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マリの世界遺産・トンブクトゥの魅力!栄華の歴史や観光の見どころなどを解説

マリ共和国を代表する歴史的観光スポット・トンブクトゥ。15世紀頃にサハラ砂漠の交易路として繁栄を極め、西欧からは黄金郷として多くの人々に憧れを抱かせた場所です。この記事ではトンブクトゥの見どころや楽しみ方、アクセス方法などを解説!ぜひ観光の参考にしてください。

ライター
NEWT編集部

マリ共和国を代表する歴史的観光スポット・トンブクトゥ。15世紀頃にサハラ砂漠の交易路として繁栄を極め、西欧からは黄金郷として多くの人々に憧れを抱かせた場所です。

この記事では、トンブクトゥの見どころや楽しみ方、アクセス方法、観光の注意点などを解説!ぜひトンブクトゥへ行く前に情報をチェックして、観光を楽しむための参考にしてくださいね!

Contents

トンブクトゥの基本情報

西アフリカのサハラ砂漠地帯にあるマリ共和国。マリを流れるニジェール川の中流域に交易都市を築いたのがトンブクトゥです。

西欧から黄金郷と呼ばれたトンブクトゥは、多くの人の憧れの地でもありました。残念ながら現在は国の情勢や治安の問題などで日本からの渡航は厳しい状態です。トンブクトゥへ安全に観光できるようになったら、その歴史や文化に浸ってみたいですね。

ここからはトンブクトゥの歴史や世界遺産のこと、観光の見どころなどを紹介していきます。

トンブクトゥの歴史


Timbuktu, Mali, W. Africa by Emilio Labrador is licensed under CC BY 2.0
https://www.flickr.com/photos/3059349393/3368086412/

トンブクトゥは、マリ共和国内のニジェール川の中流域の湾曲部に位置する都市です。11世紀にサハラの遊牧民であるトゥアレグが宿営地にしたことが町の始まりとされています。マリ帝国やソンガイ帝国時代にサハラ交易で繁栄し、金や象牙、塩などの重要な交易品の行き交う富の集まる都市となりました。

トンブクトゥの繁栄は16世紀初頭に頂点を迎えます。ヨーロッパにもこの都市にまつわる伝説や物語が伝えられ、多くの冒険家が到達を試みたといいます。アラブ・ムスリムの学者たちも往来し、学者研究も盛んに行われていました。


photo by Unsplash
※画像はイメージです

しかし、1590年のモロッコ人の侵略によってソンガイ帝国が滅亡。さらには、ヨーロッパ諸国からの探検家や奴隷商人がサハラ砂漠を経由しない通商路を開拓したことをきっかけに、次第にトンブクトゥは衰退します。

現在のトンブクトゥでは、かつての黄金の街並みはみられないものの、歴史を感じられる建造物を目にすることができます!

サハラ交易で繁栄した黄金の都


photo by pixabay

トンブクトゥは、サハラ交易で繁栄した都市です。サハラ交易は地中海沿岸と西アフリカの間で行われ、最盛期は8世紀から16世紀後期までの長期にわたります。

サハラ交易では、塩や金、奴隷やコーラの実などの商品を交易していました。その結果、運搬交易路周辺の都市は繁栄し、トンブクトゥもその都市の1つとして繁栄します。

特にトンブクトゥは北からのラクダ輸送、南からの舟で運ばれる商品の終着点となり、重要な交易都市の機能を果たして、莫大な富を築いていくのです。

イスラム世界最大の大学も。かつての学術のオアシス 


Timbuktu by Anthony Tong Lee is licensed under CC BY-ND 2.0
https://www.flickr.com/photos/atonglee/32300068344/

トンブクトゥは、イスラム世界最大のサンコーレ大学や、数多くのイスラムの神学校であるマドラサが建設され、学問の都と呼ばれました。ちなみにサンコーレ大学は、アフリカで黒人による最初の大学といわれています。

