海がきれいな県はどこ？沖縄県を圧倒する美しい絶景ビーチを日本全国徹底調査！

きれいな海をデータで調査！

きれいな海という言葉から想像するのは、どんな海でしょうか？透明度が高い海、白い砂浜の海、珊瑚礁の海など、実は基準はあいまい。

なんとなくのイメージできれいな海をもつ県を聞くと、沖縄県が圧倒的な1位になります。しかしきれいな海＝沖縄県だと言いきれるのでしょうか。そこでまずは客観的なデータから海がきれいな県について調査しました。

水質AAの割合が上位に入る都道府県

環境省では、毎年の海水浴場のオープン前に、水浴場（湖なども含む）の水質調査を行っています。この水質とは、水の汚れを示す化学的酸素要求量（COD）と、大腸菌、油膜、透明度を総合的に評価したもの。その結果を、適（水質AA、水質A）、可（水質B、水質C）、不可に分類しています。

水質がAAならきれいだといえるので、その都道府県の水浴場の中でAAの割合がいくつになるのか、ランキングを作ってみました。

水浴場の水質AAの割合が高い都道府県ランキング

この水質調査では、沖縄県で調査された19の水浴場のうち水質AAが10で、水質Aが9。もちろんすべてが適レベルとはいえ、より上位には他の都道府県が入っているのです。

このランキングで1位になった都道府県なら、間違いなく海水はきれいだといえます。ちなみに東京都も1位になっていますが、東京都の海水浴場は東京湾ではなく、すべて伊豆諸島や小笠原諸島など諸島部のビーチです。

水質AAの数が上位に入る都道府県

上記の割合のランキングでは、上位の都道府県の海水浴場の数が少ないのも事実。海水浴場の数が多い都道府県は不利になるかもしれません。

そこで続いては水質AAを獲得した水浴場の数が多い都道府県を調査してみました。

水質AAの水浴場が多い都道府県ランキング

海水浴場が多い静岡県は、このランキングの1位の常連。たくさんある海水浴場の多くがきれいな水質だと認められています。

特筆すべきは秋田県。水質AAの割合が100％で、しかも水質AAの水浴場の数でも7位にランクインしています。

海がきれいな都道府県を代表するビーチ

ではデータで海がきれいだとわかった都道府県にはどんなビーチがあるのでしょうか？本当に沖縄県よりきれいな海なのか、あなた自身で判断してみてください！

東京都：扇池

限られた人数しか見られない！世界遺産の入り江

東京都のビーチといえば、なんといっても世界遺産の小笠原諸島が有名。竹芝桟橋からおがさわら丸に乗り、24時間かけて行くしかない小笠原諸島には、ボニンブルーと呼ばれる奇跡の海が待っています。大村海岸やコペペ海岸、境浦などたくさんの美しいビーチがありますが、なかでも別格といえるのが、南島の扇池です。

特別な保護地区である南島は、認証を受けた東京都自然ガイドの案内がなければ上陸できない島。しかもガイド1人が案内できる上限は15人と決まっているため、毎日限られた人数しか上陸できません。扇池周辺はそのようにして貴重な自然を守っています。南島に上陸するには、ボートで島南側にあるサメ池と呼ばれる入り江に入って岩場に登るか、島西側にある画像の扇池の穴からシーカヤックまたは泳いで入るしかありません。扇池はいわゆる海水浴場ではありませんが、一生に1度は泳いでみたい海。その美しさはまさに感動的です。

そんな扇池のみどころのひとつが、1000年ほど前に絶滅したヒロベソカタマイマイの半化石。扇池の崖からポロポロと落ちたものが海岸には無数に落ちていて、この海岸の歴史を感じさせてくれます。

秋田県：象潟（きさかた）海水浴場

夕日百選と快水浴場百選に選ばれたビーチ

秋田県には桂浜海水浴場や道川海水浴場などの海水浴場があり、どこも海の透明度の高さで知られています。

そんな秋田県でもとくに人気の象潟（きさかた）海水浴場は、日本海では珍しい遠浅の砂浜が広がるビーチ。ビーチサイドにカラー護岸や芝生広場が広がる人気ビーチで、秋田の湘南とも呼ばれています。

海水浴場を中心とする象潟海岸は、日本の夕日百選に選ばれている観光地。日本海に沈む夕日の絶景を眺めることができます。また遠浅の砂浜と磯遊びができる小磯があり、海水の透明度がとても高いことから日本の快水浴場100選にも選定。オートキャンプ場に隣接しているため、キャンプと海水浴を同時に楽しむこともできます。

