日本三景はどこ?各スポットの歴史や見どころをご紹介!
日本三景は日本三大〇〇のなかでも有名な呼称。多くの人が日本三景といえば安芸の宮島、丹後の天橋立、陸前の松島のことだと知っています。ではなぜこの3カ所が日本三景に選ばれたのでしょうか。 今回は、日本三景をご紹介。多くの日本人を魅了する日本三景の詳しい意味や歴史、それぞれの名所の見どころについて解説します。
日本三景は日本三大〇〇のなかでも有名な呼称。多くの人が日本三景といえば安芸の宮島、丹後の天橋立、陸前の松島のことだと知っています。ではなぜこの3カ所が日本三景に選ばれたのでしょうか。
今回は、日本三景をご紹介。多くの日本人を魅了する日本三景の詳しい意味や歴史、それぞれの名所の見どころについて解説します。
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日本三景とは
日本三景は、絶景が多い日本のなかでもとくに優れた景観で、昔から愛されてきたといわれる名所のこと。以下の3カ所が選ばれています。
- 松島(宮城県松島湾周辺)
- 天橋立(京都府宮津市)
- 宮島(広島県廿日市市)
日本三景は誰が選んだ?
日本三景はなんとなく決まったものではなく、他の日本三大〇〇によくあるような異論・異説もありません。
それは江戸時代のはじめに全国を行脚した儒学者、林春斎が記した『日本国事跡考』という書に書かれた名所だから。1643(寛永20)年に執筆した陸奥国の記述で、林春斎が松島・天橋立・宮島を三処奇観と書いたことから日本三景というくくりが広まりました。
その後、日本三景という言葉は世間に広く認識されるように。1689(元禄2)年に天橋立を訪れた儒学者の貝原益軒は『己巳紀行(きしきこう)』という著書の中で天橋立を「日本の三景の一とするもよろしきかな」と記しています。
日本三景の共通点
日本でもとくにすばらしい景観であるといわれる日本三景。
実は三景にはある共通点があります。
それはどの名所も海が作り出す景色だということ。まさに海に囲まれた国である日本を象徴する絶景なのです。
日本三景の大きな違い
海の絶景である日本三景ですが、その違いも重要です。
それは、3つの名所がそれぞれ違う海にあるということ。日本は四方を海に囲まれていますが、場所によって海の表情は大きく異なります。
松島があるのは太平洋、天橋立があるのは日本海、宮島があるのは瀬戸内海。日本三景は、それぞれに特徴ある3つの海を代表する景色でもあるのです。
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日本三景の特徴
日本三景に選ばれている松島・天橋立・宮島には、それぞれに魅力的な特徴があります。日本三景各所の歴史や見どころを解説しましょう。
松島
宮城県の松島は、松島湾にある約260の島々からなる海の景観。湾の周囲を囲む松島丘陵を含めることもあります。
松島湾の沿岸にあるのは、東松島市、塩竈市、松島町、利府町、七ヶ浜町という5つの市と町。
松島は日本三景だけでなく、国の特別名勝、新日本旅行地100選、日本遺産百選、世界でもっとも美しい湾クラブなどにも選ばれています。
松島の歴史
海に浮かぶたくさんの島が特徴の松島湾。この島は2万年から3万年前の氷河期以降の地殻変動で丘陵の⼀部が沈み、温暖化で海水面が上昇してできたもの。約5000年前にほぼ現在の姿になったと考えられています。
その後、平安時代にはその絶景で知られるようになっていた松島は、多くの歌や絵に残されています。なかでも有名なのが、1689(元禄2)年に訪れた松尾芭蕉。
『奥の細道』の中で、そのあまりの美しさに息を呑んで俳句を詠めなかったとされています。この当時の松島には、観光客が宿泊できる旅館や塩釜から出船して松島海岸に着く遊覧船があり、松尾芭蕉も利用したようです。
松島の見どころ
松島の見どころは、松の木が生い茂る島々がつくる景観。西行戻しの松公園からは松島の絶景を満喫できます。
また大小の遊覧船から島を眺めるのもおすすめ。波の静かな日には小型船なら海食洞をくぐることができるかもしれませんよ。
五大堂は松島のシンボル。伊達政宗が再建したお堂で、中には五大明王像が安置されています。その五大堂へ行く途中で渡るのが、透かし橋。橋桁が格子状になっていてなかなかスリルがある橋です。
松島の基本情報 | |
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住所 | 宮城県松島湾周辺 |
電話 | 022-354-2618(松島観光協会) |
営業時間 | 施設により異なる |
休業日 | 施設により異なる |
アクセス | JR東北本線松島駅から徒歩約20分 |
料金 | 施設により異なる |
公式サイト |
天橋立
京都府宮津市の天橋立は、宮津湾にかかる橋のように対岸を結んでいる砂州。
