株式会社JHATは、「hotel MONday」を中心に、複数のブランドでホテル・アパートメントホテルを全国に展開しています。なかでも35〜50平米の広さにキッチンや洗濯機を備えた「アパルトタイプ」は、利用者の約9割がインバウンドのお客様。そのうち半分ほどが欧米からの旅行者です。
フロントに立つスタッフが1〜2名という施設が多いことから、電話対応を減らす目的で、以前からチャットボットを導入していました。ただ運用を続けるなかで、FAQを登録し続ける負担、施設ごとにばらつく回答のトーン、そして「真の意味での多言語対応」ができていないという課題が浮かび上がってきます。
NEWT Chatへの乗り換えを決めた背景と、その後の現場の変化について、経営企画本部の磯野智貴様に伺いました。(聞き手:令和トラベル 受田)

アパルトタイプは約9割がインバウンド。特徴の異なる複数ブランドを全国に展開
──まずは、展開されているブランドの違いと、客層について教えていただけますか。インバウンドのお客様の比率や国籍の傾向など伺えると嬉しいです。
磯野さん:弊社のブランド「MONday」は、大きく「ホテルタイプ」と「アパルトタイプ」に分かれます。特徴的なのはアパルトタイプで、35〜50平米ほどの少し広めのお部屋に、キッチンや洗濯機がついています。1部屋にたくさんの人数でお泊まりいただけて、長く滞在できるところにフォーカスして作っているのが、ブランドとしてのメインです。
そのほかにもいくつかブランドがあります。「GRAND MONday」は上位ブランドで、お部屋の作りがゆったりしていて、サービスも手厚めです。最近オープンした「GRAND MONday Resort」は滞在型のリゾートブランドです。「TABI」はより和に特化したブランドで、必ず畳があるなど、特に欧米のインバウンドの方に好んでいただけるデザインにしています。また、デザイン性を打ち出した「ICI HOTEL」や「Good MONday」も展開しています。
客層の比率は、アパルトタイプで大体9割ぐらいがインバウンドの方、TABIだともっと多いような感じです。そのうち大体半分、50%ぐらいがヨーロッパとアメリカで、残りは東南アジアや台湾などが多いですね。コミュニケーションは基本的に英語が一番多いと思います。いろんな国の方がいらっしゃるので、スタッフの配置も外国籍のスタッフが結構多く、英語と日本語、プラスもう1つご自身の母国語で話せるという対応でシフトを回しています。

「一度見直しをしよう」。DX推進の棚卸しで、チャットボットが対象に上がった
──磯野様の担当領域と、今回のNEWT Chat導入ではどのお立場で進められたかを教えてください。あわせて、チャットボットの見直しがどういう流れで始まったのかも伺いたいです。
磯野さん:担当は2つあります。メインは経営企画本部で、オーナー様とのやり取りや新規施設に向けた契約書の準備、年間予算の計画などを担当しています。
もう1つがDX推進です。会社にもともとこうした部署がなかったこともあり、プロジェクトごとに会社のDX、特にAIを中心とした導入や社内展開、トレーニングを進めています。AIの領域では、実際にClaude Codeを使って社内業務のアプリケーションを作ったり、手作業で作っていたレポートを自動化したり、社内のダッシュボードを作ったりしています。
チャットボットの見直しは、システム全体の棚卸しから始まりました。私が入社した時点でシステムを見る部署がなかったので、まず各部署がどんなシステムやサービスを導入しているのかを調査するところからのスタートです。チャットボットについては、サイトの負荷がすごく重かったこと、そして私は社内の予算も作っているのですが、システム費用のなかでも結構な割合を占めていたことから、「これは見直しできないか」と考えました。ちょうどそのタイミングで、NEWT Chatのご案内をいただいた形ですね。
「自分たちで登録をずっとし続けないといけない」。FAQ運用が生んだ、終わらない更新作業
──もともとチャットボットを導入されていた目的と、実際に運用されてから見えてきた課題を伺えますか。
磯野さん:そもそもの目的は、電話対応を減らすことでした。比較的少なくなってきてはいますが、現場に電話がかかってくるケースはやはりあります。弊社の施設は40部屋、50部屋という規模で、部屋数がすごく多いわけではないので、フロントに立つスタッフも1人か2人というケースが多いんですね。電話を取ってしまうと、フロントにいらっしゃったお客様に対応できなくなってしまう。そこで、なるべく電話を減らそうという試みからチャットボットを入れた、という経緯だと聞いています。
実際、現場が電話で対応しなくても良くはなりました。ただ、回答の準備としてFAQを裏側に登録しておかないといけないので、幅広い形で自分たちで登録をし続けないといけない。さらに、ホームページの内容が変われば、その都度更新していかないといけない。別の工数が発生してしまっていたというところが、大きな部分かなと思います。
施設ごとにばらついた回答と、「真の意味での多言語対応」ができていなかったこと
──言語面や、回答の品質についてはいかがでしたか。
磯野さん:当初使っていたチャットボットは、言語について、利用者自身が多言語設定から選ばないといけないという、UX的な問題が少しありました。実際にお問い合わせいただいていたのは、おそらく日本人の方ばかりだったと思います。なので、真の意味での多言語対応にはケアできていなかった部分があるかなと思います。
回答の品質については、施設ごとの運用になるので、FAQの言葉の使い方が登録するスタッフだったりだとか施設によって結構バラバラになってしまっていました。同じような回答でも、長文で丁寧な施設もあれば、すごくシンプルな施設もある。うちはいくつかブランドをやっていますし、同じブランドのなかでもトーン&マナーを揃えるところは、課題だった部分ではあります。
NEWT Chatを試してみませんか?
無料トライアルはクレジットカード不要。導入効果や料金プランは資料で詳しくご覧いただけます。
決め手は「サイトの負荷」「言語対応」「メンテナンス」「価格」の4点。切り替えは埋め込みタグの差し替えだけ
──他社サービスも比較されたと伺いました。最終的にNEWT Chatを選ばれた理由と、お客様に接するものを入れ替える不安、そして実際に切り替えてみてどうだったかを伺えますか。
磯野さん:いくつかのサービスを比較したのですが、やっぱりAIで回答しますというところは、そもそもそんなになくてですね。実際にヒアリングしてみると、以前導入していたものと同じように「FAQに情報を貯めていってください」というケースが結構ありましたし、対応する言語数にも制限があるものが多かったと思います。
うちが決め手にしたのは「サイトの負荷」「言語対応」「メンテナンスがほぼ不要」「価格」の4点です。この4点で、社内の稟議を上げさせていただきました。
切り替え自体は、かなりスムーズにできたと思います。埋め込みタグを差し替えるだけで、基本的には全部切り替えられました。準備期間にやったことといえば、テスト画面をいただいて、施設の人にいろんな質問をしてもらい、FAQの内容にミニマム答えられているかをチェックしたぐらいです。
なので、1個1個現場に行って説明してということもいらなくなりましたし、導入としてはすごくスムーズでした。メンテナンスも基本的に施設側では不要になったので、説明にかかるコストも大きく削減できたと思います。

