アルジェカスバは世界遺産の街並みが魅力!観光の見どころや行き方を解説
アルジェリアを代表する観光スポット・アルジェのカスバ。16世紀〜17世紀の北アフリカの建築に大きな影響を与えたことなどから、1992年に世界遺産に登録されました。 この記事では、アルジェのカスバの見どころや楽しみ方、アクセス方法、観光の注意点などを解説!ぜひアルジェのカスバへ行く前に情報をチェックして、観光を楽しむための参考にしてくださいね!
アルジェリアを代表する観光スポット・アルジェのカスバ。16世紀〜17世紀の北アフリカの建築に大きな影響を与えたことなどから、1992年に世界遺産に登録されました。
この記事では、アルジェのカスバの見どころや楽しみ方、アクセス方法、観光の注意点などを解説!ぜひアルジェのカスバへ行く前に情報をチェックして、観光を楽しむための参考にしてくださいね!
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アルジェのカスバの基本情報
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アルジェのカスバは、アルジェリアの首都・アルジェにある歴史的なエリアです。まずは、アルジェカスバの歴史や特徴などの基本情報を解説します。
アルジェのカスバとは?
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アルジェカスバ(アルジェのカスバ)は、アルジェリアの首都アルジェの北側にある、旧市街を構成している一角を指します。カスバとはアラビア語で要塞を意味する言葉で、19世紀のフランス植民地時代にこのような呼び方となりました。
この要塞はもともとは、高低差が118メートルという起伏に富んだ地形を利用して、16世紀オスマン帝国時代に建てられました。丘の勾配に沿って、迷路のような石畳の細い路地が張り巡らされており、道のほとんどが坂道や階段になっています。家屋が支え合うように密集しており、どこか神秘的な雰囲気。
あえて使いにくくした構造は外敵の侵入を防ぐもので、まさに要塞として造られた都市ならではといえます。
アルジェのカスバの歴史
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アルジェは、もともと漁港として栄えていましたが、16世紀初頭にはスペインの侵略にあいます。スペインはアルジェリアの小さな島の1つであるペニョン島を侵略し、要塞を築いたのです。
スペインの侵攻に対し、アルジェを支配していた海賊であるバルバロス・ハイレッディンは、領土をオスマン帝国に献上することで地方長官総督に任命されます。彼は海賊やイスラム教徒を指揮して戦い、見事勝利。アルジェの占領に成功します。
その後、アルジェの沿岸一帯を支配した彼は、略奪や身代金で得た資金で豪華な邸宅と宮殿を建設しました。これが現在のカスバの礎です。
https://www.flickr.com/photos/henry_marion/15275175105/
Alger - L'entrée de la Casbah # 194 by Henry_Marion is licensed under CC BY-SA 2.0
しかし、1830年にアルジェリアがフランスの植民地になったことにより、転機が訪れます。カスバは城塞都市からヨーロッパ的な近代都市へと改造されてしまい、モスクはキリスト教の教会に転用されます。フランス支配下でカスバは人口流出と荒廃が進み、スラムのようになってしまいました。
1962年にアルジェリア独立戦争に勝ち、フランスから独立。独立後の混乱期にはカスバへの立ち入りは制限されましたが、世界遺産登録後は治安も落ち着き、観光が再開されています。
1992年に世界遺産に登録
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アルジェリアには7つの世界遺産がありますが、アルジェのカスバはそのうちの一つです。
アルジェのカスバは、1992年に世界遺産に登録されました。
選出理由としては、2つ挙げられています。16世紀から17世紀にかけて、アフリカの建築と都市計画に多大な影響を及ぼした点と、地中海のイスラム文化を代表する伝統的な都市の優れた例となっていて、多くの伝統が統合されているという点です。
観光の際は、城塞の名残やイスラム文化を象徴している都市構造などに注目して、ぜひ見学してみてくださいね。
アルジェカスバのあるアルジェってどんな街?
