
大阪のうどんのおすすめは?定番の具と一度は味わうべき名店を解説!
大阪のうどんは近年人気の讃岐うどんと比べて柔らかくてコシがないといわれます。しかし大阪うどんの魅力はコシではなく三位一体。この記事では大阪うどんの奥深い魅力と一度は味わいたい名店を紹介します。



大阪のうどんは、近年人気の讃岐うどんと比べて柔らかくてコシがないといわれます。しかし大阪うどんの魅力は、コシではなく三位一体。この記事では、大阪うどんの奥深い魅力と一度は味わいたい名店を紹介します。
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大阪うどんの特徴

よくコシがないといわれる大阪のうどん。一方で大阪うどんの醍醐味は、三位一体にあるともいわれています。いったいどういうことでしょうか?
まずは大阪うどんの歴史と魅力について紹介しましょう。
大阪うどんの歴史
大阪は古くから商人の町として栄えたエリア。全国から海産物や農作物が集まり、各地の人々が行き交うなかで豊かな食文化が育まれていきました。
そんな大阪でうどんが発展したのは、豊臣秀吉による大阪城築城がきっかけ。通称「砂場」と呼ばれた現在の大阪市西区新町周辺に工事関係者のための市ができ、たくさんのうどん屋や蕎麦屋が立ち並びました。そこで大阪の食文化を取り込んだうどんが生まれたのです。
大阪うどんの特徴1:ぜいたくな出汁
大阪うどんのいちばんの特徴は、出汁(だし)の美味しさです。関東ではかつお節を中心に使いますが、昔から天下の台所といわれた大阪には北海道産の良質な昆布が海路で運ばれてきていました。その昆布をたっぷりと使うのが大阪の出汁の特徴。さらに各地から集められた、さば節やうるめ節などの小魚の節も大量に使うことで、ぜいたくな出汁が完成します。
おいしい出汁ができたら、薄口しょうゆを使って軽く味を整えるのが大阪風。関東のように醤油の味ではなく、あくまでも出汁のおいしさを堪能します。
大阪うどんの特徴2:つるっとやわらかいうどん麺
伝統的な大阪のうどんの麺はやわらかく、もっちりつるっとのど越しがよいのが特徴。そのためコシがなく存在感もないといわれます。
このやわらかい麺は、おいしい出汁のつゆがよくからむためのもの。大阪では「うどんは出汁を味わうもので、麺はついで」ともいわれるほどです。おいしい大阪うどんはのど越しのよい麺にたっぷりのつゆがからみ、口には麺ではなく出汁の存在を感じるのが理想なのです。
伝統的な大阪のうどんの断面が丸くなっているのも、のど越しのよさのため。また角が丸いのは「角を立てずに丸くおさめる」という、大阪商人の思想によるものだともいわれています。
大阪うどんの特徴3:出汁に味わいを加える具
大阪のうどんの具には、このあと紹介するようにたくさんのバリエーションがありますが、いずれも具材そのものの食べ応えというよりも、出汁に味わいを加えることが大きな目的となっています。
大阪うどんの三位一体とは
大阪うどんの特徴は、出汁、麺、具の3つがバランスよくまとまること。基本となる出汁のおいしさを最大限味わえるようにうどん麺が主張をせず、具も出汁の味を高めるために存在するのです。
出汁、麺、具の三つがバランスよく存在し、ひとつがでしゃばらない。これを大阪では三位一体のおいしさと表現しています。コシがないと言われやすい大阪のうどんですが、そこには大きな意味があるのです。
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大阪のうどんの代表的な種類
大阪のうどんには具や調理法の違いによってたくさんの種類があります。大阪ならではのうどんもあれば、大阪発祥で全国に広まったうどんも。
ここでは大阪に行ったら、ぜひ食べてみたいうどんの種類を紹介しましょう。
かすうどん

大阪らしいうどんの代表格といえば、かすうどん。一方で他県の人には謎のうどんと思われやすいメニューです。天かすがのった「たぬきうどん」と同じものだと、勘違いしている人も多いのではないでしょうか。
かすうどんのかすとは?
