バウハウス観光で建築とデザインを知る!歴史や魅力を徹底解説
建築や芸術で世界に大きなインパクトを与えたバウハウス。モダニズム建築を誕生させ、現在の建築設計にも活用されています。そんなバウハウスを一目見たいと思う方もいるのではないでしょうか。この記事ではバウハウスの歴史から観光に関して詳しくご紹介します。
デザインや建築の勉強をしている方であれば、バウハウスという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?バウハウスは建築や芸術の教育を行うために開校された学校であり、斬新で今までになかったデザインを後世に多く残してきました。
そんな建築界に大きな衝撃を与えたバウハウスの魅力を、本記事でご紹介していきます。
\NEWTでおトクに旅行しませんか✈️/
バウハウスの基本情報
photo by pixabay
ここでは、バウハウスの基本情報に関してご紹介します。2019年で開校100周年を迎え盛り上がりを見せているバウハウスですが、ここまでの道のりはかなり険しいものでした。
バウハウスはどのようにして、世界的影響を与えたのでしょうか?ここではバウハウスの基本的な情報から設立背景や教育システムまで、詳しくご紹介していきます。
バウハウスとは?
photo by unsplash
バウハウスは、1919年にドイツ・ワイマールに設立された美術系大学のことを指します。名前の由来はドイツ語で建築の家という意味で、実際に世界の建築や美術の基礎に大きな影響を与えました!
この施設では、建築や美術をはじめ、デザイン、工芸など、造形の教育に関しての取り組みが行われてきました。バウハウスで生まれたデザインは現在も使われており、世界的にもメジャーな建築様式として確立していますよ。
photo by pixabay
バウハウスはイギリスの産業革命がきっかけで生まれ、新たな思想を生み出して世界の造形技術の進歩に影響を与えました。そのため、世界中から挑戦的・革命的と評価されています!
バウハウスは建築学校としては14年という短い歴史ではありながら、世界に残したインパクトは多大なものでした。
バウハウスがある街・ワイマールはどんな街?
photo by pixabay
バウハウスが設立されているワイマールは、ドイツの中部に位置し多くの偉人や歴史的な出来事が起きた町とされています。ワイマールの中でも特にバウハウスは大きな存在感を放ち、ワイマールの象徴的な建物と言われています!
バウハウス以外にも古典主義や音楽といった、私たちの生活の一部になるようなものも発展した歴史があるワイマール。まさに未来の文化的側面の一部を築いた重要な町と言えますね。
設立背景・歴史
photo by pixabay
バウハウスは、19世紀末にイギリスで起こったアーツ&クラフト運動によって誕生したと言われています。アーツ&クラフト運動とは、産業革命により機械中心になっていた作業が原因で粗悪品が大量に生産され、手作業に回帰すべきと意義を唱えることから始まった運動。
先ほども触れたように、バウハウスはドイツで誕生していますが、イギリスで起きたこの運動に大きく影響されました。そして、職人意識が強い建築家や工芸家が集結し、ドイツ工作連盟という組織が誕生したのです!
photo by unsplash
ドイツでは、機械産業を中心に近代社会に適した芸術と産業をかけ合わせた活動が推進され、製品の質の向上を目的に動いていました。
そして1919年、第一次世界大戦の混沌とした情勢の最中、ドイツ工作連盟で活動していたグロピウスがバウハウスの初代校長として、ワイマール共和国に設立。
バウハウスでは建築家や芸術家など、個性あふれるメンバーが学生たちに建築や芸術を教えてきました。バウハウスを卒業した建築家も多く、アメリカ人の建築家フィリップ・ジョンソンのように実績を残した人物もいたそうですよ!
教育システム
photo by pixabay
バウハウスでは、校長であったグロピウスを中心に独自の教育システムを構築しました。この教育システムは建築を最終的な目的とし、美術教育の基礎となる部分を築いたそうです!
教育システムは、基本教育コースと実技コースの2つのコースから成り立っています。基本教育コースでは、理念や表現、構成などを学ぶといった基礎となる部分を固めた内容。実技コースに入ると、工房で木工や金工、ガラスといった実践的な内容を学ぶカリキュラムがメインとなっています。
バウハウスのデザインの特徴・モダニズム建築とは?
photo by unsplash
バウハウスの思想の中で生まれたモダニズム建築は、鉄やガラス、コンクリートなどを使用し、シンプルかつ新しいデザインを用いた考えです。今まであったゴシック式やバロック式を取り払い、新しいものをつくろうという考えから生まれたそう!