福井県：水島

夏だけ行ける北陸のハワイ

福井県には水晶浜や若狭和田海水浴場、三国サンセットビーチなどたくさんの人気海水浴場があります。なかでも特別なビーチとされているのが、水島です。

水島は7月と8月だけ観光船で渡ることができる無人島。敦賀半島の先端に浮かぶ小さな島で、エメラルドグリーンの遠浅の海と白い砂浜の美しさから北陸のハワイと呼ばれています。島の景観を守るため、建物は簡易トイレがあるだけ。お店などはなく、水上バイクやバーベキューを禁止にするなど厳格なルールで自然を保護しています。

浅瀬でもたくさんの魚を見ることができるのは大きな魅力。流れついたきれいな貝殻を拾ったり、磯遊びをしたりと、美しい海を満喫できますよ。

徳島県：田井ノ浜海水浴場

阿波八景のひとつにも選ばれている海岸

徳島県には、大砂海水浴場や北の脇海水浴場、月見ヶ丘海水浴場などの人気海水浴場があります。その中で水質はもちろん絶景でも知られているのが、田井ノ浜海水浴場です。

田井ノ浜は、長さ約1.5キロもある美しい白砂の海水浴場。室戸阿南海岸国定公園の中にある入り江で、西日本でも屈指の水質で知られています。またその景観の美しさから阿波八景のひとつに数えられ、瀬戸内でもとくに美しいといわれるスポットのひとつです。遠浅で波が穏やかなので子どもが遊びやすいのもうれしいポイントですよ。

海水浴場がオープンする7月中旬から8月上旬には、海水浴場まで徒歩3分のJR田井ノ浜駅が臨時で開設。この時期だけはとてもアクセスしやすくなります。

熊本県：茂串海水浴場

海亀の産卵場所としても有名な海岸

熊本県で人気の海水浴場は、樋合海水浴場（パールサンビーチ）や白鶴浜海水浴場、富岡海水浴場など。そのなかでも自然のままの姿が美しいことで知られているのが、茂串海水浴場です。

茂串海水浴場は大河ドラマ『武蔵』のクライマックスのロケが行われたことでも知られる海岸。砂浜と岩場の部分があり、ウミガメが産卵に訪れる豊かな自然が魅力です。

時間によってコバルトブルーやエメラルドグリーンに海の色が変わることでも有名。夕日の名所としても人気です。また海水の透明度はトップクラス。素潜りでもたくさんの熱帯魚を見ることができます。

静岡県：ヒリゾ浜

船でしかいけない伊豆の秘境海岸

静岡県には東伊豆の熱海サンビーチや西伊豆の岩地海水浴場、浜松の弁天島海水浴場など、バラエティ豊かな海水浴場があります。そのなかでも特別な美しさを誇るのが、ヒリゾ浜です。

ヒリゾ浜は、伊豆半島の最南端に位置するビーチ。断崖絶壁に囲まれて隔絶された場所にある、まさに秘境です。ここは徒歩や車ではアクセスできず、近くの港から出航している渡し船を利用しなければ行くことができません。しかも船が出るのは7月から9月ごろまでの3ヶ月間のみ。そのためきれいな海が保たれています。しかも陸地から土や砂などが流れ込まない地形。にごりが少なく、ばつぐんの透明度を誇ります。

黒潮に乗って訪れる南国の季節回遊魚や大物の魚が見られるのもポイント。スキューバダイビングやシュノーケリングの人気スポットにもなっています。

新潟県：笹川流れ

日本屈指の透明度を誇る奇跡の海岸

新潟県には二ツ亀海水浴場や瀬波温泉海水浴場など美しい日本海を堪能できる海水浴場がたくさんありますが、海の美しさで有名なのはなんといっても笹川流れです。

笹川流れは、国の天然記念物に指定されている海岸。日本海沿いの幅11キロのエリアで、たくさんの奇岩の間を川のように潮が流れることから、笹川流れと呼ばれています。特徴は海の底までくっきり見えるほどの透明度。その美しさは日本屈指です。水が透明な理由は近くに大きな川がないから。大きな川がある海岸には土砂を含んだ川の水が流れ込むため、どうしても濁ってしまいますが、笹川流れの地域には花崗岩の岩場を流れ落ちてくる清流しかありません。そのため海が土砂で濁ってしまうことがないのです。

また海岸沿いに並んだたくさんの奇岩も特色。花崗岩の絶壁が海に向かって大きく突き出し、日本海の波によって削られることで奇岩や洞窟などが数多く見られる入り組んだ海岸ができました。

そんな笹川流れは美しいビーチでも有名です。なかでも笹川流れの中心地にある笹川海水浴場は人気のビーチ。左右を険しい岩場に囲まれた白い砂浜で、澄んだ海と絶景を堪能できます。