かすうどんに入っている具は、あぶらかすというもの。これはもともと大阪府南部の南河内で畜産業に携わる家庭だけが食べていたといわれるローカルフードです。あぶらかすの正体は牛のホルモン(腸)を脂分が抜けるまでカリカリに揚げたもの。本来は腸を加熱して食用の油脂を抽出するのが目的で、油をとった残りかすなので油かすと呼ばれています。
保存食としてごく一部の人が食べていたあぶらかすが広く食べられるようになったのは、高タンパク低脂肪でコラーゲンもたっぷりだと知られるようになったから。しかも外はカリカリ中はプルプルの食感も絶妙で、脂が抜けて旨みだけが残っているためどんな料理にも合う食材として注目を集めたのです。大阪ではこのあぶらかすを刻んでお好み焼きやたこ焼き、もつ鍋にも入れています。
あぶらかすで出汁の旨みがアップ
大阪の人気食材になったあぶらかすをうどんに入れたのが、かすうどんです。かけうどんにあぶらかすを加えただけのシンプルなメニューですが、かすの旨みがつゆに溶け込んで、あっさりした出汁の味わいが大きくアップ。またあぶらかすも出汁を吸って、さらにおいしくなります。
きつねうどん
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きつねうどんは全国的に食べられていますが、実は大阪が元祖。今でも大阪でもっとも愛されているうどんのひとつです。
お客さんが作ったメニュー
そのルーツは、後述する「松葉家(現・うさみ亭マツバヤ)」。初代はもともとすし屋で修業を積んだ人だったため、いなりずし用に甘辛く煮たお揚げをサイドメニューにしていました。当初はかけうどんにプラスして皿に乗せた油揚げを提供。ところがお客さんの多くがお揚げをうどんに直接乗せて食べるようになりました。
そこで店主は、最初からうどんにお揚げをのせた「こんこんうどん」をメニューに追加したところ、大ヒットしたのです。お揚げを乗せたこんこんうどんは他店にも広がり、名前もきつねうどんと呼ばれるようになっていきました。
甘辛いつゆと油で出汁の味わいがアップ
きつねうどんは油揚げと出汁の相性がポイント。油揚げの油と甘辛い味付けがつゆに溶け出し、味わいがアップします。あぶらかすを入れたかすうどんとは異なる、甘めの味になるのが魅力です。出汁との相性もあるので、「このお店の出汁はきつねうどんの方が合う」などと食べ比べしてみる楽しみもありますよ。
大阪にたぬきうどんはほとんどない
関東を中心にした広い地域では、お揚げがのったきつねうどんに対して、天かすがのったたぬきうどんも存在します。しかし大阪ではこの常識は通用しないので注意してください。大阪でたぬきというと、油揚げがのった “そば” のこと。
では、関東でたぬきうどんと呼ばれる天かすがのったうどんは何と呼ぶのかというと、実は大阪にはほとんど存在しません。また逆に、油揚げがのった「きつねそば」もほとんど見られないのです。
きざみうどん

大阪や京都など、関西にはきつねうどん以外にも揚げ入りのうどんが存在します。それがきざみうどん。その名の通り、刻んだ揚げが乗ったうどんです。
味付けされていない揚げを使うのが特徴
きざみうどんの特徴は、きつねうどんとは違って揚げに甘辛い味付けをしていないこと。油揚げをそのまま刻んで乗せています。
きつねうどんはつゆに甘い味がプラスされますが、きざみうどんはほのかに油の風味が足される程度なのが大きな違い。大阪では出汁の風味がそのまま味わえる、きざみうどんを好む人もたくさんいます。
うどんすき

うどんすきも大阪発祥の料理。全国的には「すき焼きのシメにうどんを入れる」と勘違いしている人も多いメニューです。
豪華な鍋料理のうどん
うどんすきは、〆ではなく最初からうどんを入れる鍋料理。鶏肉や海老、ハマグリ、野菜など10種類以上の具材と一緒に煮込んだ豪華な鍋料理です。
主役はうどん。煮込んで食べる麺は少し太めです。つるつるとした喉ごしが魅力の大阪うどんを具材と一緒に煮込み、上品な出汁や具材のうまみをたっぷり吸ったぜいたくな味わいを楽しみます。
実は登録商標