長い時間をかけて砂が堆積してできました。砂州の幅は狭いところで約20メートル。全長は約3.6キロもあり、約6,700本の松が生い茂っています。
展望台から見えるその姿は、天へ昇る龍のよう。天橋立も国の特別名勝や、日本の道100選、日本の渚100選、日本の地質100選などに選ばれています。
天橋立の歴史
天橋立の成立には諸説ありますが、約2,200年前に発生した地震によって大量の土砂が宮津湾に流れこんで砂州ができ、ちょうど海面が低くなる時期と重なったため海面上に現れたともいわれています。
名勝地として認知され始めたのは奈良時代。平安時代には小式部内侍などが和歌に詠み、江戸時代には多くの絵画にも描かれています。
天橋立の見どころ
その形を竜にたとえられる天橋立は展望台から眺めるのが一般的。獅子崎展望所や、天橋立ビューランド、島崎公園、傘松公園など10カ所からの展望が、天橋立十景に選ばれています。
また日本の道100選にも選ばれている天橋立を渡ってみるのもおすすめ。所要時間は徒歩なら約50分、自転車なら約20分です。
途中にある天橋立神社には、海に囲まれているのに真水が湧く井戸もあります。またこの神社は恋愛のパワースポットとしても有名です。
廻旋橋は船が通るたびに90度旋回する橋。多いときには1日に50回ほど廻って、観光客を楽しませてくれます。
天橋立の基本情報 | |
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住所 | 京都府宮津市 |
電話 | 0772-22-8030(天橋立駅観光案内所) |
営業時間 | 散策自由 |
休業日 | なし |
アクセス | 京都丹後鉄道天橋立駅から徒歩約5分 |
料金 | 無料 |
公式サイト |
宮島
広島県廿日市市の宮島は、古来から神々の島として崇められてきた島。島の正式な名前は厳島で、通称・安芸の宮島または宮島と呼ばれます。瀬戸内海に浮かぶ厳島神社の朱塗りの大鳥居がシンボル。この宮島も国の特別名勝に指定されています。
島全体が聖地となっているため、豊かな自然が守られてきたのも特徴。海岸の一部はミヤジマトンボの生息地としてラムサール条約に登録され、弥山原始林は国の天然記念物、厳島神社と弥山原始林はユネスコ世界遺産にも登録されています。
宮島の歴史
厳島神社の創建は、伝承によると推古天皇元年。これは西暦593年のことです。海上に浮かぶ寝殿造の神社に変貌したのは平安時代末期。平清盛の後ろ盾によって厳島神社は壮麗な姿となりました。
しかし源氏の時代になると、厳島神社は衰退。戦国時代に入ると毛利元就が厳島を舞台に戦を起こします。毛利元就はこの戦の勝利をきっかけに西国を代表する大名になっていきましたが、神の島を戦場にしたことを恥じ、島の復興につとめました。元就は社殿の大修理を行い、現在の厳島神社の基盤を築いたといわれています。
宮島の見どころ
宮島の見どころはなんといっても厳島神社です。
神社が海上に浮かんでいるように建っているのは島全体が神の島として崇められているため。陸地に建てるのはおそれ多いということで海中に社が建てられています。本殿、客神社、朝座屋、高舞台、平舞台などたくさんの建物があるので、時間に余裕を持って出かけたいですね。
嚴島神社の社殿から約160メートル離れた海上にある大鳥居も見逃せないスポット。潮の満ち引きによって根元が海に沈むこともあれば、全体が見えることもあります。潮位が100センチ以下なら鳥居までの海底が露出。このときは徒歩で、逆に満潮のときには船で行くことになりますので、潮汐表を調べておくのがおすすめです。
高さ16.6メートル、総重量は約60トンの鳥居は、木造の鳥居では日本最大。海の上に建っていて根元が腐らないのかと心配になりますが、やはり腐るそうです。現在の大鳥居は平安時代から9代目。明治8年に再建されたものです。
厳島神社の基本情報 | |
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住所 | 広島県廿日市市宮島町1-1 |
電話 | 0829-44-2020 |
営業時間 | 6:30~18:00 ※季節により変更あり |
休業日 | 無休 |
アクセス | JR宮島口駅からフェリーで約10分 |
料金 | 昇殿料 大人300円、高校生200円、小中学生100円 |
公式サイト |
日本三景は必見の観光スポット!
日本三景は、江戸時代に認められた日本の三大景勝地。太平洋、日本海、瀬戸内海を代表するその絶景は、今でも特別です。
多くの島々が浮かぶ松島、長く続く砂州が美しい天橋立、厳島神社の荘厳な雰囲気に包まれる宮島は、それぞれにまったく異なる魅力をもっています。
日本人なら一度は訪れたい日本三景にぜひお出かけください!
cover photo by Pixta