兵庫県：竹野浜海水浴場

山陰海岸屈指の景勝地でもあるビーチ

兵庫県の太平洋側には新舞子海水浴場や須磨海水浴場などの人気ビーチがあります。一方で水質の良さで知られているのは、日本海側の竹野浜海水浴場。快水浴場百選や日本の渚百選にも選ばれている名所です。

水質や透明度は関西屈指。山陰海岸ならではの美しい海と真っ白な砂浜でも知られています。砂のキメが細かく、サラサラしているのも特徴。海藻類が少ないため気持ちよく泳げるといわれています。遠浅の海岸は小さな子どもの海水浴デビューにもぴったりです。

山口県：角島（つのしま）

美しすぎる大橋でおなじみ！絶景の島

山口県のビーチといえば、瀬戸内のハワイともいわれる周防大島の片添ヶ浜海浜公園や、鳴き砂で知られる清ヶ浜海水浴場が有名。そしてもうひとつ絶景で有名になったのが角島（つのしま）です。

角島はまるで沖縄のようだと話題になった角島大橋で渡る島。周囲約17キロの小さな島で、その周囲は白い砂浜とコバルトブルーの海に囲まれています。釣りや海水浴、キャンプなどさまざまなレジャーが楽しめるリゾート地として人気。とくに全国でも屈指の透明度を誇る角島大浜海水浴場には多くの観光客や海水浴客が訪れます。

またのんびりした牛の放牧風景や御影石でできた角島灯台、夕日の美しさも見逃せないポイント。絶景ビーチを眺めながら眠れるキャンプ場もありますよ。

その他の都道府県の絶景ビーチ

ここまでは海水浴場の調査で水質の上位に入った都道府県の海岸をピックアップしましたが、他の県にも奇跡のように美しい海があります。

岩手県：浄土ヶ浜

極楽浄土にもたとえられる絶景

浄土ヶ浜は、さながら極楽浄土のごとしともいわれる景勝地。真っ白な浜辺と真っ青な海のコントラスト、隆起した白い流紋岩と松の緑が織りなす絶景が見事で、三陸を代表する人気スポットになっています。

海水浴場としても人気ですが、さっぱ船と呼ばれる小型漁船に乗っていくツアーもおすすめ。浄土ヶ浜内湾にある名所と青の洞窟と呼ばれる海食洞をめぐることができますよ。

和歌山県：白良浜（しららはま）

温泉も楽しいまっ白な砂浜の海岸

白良浜（しららはま）は名前の通りの白い浜が約620メートル続く海岸。関西を代表する美しいビーチとして日本の海水浴場百選にも選ばれています。

白良浜はハワイのワイキキビーチと友好姉妹ビーチの関係。海岸沿いには椰子の木が並び、南国リゾートのような気分が味わえます。花火やビーチヨガ、トライアスロンなどたくさん開かれるイベントも人気。海水浴シーズン以外にも楽しみがたくさんあります。

この白良浜周辺は日本を代表する温泉地のひとつ。ホテルに泊まって温泉と海の両方を楽しむのもおすすめですよ。

高知県：柏島

船が宙に浮いて見える！でおなじみの海

柏島は、宿毛湾の南に突き出た大月半島の先端にある島。半島とは2本の橋でつながっています。この島は透明度の高いエメラルドグリーンの海が特徴。あまりに透明なので船が宙に浮いて見える光景で有名になりました。

このあたりは豊後水道と黒潮の流れがぶつかる海域。そのため魚種が豊富で、世界有数のダイビングスポットにもなっています。また柏島橋のたもとや柏島白浜、竜ヶ浜キャンプ場は海水浴ができる海岸として人気。浅瀬でもサンゴや熱帯魚を観察することができます。

長崎県：高浜海水浴場 

五島列島のシンボルといわれる海岸

高浜海水浴場は、美しく豊かな海で知られる五島列島のシンボル。日本の水浴場88選や日本の渚100選にも選ばれています。水平線まで広がる海はコバルトブルー。そして浅瀬はエメラルドグリーン。そのグラデーションは日本一美しい海と称されることもあります。