うどんすきの元祖は、後述する美々卯という老舗料亭。「うどんすき」という名前は美々卯が商標登録していますが、実際には大阪名物の料理名として一般的に広く使われています。元祖は美々卯ですが、具材や味付けはお店によってさまざまにアレンジされているので、食べ比べも楽しめますよ。
肉うどん

肉うどんは、肉がのったうどん。肉うどんという料理は各地にあり、牛肉や豚肉、地方によっては馬肉をみりんと醤油で甘辛く煮て具にしています。
大阪の肉うどんは出汁に深みを加えるのが大きな役割
大阪の肉うどんは牛肉を使うのが一般的。具材としての意味もありますが、大阪ではつゆに牛肉の旨味が溶け出し、味に深みが出ることを大きな目的にしています。海産物系の出汁と相性のいい牛肉の肉うどんは、大阪で定番のメニュー。この肉うどんからは、肉吸いという人気の別メニューも誕生しています。
小田巻き蒸し

小田巻き蒸しは、うどんが入った大きめの茶碗蒸し。大阪発祥の郷土料理です。小田巻きは当て字で、名前の由来は紡いだ麻糸を丸く巻いた、苧環(おだまき)のように見えるから。卵が高級品だった時代には、ハレの日の特別な料理として大阪の裕福な人々に親しまれました。
見かけたらぜひ食べたいレアなうどん料理
作り方はまさに茶碗蒸し。卵、出汁、調味料を混ぜて濾し、うどん、海老、椎茸などの具材といっしょに器に入れ、蒸します。
戦前にはお店でもよくみられた料理ですが、手間がかかるため最近は提供する店がほとんどなくなってしまいました。レアな料理なのでもし見つけたらぜひ試してみてください。
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大阪のうどんの名店11選
大阪には老舗の料亭から大衆食堂まで、たくさんのうどんの名店があります。ここからは名物うどんを食べることができる大阪のお店を紹介しましょう。
うさみ亭マツバヤ
きつねうどん発祥のお店
うさみ亭マツバヤは、 明治26年創業の老舗うどん店。以前は松葉屋本舗という店名でした。老舗とはいえ近所の食堂といった雰囲気で、いつも地元の人でにぎわっています。
うさみ亭マツバヤは、前述したきつねうどん発祥のお店。お揚げは、うどんの出汁と醤油、砂糖、塩で味付けをし、3日かけて炊きあげています。ふっくらと仕上がったお揚げは、秘伝のうどん出汁との相性もばつぐん。別皿で出てきたお揚げを、うどんに乗せたお客さんの気持ちがよくわかりますよ。
おじやうどんも人気
きつねうどんと並んで人気なのが、おじやうどん。四角い南部鉄器にうどんとご飯が半分ずつ入り、どんこ椎茸や穴子、鶏肉、焼き蒲鉾、玉子、刻み揚げ、九条ネギなどが乗っている豪華でユニークなうどんです。戦時中の食料が不足していた時代に、ご飯もうどんも半分ずつですむよう考えたメニューがルーツとなっています。
最初にうどんを食べて、次におじやを食べるのが一般的な流れ。海老やブリの入った豪華版の大阪おじやうどんも人気ですよ。
うさみ亭マツバヤの基本情報 | |
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住所 | 大阪府大阪市中央区南船場3-8-1 |
電話 | 06-6251-3339 |
営業時間 | 11:00~18:00 |
休業日 | 日曜、祝日 |
アクセス | 大阪メトロ御堂筋線 心斎橋駅から徒歩5分 大阪メトロ堺筋線 長堀橋駅から徒歩8分 |
料金(メニューの一例) | きつねうどん 650円 おじやうどん 850円 大おじやうどん 1,050円 大阪おじやうどん 1,100円 肉うどん 800円 |
美々卯
元料亭の豪華なお店
美々卯は大阪で200年続いた料亭から転じて、麺類専門店となった老舗です。現在はうどん以外にも、日本料理やお弁当、出汁しゃぶ、夏の鱧料理などが人気。落ち着いた雰囲気で、優雅に食事を楽しめます。
元祖うどんすきは見逃せない

美々卯の看板メニューはもちろんここが元祖のうどんすきです。昭和5年にこのお店で生まれたうどんすきは、前述のように美々卯の登録商標になっています。