かつてのマリ帝国時代、13世紀から17世紀にかけてのトンブクトゥは、イスラム文化の教育が中心でした。天文学や数学、医学、法学など当時のイスラム世界の高度な知識が集められた写本はトンブクトゥ写本とよばれ、数十万点作られたといわれています。


photo by pixabay
※画像はイメージです

貴重なトンブクトゥ写本は、長年の歴史のなかで、奪われたり売買されたりするものが多く、16世紀のモロッコの侵攻によって学者や写本は海外に散り散りになってしまいます。また近代では、2012年ごろからイスラム過激派が文化財や街を破壊してしまいました。

トンブクトゥの人々は貴重な写本を守るために、写本を街から運び出したり街の中に隠したりして、守ったといいます。かつてイスラム学問が花開いた学術オアシスのトンブクトゥ。人々が命がけで守ってきたのですね。

アフリカのイスラム布教の中心地として栄える


Busch Gardens Tampa 171 by Jeremy Thompson is licensed under CC BY 2.0
https://www.flickr.com/photos/rollercoasterphilosophy/6971599071/

トンブクトゥでは、街には多くのモスクが建設され、イスラム文化が中心的な地位を占めていました。トンブクトゥのイスラム文化が浸透したのは、マリ帝国を統治していた9代目の王マンサ・ムーサがきっかけ。マンサ・ムーサがモスクを建設したことが始まりです。

1324年のマンサ・ムーサのメッカ巡礼では、多くの家臣と奴隷を引き連れ、なんと10トンを越える黄金をラクダに運ばせていたのだとか!途中で訪れたカイロで莫大な金をばらまいたことにより、金相場の暴落を招いたほど。そのうわさは、地中海世界にまで広がり、黄金の帝国マリを印象付けたといわれています。

さらに、最盛期のマンサ・ムーサ時代は、富の集中と大学の建設などにより、イスラム布教の中心地として大きく栄えていきました。

トンブクトゥの世界遺産情報


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※画像はイメージです

トンブクトゥは、モスクや聖廟を含む歴史地区として、1988年に世界文化遺産に登録されました。街の歴史的な価値や文化的交流の重要地点、存続が危ぶまれる人と環境の係わりあいなど、世界遺産登録基準のうち3つを満たしたとして世界遺産に登録されています。

しかし、2年後の1990年に3つのモスクの保存状態が悪いと判断され、失われる危機にさらされているという危機遺産リストに入りました。

その後、改善措置が施されたため2005年に危機遺産リストから外されました。しかし、2012年にマリ共和国で武力衝突が発生したのを機に、再び危機遺産リストに登録されて現在に至ります。

トンブクトゥのあるマリ共和国はどんな国?


photo by pixabay

トンブクトゥのあるマリ共和国は、モーリタ二ア・セネガル・アルジェリア・ニジェールなど、7カ国に囲まれた内陸国です。マリの人口は約2,025万人(2022年時点)、首都はバマコ。マリの人口は、気候の穏やかな中央部とニジェール川流域に集中しています。

国土面積は約124万平方キロメートルと、日本の約3.3倍!北部の3分の1は広大なサハラ砂漠が広がっています。国の中心を流れるニジェール川沿岸では農業が主要産業です。

トンブクトゥ観光の見どころ

サハラ砂漠南部にあるマリ共和国の都市トンブクトゥには、現存する歴史的なモスクや神学校があります。泥作りのモスクやノスタルジックな街並みはぜひ観光してみたいものですね!

トンブクトゥは、モスクや聖廟などを含めた歴史地区が世界遺産に登録されています。そんなトンブクトゥの人気観光スポットを紹介していきます。

トンブクトゥ最古のモスク!ジンガリベリモスク


Timbuktu preferred method of transport, Mali, W. Africa by Emilio Labrador is licensed under CC BY 2.0
https://www.flickr.com/photos/3059349393/3331431933/

ジンガルベ・モスクは、14世紀に建立されたトンブクトゥで最も古い宗教施設です。泥や藁などの有機物で造られた2本のミナレット(尖塔)が特徴的で、最大2,000人を収容することができる広さとなっています。

現在はイスラム教徒しか中に入ることができませんが、圧巻な雰囲気が漂う外観を眺めることが可能です。トンブクトゥに行った際は、最古のモスクも見てみてくださいね!