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北アフリカにあるアルジェリア。その首都アルジェは、地中海の要塞として古くから発達した街です。現在は、アルジェリア国内では最大規模の290万人が住んでいます。
北アフリカのパリという言葉にふさわしく、フランス統治下の影響が色濃いフランス風の建築物が立ち並びます。また内陸の旧市街部はイスラム風の建築物が多く、モスクが数多く点在しています。ヨーロッパ風の街並みと伝統的なイスラム風の街並みが共存する、エキゾチックな街だと言えるでしょう。
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アルジェのカスバ観光の見どころ
アルジェのカスバは、首都・アルジェの旧市街を構成しているエリアで、標高約120メートルの丘の斜面に広がっています。
歩くだけでもワクワクするような迷路のような街ですが、その見どころと人気のスポットをまとめました。
カスバの街並み
https://www.flickr.com/photos/magharebia/5571578146/
110302 Algiers Kasbah restoration plan unveiled | مشروع جديد لترميم قصبة الجزائر | Présentation du plan de restauration de la casbah d'Alger by Magharebia is licensed under CC BY 2.0
アルジェカスバは街全体が迷路のようになっているので、街並みを歩いて観光するのがおすすめです。日本とは違う雰囲気を楽しめますよ。街中のおすすめスポットは水汲み場と伝統的な銅細工のお店です!
水汲み場は地元の方の間では泉と呼ばれている共同の水汲み場です。泉とはいうものの、天然水が湧き出ているわけではありません。カスパ内の有志によって整備された水道です。
鍵穴を連想させる外観とアラベスク模様のタイルからなる水汲み場はアラブを感じさせるデザインとなっています。写真映えしますので、ぜひ撮影していってくださいね!
photo by Unsplash
※画像はイメージです
また、街中を歩いていると間口の小さい店がたくさんあります。その多くが伝統的な銅細工のお店です。店内はランプや鍋などが所狭しと並んでいます。一点ものの珍しい製品が置いてありますので、お土産にもおすすめです。
色々なお店も楽しめる街歩きでアルジェカスバを観光してみてくださいね。
博物館となっているケダウチ宮殿
Par Abderrahmane boudjenane — Travail personnel, CC BY-SA 4.0,
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=72978103
カスバの下層に位置するケダウチ宮殿(Dar Khedaoudj el Amia)は、1570年ごろに建てられたオスマン帝国のかつての宮殿です。数々の所有者の手を渡ってきましたが、1987年には歴史的建造物に指定されており、現在は国立民族芸術・伝統博物館(Musée national des Arts et Traditions populaires)として利用されていて、見学が可能。
館内には、アルジェリアの日常生活に密着した作品や工芸品が保存されています。その他にも2万枚以上の写真コレクションがあり、見ごたえたっぷりですよ!
国立民族芸術・伝統博物館(Musée national des Arts et Traditions populaires)の基本情報
住所: 9 rue Mohamed Akli Malek, Casbah 16000, Algeria
電話:+213-21-43-99-08
営業時間:8:30~12:00、13:00〜16:30
休業日:金曜
アクセス: アルジェ駅から車で約7分
公式SNS:https://www.facebook.com/mnatpDZ
教会にも見えるケチャワモスク
By Brahimpic - Own work, CC BY-SA 3.0,
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=35778628
カスバのふもとにある、3世紀以上の歴史を持つ大きなモスクです。17世紀にオスマン帝国によって建てられましたが、フランス統治時代にサンフィリップ大聖堂として改築、さらに独立後の1962年に再びモスクに改修された歴史を持ちます。
モスクから教会、そして再びモスクとなった歴史から、北アフリカのイスラム教的なムーア様式、東ローマ帝国のキリスト教的なビザンティン様式を融合させたユニークな建築となっています。モスクのある通りには多くの露店が出ているので、モスクと合わせてまわってみてくださいね!