ベースとなる出汁は、毎朝2時間かけて仕込むこだわりの味。北海道の利尻昆布と土佐清水の宗田鰹節、枕崎の本枯節をたっぷり使っています。具材は、鶏肉、海老、穴子、はまぐり、野菜など。具材の旨味が溶け出すことで、うどん出汁が完成します。うどんは煮込んでも伸びない太打ちうどん。最初から鍋にうどんを入れ、具材といっしょに煮込むことでしっかりと味が浸み込みます。
美々卯 本町店の基本情報 | |
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住所 | 大阪府大阪市中央区本町4-6-4 北御堂西裏 |
電話 | 06-6261-7241 |
営業時間 | 11:30~15:00、17:00~21:00 (L.O. 20:00) |
休業日 | 日曜、祝日 |
アクセス | 地下鉄御堂筋線 本町駅から徒歩3分 地下鉄四つ橋線 本町駅から徒歩3分 |
料金(メニューの一例) | うどんすき 4,500円 月替わりコース 9,000円 |
公式サイト |
道頓堀 今井 本店
出汁へのこだわりで知られる老舗
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道頓堀 今井は、道頓堀で昭和21年に創業した老舗。出汁文化が進んだ大阪で「出汁の今井」といわれるほどのおいしさで知られるお店です。 薄味の出汁は、北海道の真昆布とサバ節、ウルメ節を使用。この絶品の出汁を使った親子丼も、人気メニューになっています。
きつねうどんが人気
道頓堀 今井の名物として出汁と同じくらい知られているのが、きつねうどん。もちっとしたうどんと柔らかいお揚げの組み合わせがばつぐんです。道頓堀 今井のきつねうどんといえば、大阪を代表するメニューのひとつになっています。
うどん寄せ鍋もおすすめ
もうひとつのおすすめは、うどん寄せ鍋。絶品の出汁で帆立貝や焼穴子、鶏肉などの具材と、もちもちした大阪うどんを煮込んだ鍋料理です。ぜいたくな気分でうどんを堪能したいときには、ぴったりですよ。
道頓堀 今井 本店の基本情報 | |
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住所 | 大阪府大阪市中央区道頓堀1-7-22 |
電話 | 06-6211-0319 |
営業時間 | 11:30~21:30(L.O. 21:00) |
休業日 | 水曜(祝日の場合は営業)、第4火曜日 (12月を除く) |
アクセス | 地下鉄御堂筋線 なんば駅から徒歩5分 |
料金(メニューの一例) | きつねうどん 930円 鍋焼うどん 1,850円 うどん寄せ鍋 一人前 5,500円 |
公式サイト |
千とせ
肉吸いの元祖として知られる老舗

千とせは、肉吸いの元祖として有名なお店です。肉吸いは、いわゆる肉のお吸い物の略で、その正体は肉うどんのうどん抜き。昭和38年から吉本新喜劇の座長を務めた喜劇スターの花紀京氏が、二日酔いでうどんを食べるのが辛かった日に「肉うどん、うどん抜きで」と注文したのがはじまりです。
肉吸いの元になった肉うどんも大人気メニュー
肉吸いが名物ですが、その元になった肉うどんも絶品。千とせの肉うどんは、甘めの牛肉がたっぷり入っていながらあっさりした味で、出汁のおいしさがストレートに伝わります。
千とせでは、お客の注文の7割が肉吸いで残りの3割が肉うどん。ほかのメニューは1日に1回くらいしか注文が入らないというほど、2つのメニューが人気を集めています。大阪で肉うどんを食べるなら、ぜひ行ってみたいお店ですよ。
べっかんもおすすめ
千とせの本店は、行列ができる店としておなじみ。そこでおすすめは別館です。「千とせ べっかん」が入っているのは、なんばグランド花月の1階。アクセスしやすく見つけやすい上、営業時間が長いため行列も少なく、スムーズに入れますよ。
千とせ べっかんの基本情報 | |
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住所 | 大阪府大阪市中央区難波千日前11-6 なんばグランド花月 1F |
