玉山は台湾にある絶景スポット！登山ルートやアクセス方法などを解説

玉山の基本情報

台湾で最も高い山として知られる玉山。まずは、玉山の歴史や特徴などの基本情報を解説します。

富士山より高い！台湾最高峰の山

玉山は標高が3,952メートルある台湾最高峰の山。日本一高いことで知られる富士山の標高が3,776メートルなので、富士山よりもさらに高いことになります。

一帯は台湾自然生態保護区として管理されていて、自然豊かな場所。玉山を中心とした約10万ヘクタールの範囲は、玉山国家公園として指定されています。西側にはウーロン茶で有名な阿里山があり、セットでの観光が人気です。

玉山の歴史

台湾に原住民が住んでいたころから存在する玉山ですが、日本が台湾を統治していたころは日本の山として扱われていました。

標高が富士山よりも高かったことから、明治天皇は「新高山（にいたかやま）」と命名。1941年に発令された大日本帝国海軍の暗号電文として有名な「ニイタカヤマノボレ1208」は、玉山の日本名に由来するものです。

台湾が返還される際に、名称は再び玉山へと戻りました。しかし、その後は軍事拠点として重要な場所に位置付けられたことから簡単に入山できなくなります。

現在も自然保護の観点から入山には事前許可が必要ですが、以前と比べれば観光客でも訪れやすくなっています。

玉山山脈は3つの県と市にまたがる

玉山は「玉山主峰」とも呼ばれており、玉山東峰、玉山北峰など複数の山とともに、玉山山脈を形成しています。

玉山山脈は南投県、嘉義県、高雄市という3つの県と市にまたがる巨大な山脈。雄大な自然を感じられると、台湾人だけでなく外国人にも人気のある、台湾の有名な観光スポットのひとつです。

玉山登山の見どころ！人気の玉山登山ルートを解説

玉山には複数の登山ルートがありますが、その全てが気軽に登れるわけではありません。なかには非常に難易度の高いルートもあります。

この記事では、玉山の登頂ルートとしてもっとも一般的な、玉山群峰ルートの見どころをご紹介。主要なポイントを事前に把握して、楽しい登山の参考にしてくださいね。

始まりは塔塔加（たたか）鞍部からスタート！

入山手続きを済ませたら、玉山登頂ルートの出発点である「塔塔加鞍部」へ向かいましょう。

塔塔加鞍部は、標高2,610メートルのところにあります。すでに眺めがいいと評判の場所なので、山頂の景色に期待が高まるでしょう。

塔塔加鞍部まではシャトルバスに乗ってアクセスするのが一般的ですが、最寄りの駐車場から歩いて行くことも可能です。好みに合わせて選んでくださいね。

猛禄亭（もんろうてい）で自然に癒やされながら少し休憩

しばらくすると見えてくるのが、猛禄亭と呼ばれる休憩所。ベンチに座って、ここまでの疲れを癒やしましょう。

3月〜5月の春にはツツジやシャクナゲの花が咲き誇ります。さらなる絶景に期待を寄せながら、ゴールに向けてパワーをチャージしてくださいね。

白木林展望台から大峭壁へ

猛禄亭から約2時間歩くと、白木林展望台に到着します。天気がよければここから玉山主峰が見えるため、チェックしてみてください。

大峭壁は海底からせり上がった巨大な一枚岩。自然の強さに圧倒されるでしょう。大峭壁から約1時間歩けば、宿泊地点である排雲山荘に到着します。

排雲山荘で一泊する

玉山に登る際は、排雲山荘に宿泊するのが一般的です。日本統治時代の1943年に建てられたこの建物は、2013年の改装で現在の姿になりました。

食事や飲み物の提供があるほか、トイレ・食堂・キッチンといった設備も一通りそろっているため、快適に過ごせます。宿泊には人数制限があるため、必ず事前の予約や食事の手配の確認をしてくださいね。

【ゴール】山頂で日の出を見よう！

玉山の見どころは、なんといっても山頂から眺めるご来光。排雲山荘を早朝に出発したら、いよいよ山頂へ向かいます。岩場が多くて足元がよくないため、注意して歩いてくださいね。

排雲山荘を出発してから約2時間半歩き続けると、ついに山頂に到着。日の出前には、山の向こう側から太陽がゆっくりと昇り始め、あたりが少しずつ明るくなってきます。日が昇り始めてから15分くらいすれば姿が完全に見えるようになり、ついにご来光です！

オレンジ色に染まる美しい雲海を見れば、疲れもあっという間に吹き飛ぶでしょう。

玉山登山に最適なシーズンは？

せっかく日本から行くのであれば、玉山登山ではルート上で咲き乱れる花や山頂からの絶景を楽しみたいですよね。

玉山の魅力を十分味わうには、最適なシーズンを選んで登ることが大切です。では、いつがベストシーズンなのでしょうか。玉山登山に最適なシーズンを解説します。

ベストシーズンは晴天率の高い10・11月

玉山登山のベストシーズンは、晴天率の高い10月と11月です。比較的天候が安定しているためおすすめの季節ですが、朝晩と日中の寒暖差が大きいため、体調には注意したいところ。