また1928年には近代建築国際会議が開催され、建築について協議が行われました。その会議には、バウハウス校長であるグロピウスや日本人の前川圀男氏も参加しており、日本にモダニズム建築が入るきっかけともなりました。
このように、近代建築会議は新しい建築様式が世界に普及するきっかけをつくり、世界の建築に新しい風が吹き込まれた大きな出来事となったと言えるでしょう。
バウハウスを支えた4人の人物たち
photo by pixabay
ここでは、バウハウスを支えた4人をご紹介します。第一次世界大戦中に学校が開校されるといった混沌とした状況下で、建築・芸術教育の普及に尽力した偉大な建築家たちです!
1.モホリ=ナジ
photo by unsplash
モホリ=ナジは、ユダヤ系ハンガリー人の芸術家であり、バウハウスで教育者として活躍。絵画や写真、グラフィックデザイン、舞台美術など、幅広く活躍し、バウハウスの教育にも影響しました。斬新なアイデアをもとにバウハウスの教育を創り上げた、功労者です。
モホリ=ナジはナチスが政権を取った後に、ロンドンでデザイン活動をしながらアメリカに亡命。アメリカでバウハウスのデザイン教育思想を普及させようと活動し、1937年にシカゴにニュー・バウハウスを設立することになります。
2.マルセル・ブロイヤー
photo by pixabay
マルセル・ブロイヤーはハンガリー出身の建築家で、主に家具のデザインに携わっていました。ブロイヤーはバウハウス家具工房の一期生で、その才能をグロピウスに買われ、1925年にバウハウスの教官に就任します。
ブロイヤーもナチスが台頭したタイミングでアメリカへ亡命し、アメリカのハーバード大学で建築の知識を惜しみなく伝えました。のちに建築家となるフィリップ・ジョンソンやポール・ルドルらに勉強を教えていたとされています。
3.ヴァルター・グロピウス
photo by pixabay
ヴァルター・グロピウスは、バウハウス初代校長でバウハウスの創設者でもあります。建築家としてモダニズム建築を普及させたり、建築や芸術に関する教育の重要性を見出した人物。
バウハウスのデザインもグロピウスが設計したものであり、当時の建物としてはかなり変わった印象を持たれたことでしょう。グロピウスはドイツで生活していましたが、1937年にアメリカのハーバード大学に招かれ、アメリカに移住後も勢いはとどまらず、事務所の設立やバンナムビルといった高層ビルの設計に携わりました。
4. ヨハネス・イッテン
photo by pixabay
ヨハネス・イッテンはスイスの建築家で、バウハウスの予備教育の担当として活躍。1923年にバウハウス創設者であるグロピウスと教育理念の相違から対立し、ハウハウスを去りましたが、自ら学校の設立や生業としていた教育の普及などに精を出しました。
また大きな功績として、12色の相関関係を独自に開発し、中心に白・黒を用いた立体図を設計した色彩調和論を説き、色彩の教育にめざましい発展を見せました。
\NEWTでおトクに旅行しませんか✈️/
観光の見どころ
photo by pixabay
バウハウス周辺には、美術の原点を感じられるようなスポットが多く存在しています。建築・美術の礎を築いたこともあり、バウハウス以外にも魅力がたくさん詰まっているようです。
ここではバウハウスに訪れた際にあわせて観光したい見どころについてご紹介します。どれも魅力的で、歴史あふれる施設の見どころを最後までご覧ください!
1.最新技術を用いたデッサウ校舎
photo by pixabay
バウハウスのデッサウ校舎は、コンクリートとガラスを用いた斬新なデザインとして確立しました。この校舎はバウハウス初代校長グロピウスが中心となり、バウハウスの建築家とともに設計されました。
ビルのような大きな建物に見られる設計ですが、今までなかったこのスタイルは1950年くらいから確立されていったと言われています。そのため、1900年前半には今のビルのような設計がされていたと考えると、驚きが隠せませんね!
デッサウ校舎は外観だけでなく建物内も見学でき、自由見学とガイド付き見学の2パターンで見られますよ。現在のオフィスや商業施設として使われているビルの原点といってもいいデッサウ校舎はドイツに訪れた際は必ず押さえておきたい名所です!
2.創設者グロピウスの実験住宅マイスターハウス
photo by pixabay
バウハウスの実験住宅マイスターハウスは、バウハウスの創設者グロピウスが設立した建物です。バウハウスから徒歩10分くらいの場所にあり、バウハウスに訪れた際にも気軽に立ち寄れますよ!