電話 | 06-6633-2931 |
営業時間 | 11:00~20:00(L.O. 19:30) ※売り切れ次第終了 |
休業日 | なし |
アクセス | 南海本線 難波駅から227m |
料金(メニューの一例) | かすうどん 900円 肉かすうどん 1,200円 肉うどん 900円 かすカレーうどん 1,500円 きつねうどん 900円 肉吸い 900円 |
公式サイト |
うどんちり本家 にし家
ぜいたくなうどんちりが楽しめる老舗
うどんちり本家 にし家は、昭和32年創業の老舗うどん店。うどんに加えて懐石料理や御膳、しゃぶしゃぶなどのメニューも揃っています。
元祖のうどんちりが名物
うどんすきは美々卯の登録商標ですが、うどんちりはにし家の登録商標。お酒に合う料理として考案されたぜいたくな鍋のうどんで、季節の野菜や車海老、はまぐりなどの新鮮な海鮮とお餅のような食感のうどんを、こだわりの出汁で炊き上げています。
にし家の出汁は昆布を使わず、目近節(めじかぶし)、ウルメ節、さば荒節の3種を独自にブレンドしているのが特徴。この鍋を特製のちり酢でいただきます。
うどんちり本家 にし家 本店の基本情報 | |
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住所 | 大阪府大阪市中央区東心斎橋1-18-18 |
電話 | 050-5385-3448 |
営業時間 | 月~土 11:00~22:30(L.O.22:00) 日・祝日 11:00~22:00(L.O.21:30) |
休業日 | 1月1日、その他不定休 |
アクセス | 大阪メトロ御堂筋線 心斎橋駅から徒歩2分 |
料金(メニューの一例) | うどんちり 5,000円〜 きつねうどん 814円 とりなんばうどん 1,023円 鍋焼きうどん 1,595円 福々鍋焼きうどん 1,958円 カレーうどん 1,023円 |
公式サイト |
川福流手打うどん 川福
ざるうどん発祥の老舗
川福流手打うどん 川福は、昭和43年創業のうどん店。ざるうどん発祥のお店として親しまれています。
職人技のうどんの先駆け
ざるうどんが生まれたきっかけは、うどんに蕎麦ほどの職人技が認められていなかった時代にうどん麺のうまさで勝負したいと考えたから。初代主人は試行錯誤の末につるつるとした喉越しのざるうどんを完成させました。
麺の表面を滑らかにするために、加水量を減らしているのがポイント。そのため、生地を踏む時間は一般的なうどんの2倍になっています。こうしてできた硬くコシのある生地を、麺棒で1mほどの長さになるように打ち込み、割り箸の先ほどの太さに切っています。これは一度にたくさんの麺を喉に通すことで、喉越しが味わえるようにした工夫です。
注文を受けてから麺を釜に入れて、茹でたてのうどんを出すというサービスも大阪ではここが先駆者です。手打ちうどんのつるつるもちもちとした喉越しは、ほかの大阪のうどんとは大きく異なるおいしさ。遠くから訪れるファンも多い人気店で、店内には歴代首相など著名人の色紙がびっしりと並んでいます。
川福流手打うどん 川福 本店の基本情報 | |
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住所 | 大阪府大阪市中央区東心斎橋1-14-17 |
電話 | 06-6241-9125 |
営業時間 | 平日 11:30~14:30、18:00~L.O. 22:00 土・日・祝日 11:30~14:30、17:30~L.O. 22:00 |
休業日 | 月曜、火曜 |
アクセス | 大阪メトロ堺筋線 長堀橋駅から徒歩5分 |
料金(メニューの一例) | ざるうどん 880円 きつねとじ 1,000円 ルー(カレー)うどん 890円 |
公式サイト |
力餅食堂
大阪の昔ながらの食堂チェーン