ケチャワモスク(Djamaa Ketchaoua)の基本情報
住所: Q3P6+287, Casbah 16000, Algeria
電話:なし
営業時間:24時間
休業日:なし
アクセス: アルジェ駅から車で約14分
青空に映える真っ白なエル・ジェディッド・モスク
By Ludovic Courtès - File:Alger-Place-des-Martyrs-Casbah.jpg, CC BY-SA 4.0,
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=87127004
カスバの下方にあり、海を見下ろす殉教者広場にたたずむのが、エル・ジェディッド・モスクです。1660年、オスマン帝国が支配していた時代にハジ・ハビブによって建設されました。漁港に近く、地元の漁師が頻繁に訪れたことから由来して、漁業のモスクとも呼ばれています。
建物はビザンチン様式とオスマン様式の中間的なスタイルで造られ、石造りでできています。ドームを含め外観は完全に白で統一され、青空に映える美しさを堪能できるでしょう。
ミフラーブ(聖地メッカの方角の壁に設けられているアーチ形のくぼみ)はアンダルシア様式で、ミンバル(説教壇)には木の代わりに大理石が使われています。オスマン帝国の様式も取り入れられているなど、ユニークな建築となっています。アルフジェカスバにきたらモスク巡りをするのもおすすめです!
エル・ジェディッド・モスク(Djamaʽa el Djedid)の基本情報
住所: Q3M7+X6R, Boulevard Amilcar Cabral, Algiers, Algeria
電話:なし
営業時間:24時間
休業日:なし
アクセス: アルジェ駅から車で約8分
アルジェのカスバ周辺の観光スポット
アルジェカスバを訪れるなら、周辺もあわせて観光するのがおすすめです!ここでは、アルジェカスバの周辺にあるおすすめの観光スポットを3つ紹介します。
大きさに圧倒されるグランド・モスク・アルジェ
photo by Unsplash
2019年に完成した世界で3番目の大きさを誇るモスク。アルジェリア政府が10億ユーロ(約1,400億円)、6年以上の歳月をかけて完成させました。地中海を見下ろすことができ、礼拝堂には37,000人、敷地内の建物には合計120,000人もの礼拝者を収容できます。
さらにモスクにはアフリカで一番高い建物となる、高さ265メートル、37階建てのミナレットがあります。周りの建物と比べてもダントツに高いので、実際見ると驚くことでしょう。このスケールをひと目見に、立ち寄ってみてください。
グランド・モスク・アルジェ(Djamaa el Djazaïr)の基本情報
住所: P4MR+RM2, Pins Martimes El Mohammadia, Mohammadia, Algeria
電話:+213-33-33-33-33
営業時間:24時間
休業日:なし
アクセス: アルジェ駅から車で約18分
独立20周年を記念して作られた独立記念塔
photo by unsplash
1982年に、アルジェリア独立20周年を記念して建てられたモニュメントです。高台に位置しているため、アルジェの街と地中海を見下ろすことができ、観光客にも人気のスポットになっています。夜にはライトアップされ、昼とは違う幻想的な姿を見ることができます。
塔の高さは92メートルでコンクリート製。三枚のヤシの葉を立てたような形になっており、ヤシの葉の端には、アルジェリア独立戦争の各段階を象徴する兵士の像が置かれています。
独立記念塔(Memorial du Martyr)の基本情報
住所: Chemin Omar Kechkar, El Madania, Algeria
電話:+213-772-14-25-35
営業時間:24時間
休業日:なし
アクセス: アルジェ駅から車で約11分
フランスの植民地時代に作られたノートルダム・ド・アフリーク大聖堂
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アルジェの西・ボロギーヌ市にある標高124メートルの崖の上に位置している、ノートルダム・ド・アフリーク大聖堂。14年の歳月を経て1872年に完成したといわれています。
外観はドームが特徴的。内部には、19世紀に設置された46枚のステンドグラスが眺められ、この大聖堂の見どころとなっています。2003年の地震で被害が出ましたが、2007年から2010年にかけて修復作業が行われ、美しさがよみがえりました。
ノートルダム・ド・アフリーク大聖堂(Basilique Notre-Dame d'Afrique)の基本情報
住所: Basilique Notre-Dame D'Afrique 3, avenue Ali Ourak 16070 Bologhine ALGER - Algérie
電話:+213-23-15-40-19
営業時間:11:00~12:30、15:00~17:30
休業日:なし
アクセス: アルジェ駅から車で約16分
公式サイト:https://notre-dame-afrique.org/
アルジェカスバ観光に最適なシーズンは3月・10月・11月
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冬場でも比較的温暖なアルジェ。ベストシーズンは、春と秋、3、10、11月と言われています。冬が終わり暖かくなってくる3月の平均気温は18度前後。長袖シャツに薄手のジャケットもしくはパーカーがあれば快適に過ごせます。
また日差しが強い夏が終わり、涼しくなってくるのが10月、11月もおすすめ。最低気温は10〜15度前後で朝晩の気温の差が大きいため、体温調整がしやすい薄手のジャケットがあると便利です。
アルジェカスバ観光の見学方法・所要時間は?