「すごく会話してるような感じ」。機械的な回答から離れ、施設ごとのトーンも揃った
──これまでのチャットボットとの違いを一番感じられたのは、どの辺りでしたか。
磯野さん:お客様側と、運用側の2つに分けてお話しします。まずお客様に対しては、AIが自然言語でしっかり答えてくれるので、チャットとしてはすごく会話しているような感じになっています。機械的な回答になっていないところは、1つ大きなメリットだと思います。以前に比べると、1回でのやり取りが結構あるというデータも出ています。
運用側では、メンテナンスや品質をどう担保するかにかける工数が、今までに比べて要らなくなったところが大きいですね。回答が自然なAIになって、トーンもある程度揃っている。そこは気にしなくても良くなった部分かなと思います。
電話よりチャットのほうが、海外からは問い合わせやすい。増えている実感と、サイト改善の構想
──チャットのやり取りを見ていて、傾向として見えてきたことはありますか。そこからサイトやサービスを改善する動きもあれば伺いたいです。
磯野さん:データとして、外国の方の利用率がすごく増えてきてるなっていうのは肌で感じています。お電話をされるのは基本的に日本の方で、しかも現地にいらっしゃってからかけるケースがほとんどです。海外から電話をかけるのは、ハードルがすごく高い。今まではOTAのメールで問い合わせるぐらいしか手段がなかったと思うのですが、気軽にチャットでお問い合わせいただくケースがすごく増えています。直販における外国人のお客様のご予約の割合も、肌感では増えてきているのかなと思います。
改善の動きについては、定期的にレポートを送っていただいているので、それを元に社内でも体制を作って改善していければと考えています。「この辺りに問い合わせがたくさん来ている」「この辺りが分かりにくくなっている」といったことを定量的に出していただけるのは、すごくありがたいですね。ホームページの改善や表現の見直しなど、今後いろいろな動きができてくるんじゃないかと思っています。
次はチャットでの予約完結へ。同業に薦めたいのは「導入の簡単さ」と「多言語対応」
──最後に、今後の活用方針として期待されていること、検証を進めていただいている電話対応のAI化、そして同業の方に薦めるとしたらどんな言葉で薦めるかを伺えますか。
磯野さん:まずは、予約まで完結できる体制です。Web上にスタッフがいて、最後の予約完結までサポートできるような形は取りに行ければと思っています。弊社はグループ内に複数のホテルがあるので、例えば探していたホテルが満室だったり、価格が合わなかったりした場合にも、「近隣にこちらもありますよ」とお伝えできる。今まで人が提案できていたことがWebのなかで完結できれば、ご予約いただけるケースはもっと増えてくると思うので、その辺りは是非やっていければと考えています。あわせて、滞在中のお客様とのやり取りや回答にも対応できれば、サービスとしての幅も広がると思っています。
電話対応のAI化については、新しくご案内いただいたAIサービス「NEWT Voice」で検証を進めているところです。
同業の方に薦めるとしたら、大きく2つあります。1つ目は導入の簡単さです。こちらで準備することがほぼなく、ホームページを繋いでいただくだけでテスト画面ができて、試してみて良ければそのままタグを埋め込んでリリースできる。このリリースのスピード感はどこにも負けないところだと思うので、まず試してみるだけでも、すぐいけると思います。
2つ目は多言語です。いろんな国のお客様に見ていただけるホームページは、ホテルとして作っていかないといけませんし、OTAで入るお客様も、データによっては自分たちのホームページを一度見て比較されています。そこで細かいところをチャットで対応できるという部分は、すごく大事な部分かなと思います。
──FAQを作り続ける運用から離れて、施設ごとのトーンも揃い、これまで届きにくかった海外のお客様の声も拾えるようになった。私たちとしても本当に嬉しいお話でした。本日はありがとうございました!
※記事内のサービスおよび施設に関する情報はインタビュー時点のものです。現在は異なる場合がありますので、予めご了承ください。