力餅食堂は、「大阪の町に力餅食堂あり」ともいわれる食堂チェーン。もともとは明治22年に、兵庫県の豊岡市で開いた饅頭屋がルーツです。その後京都で成功を収め、大正末期からは麺物や丼も出す大衆食堂に発展。大正3年から関西圏で店を増やしてきました。
店によって味が違う
力餅食堂は、お店で8年以上修行をして親方の信頼を得ることができたら暖簾分けが認められる制度。そのため厳密にはチェーン店ではなく、同じ名前でも店によってメニューや味が異なります。ただしうどんと丼が主力で、うどんのレベルが高いのは共通した特徴です。
庶民価格もうれしい
価格も店によって異なりますが、基本的に庶民にやさしい値段なのが力餅食堂の特徴。うどんは基本的にふわふわで柔らかく、出汁が絶品。まさに基本中の基本といえる大阪うどんが味わえます。庶民に愛されている大阪うどんを食べたいなら、まずは大阪の力餅食堂を探すのがおすすめですよ。
力餅食堂の基本情報 | |
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住所 | 店舗により異なる |
電話 | 店舗により異なる |
営業時間 | 店舗により異なる |
休業日 | 店舗により異なる |
アクセス | 店舗により異なる |
料金(メニューの一例) | きつねうどん 450円 きざみうどん 450円 カレー皿うどん 500円 ※メニュー、料金は店舗により異なる |
うどんと酒とお出汁と、
お酒も楽しめるうどんのお店
「うどんと酒とお出汁と、」は人気店の極楽うどんのオーナーである田中隆司氏が、新しい世界にチャレンジしたいとはじめたお店です。美味しいお出汁はうどんにもお酒にも合うというテーマを掲げてオープンした店で、おつまみメニューも充実。居酒屋感覚でおいしいうどんも食べたい人におすすめです。
こだわりの出汁に注目
店名にある通り、出汁へのこだわりがこのお店の特徴。北海道の道南産の真昆布にこだわり、ウルメ、メジカなどの4種類の鰹節を使うことで、最高の出汁を仕込んでいます。
看板メニューは3層構造のうどん
名物は、鶏卵カレーうどん。あんかけ卵とじの鶏卵うどんが、カレーうどんでもあるというユニークなメニューです。これは、卵とじのカレーうどんを作りたいという発想から生まれたもの。卵とカレーが混ざらないように試行錯誤した末、カレーを底に敷き、麺をそっと乗せてから鶏卵あんかけを満たすという3層構造を発明しました。ほかにないうどんは看板メニューとして大人気です。
うどんと酒とお出汁と、の基本情報 | |
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住所 | 大阪府大阪市都島区東野田町3-2-9 |
電話 | 06-6360-4111 |
営業時間 | 17:00〜深3:00(L.O. 深2:30) |
休業日 | なし |
アクセス | JR 京橋駅から徒歩1分 京阪 京橋駅から徒歩1分 |
料金(メニューの一例) | 鶏卵カレーうどん 1,111円 |
公式サイト | https://gokurakuudon.com/company-info/udonto-saketo-odashito/ |
大阪うどん いなの路
信濃そばの味を引き継いだ肉うどん
大阪うどん いなの路は、なんばグランド花月の近くで愛され、2017年に閉店した信濃そばの味を受け継いだお店。厳選素材を使ったこだわりの出汁が自慢で、うどんだけでなく丼物やだし巻きも評判。出汁の効いた一品料理といっしょにお酒も楽しんで、シメに肉吸いを食べるのもおすすめです。
肉うどんが名物
いなの路の名物は、肉うどん。甘みのある肉に青ネギの風味が加わり、おいしい出汁との相性はばつぐんです。そのつゆがよくからむ、柔らかく弾力のあるうどんも絶品。ひとくちすすれば、節系の風味と肉の甘みが口の中に広がります。
大阪うどん いなの路 本店の基本情報 | |
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住所 | 大阪府大阪市中央区千日前1-8-2 |
電話 | 06-6210-4067 |
