユニークな施設があったりと、個性豊かなのが特徴です。

マンションをひと部屋借りる場合は、キッチンや洗濯機などがそろっている点から、単身で短期の語学留学に来た人が利用するケースもあるようです。料金は施設によりさまざまですが、一般的に中級ホテルと同じ程度です。

リゾート地を中心にペンションもありますが、ひとり旅にはあまり適していません。

ひとり旅ならでは、宿泊の裏ワザ

早朝のフライトに乗る場合など、わざわざホテルに泊まるにはもったいない……。そんな時、休憩にちょうどいい施設を紹介します！

チムジルパン

24時間営業の韓国の温浴施設・チムジルパンの多くに仮眠スペースがあります。

お風呂やサウナに入って旅の疲れを癒し、時間があればマッサージや垢すりなどを受け、食事もできます。仮眠ルームも、まったくの雑魚寝タイプからカプセルホテルの扉なしといったイメージで、仕切りが設けられているものもあります。

15,000(約1,683円)〜20,000(約2,244円)ウォン程度で12時間は過ごせるので、コスパは最強！

ただし、貴重品の管理には十分注意しましょう。女性のひとり旅の場合は、女性専用の仮眠スペースがある施設がおすすめです。

エステの店で仮眠

ソウルの東大門のように深夜もにぎわう街には夜中まで営業しているエステ店があり、施術後、空港に出発するまでの間、ベッドで仮眠させてくれる店もあります。

どこにでもあるわけではないのですが、施術料金だけで追加費用はかかりません。施術用のベッドなので、それほど寝心地が良いものではありませんが、チムジルパンでの雑魚寝と比べると、周囲のいびきも聞こえず快適です！

旅のスタイルに合わせて宿泊施設をセレクト

ひとり旅では、どうしても宿泊料金が割高になってしまいますよね。

コスパ重視で格安の宿泊施設を利用するか、快適さを重視するかは人それぞれ。ただしひとり旅の場合、セキュリティーにも配慮しなければなりません。料金や設備だけではなく、必ずセキュリティー面もチェックするようにしましょう！

旅の移動手段

韓国国内の移動は、主に列車・地下鉄・バス・タクシーの4つ。地方への移動も、韓国の新幹線にあたるKTXや高速バスなどが充実しており、ひとりでの移動に不便はありません。

ただ、深夜帯のひとりでの利用はできる限り避けた方がよいでしょう。

乗り物の中だけではなく、人通りの少ない駅やバス停にもリスクは潜んでいます。タクシーを利用する際も、できるだけ深夜は避けましょう。

ひとり旅なら、タクシーアプリがおすすめです。ぼったくり対策になるだけではなく、現在位置をGPSで把握できるのでより安全ですよ！

安全にひとり旅をするための注意点

韓国は比較的治安がよい国ですが、ひとり旅では何より安全を優先して行動しましょう！

とくに、観光地や街中で日本語で話しかけてくる韓国人には注意が必要です。韓国語が分からないと、日本語が通じるというだけで安心してしまいがち。コピー商品を売りつけられたり、宗教の勧誘だったりとトラブルに巻き込まれるケースがあります。

地方の観光スポットでは、日中でも人があまりいないことがあります。大通りに面していれば問題ありませんが、路地など人が少ない場所では注意が必要です。

大都市の繁華街であっても、夜は人出が途絶える場所もあるので、夜の観光はできる限り控えましょう。夜景などを楽しみたい場合、ナイトツアーの利用なども検討してみてください。

ひとり旅を助けてくれる緊急連絡先＆アプリ

いざという時に助けを求められる緊急連絡先を紹介します。事前にチェックしておきましょう。

• 警察　112　
• 消防・救急　119
• タサンコールセンター　120 ：外国語専用窓口があり、さまざまなトラブルに日本語で対応してくれます。Xのアカウントにダイレクトメッセージを送って相談もできます（@120seoulcall​​）。全14自治体で同様のサービスがあり、120の前に各地の市外局番をつけると電話が通じます。

ひとり旅を助けてくれるアプリもあります。北朝鮮と休戦状態が継続しているため、韓国では軍事上の理由でGoogle Mapがあまり役に立ちません。ほかのアプリの利用をお勧めします。

以下のアプリは日本語対応しています。ただし、交通系や地図系アプリでは日本語を入力しても結果が出ないこともあるため、翻訳アプリを活用し英語や韓国語で入力してみてください。