栄華の跡が残るかつての大学!サンコーレモスク


Timbuktu Mud Mosque, Mali, W. Africa by Emilio Labrador is licensed under CC BY 2.0
https://www.flickr.com/photos/3059349393/3332268310/

14世紀前半に建設されたトンブクトゥ市のサンコーレ大学は、当時は世界最大の大学で、最盛期には25,000人以上の生徒が集まっていました。

トンブクトゥの名門として名高く、アフリカで最初の大学といわれています。サンコーレ大学の教育は、コーランを読み解くことに重点を置いていたのと、物理学、薬学、歴史学、芸術学などの幅広い知識を習得できる場所でした。

サンコーレ大学は、ピラミッド型のサンコール・モスクやその周辺にあるマサドラの集合体でした。現在でも見られるピラミッド型のミナレッドはトンブクトゥで最も印象的な建築物の1つです。

歴史を伝えるミナレット!シディ・ヤヒヤ・モスク


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※画像はイメージです

1440年に建設されたシディ・ヤヒヤ・モスクは、トンブクトゥのモスクのなかでは新しい建物です。完成に要した期間はなんと40年!

モスクの正面の扉は、伝説で世界の終わりまで開かないと伝えられていましたが、悲劇的なことにこの扉は、2012年に過激派組織アンサール・ディーンによって破壊されてしまったのです。

このようにトンブクトゥの建造物は、浸食や破壊による保存の危機にさらされているものが多いので、お早めに訪れておきたい場所ですね!

トンブクトゥ観光に最適なシーズンは?

マリ共和国の中部に位置するトンブクトゥは、北に広大なサハラ砂漠が広がります。国土の半分以上が砂漠(半砂漠)で、北部ではほとんど雨が降りません。また、夏場は最高気温が48度に達することもあり、年間を通じて高温になることが多いのが特徴です。

マリの季節は雨季と乾季があり、雨季の6月から9月は降雨量が高いため、雨の対策をしておきましょう。では、トンブクトゥ観光のベストシーズンを紹介します。

ベストシーズンは快適に過ごせる10月から12月


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トンブクトゥを観光するベストシーズンは、10月から12月です。この時期は、暑さがやわらぎ雨季の時期も避けられます。 

雨季が明けた10月から12月は、ニジェール川の景色も見れる時期です。ただし、乾季の時期はサハラ砂漠から吹く砂嵐があるため、アレルギーがある方は眼鏡や薬携行などの対策を行いましょう。

観光客が少ない時期を狙うなら4月か5月


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4月と5月は暑くなる時期であり、ヨーロッパのバカンス時期ではないため、観光客がそれほど多くないことが予想されます。

特に5月は最高気温が48℃を観測し、平均最高気温も40〜42℃程度であるため、暑さ対策が必須です。水分補給や多めの着替えを準備しておきましょう。

トンブクトゥの見学方法は?

2023年3月現在、トンブクトゥのある地域には日本の外務省より「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」が発令されています。

現在は渡航ができないので、最新の治安情勢を確認した上で、渡航の検討をしてください。ここでは、モスクの見学のしかたや観光の所要時間を紹介します。

イスラム教徒のみが入場できるモスク


Timbuktu Mud Mosque, Mali, W. Africa by Emilio Labrador is licensed under CC BY 2.0
https://www.flickr.com/photos/3059349393/3332268310/

トンブクトゥのモスクは、信徒のみが入れるといった入場規制を設けている施設があります。ジンガリベリモスクは以前は観光客でも中に入れていましたが、現在はイスラム教徒のみが入れるという規制があります。