こちらの施設はかつてバウハウスの教員宿舎であり、二世帯住宅のようなつくりでした。しかし、第一次世界大戦によって宿舎の半分を失い、グロピウス邸と建築家であったモホリ=ナジ邸が破壊されたとしています。
マイスターハウスは、個性的なつくりをしているので、バウハウスを訪れた際に観光したい名所の一つですよ!
3.ロココ様式が美しい伝統とモダンが溢れる町
photo by pixabay
バウハウスがある周辺は、ロココ様式が取り入れられた建物が多く存在し、どこか伝統を感じる町なみが特徴的!ロココ様式とは、曲線を多用した建築構成が特徴です。この様式を用いた建物がワイマールでは多く見られ、日本にはない雰囲気を感じられるでしょう。
またワイマールの町並みはモダンを感じさせる建物が多く、町並み自体が世界遺産に認定されているほど!人口約6万人の町ですが、観光に訪れた際は、ぜひ伝統と世界が認めたワイマールを楽しんでみてくださいね。
バウハウスの見学方法
photo by pixabay
これまでバウハウスの歴史や魅力についてご紹介してきましたが、見学にどれくらいの時間が必要なのか、予約はどうするのか?といった疑問を抱える方もいるのではないでしょうか。
ここではバウハウスの見学方法を詳しくご紹介します。具体的な予約方法や見学に有する時間なども解説するので、ぜひ参考にしてみてください!
チケットの購入方法
photo by unsplash
バウハウスを見学するにはチケットが必要です。チケットは当日に現地購入またはオンラインで予約可能です。自由見学のほか、ガイド付きのツアーも開催されているのでバウハウスについて詳しく知りたい方は、ツアーチケットを購入するのがおすすめ!
見学するスポットや参加するツアーによってチケットの料金は異なります。また、2022年12月現在、修復作業により一部見学できないエリアもあるため、詳しい情報については公式サイトをご確認ください。
見学時間の目安
photo by unsplash
バウハウスの見学時間は、観光するスポットの数によって異なりますが1〜2時間程度を目安にしておくのがおすすめ。上記でご紹介した観光スポットへ移動するだけでも数十分かかるので、上記以外のスポットを回ろうとすると、さらに時間がかかることでしょう。
バウハウス周辺にあるレンタサイクルを利用すれば、徒歩でかかる時間を大幅に短縮できるので効率良く回ることができますよ。時間を使ってバウハウス周辺のスポットを楽しんでくださいね!
バウハウスへのアクセス
photo by pixabay
ドイツに到着したらどのようにバウハウスへ向かえばいいのでしょうか。ここではベルリン中央駅から出ている、2つの交通手段をもとにアクセス方法をご紹介します。
ここでご紹介する移動手段や注意することなどを確認し、スムーズにバウハウスへ向かましょう!
電車
photo by pixabay
バウハウスまで行く交通手段の1つ目は電車です。ベルリン中央駅から乗車し、デッサウ駅で降車します。快速の電車で乗車時間は1時間20分ほど。
電車のチケットはsaring fares(割引料金)とFlexpreis(正規料金)があります。割引料金で購入する場合は、あらかじめ予約する必要があるので、実際に利用の予定がある方はチェックしてみてくださいね。
タクシー
photo by pixabay
バウハウスまで行く交通手段の2つ目はタクシーです。ドイツのタクシーは初乗り価格だけで3.5ユーロ(日本円で約500円)かかります。それに加えて1㎞ごとに約2ユーロが別途かかり、さらにチップの制度もあることから移動費は高くなるでしょう。
また、日本と異なる点として、観光でタクシーを貸切で利用する場合は待機時間にもお金がかかるため注意が必要です。
バウハウス観光で建築デザインを楽しもう!
photo by pixabay
バウハウスは建築や芸術において大きな実績を残し、未来の建築業界に光を指しました。グロピウスを筆頭にバウハウスの教育が世界に広がり、現在にも生かされていると誰が思ったでしょうか。
彼らが残した教育を下の世代に上手く伝えられた背景から、現在の建築や芸術に大きく貢献されました。そんな歴史が詰まっているバウハウスを観光してみてはいかがでしょうか?
バウハウスの基本情報
住所:Klingelhöferstraße 14, 10785 Berlin, ドイツ
電話:+493-0254-0020
営業時間: 10:00~18:00
休業日:日曜日
アクセス: 1)ベルリン中央駅から電車で約20分 2)ベルリン中央駅からタクシーで約8分
料金:チケット・ツアーにより異なる
※2022年11月11日のレート、1ユーロ=143円で計算
公式サイト:https://www.bauhaus.de/en/
cover photo by pixabay