知っておきたい韓国のルールやマナー

旅行前に現地のルールや生活習慣を知っておけば、ひとり旅をより快適に過ごすことができます。ここでは、韓国旅行で気をつけたいマナーについて解説します。

韓国の人は相手の年齢を知りたがる！

韓国では儒教の精神が深く根づいており、目上の人を敬う年功序列の文化が徹底されています。

日本を含め欧米では、初対面の人に年齢を尋ねるのはマナーのよい振る舞いではありません。けれども、韓国では年齢の上下が分からないと相手との距離感や呼び方を決められないため、初対面でも年齢を尋ねます。

ひとり旅では、タクシーに乗ったり、飲食店で食事するだけでも年齢を尋ねられることがあります。年齢を聞かれたら、ストレートに伝えても「〇〇年生まれです」と西暦の下二桁で答えても問題ありません。答えたくない場合は、「韓国語が分からない」と紛らわすのをおすすめします。

旅をより快適にする3つのあいさつ

あいさつをこまめに行うと気持ちもほぐれます。タクシーの乗降時、 カフェやお店の出入りの際などに「こんにちは(アンニョン​​)」「ありがとう(カムサハムニダ・コマウォヨ)」「さようなら(アンニョンヒ ケセヨ​​)」の3つを交わすだけで、旅の時間をより快適に過ごすことができますよ！

また、韓国ではなにかにつけて「～様（韓国語ではニム）」を使います。社長様、お医者（先生）様、先輩様といった感じです。お店でも、オーナーには社長「様」と付けるのが基本です。

知っておくと便利なプチルール

あいさつの他にも韓国独自のルールを知っておけば、旅をより快適に楽しむことができます。以下を事前にチェックしておきましょう！

• エスカレーターでは右側に立つ
• 韓国の車は歩行者の横断を待ってくれない
• タクシーのドアは自分で開閉する
• コーヒーのカップやむき出しの飲食物を持ったままバスに乗車できない
• 飲食店やカフェでは禁煙
• 地下鉄の優先席や妊婦専用席には対象者以外は座らない

ほかにも、ブランド物などを身につけていると初対面でも値段を聞かれるケースがあります。気にならなければ答えてもよいですが、答えたくない場合は「パートナーからのプレゼントだからわからない」などとお茶をにごしましょう！

韓国のトイレ事情

いざという時にあわてないために、旅行前に現地のトイレ事情を必ずチェックしておきましょう。韓国にも独特の習慣があります。

トイレに紙は流せる？流せない？

少し前まで韓国では使用済みの紙はトイレに流さず、備え付けのカゴに捨てる場合が多かったのですが、最近では紙を流せるトイレも増えています。

空港などではトイレのドアに「紙は流して」と注意書きがあるところもありますが、注意書きがなくても処理済みの紙を入れる大きなカゴがなければ、紙を流しても問題ありません。

ただし、日本と比較すると水流が弱いトイレが多いため注意が必要です。トイレが詰まらないよう、大量の紙をまとめて流すのは避けましょう。

紙がトイレの外にある

古い建物の飲食店などでは、トイレの前にトイレットペーパーが設置されていて、入る前に必要分をちぎってから入るトイレがあるので注意しましょう。

万が一の場合を考えて、旅行中は常に水に流せるタイプのポケットティッシュを持ち歩くのがおすすめです。

コンビニのトイレは使用できない

韓国のコンビニのトイレは使用できないので注意しましょう。また、カフェや店舗では、店員さんに電子キーの暗証番号を聞いてから入るタイプのトイレもあります。

韓国の祝日の背景を理解しよう

韓国には、日韓関係の歴史に由来する祝日があります。

3月1日は、三一節(サミルチョル)と呼ばれる祝日です。これは1919年3月1日に行われた独立宣言を記念した祝日です。

日本では終戦記念日である8月15日は、韓国では独立を祝う光復節(クァンボクチョル)として祝日に制定されています。

毎年、両日ともに記念行事が開催されます。日本人観光客に危害が及ぶことは少ないですが、「今日は何の日か知っているのか？」と声をかけられることもあるといいます。

さらに、ソウルの仁寺洞(インサドン)には、三・一独立運動​​にゆかりがあるタプコル公園​​があります。このエリアは日頃から路上生活者が多く治安に不安があるため、ひとり旅では3月1日以外であっても注意が必要でしょう。

韓国でひとり旅を思い切り楽しもう！

韓国で安全に楽しくひとり旅をするためのノウハウをご紹介しました。情報を参考に、韓国でのひとり旅を満喫してくださいね！

※記事内の金額は2024年2月9日のレート、1ウォン＝ 0.11220円で計算しています。

cover photo by amica

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