干潮時に砂浜に現れる幻想的な模様も必見。この模様はリップルマークと呼ばれるもので、押し寄せる波と引いていく波が砂を動かして作られます。

高浜海水浴場のそばを走る国道384号線は、日本の道百選にも選ばれている絶景ドライブコース。こちらもおすすめですよ。

鹿児島県：永田いなか浜 

日本一のウミガメの産卵スポット

屋久島の永田いなか浜は、白い砂が美しい海岸。この砂は永田川の流れに乗って屋久島の奥岳から運ばれてくる風化花崗岩砂です。

そんな永田いなか浜は日本一のウミガメ産卵地としても有名。5月から7月にかけてたくさんのアカウミガメやアオウミガメが産卵のために上陸します。ウミガメの産卵・孵化シーズン（5月1日～8月31日）の夜間はウミガメの保護のため、許可なく海岸に立ち入らないのがルール。その代わりに5月1日から7月31日にはウミガメ産卵の観察会が開催されます。

やっぱり行きたい！沖縄県の絶景ビーチ

日本の各地には美しい海がたくさんあります。ではアンケートで日本一といわれる沖縄県にはどのような海岸があるのでしょうか。

最後に、やっぱりきれいすぎる沖縄の海を紹介しましょう。

ティーヌ浜

恋人たちの聖地として人気の浜

日本の絶景で上位に選ばれることも多い古宇利島大橋を渡っていく古宇利島。その北側にあるのが、ティーヌ浜です。ここはロマンチックなハートロックで人気の海岸。航空会社のCMに使われてから恋人たちの聖地として知られるようになりました。

このハートロックの撮影は角度が決め手。2つの岩を重ねるとハート型に見えるほか、2つの岩の隙間が逆ハート型にみえる角度もあります。

水納島（みんなじま）

マリンレジャーも楽しいクロワッサンアイランド

水納島（みんなじま）は、上から見ると三日月型なのでクロワッサンアイランドと呼ばれている島。沖縄本島の渡久地港から高速船のニューウィングみんなに乗って訪れる小さな島です。

上陸すると白い砂浜が広がり、海の色はまさにエメラルドグリーン。島の西側にある水納ビーチではたくさんのマリンレジャーを楽しむことができます。また美しい海を眺めてのんびり過ごすのもおすすめです。

ハテの浜

東洋一の絶景ビーチは海に浮かぶ砂州

ハテの浜は、久米島の東側の沖合に浮かぶ長さ約7キロの3つの砂州。すべてがサンゴのカケラだけでできている真っ白な浜で、東洋一ともいわれる絶景のビーチが360度に広がっています。

ここは船でしか行くことができないビーチ。送迎船に乗って約20分で到着します。その眺めはまさに天国。海水浴やシュノーケリング、バナナボートやSUP、グラスボートなどのマリンアクティビティも充実しています。また絶景のサンセットサンセットツアーも人気ですよ。

与那覇前浜（よなはまえはま）ビーチ

こちらも東洋一！美しい宮古ブルーと白い砂のビーチ

宮古島の与那覇前浜（よなはまえはま）は、白い砂浜が7キロも続くビーチ。ハテの浜と並んで、東洋一美しいといわれています。

特徴は宮古ブルーと呼ばれる透き通ったエメラルドグリーンの海と、きめ細かく白い砂。海水浴にもぴったりで、ジェットスキーやバナナボートなどのアクティビティも豊富。また夕陽の名所としても人気です。

宮古島から橋を渡っていく伊良部島と、その隣の下地島にも美しいビーチはいっぱい！なかでも下地島の17エンドと呼ばれる海岸は、白い浜と海の美しさ、そして目の前の空港に着陸する飛行機の迫力で人気です。

川平（かびら）湾

石垣島を代表する絶景の湾

川平（かびら）湾は、石垣島だけでなく、沖縄を代表する景勝地として人気のスポット。潮の流れが速いため遊泳禁止となっている代わりに、グラスボートでサンゴや魚をじっくり見ることができます。また湾内の無人島に上陸して探検できるツアーやマングローブクルーズのツアーなども人気です。

川平湾は、海の色が天候や時間帯によって七色に変化するのが特徴。高台のカフェやテラスで海の色を眺めてゆっくり過ごすのもおすすめです。

イダの浜

船でしかいけない秘境の楽園ビーチ

イダの浜は西表島の船浮（ふなうき）というエリアにあるビーチ。海の透明度と美しさは西表島でも一番だといわれています。船浮は陸路ではいけない地域。定期船に乗っていくしかありません。そのため人工物のない手つかずのビーチで秘境感を満喫できます。

とはいえイダの浜は遠浅の海なので子どもでも安心。近くの船浮集落のお店でトイレや有料のシャワーを借りることもできます。

日本のきれいな海へ行こう！

沖縄の海は、やはり間違いのない美しさ。しかし日本各地には沖縄にも負けないほどの透明度と美しさを誇る海があります。

きれいなビーチといえば沖縄と決めつけてしまうのはもったいない！ぜひ日本各地の美しい海を体験しにいってみてくださいね。

cover photo by PIXTA