服装を調節しやすいよう、薄手のパーカーやカーディガンを持っていくのがいいでしょう。

登山可能な時期は4～12月

10月と11月以外でも、玉山に登ることはできます。3〜5月は野花がきれいに咲くため、お花を見るのが好きな方におすすめです。

7〜8月は気温が高くなるシーズンなので、熱中症に注意する必要があります。水分補給をこまめに行い、万全の体調で臨みましょう。台風が来ることも多いため、天気予報にも気を配る必要があります。

12月や2月は冬にあたります。基本的には日本よりも暖かいですが、冷え込む日もあるため、すぐあたたかい格好ができるよう準備しておきましょう。

1月は閉山期にあたります。この時期は登れないため避けましょう。

玉山登山に入山手続きは必要？費用や手続き方法

玉山登山をしたいけど、どれくらいの時間がかかるのか、事前にどんな手続きが必要なのかわからずお悩みの方も多いのではないでしょうか。

ここからは、登山に必要な手続きや費用、所要時間などをご紹介します。玉山登山をこれから考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

玉山登山には入園・入山許可が必要！

玉山へ登るには、事前に入園・入山の許可を取得する必要があります。入園は、玉山国立公園に入園するための手続き、入山は玉山に登るための手続きです。また、排雲山荘の宿泊にも人数制限があるため、セットで申し込みをします。

入園許可・排雲山荘の宿泊枠には、1日24名の外国人枠があります。この枠で予約するには入山日の4か月前〜35日前までの手続きが必要なので、希望する場合は早めに準備しましょう。

玉山の入園・入山許可はオンラインから申し込みOK！

入園手続きは、排雲山荘への宿泊予約とセットになっています。台湾国家公園の公式サイトから予約できるため、画面の指示にしたがって進めてください。申請画面では、名前や住所、パスポート番号、生年月日などの情報を入力します。

申し込み手続きは日本語でOKです。台湾の言葉や英語がわからなくても問題ないので、安心してくださいね。

現地では、申請時に提示された入園申請番号とパスポート、入園料が必要です。排雲登山服務中心（排雲登山ビジターセンター）で支払いを済ませると入園許可証が発行されます。その後、入園許可証を持ってすぐ近くの警察署に向かい、名前などの情報を記入。入山手続きも完了します。

玉山の入園・入山・宿泊にかかる費用は？

玉山の入園・入山・宿泊にかかる費用は次のとおりです。

排雲山サービスセンターから玉山登山口までは歩くこともできます。登山をめいいっぱい楽しみたい方は、サービスセンターから歩いて頂上を目指してくださいね。

ツアーに参加するのもおすすめ！費用は約20万円〜

登山に必要な手続きを自分で行うのが面倒な場合は、ツアーに参加するのがおすすめです。ツアーならば、入園・入山許可は代行してもらえます。ガイドや送迎もつくため、登山だけを集中して楽しむことができるでしょう。

ツアーの費用は、往復の航空券も含めて約20〜30万円が相場です。仕事が忙しい方、海外旅行に慣れていない方は、ぜひ検討してみてください。

玉山登山に要する時間 

玉山へ登るには、途中にある排雲山荘で1泊するのが一般的です。そのため、最低でも2日間はかかると考えておきましょう。日本から玉山登山するツアーの日程は、日本〜台湾の移動も含めてトータルで4日間が一般的です。

登山だけが目的なのか、玉山以外も観光するのかなど、各自のプランに合わせて最適な日程を検討してくださいね。

玉山へのアクセス・行き方

玉山登山の拠点となる都市は嘉義。嘉義から阿里山へ行き、そこから玉山まで向かう方法が一般的です。ここでは、一般的な移動方法と費用を節約する移動方法について解説します。

最も一般的な移動は高鐵と貸し切りチャーター

玉山へ行く方法として最も一般的な移動方法は、台湾の新幹線である高鐵と、阿里山からの貸し切りチャーターを使うことです。

まず、台北から高鐵で嘉義駅まで向かいます。嘉義からバスで阿里山まで行き、さらに玉山まで貸切チャーターを手配してアクセスしましょう。アクセスにかかる時間は、次のとおりです。

貸し切りチャーターの費用はバスよりも高いですが、時間を気にせず移動できるのがメリット。自身のペースで移動できるため、特にこだわりがないならばこの方法がおすすめです。

費用を抑えるならば高鐵とバス

嘉義駅から玉山まではバスでもアクセスできます。バス移動は貸し切りチャーターよりも費用が安いため、移動費を節約したい方におすすめです。

費用を抑えて移動できる一方、バスの本数が少ないのはデメリット。阿里山から玉山へ行くバスは1日に1本しかないため、逃したら翌日まで待たなければなりません。バスでの移動を考えている方は注意してください。

玉山での登山を満喫しよう

この記事では、玉山の観光に関する見どころや歴史、見学方法、アクセスなどをご紹介しました。玉山は、海外で登山を経験したい方におすすめのスポットです。

ぜひ紹介した情報を参考に、玉山の観光を満喫してみてくださいね！

※記事内のレートは2024年6月10日現在、1NTD＝4.84円で計算しています。
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