営業時間 | 11:00~20:00(金・土 〜22:00) ※麺売り切れ次第終了 |
休業日 | 木曜 |
アクセス | 近鉄 日本橋駅から徒歩3分 |
料金(メニューの一例) | 肉うどん 900円 きつねうどん 700円 きざみうどん 700円 肉吸い(豆腐・肉) 800円 肉吸い(豆腐・肉・玉子) 850円 |
公式サイト |
加寿屋
かすうどんのおいしさを全国に広めるチェーン店
もともとは大阪の家庭で親しまれてきたかすうどんの魅力を、全国に発信しているのが加寿屋。日本各地のうどん出汁を参考にしながら試行錯誤を重ね、あぶらかすとの相性を最優先した出汁を作り上げました。
あぶらかすの深い旨味を引き立てるためにたどり着いたのは鯖節。オリジナルの出汁が評判となり、現在では大阪を中心として、全国に27店舗を構えるチェーン店になっています。
今すぐ大阪に行けないけど一度かすうどんというものを食べてみたい、という人にはおすすめですよ。
加寿屋 の基本情報 | |
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住所 | 店舗により異なる |
電話 | 店舗により異なる |
営業時間 | 店舗により異なる |
休業日 | 店舗により異なる |
アクセス | 店舗により異なる |
料金(メニューの一例) | かすうどん 900円 肉かすうどん 1,300円 きつねかすうどん 990円 ※メニュー・価格は店舗により異なる |
公式サイト |
吾妻
徳利に出汁を小分けにするこだわりの老舗
大阪府池田市にある吾妻は、1864(元治元)年創業の老舗うどん店です。この店の一番のこだわりは出汁。じっくりと前夜から水につけた利尻昆布に、カツオやサバ、ウルメイワシの削り節を合わせた出汁を、一升の徳利に分けて使います。
一般的には寸胴鍋に入れて温めておくことが多い出汁ですが、6~7人前分ずつを口の小さな徳利に小分けにしておくことで出汁の香りと風味を保つようにしています。
名物はささめうどん

吾妻の名物はささめうどん。これは先代である5代目店主が、1970年代に考案した看板メニューです。当時の大阪では麺の茹で置きが一般的でしたが、そんななかコシのある讃岐うどんが全国的に流行。強いコシがありながらお客様を待たせずに茹でたてのうどんを提供できないかと考えた先代は、工夫を重ねて3分ほどで茹で上がる細麺を完成させました。
注文が入ると徳利の出汁を湯せんし、砂糖と薄口醤油で味を調え、水溶き片栗粉であんかけ仕立てにします。とろみのおかげでこだわりの出汁を最後まで熱いまましっかり味わえるのがポイント。出汁で炊き上げたかやくごはんとのセットも人気です。
吾妻の基本情報 | |
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住所 | 大阪府池田市西本町6-17 |
電話 | 072-751-3644 |
営業時間 | 10:30~16:00(L.O. 15:30) |
休業日 | 火曜(不定休あり) |
アクセス | 阪急宝塚線 池田から徒歩8分 |
料金(メニューの一例) | ささめうどん 850円 あんかけうどん 700円 きつねうどん 750円 きざみうどん 750円 玉子とじうどん 750円 けいらんうどん 780円 かやく御飯(中) 400円 かやく御飯(小) 350円 |
公式サイト |
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大阪名物のうどんを食べよう!
万博やUSJなどで遊びに行ったらぜひ食べたい大阪グルメ。お好み焼きやたこ焼きも最高ですが、大阪の出汁文化を堪能するなら、うどんがおすすめです。三位一体の大阪うどんを食べ比べて、奥深い大阪の出汁の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
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