遠くから外観を見るだけになりますが、かつて黄金の都といわれた雰囲気を感じ、栄枯盛衰と歴史のロマンに浸るのもいいのではないでしょうか。

トンブクトゥ観光に要する時間

トンブクトゥの世界遺産を見学する際は、2泊程度あるとゆっくり楽しめるでしょう。トンブクトゥでは交通機関が発展しておらず、付近の空港が長らく休止している状態です。また現地では、予定通り運行する交通機関が少ないことが考えられます。

トンブクトゥへの旅は、時間に余裕を持って旅程を組むことをおすすめします。

トンブクトゥへのアクセス・行き方 

トンブクトゥにある空港は現在利用ができず、移動は陸路に限られます。

トンブクトゥ観光の拠点となる都市は、マリの首都バマコです。バマコからモプティを経由する経路が一般的です。ニジェール川を行き交う乗合船を利用することもできますが、最も一般的な移動方法は乗合バスとなっています。ここでは乗合バス、乗合船での行き方を解説します。

最も一般的な移動は乗合バス


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首都バマコからトンブクトゥまでの一般的な移動方法はバスです。ただし、定期の長距離バスではなく、ソトラマと呼ばれるバン型の乗合タクシーが公共交通機関の役割を果たします。

それらの移動手段には時刻表がないため、所要時間や料金などは、その場の交渉と規制状況などによります。苦労してたどり着いた時の感動は、黄金郷に憧れた西洋人の気持ちを感じることができるかもしれません。

非日常を味わう乗合船


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マリ中部の交通の要衝であるモプティから、ニジェール川を行きかう乗合船を利用してトンブクトゥへ行く方法があります。ただし、乗合船は屋根がなく、乗合の客でひしめいていることが考えられます。トイレは使えないこともあるので事前に済ませておくことをおすすめします。

サハラ交易の重要な交通路であったニジェール川で、舟に揺られて、非日常を味わうのは旅の特別な思い出になるはずです。ただし、乗合船に乗れるのはニジェール川増水期のみとなっており、自然に左右されることにご注意ください。

8月から12月頃にかけての増水期には、クリコロからガオまでの約1,300キロメートルを大型船が航行し、トンブクトゥへの航路が開かれるので、その時期に合わせて訪れてみるのがいいでしょう。

注意勧告が出ておりトンブクトゥの観光は難しい


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日本からマリ共和国へ渡航するのは、2023年3月現在、外務省から渡航しないように注意勧告が出ています。外務省からの発表では危険レベルは最も危険なレベル4です。トンブクトゥを訪れるのは、レベルが下がり渡航ができるようになってからです。

マリ国軍一部兵士による武力政変、イスラム過激派組織によるテロ、襲撃事案が発生していることが要因です。マリにいる邦人は、マリからの出国の必要性を呼びかけられているのが現状となっています。

世界遺産がある観光地とはいっても、国自体の情勢が安定していないのが事実です。国の情勢がある程度安定してから観光に足を運ぶようにしましょう。外務省の海外安全情報の公式サイトから最新情報を常にチェックしてくださいね。

最新情報をチェックしてトンブクトゥ観光の計画を

この記事では、トンブクトゥの観光に関する見どころや歴史、見学方法、アクセスなどをご紹介しました。トンブクトゥは、3つのモスクが世界遺産に登録されており、100年以内に崩壊すると危惧されている貴重な遺産です。幻の観光地になる前に足を運んでみてはいかがでしょうか。

2023年3月現在、トンブクトゥを含むマリ中部および北部には、外務省の退避勧告が発令されています。最新の情報を常にチェックして渡航できる日を待ちましょう!

※新型コロナウイルスの感染防止対策のため、休業あるいは時短営業をしている場合があります。事前に最新情報をチェックすることをおすすめします。
※トンブクトゥを含むトンブクトゥ州には、2023年3月現在外務省より「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」が発令されております。この地域へ渡航することはできません。渡航を検討する際には必ず最新の情報をチェックしてください。

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