見どころたくさんのアルジェカスバ。ここからは、アルジェカスバのツアーや所要時間についての情報をまとめていきます。
オプショナルツアーに参加するのがおすすめ
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アルジェカスバ観光は自由見学ができるものの、近年の治安の不安定さもあるため原則、警察官の同行が必要になっています。そのため、最初からオプショナルツアーを利用するのがおすすめ。プロのガイドと一緒に観光地を効率的に回ることができるだけでなく、現地の食事の心配をすることもありません。
気をつけないといけないのは、日本語のツアーが少ないことです。外国語に自信がない人がツアーを探す際は、日本語対応のツアーかどうか、必ずチェックしてくださいね。
アルジェカスバ観光に要する時間
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アルジェカスバの平均的な観光時間は、約3時間です。ツアーとなると、5時間〜8時間程度の時間を確保しているものもありますが、ツアーの方が安心感がありますし、アルジェカスバ以外のおすすめのスポットを効率よく回ることができますよ。
アルジェカスバへのアクセス・行き方
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日本からアルジェへの直行便はないため、中東経由で向かうのが一般的です。一番のおすすめは、ターキッシュ・エアラインズのトルコ・イスタンブール経由です。2023年3月の例ですが、所要時間は乗り継ぎ時間約2時間を含めて約19時間。往復で約25万円です。
アルジェリアのウアリ・ブーメディアン空港に到着してからからは、アルジェカスバまではタクシー移動が一般的で、約30分で行くことができます。空港ではタクシーがつかまえられない可能性もあるため、事前予約をしておくと安心です!
アルジェカスバ観光における注意点
観光に関する注意点は2つあります。アルジェリアはイスラム教の国なので、服装に注意しましょう。また、アルジェのカスバでは治安の問題があるので、特段の注意が必要となります。
露出の高い服装は避ける
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※画像はイメージです
イスラム教徒が多い国であるため、女性は露出の多い服は避けましょう。また、モスクを見学する際はスカーフの着用が必要です。
アルジェのカスバ観光には警察官の同行が必要
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※画像はイメージです
アルジェカスバは、狭い路地になっているため車が入れず迷路のようになっているため、治安の問題も多いです。そのためカスバの観光には、警察官の同行が必要とされています。
警察の詰所に立ち寄るか、事前に申請を行ってから観光しましょう。心配な場合は、個人旅行にせずに日本からのツアーに参加した方が安心です。
アルジェリアの治安について
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今回紹介しているアルジェカスバ以外にもテロなどの影響により、アルジェリア国内には渡航中止勧告や退避勧告が出ている地域があります。その他にも注意が必要な地域があるため、渡航前には外務省の海外安全ホームページを確認してから出発しましょう。
観光に行く際には、できるだけ飛行機を使って移動することが推奨されています。そのため、アルジェリア国内を移動する際は空路での日程を立てるようにしましょう。また、砂漠地帯を観光する際は、政府公認のガイドの同行が義務付けられているため、単独行動は避ける必要があります。
アルジェカスバの観光を満喫しよう
この記事では、アルジェカスバの観光に関する見どころや歴史、見学方法、アクセスなどをご紹介しました。あまり観光地化されておらず、現地の生活も垣間見えるアルジェのカスバは、一度は行ってみたい人気の観光スポットです。
ぜひ紹介した情報を参考に、アルジェカスバの観光を満喫してみてくださいね!
アルジェのカスバ(Kasbah of Algiers)の基本情報
住所:Kasbah Algiers Algeria
アクセス:中東経由で約19時間、ウアリ・ブーメディアン国際空港から約20km
※新型コロナウイルスの感染防止対策のため、休業あるいは時短営業をしている場合があります。事前に最新情報をチェックすることをおすすめします。
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